弱小でも人気の高いホスティングサービスDigitalOceanが、CoreOSをサポートして大規模クラスタにも対応

わずか数年前に開業したDigitalOceanは、早くも、誰もが気軽に使える仮想サーバを提供するホスティングサービスとして、有名になってしまった。しかし同社自身は、個人のためにWordPressのブログをホストするとか、デベロッパのために月額5ドルのテストサーバを提供するといったレベルには満足せず、次のステップとしてCoreOSのサポートをこのたび発表した。CoreOSはコンテナを前面に打ち出したLinuxディストリビューションで、アプリケーションの大規模な展開に適している。

DigitalOceanの協同ファウンダでCMOのMitch Wainerは今日(米国時間9/5)の声明文で次のように述べている: “CoreOSにはコミュニティの熱気がある。デベロッパが今すぐにでもCoreOSを使い始められることを、ここに発表できることは、とても喜ばしい。CoreOSの高い障害耐性と大規模なスケール能力を、みなさまにご享受いただきたい”。

DigitalOceanによれば、CoreOSもうちで使えば気軽なお値段で試用できるし、コンテナはどのクラウドサービス上のものでも使える、という。

CoreOSのクラスタを動かすことは、一台のサーバの上でUbuntuの最新バージョンを動かすことほど単純ではないので、DigitalOceanで使用ないし試用する場合でもいくつかの作業が必要だ。まず、新しいサービス(DigitalOceanの用語では“ドロップレット(droplet)”)を作るときには、構成ファイル(コンフィギュレーションファイル)が必要だ。つまりCoreOSは、自分がどことどこのサーバにアクセスするのかを、知る必要がある。構成ファイルを作るのは難しくはないが、それほど些細な作業でもない。

CoreOSのサポートを加えたことによってDigitalOceanは、単なるベーシックな仮想サーバの提供者から脱皮しようとしている。しかし今後AWSやGoogle Cloudなどと真剣に競合していくためには、それも欠かせぬステップの一つだ。

同社の協同ファウンダのBen Uretskyがこれまで何度も言っていたように、同社は増大する需要に対応していくのが精一杯で、基本的な製品開発、たとえばサポートするディストリビューションの種類を増やすといったことが、どうしても後回しになりがちだった。しかし最近DigitalOceanは巨額な資金を獲得してスタッフも増員したから、今回のCoreOSのサポートのような、新しいことにも、十分、注力していけるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


コンテナベースのWP/DrupalホスティングPantheonが$21.5Mを調達, デベロッパツールの充実へ

DrupalやWordPressによるプロフェッショナル向けのホスティングを提供しているPantheonが今日(米国時間5/15)、シリーズBで2150万ドルの資金を調達したことを発表した。このラウンドを仕切ったのはScale Venture PartnersのRory O’Driscoll、これにOpenView Venture PartnersのDev Ittycheriaが参加した。前からの投資家Foundry GroupとRound Capitalもこのラウンドに参加した。

同社は2012年にDrupalホスティングとしてスタートしたが、近年、成長著しいWordPressホスティング市場にも参入した。同社がホストするサイトは約65000で、昨年9月に比べるとほぼ10000増加した。

PantheonのCEO Zachary Rosenは、今回の資金の用途を同社のホスティングプラットホームの改良の継続、とした。またチーム(とくにサポートチーム)の増員とパートナーシップへの投資も構想している。ただし当面いちばん力を入れるのは、プロフェッショナルなサイトを作るデベロッパを支援する、各種プロダクトの構築を継続することだ。

Pantheonには月額25ドルのパーソナルプランもあるが、これは主に、デベロッパがテスト用に利用している*。実際のエンドユーザ向けのプランではない。〔*: デベロッパからの利用は基本的に無料。〕

Pantheonのホスティング技術は、今のWebホスティングの主流である仮想マシンではなくコンテナを使用する。それと、同社のインフラストラクチャが相まって、各サイトにきわめて高い可利用性と、トラフィックスパイクの強力な吸収能力を提供する。

同社の投資家たちも、このユニークなインフラに関心を持っている。Rosenによると、彼は主に、小さな急成長企業を大きな出口に導いた経験が豊富で、とくにSaaSの分野に経験のある投資家を求めている。O’DriscollはOmnitureとExactTargetでそれを経験しているし、Box、Chef、DataSift、Docusignなどにも投資している。IttycheriaはBladeLogicの協同ファウンダでCEOだったが、同社は2008年にBMCが9億ドルで買収した。

 

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WordPressホスティングのMedia Templeがgitを統合化, 高度なバージョン管理をいながらにして

WordPress(WP)は今や、全世界のWebサイトの20%以上で使われている。だから当然ながら、WPによるWebサイトの構築と稼働を支援する‘WordPressホスティング企業’も数多く栄えている。

Media Templeはその世界の比較的新顔で、ひと月あまり前にWordPressによる有料のホスティングサービスを立ち上げた。そして今日は、バックアップとリストア、gitの統合、WP用のこのサービス専用の新しいテーマなど、いくつかの新しい機能を加えた。

Media Templeのバックアップ機能は、30日以内ならリストアできる。自分自身で、WPの自分用インスタンスを立ち上げて動かしているサイトなら、WordPress本体のバックアップサービスを利用できる。期間30日までのプランが月額5ドルだ。でもMedia Templeのようなやり方では、‘別のサービスを利用する’という感覚がなくて、WPそのものの機能のようになるから使いやすい。またMedia Plan自身としても、WP Engineなど、すでにバックアップ機能のある競合他社と並ぶ意味でも、遅まきながらこの機能を提供せざるを得ない。

gitを統合したことにより、ユーザはMedia TempleのWPホスティングサービスの内部でコンテンツのバージョン管理ができる感覚になる。またMedia Template上の自分のサイトにユーザは、これからはSSHからアクセスできる。

なお、新たに提供されるテーマは、写真家向けを意識しているそうだ。これはMedia Temple専用テーマとしては第二弾だ(上図)。

また来週月曜日から可利用になるささやかな新機能として、同社のWPホスティングのユーザになるとき、サービス側が提供するドメイン名でなく、自分独自のドメインも使える(すでに持ってれば)。同社によると、プロフェッショナルなWebサイトを作るときには、その機能が便利だろう、と。

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ホスティングのLinodeが$45Mを投じて全面SSD化、ユーザRAMを倍増

ホスティングの世界はDigitalOceanなど新人の登場によりこのところ競争が激しくなっており、おかげでユーザはさまざまな漁夫の利を得ている。今日(米国時間4/17)は中堅のLinodeが4500万ドルを投じて、そのサービスの基盤であるハードウェアとネットワーキングインフラストラクチャを改良する、という競合対策を発表した

具体的には、全ユーザのRAMを一律に倍増し、ハードディスクをやめてSSDに切り替え、料金は据え置く。また各サーバのネットワークスループットを2Gbpsから40Gbpsに拡大する。

SSDへの移行は、このところホスティング屋さんたちのスタンダードになりつつあるから、それほど意外ではない。DigitalOceanはそれをマーケティングの軸にしているし、MediaTempleも大きな投資をしている。Linodeによると、SSDを使うと新たなサーバの準備と立ち上げが1分以下でできるし、アプリケーションのレスポンスタイムもよくなる。

同社はさらに、プロセッサを更新した(Intel Xeon E5 2680v2 Ivy Bridge)。これによりLinode上の典型的な仮想マシンは、パフォーマンスを落とさずに仮想CPUの数を減らせるし、コンテンションも少なくなる。

Linodesの料金は前と変わらず、最低が月額20ドル(または1時間0.03ドル)だ。最低レベルのサーバは、RAM 2GB、SSD 48GB、仮想CPUコア2、データ転送量3TB、アウトバウンド帯域250Mbps、という仕様だ。

同社によると、今回のアップデート によってLinodeは単なるVPSプロバイダから、AWSやRackspace、IBMなどと横並びできる本格的なクラウドホスティングプロバイダになる。料金は月額制から従量制に移行し、実際にサーバを動かした時間に対して課金される(上表の月額は‘上限額’)。それはクラウドサービスのプロバイダのほぼスタンダードだが、サービスの内容が今の単なる標準サーバの提供以上に濃くなるのか、そこらはまだ明らかでない。

Linodeの既存のユーザは自分のダッシュボードからアップグレードできるが、その間、約20分のダウンタイムが生じる。ただし32ビットのカーネルを使っているユーザは、切り替えが2か月後になる。新規ユーザのサーバは、最初から新しいハードウェアの上で動く。

画像クレジット: Bob Mical, CC 2.0のライセンスによる

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管理サービスつきWordPressホスティングサービスの新顔Medi Temple–SSDで高パフォーマンスを低料金化

好むと好まざるとに関わらず、WordPressがコンテンツ主体のWebサイトのためのデファクトのソリューションでありつづけていることは、否定できない。本家のWordPress.comだけでなく、WP Engineに代表されるような、WordPress専門のホスティングサービスも過去数年にわたっていろいろ登場している。今日(米国時間3/4)は、Media Templeという名のサイトが、この競技場に参加してきた。

同社の料金は、最大3つまでのWordPressのインストールで月額29ドルと、かなり思い切った低料金だ。その後WPのインスタンスが一つ増えるたびに月額9ドルが加算される。しかもこの料金で帯域制限はなく、月間ページビューが数百万になっても、料金は変わらない。

Media TempleのプロダクトマネージャDante Bakerによると、同社の管理サービスつきWordPressホスティングは、デベロッパやデザイナーがワンクリックでセットアップでき、サーバのセットアップとかパフォーマンスやスケーリングの問題などに自分で対応する必要がない。類似のサービスと同様、アップデートは自動化され、またバックアップはワンクリックでできる。

Media Templeがとくに自慢するのは、新しいサイトを顧客と共有しながらテストしていくときの、ステージング環境が提供されることだ。そして、いよいよ本番展開となったら、“go live”ボタンを押すだけでよい。

同サイトの将来のユーザ候補たちがメール機能の内蔵を希望したので、Media Templeのユーザダッシュボードにはカスタムデザインのメールプラグインがあり、そのユーザのMedia Templeのインボックスを表示する。こういったプラグイン類やそのほかの変更事項は、今後WordPress本体のオープンソースプロジェクトに合流してほしい、と同社は期待している。

サービスの直接の顧客は、これからサイトを作るデベロッパやデザイナーだが、さらにMedia Templeは、有料のテーマを集めたマーケットプレースや、同社が作ったデフォルトのテーマ集も提供している。だから企業やブロガーなどのエンドユーザも直接、同社のユーザ顧客になれる。

“今WordPressのコミュニティは有料の高度な機能に飢えているね”、とBakerは言う。“これまでのホスティング屋さんたちは、WordPressとそのユーザなんか眼中になかった。だからうちは、低料金で相当高度なWordPressホスティングサービスを提供できることを証明したいのだ”。

サポートは24/7である。同社独自のユーザスキル認定方式があり、また初心者ユーザ向けと高度なデベロッパ向けという二段階のヘルプ技術者チームを擁している。実は、同社のWordPress歴は長い。同社はこれまで、Gridという、ふつうのWebホスティングサービスを運営してきたが、そのユーザサイトの1/3がWordPressベースのサイトであり、しかもGrid上のトラフィックの60%がこれらのサイトのものだ。したがってCPU負荷率でいうと、70~80%がWordPressサイトで占められている。

同社の新たなWordPress専用ホスティングサービスも、そのインフラはGridと同様で、ストレージのほとんどをSSD化している。また高いパフォーマンスを維持するために独自のキャッシングシステムなど、一連のパフォーマンス関連サービスを提供している(そのため、ユーザ自身が独自にキャッシングプラグインをインストールしてはいけない)。

Media Templeは昨年GoDaddyに買収されたが、今でも別企業として操業している。今後は徐々に新しい機能を増やしていくとともに、有料テーマのための専属デザイナーチームも作りたい、とBakerは言っている。とりあえずこの夏には、Gridの方の新しい機能集合をローンチする予定だ。またストレージインフラのSSD化率も、今後一層高めていきたい、と。

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WordPressによるWebサイトホスティングとその後の管理&メンテサービスを提供するFlywheel

ネブラスカ州オマハのFlywheelは、Webデザイナーやフリーランスの人たちや企業/お役所などのために、WordPressをホスティングして管理も代行する。

WordPressは単なるブログツールからどんどん進化して、今ではWebのデザイナーやデベロッパたちが彼らの顧客のためにいちばん多く選ぶCMSフレームワークだ。ただし彼らには、そうやって立ち上げた顧客のWebプレゼンスをその後、管理したり細かく微調整したり云々というひまもやる気も専門的能力もない。しかも立ち上げの時点では顧客のアカウント取得、WordPressのインストール(新規または移行)、コンテンツ、プラグイン、テーマなどのお世話は最低限必要だ。

Flywheelは、こういった面倒のすべてを引き受ける。ユーザに代わってサーバ管理もやるし、ユーザのクライアントたちに対する課金事務も行う。複数のユーザ同士がコラボレーションすることもでき、そのためにホスティングアカウントとSFTPサーバへのアクセスを彼らに認める。このサービスはDigital Oceanのサーバ上で動き、新しいサイトを約20秒で立ち上げることができる。すべてのユーザに最初は無料のデモアカウントを提供し、本番サイトが立ち上がるまでそれを利用できる。無料サイトも、パスワードで保護される。

FlywheelのCEO Dusty Davidsonによると、大きく進化したWordPressの現状は、それを利用してサイトを作る人たちのほとんどが技術屋ではないし、ホスティング環境を自分で管理することには関心がない。そこでFlywheelが彼らに代わって、キャッシング、セキュリティの強化など、サーバ管理の部分を担当する。Flywheelを使ってもWordPressのユーザ体験には何の変化もなく、ユーザ自身がプラグインやテーマをインストールしたり、そのほかの変更を加えてもよい。

Flywheelのホスティングプランは、最小プランが月間ビジター数5000未満のサイトで月額15ドルだ。同社によると、いちばん利用者が多いのは、ビジター数25000まで、月額料金30ドルというプランだ(ストレージ10GB、帯域500GB)。料金にはマルウェアの監視も含まれるが、月額75ドルのエンタプライズプラン以外では、CDNやSSLを使う場合の費用はユーザが負担する。企業などで同時に10から25のサイトを立ち上げる場合は、割引料金がある。

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クラウド・ホスティングに新星―DigitalOceanはシンプルさと低料金を武器にAWSに挑戦する

DigitalOceanはウェブ・ホスティングの世界で急速に注目を集めつつあるサービスだ。月5ドルでRAMが512MB、SSDで20GBの容量のバーチャル・サーバ(ここではDropletsと呼ばれる)が利用できる。アメリカに2箇所、アムステルダムに1箇所のデータセンターがある。

共同ファウンダー、CEOBen Uretskyは私の取材に対して「われわれはスピートとシンプルさ、そして何より低価格を武器にしてライバルに挑戦している」と語った。

その挑戦はこれまで成功している。この数ヶ月、DigitalOceanはアメリカでもっとも急成長したクラウド・プロバイダーとなっている。現在25万2760のバーチャル・サーバが作成されている(KVM〔カーネル・ベース・バーチャル・マシン〕とSSDを利用しているため、バーチャル・サーバの設定は55秒以下ですむ)。Netcraftによれば、DigitalOceanがホストするIPドメインは2012年12月にはわずか140だったのに、今年の6月には7134に増加した。

出身はTechStars

しかしUretskyによれば、DigitalOceanがここまで来るのにはそれ相当の苦闘を経験している。創立されたのデンバーで開催されたTechStarsの2012年夏期のインキュベーション・プログラムだった。この際、Slicehostのファウンダー、Jason Seats他のTechStarのメンター〔アドバイザー〕の推薦がいに役立った。しかし創立当初はクラウド・ホスティング分野で新たなスターアップが成功すると考える人間はほとんどいなかったという。Uretskyと共同ファウンダーたちはサーバ・ホスティング業界で15年働いており、テクノロジーについても起業についても十分な経験を積んでいた。しかしUretskyたちはあえてTechStarsのアクセラレータ・プログラムに参加することを決めた。それはUretskyの最初の起業では得られなかったメンターのネットワークに入ることが必要だと考えたからだった。

DigitalOceanチームはライバルについて詳しい研究を行い、綿密な競争戦略を立てた。Uretskyは「どんな会社もその核心はマーケティングだ」と考えている。DigitalOceanチームが重視したのは、AmazonWeb ServicesやAzureのようなクラウド・プラットフォームを利用するのは相当に経験を積んだデベロッパーにとってさえ非常に複雑で手間のかかる作業だという点だった。

そこでチームはサーバの立ち上げのシンプルさに重点を置くことにした。DigitalOceanの管理ダッシュボードを見るだけで、そのことはすぐに理解できる。この画面には長いリストやたくさんのボタンが並んではいない。パーツはゆったり配置され、サーバのブートもシャットダウンもわずか2クリックで完了する。現在DigitalOceanがメインのターゲットとしているデベロッパーは個人や少人数のスタートアップだ。そのようなユーザーはシンプルさ、柔軟性、オンデマンドの拡張性を必要としている。

UretskyによればDigitalOceanはすでに黒字化を達成しているという。外部の専門家の多くはこのような低料金で収益性が確保できるかについて懐疑的だったが、Uretskyは「われわれがスケールアップするにつれてハードウェアもネットワーク帯域も大口割引が受けられるようなり、コストダウンに成功できた。われわれは十分なマージンを確保している」という。

近くデータセンターと機能の拡張へ

DigitalOceanはブラジルにデータセンターを建設予定だ。またアジアでもシンガポールか香港にデータセンターを置く準備をしている。その次はインドだ。同社は急成長に対応して最近28名の社員を新規採用している。ベータテスト中の新機能には予めコンフィグレーションをすませ即時に立ち上げ可能なLAMPサーバなどがある。

〔日本版〕実際にUbuntu上のWordPressサーバを新規に立ち上げてみたが、支払い手続きも含めて数分で設定が完了する。支払いにはPayPalが利用できる。 OSはUbuntu、CentOS、Debian、ArchLinux、Fedora。アプリケーションはWordPress、Ruby on Railsなど。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+

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