安価な汎⽤デバイスで高速エッジAIを実現する「Actcast」のIdeinが20億円を調達

安価な汎⽤デバイスで高速エッジAIを実現する「Actcast」のIdeinが20億円を調達

Idein(イデイン)は10月28日、エッジAIプラットフォーム「Actcast」(アクトキャスト)の事業拡⼤に向け、第三者割当増資により20億円の資⾦調達を実施ししと発表した。引受先は、アイシン精機、KDDI(KDDI Open Innovation Fund3号)、双⽇、DG Daiwa Ventures(DG Lab 1号投資事業有限責任組合)、DGベンチャーズ、伊藤忠テクノソリューションズ、いわぎん事業創造キャピタル(岩⼿新事業創造ファンド2号投資事業有限責任組合)。これにより累積資⾦調達額は約33億円となる。

安価な汎⽤デバイスで高速エッジAIを実現する「Actcast」のIdeinが20億円を調達Ideinは、2020年1⽉にActcastの正式版をリリース。Actcastエコシステムにおいて重要なパートナプログラム「Actcast partners」を拡⼤させ、現在71社が参画している。さらに4⽉には事業開発部を創設し、すでに複数の事例・PoC案件を抱えており、Actcast事業の本格的な拡⼤に向けたスタートラインにあるという。同社は、Actcast事業の拡⼤をより着実に実現させ、さらなる成⻑への⾜がかりとすべく、事業戦略ラウンドとして位置づけた資⾦調達を実施したとしている。

また引受先の多くが、事業会社およびその関連会社であり、Actcastの⾃社および事業での活⽤について取り組む重要なパートナーとなっている。Ideinは、今回の資⾦調達を経て、そのパートナーシップをより強固なものとし、Actcast事業の拡⼤を加速させていく。

安価な汎⽤デバイスで高速エッジAIを実現する「Actcast」のIdeinが20億円を調達

Actcastは、エッジデバイス上で画像解析AIなどを実⾏して実世界の情報を取得し、ウェブと連携するIoTシステムを構築・運⽤するためのプラットフォームサービス(PaaS)。セキュリティ、産業IoT、リテールマーケティング、MaaSなど様々な分野で利用可能としている。

安価なデバイスを⽤いてエッジ側で解析を行うことで、不要な情報を送信せず運⽤コストを削減すると同時に、本社側データベースなどに個人情報につながるデータを蓄積しないなど、プライバシーへの配慮も⾏いながらAI/IoTシステムの普及を実現するという。

Ideinによると、AI/IoTシステムにおいて、クラウドだけでなくエッジの計算資源を活⽤しようという⼤きな流れがある⼀⽅、現状ではその実⽤化には課題が存在しているという。その課題を解決する⾰新的な技術およびプラットフォームとしてActcastを開発した。

Ideinは、安価な汎⽤デバイス上での深層学習推論の⾼速化を実現した、世界にも類を⾒ない⾼い技術⼒を有するスタートアップ。同社技術を⽤いたエッジAIプラットフォームActcastを開発し、実⽤的なAI/IoTシステムを開発・導⼊・活⽤する開発者・事業会社へのサービス提供。今後もパートナー企業とともに、AI/IoTシステムの普及に貢献していく。

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カテゴリー:人工知能・AI
タグ:IoTActcastIdeinエッジコンピューティング資金調達日本

探し物トラッカーTileの検知システムが東急線全線88駅に導入、電車や駅での忘れ物が検知可能に

探し物トラッカーTileの検知システムが東急線全線88駅に導入、電車や駅での忘れ物が検知可能に

Tileは10月23日、探し物トラッカー「Tile」(Android版iOS版)および検知システム「Tileアクセスポイント」を活用した追跡サービスについて、東急電鉄東急線全路線88駅に導入されると発表した。鉄道会社では日本初の導入。10月26日から追跡サービスが開始され、電車・駅での忘れ物が検知可能となる。

