マッチングサービスの「pairs」やカップル向けアプリの「Couples」を提供するエウレカ。同社は5月11日、米国ニューヨークに拠点を置くメディアグループへのバイアウトを発表した。米IACグループ傘下のThe Match Groupがエウレカの発行済株式全株を取得した。買収額は非公開。
IACはニューヨークに拠点を置くNASDAQ上場のインターネット事業会社。日本でもサービスを展開するマッチングサービスのMatchのほか、OkCupidやTinderなどのマッチングサービス(デーティングサービスとも)をグローバル展開。加えて、Ask、About.com、Vimeoなどのオンラインメディアも展開する。
エウレカのpairsは2012年10月のサービス開始。現在日本と台湾で合計230万人の会員が利用(Facebookページのファン数はグローバルで約800万人だそう)。またCouplesは2014年5月の開始で、10〜20代を中心に国内220万人が利用している。同社では海外利用者の拡大を狙っている中で、グローバルでサービスを展開、マーケティングノウハウを持つIACの傘下に加わることで、pairsの成長を加速させるとしている。
実はこれまでにエウレカ代表取締役CEOの赤坂優氏と何度か取材等で話す中で、IACグループによるマッチングサービスのグローバル展開を例に挙げるなど、かなり同社を意識したコメントなどを聞いていたのだけれども、サービス開始から約2年半という買収までのスピードには驚いた。IACが開示するThe Match Groupの2015年度第1四半期のEBITDA(税引前利益に減価償却費や支払利息などを加えた金額25.9)は2590万ドル(約31億円)。一方のエウレカのpairsは、関係者の話を総合するところ月次数億円の売上にもなっているようだ。
またCouplesでは4月からメディア事業を展開。6月には繁体字版の配信を開始する予定とのことで、IACのノウハウを活用し、日本のほか、アジアでの成長を加速させるとしている。