フォードはRivianとの協業によるリンカーンの電動車開発をキャンセル

Ford(フォード)の高級ブランドであるLincoln(リンカーン)は、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにしたまったく新しい電気自動車の開発計画をキャンセルした。

画像クレジット:Lincoln

Crain’s Detroit Businessによると、米国時間4月28日に各ディーラーに通知されたという。

Rivianとフォードは、TechCrunchに宛てた声明で、これは現在の状況を鑑みた両社合意による決定であると述べている。つまり、新型コロナウイルスのパンデミックが主な原因であることを暗に示している。また両社は将来、共同で車を開発する計画だとしている。

「現在の状況を考慮し、リンカーンとRivianは、Rivianのスケートボード型プラットフォームをベースにした全電動車の開発にこれ以上踏み込まないことを決定しました」と、リンカーンの広報担当者はその声明で述べている。「リンカーンとRivian両社の電動化に関する戦略的なコミットメントは変更されていません。リンカーンの今後の計画には、Quiet FlightのDNAを受け継いだ全電動車も含まれることになるでしょう」。

この決定は、フォードがRivianに5億ドル(約532億8000万円)を出資した1年後になされたもの。Rivianはミシガン州を拠点とするEVのスタートアップで、全電動ピックアップトラックとSUVを開発している。当時フォードは、Rivianと共同で電気自動車を共同開発する計画も発表していた。

2020年の初めまでは車がどのようなものになるのか、またどのブランドのものになるのか、といったことも明らかにされていなかった。フォードは1月に、リンカーンとRivianが共同開発している全電動車が、SUVになるであろうことを発表した。このバッテリーで動作するリンカーンの電気自動車は、Rivianのフレキシブルなスケートボード型プラットフォームをベースに開発されることになると、その際に同社は明らかにした。

フォードはTechCrunchに「開発サイクルを進めていく中で、現在の状況を考えると、リンカーン独自の完全な電気自動車を開発する取り組みに集中するほうがよいと判断するに至りました」と語った。

フォードは、Rivianとは依然として強固なパートナーシップを保っていると付け加えた。

「当社の戦略的コミットメントは変更されておらず、Rivianのスケートボード型プラットフォームを利用した別の車の開発に、引き続きRivianと協力しながら取り組んでいます」と、フォードは述べたが、その車がどのようなものになるかについては言及していない。

リンカーンは、これまでに2車種のプラグインハイブリッド車を生産している。2019年11月のロサンゼルスモーターショーで発表したAviatorとCorsair Grand Touringだ。同社はまだ全電動車を製造したことはない。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

リンカーン・ショーファーは車のオーナーにお抱え運転手を派遣するサービス

Lincolnは同社の自動車オーナー向けに、オンデマンドでドライバーを派遣する新サービスを試行している。Uberの豪華版とも言えるが、車は自分で提供してLincolnはプロのドライバーを提供する。一時的な契約ドライバーではなくLincolnの社員が運転する。希望する場所を走って自宅に車を返す。オーナーはVIPの気分を味わえる。

Autoblogによると、テストはまずマイアミで始まる。Lincolnのオーナーはスマートフォンアプリでお抱え運転手を呼ぶ。運転手は主人を乗せて走り回るだけでなく、ほかの家族が使う必要があれば車を家に戻て、必要なら給油したり食料品を受け取るといった簡単なお遣いもこなす。

料金は、想像通り安くはない。パイロットプログラム期間中のLincoln Chauffeurの料金は1時間当たり30ドルだ。Uberと比べてそれほどでもないと思うかもしれないが、車は自分で提供しなくてはならないことをお忘れなく。Lincolnオーナーにとってありがたいことに、Chauffeur(お抱え運転手)サービス8時間分の料金が車の購入価格に含まれている。

今は限定的なテストにすぎないが、LincolnはAutoblogに次はサンディエゴにもサービスを広げ、その後も市場を増やしていく計画だと語った。Lincolnはドライバーを雇用しなければならないため、規模の拡大は簡単なことではないだろう。

Lincoln Chauffeurは現在各自動車メーカーが探究しているオンデマンド車両レンタルや借り手の家まで車を届けるといった移動サービスとは方向性が少々異なる。それでも、付加価値をつけることで高級車市場で新たな収入源を促進する興味深い方法と言えるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook