Google、Android 4.3を正式発表。制限付きマルチユーザープロファイルや、Bluetooth Smart、OpenGL ES 3.0を採用

Android 4.3は、4.2から劇的な進化を遂げているとは言えないかもしれない。しかし本日のアナウンスにて、いろいろと面白い進化が報告されているところだ。開発者および利用者の双方にとって注目に値するところがいろいろとありそうだ。カメラインタフェースが改良され、全体的にパフォーマンスは向上し、アニメーションもスムーズになり、そして実装が待たれていたBluetooth Low Energyもいよいよ採用された。

Muti-User Restricted Profiles

これは4.2で実現されたマルチユーザーアカウントを拡充するものだ。新たに導入されたのはRestricted Profile(制限付きアカウント)だ。タブレットで、ペアレンタルコントロールを実施する際に便利な機能だ。どのアカウントで実行されてるかによって、アプリケーションのパフォーマンスやサービス範囲を制限することができるようになっている。アプリケーション内販売機能をオフにしたりすることもできる。もちろん用途はペアレンタルコントロールのみに限るものではなく、企業内で利用する際の各種設定を行なって従業員に提供することもできる。

Bluetooth Improvements

Bluetooth Low Energy(Bluetooth Smart)の採用により、バッテリーの心配をすることなく、対応アクセサリを繋ぐことができるようになった。スマートウォッチや、ヘルスないしフィットネス関連周辺機器を接続するのにも便利だ。

OpenGL | ES 3.0

ゲーム開発者にとっては、これが最も大きな変更点となるだろう。レンダリング能力が格段に向上する。ステージ上のデモでも大変に素晴らしいパフォーマンスを発揮していた。J.J. Abrams風のレンズフレアや、いろいろなビジュアルイフェクトを楽しめるようになるわけだ。デモでは1080p環境でのリアルタイムレンダリングが行われている。

DRM APIs

ハードウェアレベルでのDRMエンクリプション機能を実装することにより、より充実したメディアライブラリを提供できることとなる。

アナウンスされているアップデートは、本日よりNexusタブレットに対する適用が開始される。また、新たなNexus 7でも4.3が搭載されることとなる。

(訳注:本家記事は更新中でありますが、訳者日本時間に縛られているため、ここまでの内容でいったん公開しておきます)

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(翻訳:Maeda, H)


Androidアプリの試験対象機が1年で400機種から約100に激減, Samsungの実質標準化で

アジア最大のモバイルアプリデベロッパAnimocaの説では、Androidデバイス用のソフトウェアの試験は1年前に比べてずっと楽になっている。

この香港の企業は2年前に創業され、これまで300あまりのアプリを作ってきたが、その合計ダウンロード数は今では1億5000万を超えている。作っているのは主に、Androidのアプリだ。

昨年Animocaのアプリ試験工程は、なんと、400種ものAndroidデバイスを対象にした。しかし今は、その1/4に減っている。その大きな理由は、Androidハンドセットの標準化が進んでいるからだ。

Animocaの親会社OutblazeのCEO Yat Siuによると、今では多くの携帯がSamsungのベースハードウェアに標準化されている。それは、この韓国企業が主な部品の市場を支配しているからだ。

つまりSamsungは、自己ブランドの完成品を作っているだけでなく、さまざまな他社製品のための部品も供給している。2012年にSamsungは、NAND Flash、DRAM、およびディスプレイ部品では世界最大のメーカーだった。この三品目の同社の市場占有率はそれぞれ、31%、38%、25%に達する。

また、ここ数年間におけるAndroidプラットホームの進化も、ソフトウェア開発に大きな柔軟性をもたらしている。Jelly Bean(Android 4.1+)はGingerbread(Android 2.3)に比べて変種も少ない。このことも、Animocaのテスト工程の簡易化に大きく貢献している。

“しかし日本だけは、この話が当てはまらない。今でも奇妙な機種が多く、またそれらがお互いに微妙に違っている。世界のそのほかの部分は、Samsungに右へ倣えしているから、どこでもほぼ同じだ”、とYatは言う。

製品の品質も向上している。2012年の試験対象だった400種は、ローエンドのハンドセットがとても多かった。“ローエンド機を無視したら最大の顧客を失うことになる。でも最近のハードウェアはどれも性能が良い。あれもできない、これもできない、という非互換性の問題は徐々になくなりつつある”。

Animocaの社員のうち約100名がアプリの開発に携わり、韓国、フィリピン、合衆国、中国などの事業所で仕事をしている。同社の戦略は、複数のニッチ市場に対する同時一斉攻撃だ。“Angry Birdの大ヒットに見られるようなスーパーセルスタイルは採らない”、とYatは言う。

同社のStar GirlPretty Pet Salonなどはかなりヒットしたが、同社の基本的なやり方はヒットねらいではなく、一貫して多種類のアプリを出し続けることだ。網を広げることによって、多くのファンを囲い込む。“そのやり方の方が有料ユーザの比率が高い”、というのだ。

数百万のダウンロードを達成したStar Girlでさえ、ニッチアプリだ。“女の子たちがターゲットで、服をシェアしたり、男の子と仮想的に遊んだりする。Candy Crushとは違う”。

同社は過去12か月で約4倍に成長した。ただし年商の額などは公表していない。“率直に言って、Androidが成長したからうちも成長したんだ”、と彼は言う。たしかにこのところ、Androidのシェアは伸びている。“うちにとって韓国と日本が重要なのは、どちらもAndroidの勢力が強いからだ”。

一部のゲームはiOSバージョンも作っているが、メインはあくまでもAndroidだ。同社から見ると、どちらのプラットホームも、ARPU(ユーザ一人あたり平均収益)に大差はないそうだ。アプリにいちばんお金を使ってくれるのが、日本と韓国のユーザだ、とYatは言う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))