ライドシェアサービスLyftでVenmoによる乗車料金支払いがまもなく可能に

Lyftはまもなく利用者がVenmoを利用して運賃を支払ったり、あるいは分割したりするオプションを利用できるようになると、米国時間10月22日の朝のブログで発表した。PayPal、クレジットカード、デビットカード、Lyft Cashなどの支払い方法にVenmoが加わることになる。

Venmoによる支払い方法を有効にするには、Lyftアプリから承認する必要がある。

Lyftによるとこの機能は2020年10月に公開され、数週間のうちに同社のネットワークで利用できるようになるという。

この機能がLyftに登場したのは、2018年にUber(ウーバー)で初めてVenmoが利用できる(未訳記事)ようになってから数年後となる。ユーザーはVenmoを通じてライドシェア料金を含む支払いを共有する、一種の金融ソーシャルネットワークを作ることができる。UberやLyftのようなサービスにとって、これはユーザーが自分が選んだ相乗りサービスを気づく新しいマーケティングとなる。理論的には、もし親しい友人が特定のライドシェアサービスを利用していれば、自分もそのサービスを利用する可能性が高くなる。

料金の分割はVenmoアプリで行われる。乗車が完了したら、ユーザーはVenmoの支払いフィードでLyftの取引を見つけ、選択する必要がある。またVenmoユーザーは、料金を分割する相手を選択できる。なおLyftも、Venmoを必要としないネイティブの運賃分割サービスを提供している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:LyftVenmo

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(翻訳:塚本直樹 / Twitter

州判事がUberとLyftの仮処分停止要求を受け入れ、カリフォルニアでの両社の事業停止を回避

米国カリフォルニア州の控訴裁判所の判事がUberとLyftの要求を受け入れた。これは、ドライバーを従業員として雇用するように企業に求める仮処分は米国時間8月21日には発効しないことを意味する。裁判所では現在、UberとLyftの控訴を審理し、第一審の判決を覆そうとしている。この訴訟の口頭弁論は10月中旬に予定されている。

「控訴裁判所がこの訴訟で提起された重要な疑問を認めてくれたこと、そしてドライバーが自由に仕事をする権利を擁護し続けている間、これらの重要なサービスへのアクセスが遮断されることがないことをうれしく思います」とUberの広報担当者はTechCrunchに語った。

UberとLyftは9月上旬までに、カリフォルニア州で上訴に敗れたり、Prop 22(ドライバーの労働条件に関する法律)が可決されなかった場合、運転手を従業員にする方法についての計画概要を発表する必要がある。本日の早い段階で、Lyftは8月21日の夜にサービスをシャットダウンするとのブログ記事を投稿していた。明らかに、Lyftはこの状況に飛びついたかたちだ。

「今夜操業を停止することはありませんが、ドライバーのための独立性と利益のために戦い続ける必要があります」とLyftの広報担当者はTechCrunchに語った。「11月の投票で決まるドライバーが望む解決策が通らなければ、アプリベースのプラットフォームで稼ぐカリフォルニア州民の80〜90%がその機会を失うことになります」と続ける。

今月、UberとLyftの両方は法廷で「ドライバーを独立した契約社員として分類し続けることがを許可すべきだ」と主張(未訳記事)した。裁判官はこれに異議を唱え、8月21日からドライバーを従業員として待遇することを強制する仮処分命令を両社に出した。これを受けて両社は、カリフォルニア州での事業を一時的に停止せざるを得ないと述べた。米国時間8月20日、UberのCEOであるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はVox Mediaのポッドキャストで「Uberは5万人のドライバー全員をひと晩で雇うことはできない」と語った。

「我々の事業は稼ぎたい人と運送や配達を希望する人をマッチングするプラットフォームをベースにしています。一朝一夕には変えられません。時間がかかると思いますが、カリフォルニアで事業を続行する方法を見つけたい。私たちはカリフォルニアにいたいのです。しかし裁判になれば会社を閉鎖せざるを得なくなり、世界最高のエンジニアがどうすればこの会社を再建できるかを考え出す必要が出てきます。仮に、ドライバーを従業員として雇用するモデルに移行することになった場合、ドライバーの生産性を保証しなければなりません。雇用されるドライバーの数ははるかに少なくなると考えています。私の推測では、労働時間の柔軟性を求めてUberを利用しているユーザーの70~80%は、5〜10時間程度の運転では稼げなくなるでしょう。運賃は上がってしまうでしょう。サンフランシスコでは20%程度上がると思います。小都市ではさらに上昇するでしょう」とコスロシャヒ氏。

UberがProp 22で提案しているのは、基本的にギグワーカーを分類する第3の方法だが、ギグワーカーの労働環境改善を目標とする団体Gig Workers Collective(ギグワーカーズ・コレクティブ)の共同創設者であるVanessa Bain(ヴァネッサ・ベイン)氏は、第三の方法は「でたらめだ」と昨日のVox Mediaのポッドキャストで語った。「現在の法律で認められている範囲をはるかに超えています。」と同氏。

以下にこれまでの経緯を時系列で記しておく。

2020年1月1日
Assembly Bill 5(集会法案第5号)が成立。2018年12月に初めて導入されたこの法案は、Dynamex Operations Westとロサンゼルス最高裁判所で争われた訴えの判決を体系化したものだ。この裁判では、DynamexはABCテストと呼ばれる当該判断基準によって、労働者を独立請負業者として不当に分類したとの判決が下された。ABCテストでは雇用事業体が労働者を法的に独立請負業者に分類するために、「A:労働者が雇用事業体の管理と指示から自由であること」「B:事業体の事業範囲外で作業を行っていること」「C:定期的に行われる業務と同じ性質の独立した取引、職業、または事業に従事していること」を証明しなければならない。

2020年5月
カリフォルニア州のXavier Becerra(グザビエ・ベセラ)司法長官は、ロサンゼルス、サンディエゴ、サンフランシスコの各市の弁護士とともに、UberとLyftが労働者を独立した請負業者として誤分類することで、不当かつ違法な競争上の優位性を得ていると主張する訴訟を提起(未訳記事)。

この訴訟では、UberとLyftは労働者から最低賃金、残業代、有給の病気休暇、障害保険、失業保険の権利を奪っていると主張している。サンフランシスコの高等裁判所に提訴されたこの訴訟は、カリフォルニア州不正競争法に基づく違反、場合によってはドライバー1人あたりに対して2500ドル(約26万5000円)、高齢者や障害者に対する違反に対してはさらに2500ドルの罰金支払いを求めていた。

2020年6月
ベセラ司法長官らが、UberとLyftに対して運転手を直ちに従業員に分類するよう強制することを求める仮処分の申し立て(カリフォルニア州裁判所プレスリリース)を行う。

2020年8月6日
カリフォルニア州高等裁判所のEthan P. Schulman(イーサン・P・シュルマン)判事が仮差し止め命令に関する聴取を開始。公聴会でUberとLyftは、差止命令によって多くのドライバーをフルタイムまたはパートタイムで雇用しない方法で事業を再構築する必要があると主張していた。UberとLyftの主張は事実上、ドライバーを従業員に分類することは雇用の喪失につながるというものだ。

「差止命令案は、LyftとUberに取り返しのつかない損害を与え、実際にはドライバーに大規模な損害を与え、乗客にも損害を与えるだろう」とLyftの弁護人であるRohit Singla(ロヒト・シンラ)は公聴会で述べている。

例えば、Lyftは雇用適格性を確認するI-9 Formを処理するだけで数億ドルのコストがかかると見積もっている。そのフォームを提出するだけなら何のコストもかからないが、UberとLyftは人材や給与計算のプロセスにさらなる投資をしなければならないのだ。

2020年8月9日
シュルマン判事が仮処分を認め、2020年8月20日の発効が決まる。

シュルマン判事は命令書に「裁判所は、差止命令の実施にはコストがかかるという幻想を抱いていない。被告がA.B.5を遵守するには、運転手の労働力を雇用・管理するための人事スタッフの雇用など、商習慣の性質を大きく変えなければならないことは疑いようがない」に書いている。

UberとLyftはこれを受けて、それぞれ緊急上訴を行う予定を明らかにした

2020年8月12日
Uber CEOのコスロシャヒ氏は「裁判所が仮処分命令を覆さない場合、Uberはカリフォルニア州で一時的に営業を停止しなければならない」と述べた。Lyftも「カリフォルニアでの営業を一時的に停止せざるを得なくなるだろう」(The Verge記事)とコメントした。

2020年8月13日
シュルマン判事がUberとLyftの上告を棄却。Uberは別の上告を行う予定であるとし、Lyftは州の上告裁判所にさらなる差し止めを求めるとしている。

2020年8月14日
Lyftがカリフォルニア州の控訴裁判所に即時停止の要請を提出。

2020年8月17日
Uberがカリフォルニア州の控訴裁判所に緊急停止要請を提出。

2020年8月19日
カリフォルニア州の控訴審で、Uberが緊急停止要請を申請。サンディエゴとサンノゼの市長が控訴裁判所にUberとLyftの申し立てを認め、差止命令を停止するよう求める。

今後の展望

2020年11月
カリフォルニア州民は、Uber、Lyft、DoorDashが主に資金提供しているProp 22法案に投票する。Prop 22は、ギグワーカーを独立した請負業者として分類することを目的としている。この法案が可決されれば、運転手や配達員は、日本でいう源泉徴収票を発行しなければならないForm W-2の従業員として分類される、新しい州法の適用を免除されることになる。

この投票法案は、仕事中に最低賃金の少なくとも120%の収入保証、経費のための1マイルあたり30セント、医療費、仕事中の怪我のための労災保険、差別やセクハラからの保護、自動車事故と賠償責任保険を実施することを目指している。

画像クレジット:Photo by Smith Collection/Gado/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:TechCrunch Japan)

LyftのQ2決算は売上61%減も株価は微高

米国時間8月12日の取引終了後、Lyft(リフト)は第2四半期の決算(Lyftリリース)を報告した。米国のライドシェアサービス大手の実績は、新型コロナウイルの拡大が人々の生活、旅行、仕事に与えた衝撃によって、どれほど経済が変化したかを如実に示した。

先週発表されたUber(ウーバー)の業績は、Lyftの結果を予感させた。要するに、ライドシェアサービスの急激な下降だ。

Lyftは第2四半期の決算で、売上3億3930万ドル(約362億円)、1株あたり損失1.41ドルを記録した。アナリストの予測は売上3億3677万ドル(約369億円)、1株あたり損失0.99ドルだった。Yahoo! Finance平均による。時間外取引で同社株は4%以上値を上げた。

前年同期と比べて、Lyftの四半期は散々だった。売上は8億6730万ドル(約925億円)から61%ダウンで、調整後純損失2億6580万ドル(約283億円)は1年前の1億9730万ドル(約210億円)から悪化した。調整後EBITDAは2019年Q2の損失2億410万ドル(約217億円)から、今四半期は2億8030万ドル(約299億円)へと損失を増やした。

注目すべきことに、LyftのGAAP純損失は前年同期から改善している。ただしこのところの四半期で同社は他の利益指標を強調していた。

なぜLyft株は時間外取引で高値をつけたのか?それはLyftの四半期が失敗だったことを投資家が知っていたからだ。彼らが見ているのは原点への回帰と各期末にどれだけの現金を会社が持っているかについての発言だ。Lyftは両方の質問に答え、「Q2末の非拘束現金、現金相当物、および短期投資は28億ドル(約2988億円)」であり、「7月の月間ライドシェア利用は4月の78%増」だったと話した。

最後に決算報告を見て注目した点を以下に挙げる。

  • レイオフは高くつく:Lyftによると、2020年第2四半期の人員再編成には、退職手当および関連する従業員福祉手当3210万ドル(約34億円)の費用がかかった。
  • 実際はそうでもない: 同じ段落の後半でLyftは、未確定報酬のために計上されていた株式型報酬の戻入に関わる株式型報酬の利益が4980万ドル(約53億円)あり、四半期の再組織化に関わる費用は差し引き1450万ドル(約15億円)の利益になったと語った。
  • 借り入れは悪いとは限らない :2020年6月30日時点でLyftには長期借入金の純流動部分6億2340万ドル(約665億円)がある。同社は今年、最低水準の金利で大量の借入によって資金を調達(Lyftプレスリリース)し、同四半期の事業に余裕をもたらした。

TechCrunchでは今後も同社の株価に注目するとともに、ライドシェア利用数も分析していく。

画像クレジット:Mat Hayward / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

UberとLyftにドライバーを従業員として扱うようカリフォルニア州最高裁が命令

カリフォルニア州最高裁判所のEthan Schulman(イーサン・シュルマン)判事はUber(ウーバー)とLyft(リフト)にドライバーを従業員として扱うよう、仮差し止め命令を出した。この命令は10日以内に発効することになっている。

「差し止めでコストが発生することを裁判所は認識している」とシュルマン判事は命令書に書いた。「被告人はA.B. 5に則るために、ドライバーを雇用・管理するための人事担当スタッフを雇うなどして事業慣行の在り方を大きく見直さなければならないことに疑いの余地はない」。

差し止め命令の発効まで10日の猶予があり、Uberはすぐさま上訴すると同社の広報担当はTechCrunchに述べた。

「ドライバーの大半は独立して働きたいと考えている。当社はカリフォルニア州法に則るためにすでにアプリにかなりの変更を加えている」と広報担当は話した。「カリフォルニア州の300万人超が失業しているいま、選挙で選ばれたリーダーたちは経済低迷中に産業を潰そうとするのではなく、雇用創出に注力すべきだ」。

今回の判決に先だちシュルマン判事は先週、双方の主張を聞き取った。カリフォルニア州司法長官であるXavier Becerra(ザビエル・べセラ)氏、それからロサンゼルス、サンディエゴ、サンフランシスコの法律顧問がUberとLyfthにAB 5法の遵守と、ドライバーを独立請負業者として分類することをただちに止めるよう求めて提訴していた。

「ドライバーは従業員になりたいとは思っていない。それがすべてだ」とLyftの広報担当はTechCrunchに語った。「当社はただちに上訴し、ドライバーの独立のために引き続き戦う。究極的にはこの問題はカリフォルニアの選挙民によって決められるもので、人々はドライバーの味方だと確信している」。

命令の中でシュルマン判事は、UberとLyftがAB 5に違反しているとの原告の訴えが勝る、と述べている。AB 5はDynamex Operations West(ダイナメックスオペレーションウェスト)対ロサンゼルス最高裁判所の裁判で2018年に下された裁定を成文化している。この裁判で裁判所はABCテストを適用し、Dynamexが「雇用主のためにサービスを提供する労働者は賃金や福利厚生について主張できる従業員である」という推定に基づいて労働者を誤って独立請負業者と分類したと裁定した。

ABCテストによると、雇用主が労働者を法的に独立請負業者として分類するには、A:労働者は雇用主の管理や指示を受けていない、B:雇用主の事業以外の業務も行っている、C:定期的に独立性が確立された仕事に従事している、という3点を証明しなければならない。

UberとLyftが労働者を独立請負業者として誤って分類することで不公平で違法な競争優位を得ている、として仮差し止めを求める訴訟が2020年5月に起こされた。訴訟はUberとLyftが労働者から最低賃金や超過労働手当、有給傷病休暇、傷害保険、雇用保険を奪っていると主張している。サンフランシスコ上級裁判所に起こされた裁判では、不正競争防止法に基づいて各違反ごと、ドライバー1人あたりに対して2500ドル(約27万円)の罰金を求めている。

「何年もの間、労働者は法に従わない巨大ギグ企業による誤った扱いに対し、団結して声を上げてきた」とUberのドライバーでGig Workers RisingのメンバーであるEdan Alva(エダン・アルヴァ)氏は声明で述べた。「我々が直面している不当な扱いがあまりにひどく、正義を待てないと司法長官は主張してきた。今日、裁判所は企業ではなく労働者の肩を持った。誤って分類された何千ものギグワーカーは賃金、福利厚生、保護、法的根拠のある従業員ステータスを手に入れる。UberとLyftが法に従わなければならないのは明白だ。ギグ企業が投票イニシアチブProposition 22に1億1000万ドル(約117億円)を注ぎ込み、そうした資金を尊厳と敬意を持った適切な労働者の扱いに再投資するという我々の要求は揺るぎないものだ」。

画像クレジット:Photo by Lane Turner/The Boston Globe via Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi