裸眼で立体的に見える3Dディスプレイ第2世代モデルをLooking Glass Factoryが発表

ブルックリンに拠点を置くLooking Glass Factory(ルッキング・グラス・ファクトリー)は米国時間7月13日、新型ホログラフィックディスプレイ(裸眼3Dディスプレイ)2機種を発表した。2020年末に発売されたエントリーモデル「Looking Glass Portrait(ルッキング・グラス・ポートレイト)」に続き、今回発表されたのは15.6インチの「Looking Glass 4K」と、32インチの「Looking Glass 8K」の第2世代モデルだ。

これらのモデルには、サイズだけでなく価格にも大きな差がある。7.9インチの「Portrait」が299ドル(約3万3000円)であるのに対し「4K」が3000ドル(約33万円)、そして「8K」は1万7500ドル(約193万円)。裸眼で立体的に見ることができる3Dコンテンツを映し出すための基本的な技術が同じであることを考えると、この価格差はより顕著に感じられる。

画像クレジット:Looking Glass

「生産規模も価格差の要因の1つです」と、同社のShawn Frayne(ショーン・フレイン)CEOはTechCrunchに語った。「人々が使っているこのサイズの8Kディスプレイは、実際にはほとんどありません。今後数年で8Kディスプレイの販売は大きく伸びると我々は予想していますが、現在の初期段階にPortraitと同じ規模で製品を生産することはできません」。

Looking Glassでは、Portraitを自社技術のアンバサダーのようなものと考えている。特に2020年までは、同社のシステムを潜在的なバイヤーに見せることは、ほとんどできなかった。実際に同社の古いシステムをいくつか見たことがある筆者は、Zoom(ズーム)を通して見るのとは効果が全然違うということを証言できる。Looking Glassによると、同社はこれまで約1万1000台の製品を販売しており、需要を満たすために、世界的なサプライチェーンの問題を切り抜けながら、毎月「数千台」を出荷しているという。

画像クレジット:Looking Glass

「当社のPortraitは、上司から承認を得る必要なしに、自分のホログラフィックディスプレイを手に入れることができる最初の機会になると思います」とフレイン氏はいう。「興味を持って購入したものが、期待通り、あるいは期待以上のものであれば、その先に進もうと思うでしょう。Portraitの品質レベルは非常に高く、より大きな製品はその品質をより大きな画面で実現しています」。

画像クレジット:Looking Glass

今回発表された2つの新モデルは、一般消費者向けというよりも事実上の開発者向け製品であった従来のモデルの後継に当たる(ただし、旧モデルのサポートは引き続き提供される)。これら第2世代の製品は、価格が抑えられたことに加え、大幅に軽量化されており、さらに映像の再現度も、特にホログラフィックディスプレイで問題となりやすいエッジ部分において、先代モデルより改善されている。

なお、日本においては、第2世代の4Kと8KおよびPortraitの3モデルとも、クラウドファンディングサイトのMakuakeで、7月21日14時より注文受付が開始される。日本向けの販売価格もそこで発表される予定だ。

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Looking Glass Factoryディスプレイ3Dホログラム

画像クレジット:Looking Glass Factory

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Looking Glassが2D画像を3Dにするホログラフィック技術のためのソフトを開発

2020年12月にLooking Glass Factoryは、より一般的なユーザー向けの最初の製品であるPortraitを発表した。このデバイスは、同社の印象的なホログラフィックイメージング技術を利用したより身近なフォームファクター、つまりデジタルフォトフレームとして登場した。

もちろんこのようなテクノロジーの最大の課題の1つは、常にコンテンツだ。349ドル(約3万6000円)の製品を購入した人は、実際にどのようにして3D画像を作成して使用するのだろうか?その問題に対する解決策を用意すべく、Looking Glassは米国時間1月6日にHoloPlay Studioを発表した。これは、2D画像を3Dに変換するために作られた同社独自のソフトウェアだ。

「今日ではあらゆる種類の非常にリアルなホログラフィック画像を作成し、これまで以上に多くの人々が楽しむことができるようになりました。そして、私たちがホログラムを通してイメージを創造し、伝え、体験する世界に一歩近づくことができます」と、Shawn Frayne(ショーン・フレイン)CEOはリリース文で述べている。

ソフトの使い方は簡単だ。ユーザーは画像をアップロードするだけでよい。変換の結果は、多くの要因によって異なる可能性がある。この種のソフトウェアは長年待ち望まれていたが、ここ数年の結果は期待外れだった。

このテクノロジーは今春のどこかの時点で、Looking Glassのサイトで利用できるようになる。その後、新しいPortraitに同梱される。支援者は20回のコンバージョンを無料で利用でき、20ドル(約2060円)支払えば100枚の画像を変換できる。

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カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Looking Glass Factoryホログラム

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

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Looking Glassのテクノロジーは非常にクールだが、これまでの製品は600ドル(約6万3000円)の8.9インチディスプレイから6000ドル(約62万7000円)の15インチディスプレイ(32インチの8Kディスプレイの価格は公表されていない)までと、とても高価だ。一方でPortraitはブルックリン拠点のスタートアップである同社が生み出した製品の中で、最も技術的に野心的で汎用性の高いものではないかもしれないが、最も入手しやすい製品だ。

349ドル(約3万6000円)という価格は決して安くはない(Kickstarterで早期購入すれば199ドル、約2万1000円)が、市場で最も手頃なホログラフィックディスプレイの1つであることは間違いない。また価格に加えて、Looking Glassは機能面でもより大衆的なアプローチをとっており、基本的には非常に高度なデジタルフォトフレームとして利用できる。このシステムはSony(ソニー)の新しい3Dディスプレイのような製品とは異なり、3D画像に対して最大100カ所の異なる視点を提供し、一度に複数の人が見ることができる。

画像クレジット:Looking Glass

製品はコンピュータに接続しなくても利用できる。スタンドアローンモードでは、内蔵コンピュータを使って60fpsのホログラフィック画像を再生する。これらの写真はiPhoneで撮影し、付属のHoloPlay Studioソフトウェアを使って3D画像に編集できる。ホログラフィックビデオは、Azure KinectやIntel RealSenseのカメラでも撮影できる。

「これはホログラフィックなビデオ通話への最初の一歩です」とLooking Glassは述べており、将来の計画について少し触れている。

「小さな子供の頃から、自分のホログラムディスプレイを作ることを夢見ていました」と、CEOのShawn Frayne(ショーン・フレイン)氏はリリースで述べている。「誰かにホログラムの誕生日メッセージを送ったり、私のひいひいひい孫娘にホログラムで挨拶するのはどんなものか想像しました。『Looking Glass Portrait』 はブルックリンと香港を拠点とするチームによる6年間の活動の集大成であり、これまで以上に多くの人々の夢を実現します」。

Portraitは米国時間12月2日よりKickstarterに登場し、早期支援者には199ドルで提供される。

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter