マイクロソフトはexFATをLinuxのカーネルに含めたい

exFAT、すなわちExtended File Allocation Tableは、Microsoft(マイクロソフト)が2006年にローンチしたフラッシュドライブやSDカード用のファイルシステムだ。これは同社の独自規格なので、Linuxマシン上にマウントするためには専用のソフトウェアをインストールする必要がある。しかし米国時間8月29日、MicrosoftはLinuxカーネルにexFATを加えることをサポートすると発表し、exFATの技術仕様書を公開した

本日の発表声明で同社は「Linuxのコミュニティが、Linuxカーネルに含まれているexFATを安心して利用できることが重要だ。そのために私たちは、exFATのMicrosoftの技術仕様書を一般公開して、それに準拠した相互運用性のある実装開発の便宜を図りたい」とコメントしている。

MicrosoftはexFATがLinuxカーネルに含まれることだけでなく、その仕様がOpen Invention Networkに(OIN)おけるLinuxの定義にも含まれること、すなわち特許を主張しないことを望んでいる。それについて同社は「OINの3040件あまりのメンバーとライセンスの防御的パテント管理の恩恵を受ける」としている。

MicrosoftとLinuxはお互いに宿敵と見なされ、Linuxコミュニティの一部は今でもMicrosoftをオープンソースの敵と考えている。しかし最近ではMicrosoftは明らかにオープンソースとLinuxを受け入れ、LinuxはAzure上のもっとも人気のあるオペレーティングシステムであるとともに、Windows Subsystem for LinuxによりオプションでWindows 10にも含まれている。しかし今回の提案に、コミュニティはどう反応するだろうか。Microsoftの「受け入れて拡張して消滅させる」戦略の苦い後味が、まだコミュニティの舌の上には残っている。MicrosoftとLinuxの関係は、今後果たしてどうなっていくのだろうか。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Linux、25歳の誕生日おめでとう

Linus Torvalds was the designer of the open-source operating system Linux.

Linuxは8月25日で25歳になる。Linus Torvaldsが新しいオペレーティングシステムへの協力を求める運命的メッセージを送った日だ。「386(486)AT互換機用に(フリーの)オペレーティングシステムを作っています(単なる趣味でgnuのように大きくてプロフェッショナルなものにはならないでしょう)。4月から作り始めて、そろそろ準備が整うところです。minixの好きなところ嫌いなところを教えてもらえたら幸いです。なぜなら私のOSはいくらかminixに似ているからです(例えば、ファイルシステムの物理的配置は(現実的な理由から)minixと同じです)」と、Torvaldsは comp.os.minix にメッセージを送った。後は、みなさんご存じの通りだ。

Torvaldsのメッセージで特に興味深いのは、みんなが興味をもって迎え、悪意のコメント等がなかったことだ。それはTorvaldsが、潜在ユーザーに見せられる製品を既に持っていたからだとも言えるが、1991年のインターネットが今とは全く違っていたことも思い出すべきだろう。

つい最近Linux Foundationは、Linux OSに関する詳細なレポートを公開し、そこには過去25年間のハイライトも載っている。それによると、プロジェクトが2005年にGitで公開されて以来、1300社、1万3500人のデベロッパーがカーネルの開発に寄与してきた。もっと面白いデータ?

「3.19から4.7リリースの間、カーネルコミュニティーは1時間当たり平均7.8件のパッチを発行して修正を加えた。この報告書の前の版に書かれていた7.71件からわずかに増えており、パッチの量は長期的に増加傾向を続けている」。つまりそれは、Linuxカーネルにはほぼ定常的にパッチが当てられていて、そうした修正はみな、インターネットのつながりを発展させることに専心する多くの有志プログラマーによってなされていることを意味している。

報告書全文はここで読むことができる。

今やLinuxは、訪問するほとんどのウェブサイトで走り、ガソリンスタンドのポンプからスマートウォッチまであらゆる物の中で動いでいる。Raspberry Piのおかげで、子供たちにプログラムを教えるにのも使われ、フランス警察が数百万ユーロ節約するのにも役立った。 何しろあのMicrosoftでさえLinuxのコードを公開しているのだから。勝てないなら、仲間になれ、だ。

Linuxの歴史をもう少し深く知りたい人には、”Rebel Code” と “Just For Fun” をお薦めする。この2冊はLinuxが有名になり始めた頃に発行され、Torvaldsの魅力的な逸話と、「大きくてプロフェッショナル」でない側面が描かれている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook