J&Jが新型コロナのワクチン開発基金に米政府機関と共同で約1070億円出資

製薬大手のJohnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)は30日、米国保健・福祉部門の生物医学先端研究開発局(BARDA)と提携して新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンと抗ウイルス治療研究開発に10億ドル(約1070億円)超を拠出すると発表した。

この提携は、BARDAとJ&JのJanssen Pharmaceutical (ヤンセンファーマ)の部門がすでに結んでいる合意を拡大させたものだ。

合意では、同社はワクチン10億人分超を提供することを目標としている。遅くとも2020年9月までにワクチンの臨床試験を行う予定で、初回出荷分のワクチンは2021年初めまでに緊急使用目的で提供される見込みとしている。

BARDAのJ&Jとの提携は、現在行われているワクチンの開発に加え、可能性のある抗ウイルス治療の研究・開発も含んでいる。これらの取り組みの中には、ベルギーの科学機関Rega Institute for Medical Researchと行っている開発もある。

J&Jはまた、グローバルの製造能力を拡大するとも述べた。追加の生産能力により、緊急パンデミック使用のための収益目的ではない安価なワクチンを一般に提供することが可能になる、と同社は説明している。

ハーバード大学医学部附属病院のひとつベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センターのチームとの協業でJanssen Pharmaceuticalは1月に可能性のあるワクチン候補の研究を始めた。そうした候補はいくつかの学術機関でのテストを経て主要な新型コロナウイルスのワクチン候補となり、またこれとは別に2つのバックアップもあるとのことだ。

先週、 ワクチンに取り組んでいる別の製薬会社であるModerna Health(モデルナ・ヘルス)は、早ければ今秋にも、ヘルスケアワーカー向けに実験治療を行うことができるかもしれないと明らかにした。

Modernaのワクチンは、この病気の予防のために少量の新型コロナウイルスそのものではなくメッセンジャーRNAを使っている。mRNAの使用は予防接種を受ける人を病気にさらさないということであり、病気にかかるリスクはない。

Modernaは3月23日にワシントン州で行われた第1段階の臨床試験の一環として、ボランティア参加者にワクチンを提供した。

画像クレジット:zhangshuang / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

GoogleとJohnson & Johnsonが共同でロボットがアシストする手術台を開発

GoogleとJohnson & Johnsonが、両社のパートナーシップにより、ロボットがアシストする高度な手術台を開発する、と発表した。この共同事業には両社の“能力と知財と専門的知識・技術”が注入され、Johnson & Johnsonの子会社で医療機器のメーカーEthiconも参加する。

発表声明の骨子は、ロボットを利用して人間外科医を、置換するのではなく補助する点にある。それが少なくとも、このパートナーシップの現段階の主題だ。発表声明から、その趣旨的な部分を引用してみよう:

ロボットがアシストする外科手術は、侵襲性がきわめて低い手術技法であり、外科医には手術行為の間により大きなコントロールとアクセスと正確性を提供し、一方患者にはトラウマと恐怖を最小化し、術後の快癒を早める。両社は新しいロボットツールの開発を探究し、外科医と手術室の専門スタッフに、今日最良の医療機器技術と最先端のロボット工学システム、および画像とデータの分析技術を組み合わせた能力を提供する。

ロボットがアシストする手術では一般的に、人間外科医がコンピュータや遠隔操作機器を介して器具をコントロールする。それにより、人間の手が行う場合よりも細かいコントロールと精度が得られる。またその手術は、手が行う場合よりも侵襲性が少なく、したがって回復も早い。

ここに記述されている新しい手術台は、おそらく、手術関連のデータ収集や分析にも利用されるものと思われる。それらのデータの蓄積が、今後長期的には、治療技術や外科技術の向上に貢献するだろう。これまで、一部のロボットアシスト手術でGoogle Glassが利用されたが、今回のGoogleの参加は、ロボットアシスト手術の運用コストの低減にも寄与することが期待される。

出典: Business Insider

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa