Facebook、インチキネタ投稿の排除を進める

Facebookでは「私のすべてのFacebook写真には著作権があります」とか「無料航空券進呈」とか「雪男目撃される」とかいったたぐいのネタ投稿が毎日大勢の騙されやすい人々を釣り上げている。こういう投稿をシェアしてしまった人々はやがて友人たちからのコメントでそのことを指摘され、あわてて投稿を削除することになる。Facebookはこうした嘘ニュースの投稿をニュースフィードから排除する取り組みを進めている。

Onion〔日本の虚構新聞〕のような風刺サイトの記事は大量にシェアされているし、Facebookもそういう嘘ニュースのシェアを禁止しようとしているわけではない。ただし、ネタ記事にひっかかってシェアしている投稿の表示数を減らし、さらに「これは嘘記事かもしれない」という警告を表示することにした。

長年にわたってFacebookでは数ヶ月置きに「Facebookがユーザーの投稿に著作権を主張している」ことを非難するバイラルの波が押し寄せ、そのコピペがニュースフィードに氾濫する。これはまったく馬鹿らしい。Facebookがそんな主張をしたことはないし、そもそもソーシャルメディアへの投稿には著作権など成立しない。

Facebookはこうしたデマがどのように伝搬するんのか調査し、レポートを公表したことがある。今回Facebookはそうした研究を生かして、デマ、ネタ投稿の拡大を抑制するアルゴリズムをニュースフィードに組み込んだ。このメカニズムはユーザーが一旦なにかを共有してから削除する例をチェックする。また「この投稿は嘘記事だったので非表示にする」という新しいオプションを加えた。Facebookは人力で記事の真偽を判定することはしない。その代わりにユーザーの行動から統計的にネタ記事と判断するわけだ。

実はネタ記事、嘘記事の排除は一見するよりずっと重要だ。一つにはユーザーはニュースフィードにネタ記事だろうと昔のZyngaのゲーム・スパム、くだらないジョークインチキ臭い広告その他なんであれ、不快な記事を見つけるとFacebookを非難する。また共有したユーザーも非難される。そうした不快な経験はユーザーがFacebookを訪問する回数を減らす方向に働くだろう。これはもちろんFacebookのビジネスにとって好ましくない。

そのためFacebookはニュースフィードから不快、不正な投稿を排除する努力を重ねてきた。ニュースフィードに表示できるコンテンツもユーザーのアテンションも有限である以上、有害無益な投稿にスペースを占領されてはページの自然なリーチの減少を招くことになる。嘘記事を排除することはそれだけ有用な記事のスペースが増えるわけだ。

Facebookの努力で「客観的に無益、不快な投稿」が効果的に排除されるようになるのは大いに結構だが、将来は「他人の赤ん坊の写真」のように「主観的に無益、不快」な投稿をユーザーが一括フィルターできるような機能を提供してもらいたいものだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


「アメリカ心理学会が自撮り写真を精神障害に分類」というニュースは事実無根のジョークだった

〔この記事はSarah Buhrの執筆〕

アメリカ心理学会が大量の自撮り写真を公開することは精神障害の一種と認定したというニュースは、この週末、キム・カーダシアンとカニエ・ウェストの結婚式と共にソーシャルメディアの大きな話題になった。念のためにお知らせしておくが、この話は風刺サイトが掲載したジョークで、まったく事実ではない。

この釣りネタがかくまで急速に広まったのは、多くの人々が「そうであればいい」という願望を抱いていたからではないだろうか。ソーシャルメディアにひっきりなしに自撮り写真を投稿しFacebookのタイムラインを溢れさせる迷惑なユーザーがいることは事実だ。

しかし自撮り愛好家は精神障害ではないのはもちろんだが、一部のフェミニストは自撮りは若い女性の自己確立を助けるものとして積極的に評価している。その意味で、自撮りに「精神障害」のレッテルを貼ろうとするのは女性が自信を持つことを貶めようとするものかもしれない。

もちろん自撮り写真をむやみにソーシャル・メディアに投稿するのは多くの人を不愉快にさせるし、本人の評判を悪くする。しかし一部のフェミニストは自撮り写真が若い女性に自信を与える効果があるとしている。この問題では #feministselfies というタグで昨年末からTwitter上で議論が続いている

事実、Aol/Todayが今年1月に実施した“身体に関する理想と現実のイメージに関する調査によると、若い女性の65%は「自撮り写真は自信をつけてくれる」と回答している。SlateのRachel Simmonsは若い女性の自撮りは、男子には奨励されるが女子には否定されてきた社会的な自我の主張だと考えている。

もちろん、行き過ぎた自撮り中毒者となれば問題だ。Danny Bowmanというティーンエージャー(両親は心理学者)は毎日200枚も自撮りするという。彼は「いくら撮っても思うような写真が撮れないので自殺を考えた」そうだ。もちろんBowmanは極端な例だ。これは自撮り中毒というよりむしろ身体醜形障害という心理的障害の一種として考えるべきだろう。

ソーシャルメディアに自撮りを大量にアップする若い女性をバカだと笑うのは簡単だが、これは同時に、 かつてヒステリーを女性特有の症状としていたように、既存の社会規範に当てはまらない女性の振る舞いを矮小化しようとする試みの一つでもあるのかもしれない。

〔日本版:オリジナルの記事を掲載したジョーク・サイト、The Adobo ChroniclesはApple、Samsung、NokiaはAPAの認定を受けてフロントカメラを廃止すると発表という「フォロー記事」も掲載している。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+