    • 設置場所: 東急線全線合計88駅(東横線・目黒線・田園都市線・大井町線・池上線・東急多摩川線・こどもの国線・世田谷線)
    • こどもの国線: 恩田、こどもの国を除く
    • 世田谷線: 西太子堂、若林、松陰神社前、世田谷、宮の坂、山下、松原を除く

Tileは、世界累計3000万台が販売され、世界約195の国・地域で導入されている忘れ物検知サービス。東急電鉄では、常時TileのBluetooth電波を拾うTileアクセスポイントを東急線88駅の窓口に設置。Tileを取り付けた鍵・財布などの忘れ物が駅窓口に届けられると自動かつ匿名で接続し、位置情報を持ち主のアプリに通知する。その結果、電車内・駅構内での忘れ物を早期に発見でき、より安心して東急線を利用できるようになるとしている。

なお、自動通知サービスの利用には、Tileユーザーは紛失アイテムをTileアプリ上で選択し、「見つかったら通知」を押して、紛失物として登録する必要がある。

探し物トラッカーTileの検知システムが東急線全線88駅に導入、電車や駅での忘れ物が検知可能に

探し物トラッカーTileの検知システムが東急線全線88駅に導入、電車や駅での忘れ物が検知可能に

同社は、Tileを付けた持ち物が屋外でも発見されやすくなるように、駅など落とし物・忘れ物が発生しやすい場所を中心に「Tileアクセスポイント」の設置・拡充を推進。今回は、2018年7月から東横線・田園都市線渋谷駅で実施したTile試験導入の結果、一定の効果が見込めるものと判断され、実現したものという。

東急電鉄によると、東急線全線では年間約37万件(2019年度実績)の忘れ物が発生しており、そのうち落とし主に返還できた忘れ物の数は約40%に留まっているそうだ。これにより、駅での保管場所不足や、落とし主に返還されない忘れ物の該当警察への送付作業による駅係員の業務負担増などの課題も生まれている。東急電鉄は、探し物トラッカーTileを導入し、追跡サービスを利用できる乗車客が増えることで、忘れ物のさらなる返還率向上を目指すとしている。

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カテゴリー: IoT
タグ: IoT(用語)tile東急電鉄

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

ゼロゼロワンは10月19日、SaaS型IoT機器検索エンジン「Karma」(カルマ)の新機能として、IoT機器のセキュリティリスクを可視化する機能の提供を開始した。

Karmaは、インターネットに接続された国内のIoT機器情報を網羅的に検索するサービス。「SHODAN」(ショーダン)や「Censys」(センシス)など既存IoT検索エンジンでは困難な国内で流通するIoT機器の機種特定について、独自開発の判別方式(シグネチャ)によりモデル名やファームウェアバージョンなど詳細な機器情報の判別を可能としている。

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

IoT検索エンジン「Karma」がセキュリティリスクを可視化する新機能を追加

2020年6月からKarmaを提供開始したところ、「セキュリティリスクを視覚的に把握したい」というニーズを受け、可視化する機能を追加したという。

今回の新機能では、Karmaが検索したIoT機器について、既存の脆弱性情報やファームウェアバージョンなどからセキュリティリスクを評価・分類。すぐに使用を中止した方が良い機器や対処が必要な機器を「高リスク」、設定や運用方法によってはセキュリティリスクが生じ得る機器を「注意」とする2種類のリスクレベルを用意。さらに、セキュリティリスクレベルの判定の根拠となる情報をタグ情報として可視化した。

セキュリティリスクレベルとタグ一覧(抜粋)

