チャットでのやり取りを自然言語処理で可視化するLaboratikが2.1億円を調達

Laboratik(ラボラティック)は3月10日、プレシリーズAラウンドで2.1億円の資金調達を明らかにした。第三者割当増資による調達で、引受先はArchetype Ventures、DEEPCORE、みずほキャピタル、エルテスキャピタル、​​PARTY、オーストラリア拠点のArtesian。

同社は、自然言語処理を活用してチャット中のやり取りを解析するサービス「We.」を開発しており、同サービスを利用することで会話量や関与度といったチームのエンゲージメントや問題点を可視化できる。現在ベータ版を提供中で、有料課金含めると約40社、数千人規模のユーザーが利用しているという。

チームのエンゲージメントをリアルタイム解析するプロダクト・サービス開発を手掛ける。今回調達した資金は、海外展開も含めた開発・営業体制の強化を図るとのこと。さらに一部の投資家とは国内市場で協業していく計画だ。

Slackの会話データで社員のエンゲージメントを可視化、Laboratikが8000万円調達

写真左がLaboratik代表取締役の三浦豊史氏

Slackなどのコミュニケーションツールから得た会話データをもとに、社内のエンゲージメントを可視化するボットの「A;(エー)」を提供するLaboratikは4月16日、Archetype VenturesみずほキャピタルエルテスキャピタルZeroth AI、ほか個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施した。調達金額は8000万円だ。

Slackと連携して利用するエンゲージメント可視化ボットのA;は、自然言語処理を介してチャット中の会話を解析し、チームのエンゲージメント(関与度や熱意)を可視化するサービスだ。会話のポジティブ/ネガティブ度を解析したり、メンバーのチャット上での発話数や、メンタルのバイオリズムを把握したりすることができる。

また、Slackを経由してGoogleカレンダーやGitHubなど他サービスとも連携でき、スケジュールや開発進捗を自動で記録することも可能だ。現在、A;は日本語と英語の2言語版が提供されている。Laboratikは2017年6月よりA;のオープンβ版を公開している。

A;は現在までに約800社の企業をβ版のユーザーとして獲得。これまでに蓄積した会話データは100万件を超える。Laboratikはこれらの会話データの組織名、チーム名、日時など匿名化した状態で保存し、解析にかけているという。

今回の調達を期に、同社はA;の次期バージョンの開発を進める。現在、A;が連携しているコミュニケーションツールはSlackのみだが、次期バージョンでは主に大企業で使われることの多いという「Microsoft Teams」との連携をめざす。また、サーベイ機能を追加し、会話データから得た定性データとサーベイから得た定量データを組み合わせることで新たなインサイトを提供する。

Laboratikは2015年7月の創業。同社は以前に行なわれたエンジェルラウンドで3000万円の資金調達を実施しており、今回を含む累計調達金額は1億2000万円となる。

エンゲージメントを可視化するSlackボット「A;」、本日よりオープンβを無償公開

チームのエンゲージメントを可視化するSlackボット「A;(エー)」を開発するLaboratikは、2016年12月に開始したクローズドβテストを終了し、本日よりオープンβ版を無償公開すると発表した。同時に新機能の追加も発表している。

インターネットの普及とデバイスの小型化により現代の働き方は多様化し、時間や場所に捕らわれない働き方を実践するフリーランサーやリモートワーカーたちが増えている。

ランサーズが2017年3月に公開した「フリーランス実態調査2017」によれば、2017年における日本のフリーランス人口は1122万人(前年比5%増加)で、これは労働人口全体の17%に相当する。また、米国のフリーランス人口は5500万人で、全体の35%がフリーランサーであるという計算だ。

そんななか急速に普及が進んだのが、Slackをはじめとするコミュニケーションツール。僕たちTechCrunch Japanも毎日コミュニケーション・ツールを利用していて、離れた場所にいることも多いライター/翻訳者ネットワークを支えるツールとして欠かせない存在だ。

また、コミュニケーション・ツールだけでなく、社内の「人」に関するさまざまな業務をテクノロジーによって効率化・改善する”HRテック”にも注目が集まっている。2017年3月に開催されたTechCrunch Schoolでは、HRテックの今後について熱いディスカッションが繰り広げられた

本日からオープンβ版を無償公開したA;も、このHRテック領域のサービスの1つだ。

Slackと連携して利用するA;は、自然言語処理を介してチャット中の会話を解析し、チームのエンゲージメント(関与度や熱意)を可視化するサービス。会話のポジティブ/ネガティブ度を解析したり、メンバーのチャット上での発話数や、メンタルのバイオリズムを把握したりすることができる。

また、Slackを経由してGoogleカレンダーやGitHubなど他サービスとも連携でき、スケジュールや開発進捗を自動で記録することも可能だ。現在、A;は日本語と英語の2言語版が提供されている。

オープンβ公開と同時に発表された新機能では、チームの誰と誰がコミュニケーションが多く、どのチャンネルで議論が盛り上がっているかなどを定量化して評価する。これにより、チーム内のコミュニケーションの偏りを検知したり、誰が積極的に参加しているかを知ることができるという。

無償のクローズドβテストにはリコーサイバーエージェントKaizen Platformなど230社(5月末時点)が参加。Laboratik代表の三浦豊史氏は、「正式リリース後は、米国マーケットの水準(5〜6ドル)に合わせて社員1人あたり数ドル単位での課金を考えている。また、大手の企業とはカスタマイズしたツールを一緒に開発・導入していく可能性もある」と話す。

A;をバックエンドとして支えるのが、Laboratikが独自に開発した「GRATT(グラット)」だ。これは、複数の言語解析技術によってチャットの文脈や感情の強弱を分析する解析エンジン。

三浦氏によれば、今後Laboratikは「GRATTをA;だけでなく幅広いプラットフォームで作動する解析エンジンとして拡大していく」という。

A;のオープンβ版はここから利用可能できる。