フランスの保険会社Leocare(レオケア)は、Eight Roads(エイト・ロード)を中心としたシリーズBの資金調達を行った。全体で1億1600万ドル(約133億1300万円)を調達したことになる。このラウンドは、エクイティとデットのラウンドで、つまりこの金額の一部はキャッシュ・フォー・エクイティの取引で、残りはクレジットラインということになる。
同社は、シリーズAの調達から1年も経たないうちに、現地時間11月23日のシリーズBの調達を行っている。また、Felix Capital(フェリックス・キャピタル)、Ventech(ベンテック)、Daphni(ダフニ)などの既存の投資家は、今回のシリーズBでさらに資金を投入している。
Leocareは、顧客が必要とするすべての保険を1つの屋根の下で提供したいと考えている。このスタートアップ企業は、家、クルマ、バイク、スマートフォンに保険を提供しており、消費者がモバイルアプリを使って新しい保険商品に加入したいと考えていると踏んでいる。なぜなら、その方が便利だし、新しい機能が増えるからだ。
関連記事:モバイルアプリで保険を管理できる仏LeoCareが約19億円を調達
例えば、同社は「TakeCare」という新機能を開発中だ。共同創業者でCEOのChristophe Dandois (クリストフ・ダンドワ)氏は「これはWaze(ウェイズ)のようなもので、危険度の高い地域に入ったときに教えてくれるものです」と話してくれた。
しかし、TakeCareはスピード違反取り締まり区間を警告するものではない。その代わりに、Leocareアプリは、その地域でよく交通事故に遭う人がいるかどうかを教えてくれる。同社はこの機能のために、交通安全のオープンデータを活用している。同様に、もし隣人が週末に自分のクルマを使いたい場合、数回のタップで2人目のドライバーを追加し、月曜日には削除することができる。
また同社は、意味のあるところで、データを利用して価格を調整している。例えば、Leocareでは、ユーザーがどのチャンネルを利用して登録したかを追跡したり、ユーザーが使用しているスマートフォンのモデルを調べたり、セッションの時間をチェックしたりしている。つまり、動的な価格設定が可能なのだ。
また、保険に加入したいときも、やはりモバイルアプリを使えばいい。電話で連絡することもできるが、ほとんどの顧客がすでにアプリのほうを利用している。
長期的なビジョンは非常に明確で、Leocareは、私たちが所有するすべてのモノと、定期的に行うすべての事をカバーする単一の契約を作りたいと考えているのだ。利用者が必要なときにいつでも保険のオプションを微調整できるようにするべきだ。同社は、自転車保険のような商品も追加したいと考えている。旅行保険のような単発の保険商品でない限り、基本的にはすべてLeocareでカバーできるかもしれない。
また、多くの人たちが同じものに二重にお金を払ってしまっているため、すべてを集約することそのものに意味がある。例えば、家の保険は通常、盗難に備えるものだ。自宅での盗難はLeocareの家財保険でカバーされているので、自転車保険では家の外での盗難をカバーできるわけだ。
同社は現在、複数の保険会社と提携する総代理店として活動しており、保険商品を自社ブランドで販売している。
「今回の資金調達では、同じモデルを踏襲しつつ、独自のリスクキャリアを使用する機能を追加する予定です」とダンドワ氏は述べている。保険商品によっては、Leocareが最初から最後まで保険商品を管理することになるかもしれない。
新しい保険商品に加えて、同社は新しい市場にも進出したいと考えており、まずはスペインなどの南ヨーロッパに進出したいと考えている。現在、Leocareのアクティブな顧客数は6万5000人で、2022年は1億ユーロ(約129億円)の収益を目指している。
画像クレジット:Leocare
[原文へ]
(文:Romain Dillet、翻訳:Akihito Mizukoshi)