新年快楽! 台北101は花火大会とグリーン化を両立――55階建てのLEDスクリーン設置

taipei101

台北101は世界でもっとも高いビルの一つだ。2004年以来、新年の到来を祝う盛大な花火がこのビルを取り囲むのが台北の名物だ。2週間ほど前にジャーナリスト、ブロガーのグループが今年の花火大会の準備に招かれ、花火とグリーン化を両立させる努力を詳しく取材することができた(前回の花火を写した最後の1枚を除いて、撮影はGarret Clarke))

台北101は台湾最大の観光スポットの一つとはいえ、都心で花火を上げることには批判も出ていた。ことに台湾の大気汚染が重要な問題になるにつれ、一部の環境保護グループが花火を中止させる運動を起こした。柯文哲(Ko Wen-je)市長はインタビューに対して「1年には365日ある。
花火大会は300秒だ。われわれは大気汚染の改善にはもっと恒久的な対応を考える必要がある」と語り 、花火大会については継続の意思を示した。

台北101はすでにビルのグリーン度を計測するLEEDの認証を受けているが、引き続き炭素排出量の最小化を目指す台湾の努力のシンボルとなっている。

大晦日の夜のショーのために花火をセットする技術者

12月28日に1万6000個の花火の設置が完了。

この数年、台北101花火大会の主催者は大気汚染防止のために努力してきた。今年のショーでは花火の数は3万個から1万6000個に減らされた。迫力を補うため、55階のメッシュスクリーンの足場に14万個のLEDが取り付けられた。このT-Padは台北101花火大会の実施を請け負ったGiant
Showにより、ビルの北面に組み立てられた。 LEDスクリーンは台北市庁舎を見下ろすプラザ側にあり、恒例のニューイヤー・コンサートの背景となる。

この55階分のLEDスクリーンは恒久的に設置され、イベントのプロモーション、広告、祝日のメッセージなどが表示される。

台北101の所有者、Taipei Financial Center Corp.のブランドとコミュニケーション責任者、Andy YangはTechCrunchのインタビューに対し、今年のショーは総額で196万ドルかかったと述べた。これには、34階からから91階までセットされる花火1万6000個、
T-Pad上のアニメーションの作成費用も含まれれている。 10人から15人のデザイナーはと50人以上の花火技術者が協力して花火を所定のパターンに設置した。

新しいメッシュスクリーンの前に立つAndy Yang。

Yangによれば、このLEDスクリーンにより花火の個数を減らすことができただけではなく、花火とアニメーション、音楽を総合した音と光のショーを作り上げるのに役立つという。「台北101はさらにリッチなコンテンツを表現できるチャンスを与えるはず」とYangは言う。

画像:Garret Clarke

〔日本版〕YouTubeをTaipei 101 fireworks 2019で検索すると各種のビデオクリップが見られる。

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滑川海彦@Facebook Google+

ノーベル賞おめでとう! 大株主、ビノッド・コースラが中村教授のLEDベンチャーSoraaを語る


編集部:Vinod Khoslaは起業家、ベンチャーキャピタリスト。Khosla Venturesのファウンダー。情報テクノロジーと維持可能なエネルギーに関する投資を行っている。Sun Microsystemsの共同ファウンダー、元CEO。

私はまず中村修二(写真)におめでとうを言いたい。中村教授は、Khosla Venturesが投資しているSoraaのファウンダーでもある。昨日(米国時間10/8)、中村教授と同僚研究者2人はノーベル物理学賞を受賞した。中村教授らは、アルバート・アインシュタイン、マリー・キュリー、ニールス・ボーアらと並んで人類の歴史を変えた偉大な科学者の仲間入りを果たした。

2001年に、中村の執筆した窒化ガリウムLEDについての論文を読んで以来、中村と私はこのテクノロジーのもつ巨大な可能性を現実化させる方策について議論してきた。その会話の結果、中村たちは2008年に新世代のLED照明メーカー、Soraaを創立した。

昨日、ノーベル賞委員会はついに青色LEDの発明が大事件であったことを次のように認めた。「LED照明は既存の電力網が利用できない世界の15億人の人々の生活の質を高めることを約束する。消費電力がきわめて低いので、安価な太陽光発電で照明が得られるようになるのだ。」

驚くべきことに、シリコンバレーは人類の多くに影響を与えるこの大発明に対してきわめて冷淡な反応しか示さなかった。多くの投資家は世界を明るく照らすというような遠大なビジョンを持つにはあまりに近視眼的で、ハイリスクで高度に科学的な研究の価値を理解しようとしない。もちろん、真に意味のあるイノベーションは簡単に起こせるものではない。ノーベル賞委員会も中村らを「他のすべての研究者が失敗したにもかかわらず、成功させた」と賞賛している。

本当に価値のあるものはみなそうだが、先端的な物理学理論をベースにしたテクノロジー・スタートアップの運営はきわめて難しい。今日、Soraaは窒化ガリウムを積層したGaN on GaNテクノロジーによるLEDの世界的リーダーに成長している。SoraaのLEDランプのエネルギー効率は他を引き離して世界一だ。窒化ガリウム・テクノロジーは量産に向かず高価で非実用的だという通念をシリコンバレーのよき伝統にのっとり、Soraaは無視した。当時ほとんどの専門家がこのアプローチに反対したにもかかわらず、今やGaN on GaNによるLEDはこれまでの手法によるLEDと比較して製造にかかる資本投資が80%少なく、製造に必要な資源も80%少ない。しかもSoraaのLEDは他のテクノロジーによるものと比べて光の品質が高く、寿命もはるかに長い。

Soraaは今や第三世代のLEDライトを製造しており、その将来は明るい。しかしこれまでに数多くの危機を経験してきた。なんどもこのテクノロジーは結局日の目を見ないのではないかと思われた。資金不足から倒産の危機に瀕したのも一度や二度ではない。そのつどつなぎ融資、一時的な給与減額、さらには創業者たちの相当額の個人借り入れなどによってこのテクノロジーを生きながらえさせきた。結果的には幸運にも、Khosla VenturesはSoraaの最大の株主の一つとなったが、これは他の投資家を見つけるのが難しかったからでもある。

Soraaが今日の姿になるまでに、われわれは何度もこのプロジェクトは野心的にすぎたのではないかと疑う経験をした。ある時点ではKosla VenturesのパートナーがSoraaの臨時CEOを務めねばならないことがあった。Soraaは現時点では完全に成功を収めたとはまだいえない。しかし少なくともGaN on GaNテクノロジーによるLEDが世界から消えることはないはずだ。実はわずか1年前にもその危機があったのだ。

売上の急速な拡大にもかかわらず、Soraaがいわゆる「クリーン・テクノロジー」に分類されているために資金調達は困難を極めた。この点ではElon Muskも資金調達で同様の苦難を経験している。Teslaも何度も倒産の危機に見舞われており、そのつどイーロン・マスクがその魅力で資金を集め、また私財を投じて辛うじて乗り切ってきた。

LEDは疑いなく照明の未来だ。「世界で消費される電力の4分の1は照明に使われている。エネルギー節約に対するLEDの 貢献は巨大だ。同時に、白熱電球の1000時間、蛍光灯の1万時間と比較して、LEDの寿命は25000時間以上もあるため、製造資源の節約効果も大きい」とノーベル賞委員会が認めている。今後はSoraaのテクノロジーを利用することによって、エネルギー消費量は5分の1になるはずだ。

将来、照明は現在よりはるかに安全で効率的になる。LEDは低電圧で作動するため、配線には電気工事の特別な資格も必要ない。照明の設置、運用の柔軟性が飛躍的に増すだろう。

テーブルやデスクにはそれぞれ専用の照明が付属するようになり、移動するときには照明ごと移動できるようになる。低発熱のLEDが普及すればエアコンの電力消費量も大幅に減少する。新世代のLED照明はインターネットで接続されたホーム・オートメーションと併用され、スマートフォンからコントロールされたり、ユーザーの行動パターンに合わせて最適化されたりするるなどクリエーティブな応用が広がっていくだろう。実際、Soraaでは平らな壁紙に見える照明、発光する布地、3Dプリントによる照明器具、それぞれにIPアドレスを持ちモノのインターネットに接続する照明などを開発中だ。高効率、低発熱のLEDは照明デザインを完全に自由にする点も見逃せない。

照明革命は始まったばかりだ。アルバート・アインシュタインが1921年に光電効果を発見してノーベル賞を受賞したとき、原子力エネルギーの利用、宇宙探査に加えて照明のイノベーションの端緒も作られた。エネルギーを潤沢に使える地域に住むわれわれ7億人ほどはスイッチを押せば明かりが点くことを当然と考えているが、現在でも世界の70億の人々の多くは夜を闇の中で過ごしている。世界の人々の生活の質を向上させるにはシリコンバレーの起業家精神が―それだけで十分とはいいえないが―絶対に必要だ。

地球温暖化によって破滅的な結果がもたらさせることを防ぐために、われわれはもっともっと中村修二のような人物を支援していかねばならない。こうした事業には当然ながら多くのリスクと困難が付随する。しかしわれわれは世界的に大きな意味のあるイノベーションをもたらすう事業で失敗することを恐れてはならない。古くから言われることだが、「リスクを取らないことこそ最大のリスク」なのだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


夜の駐車場をよく使う人, 安全のためにLEDファッションFosを着よう

ファッションとテクノロジが完全に融合するのは、時間の問題だろう。もはや服をインターネットで買うだけではなく、GoogleやNikeやFitbitなんかは人の顔や腕にテクノロジをくくりつけようとしている。

しかし、それよりも上手(うわて)がいる。

最近気になる傾向は、LEDで光る服、たとえばAdafruitの手作りネクタイや靴、ThinkGeekのWifiシャツなどだ。

今Kickstarterで資金を募集しているFosは、アスリートたちを対象に同じことをしようとしている。

FosはLEDで光る布製のパッチで、ほかの服、たとえばジャケットやシャツに着けて使う。

表示はユーザがプログラミングできるから、たとえば消費カロリーや、ゴールまでの残り距離などなどを表示させられる。Fosのデモアプリケーションからグラフィクスやビデオを選んで、その64000階調60fpsのLEDパッチに表示させてもよい。作者によると、重さはゴルフボールより軽いそうだ。

目的は、自分をスーパークールに見せることだけではなく(もちろん電子服以上にクールなものはこの世にないが)、都市部における安全の確保だ。しかもファウンダのAnders Nelsonによると、都市における安全性が重要なのは、夜の路上で練習中のアスリートだけではない。

たとえばFosは、パーティーで派手に目立つために使ってもよい。DJたちは全身にFosを着て自作のグラフィクスを表示し、体全体をイルミネーションにしてもよいだろう。でももちろん、Fosが人気商品になることが先決だ。

そしてそのためには、まずKickstarterで4週間以内に20万ドルを集めなければならない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))