InVisionがバーチャルホワイトボードツールに新機能追加、パンデミック下での需要急増に応える

新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響を受けない企業はない。Airbnbは特にこのブラックスワンで打撃を受けやすい企業で、短期間のうちに急激な変化を強いられている(未訳記事)。企業向けコラボレーションツールでさえ同様で、Boxは製品ロードマップを再検討してリモートワーカーが使いやすいツールにしようとしている。

InVisionもユーザー行動の変化を知り、これに対応している。同社の共同作業ホワイトボードツール「Freehand」のユーザーが急増し、新機能をいくつか追加した。

同社によれば、Freehandは2020年3月以降、週間アクティブユーザー数が130%増えたという。

新機能には複数の色、サイズ、テキストオプションを備えた付箋や、チームがホワイトボードを使う出発点となるテンプレートがある。新しいテンプレートはブレインストーミング、ワイヤーフレーミング、振り返り、スタンドアップ、ダイアグラム、アイスブレーカーの6種類があり、近々さらに追加される予定だ。

さらにInVisionは、Freehandに「プレゼンテーション」モードも追加した。

Freehandのバーチャルホワイトボードの広さは無制限なので、文字通り無限にズームアウトできる。制限は、これを使うチームの創造力だけだ。「プレゼンテーション」モードでは、チームリーダーがバーチャルホワイトボードの表示権限を持ち、コンテンツを部分ごとに表示しながらチームをガイドできる。

FreehandはMicrosoft TeamsやSlackと統合できる。また、ユーザーが任意のブラウザに「freehand.new」と入力して新規ホワイトボードを使い始めることのできる新しいショートカットもある。

興味深いことに、Freehandがユーザーを増やしているのは本来のユーザー層と考えられるデザインやプロダクト、エンジニアリングのチームだけではない。人事、マーケティング、ITなど組織全般のさまざまな部署が、Freehandを使ってプロジェクトやタスクの共同作業をするようになっている。Freehandユーザーの60%以上は、デザイン以外のチームだ。

これまでにあった機能もさらに洗練されている。新しくなったツールバーでは、描画の他、整列、色、透明度の設定が簡単になった。線を正確な矢印に変えたり、ダイアグラムのエンドポイントを調整したりする操作もしやすくなった。

Freehandの注目すべき点のひとつは、ホワイトボードそのものの利用を民主化できることだ。時間や場所の制限がなく、マーカーを持って部屋の前方に立ちふさがる人もなく、会議前でも会議中でも会議後でも、チームの全員が参加して意見やアイデアをホワイトボードに書き足せる。

InVisionのプレジデントであるDavid Fraga(デビッド・フラガ)氏は「ホワイトボードやFreehandのようなバーチャルホワイトボードの利点として、時間や場所の制限がなくなることが挙げられる。そのためチームは民主的なインプットを生かすミーティングを効率よく運営できる。一度に話したり書き足したりするのは1人だけというコストがあると同期的なコラボレーションがうまくいかないが、そのコストがかからなくなる」と述べた。

InVisionはこれまでにFirstMark、Spark、Battery、Accel、Tiger Global Managementなどの投資家から合計で3億5000万ドル(約375億8000万円)を調達した。現時点で登録ユーザーは合計700万人以上、Fortune 100のすべての企業が同社の製品を使っていることを誇る。InVisionは、ARR(年間経常収益)1億ドルクラブの一員でもある。

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(翻訳:Kaori Koyama)

GoogleやFacebookも使っているデザインツールFramer Xの魅力は開発工程の上流下流への柔軟な対応

デザインツールはどの企業にとっても、ますます重要になっている。今日はそのレースに、新人が入ってきた。

新人とは言ったが、Framer Xは三年前にできたFramerの改造バージョンであり、ファウンダーのKoen BokとJorn van Dijkはさらにその前の2011年に、デザインソフトのSofaをFacebookに売っている。そしてFramer Xは、Reactベースのリッチなデザインツールで、どんなデザイナーでもインタフェイス成分を描けて、それらを技術者のコラボレーションチームに送れる。

その鍵は、再利用性と忠実な再現性だ。Framer Xでは、技術者たちが今本番開発に使っている成分を送って、デザイナーたちはそこから仕事を始められる。逆にデザイナーはボタンやアイコンをデベロッパーにファックスで送るのではなく、その成分のSVGコードをデロッパーに送れる。

[Framer Xはベクターツール]

Framer Xではまた、ユーザーがFramer Xのストアで成分やそのほかのデザインアイテムをパッケージとして集め、デザインの過程でそれらに容易にアクセスできる。Framer XのFramer X Storeは一般公開されているので、たまにデザインをするような人が経験豊富なプロのデザイナーの作品をベースに仕事を始められる。

また、企業がその社内だけで使うプライベートなストアを、Framer Xの上に開ける。

Framer Xの使用料はユーザー一人あたり月額15ドルだが、企業のプライベートなFramer Xストアは、企業の規模などに応じて適宜課金される。

Framer Xの強敵といえば、InVision, Adobe, Sketchなどだ。

同社によると、現在の月間アクティブユーザーは約5万、企業ユーザーは200社だ。その中には、Google, Facebook, Dropboxなどもいる。資金はこれまで、Greylock, Foundation Capital, Designer Fund, Accel Europeなどから900万ドルを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

内部コミュニケーションの充実で完成度を高めるプロトタイピングツールInVision が$11.6Mを調達

多くのWebデベロッパやデザイナーに人気のプロトタイピングツールInVisionが最近、FirstMark CapitalとTiger Globalによる1160万ドルのシリーズAラウンドを完了した。

ニューヨークで2011年にローンチした同社は、デザイナーたちが容易にプロトタイプを共有し、それらと対話し、フィードバックを得られることをミッションとする。ユーザはPhotoshopのファイルをWebに容易にアップロードでき、対話機能を加えてシミュレーションし、しかもそれらをすべて、ふつうのブラウザと一つのリンクでできる(パスワードによる保護もできる)。

2012年の2月にInVisionはFirstMarkによる150万ドルのシードラウンドを調達した。同社はその後、プロトタイプをめぐる会話の活性化に務め、いまではとても多くの人たちが会話に参加している。

ファウンダClark Valbergの説明によると、これまでプロジェクトの最終的なルック&フィールをめぐるデザイナーとコーダーのあいだのコミュニケーションは、内輪の人たちだけに限られていた。しかしInVisionを使うと、その会話が全社的になり、いろんな人からフィードバックが非同期で得られるようになった。

情報量が多くなりすぎてたいへんだろう、と思う方もおられるだろうが、でもデザインが完熟する前にプロダクトをローンチするリスクの方が大きい。しかしこれには異論もあり、複数のデザイン案が完成してからコーディングを開始すべきと主張するスタートアップもある。また、プロダクトの早期リリースが何よりも重要で、磨き上げはユーザからのフィードバックに依存すればよい、という説もある。

Valbergは以前本誌に対して、ユーザフィードバックによる段階的な磨き上げに反対ではないが、内部的な磨き上げを十分やらずに一般ユーザの手に渡ってしまうと、制御不能な深刻な問題が発生することもある、と述べた。

新たな資金は主に、さらなる顧客開拓に使われる。同社の顧客は、小さなスタートアップから大企業に至るまで、非常に幅広い。最近では有意義な(と思われる)パートナーシップの構築も進めており、マーケティング努力の充実や新機能の開発も今後のスケジュールに上(のぼ)っている。

InVisionのビデオVimeo上のInVisionより。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))