    • end_of_life(サポート終了): サポートが終了している機器。脆弱性が新しく発見されたとしても修正されることはないため、ただちに対処が必要
    • leaked_credential(認証情報が漏洩): 管理者権限で利用できるIDおよびパスワードが流出している機器。アクセスされた時点で設定情報の窃取・改ざんが可能なため、ただちに対処が必要
    • vuln_001(ゼロデイ): ゼロゼロワンが解析した結果、リモートからのShellの乗っ取りや、管理画面への侵入が可能など、重大な重要性があると判明した機器
    • no_updates(1年以上更新なし): ファームウェアが最後に更新されてから1年以上経過している機器。機器メーカーが明言していないものの、サポート期間が終了している可能性があり、注意が必要
    • known_credential(認証情報が既出): デフォルトIDおよびパスワードが既知である機器。設定を変更していない場合、容易に不正にアクセスされるため注意が必要
    • no_auth(認証機構なし): 使用にあたり認証を必要としない機器。機密性が求められる業務に使用するには注意が必要

これらのセキュリティリスクレベルおよびタグ情報については、Karma検索結果の一覧・詳細画面でも確認できるようラベル付けしている。

検索結果一覧画面

検索結果一覧画面

詳細ページ画面

詳細ページ画面

2019年8月設立のゼロゼロワンは、IoT機器開発事業者向けに、設計段階におけるセキュリティ面での不安解消や想定外の脅威を作らないための支援を行うとともに、IoT機器を安全・安心に利用してもらうための啓蒙活動を行うスタートアップ企業。IoT機器の普及にともない、インターネットに繋がることが当たり前になった時代の不安を取り除くとしている。

事業の柱として、公開情報を情報源とするOSINT(オシント。Open Source INTelligence)を含め様々な情報を可視化する検索エンジンであるKarmaと、より安全な製品開発のためのコンサルティングサービスを推進している。

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カテゴリー: セキュリティ
タグ: IoTOSINTゼロゼロワンKarma日本

150の超小型人工衛星でIoT用ネットワークを提供するSwarmが安価な料金を発表

Swarm Technologiesの新しい人工衛星のネットワークは低帯域幅、低消費電力の接続性を提供することを目的としている。同社はその料金体系を発表した。それによると、119ドル(約1万2600円)のボードがプロダクトに統合されて販売される予定(Swarmリリース)なので、ホームセキュリティ用のカメラは無理でも、果樹園の蜂の巣モニター(未訳記事)や野生保護区の監視プラットフォームには計り知れない価値があるかもしれない。

Swarmのボードはガム1枚ほどの大きさで、IoTデバイスが必要とするデータレートと低消費電力で常時接続を提供する。結局のところ気圧モニターや地震活動検知器、携帯電話の通信範囲から遠く離れた場所で作動する車両などは、ほんの数バイトのデータを送受するだけだ。

これらのデバイスを従来の非同期衛星ネットワークに接続することはもちろん可能だが、高価でかさばる上に電力を消費する。Swarmは同様のサービスを1/10の料金で提供する。同社の基本データプランでは、1パケットあたり最大200バイトのパケットを毎月最大で750パケットまで提供する。大した量ではないが、多くのアプリケーションにとっては十分だ。

画像クレジット:Swarm

精密農業やスマート海運、ロジスティクスなどの成長産業では、インターネットの接続費用を抑え、接続性を高めることが重要だ。世界中のどこからでも1時間に一度チェックインする能力が月額5ドル(約530円)で得られるなら、高額を支払う従来の衛星リンクと比べて非常にありがたいだろう。

小型なのはSwarmチップだけではない。その衛星も小さい。そのため同社の「SpaceBEEs」があまりにも小さいためFCCから不要な注目を集めていた。幸いにも2019年にそれらの問題をすべてクリア(未訳記事)してSwarmは今月、2020年9月に最初の12機を打ち上げた。

計画では150基の衛星で構成される軌道上衛星コンステレーションの内、12機を軌道に乗せたばかりであるため、アーリーアクセスとパイロットプロジェクトでネットワークを実証している段階だ。カバーするエリアは狭く、トラフィックにも制限があるが、同社は2021年の半ばにはすべての衛星を軌道に乗せ、ネットワークがフル稼働すると予想している。

関連記事:Swarmの150個の衛星打ち上げ計画にFCCがGOサイン

カテゴリー:ハードウェア

タグ:Swarm IoT

画像クレジット:Swarm

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa