巨大戦闘ロボ開発のMegaBotsに未来開けず、ついにeBayでオークションに

MegaBots(メガボッツ)が倒産した。ベイエリアで戦闘ロボットを作っていた同社がビデオで「現在の形のMegaBotsはこれで終わる」と声明し、これを機に15トンのEagle PrimeロボットをeBayに出品した。そのオークションは1ドルから始まったが、現在(日本時間9月25日午後6時)は数十名が入札し5万ドル(約540万円)を超えている。

画像クレジット:SN Jacobson/MegaBots Inc.(画像は一部変えている)

eBayのページには、「ロボットは機能する。会社が倒産したのでオークションに出しただけである」と書かれている。FAQには、この特殊なロボットの特徴と扱い方が以下のように記載されている。

ダート(未舗装の道)は得意でない。平滑な硬い面が好きだ。泥のような柔らかいダートだと、足がのめり込んでしまって、自分で足を上げられない。ダートでない普通の地面なら前進後退OKだが、上手に向きを変えられるのは舗装面の上だけだ。75%の人が「これをバーニングマンに連れていくかい?」と尋ねるだろう。そのたびにあなたは、上記を説明しなければならない。実際に一番多い質問がこれだった。

MegaBotsによると、このロボットの制作には約250万ドル(約2億7000万円)かかっている(多くはクラウドファンディングでまかなった)。だからeBayで5万ドルは超安い。落札者は送料も負担しなければならないが、おそらく西海岸では4000ドル(約43万円)以上、東部なら1万7000ドル(約180万円)以上はするだろう。

もちろん、この新品みたいな巨大戦闘ロボットでお金を稼げるだろう。MegaBotsによると、米国内のショウで7000ドル稼いだこともある。今ならもっと稼げるかも。

会社はどうなったのかというと、ここ数年利益が出ずジリ貧が続いた。クラウドファンディングでは派手に人気者になったが、それが利益にはつながらなかった。

公開されたビデオで共同創業者のMatt Oehrlein(マット・オーレイン)氏は「また資金切れになった。この製品で利益を上げることができなかった。3年前にローンを組んだが、その利息の支払いがこれ以上できない。だから会社の資産を売り払って銀行にできるかぎり借金を返したい。その後、倒産の手続きに入れるだろう」とコメントしている。

オーレインは会社の将来について含みを残すが、しかし資産売却とその後の倒産処理にそれほどの将来性は感じられない。一方共同創業者のGui Cavalcantiはソフトロボットの企業Breeze Automationを作り、4月のTC Sessions: Roboticsに初登壇した。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

MegaBotsと水道橋重工の巨大ロボットが来週対決――Twitchで中継、YouTubeにもアップ

巨大ロボットが戦うリーグ戦をビデオ放映しようというベイエリアのロボット企業、MegaBotsが発案した計画は実現までに長い時間がかかっている。当然だが、こうしたプロジェクトには資金が必要だし、その他のハードルも高い。MegaBotsは、準備期間中、ビデオのシリーズを発表して進捗状況を伝えてきた。MegaBotsは去年のTechCrunch Disruptppeared SFにも登場してこの「ボットバトル」計画を語っている。

MegaBotsが対決の最初の相手として日本の水道橋重工を選んだのは2015年にさかのぼる。日本のロボット・スタートアップは1週間後に挑戦に応じることを発表した。それから2年経つ。今年の8月にはあとすこしで対決が実現しそうだったが、MagaBotsによれば「ロジスティクス上の問題」で延期となっている。

しかしこのロボット対戦の日付がついに決まった。5日後の10月17日だ。このスケジュールでは両者とも後に引くには時間がないはず。しかし上記のように寸前で延期されたこともあるので、実際に放映されるまで確実なことは分からない。高価、複雑、巨大なロボットが戦うことになれば何が起きるか分からない。

MegaBotのEagle Primeは5メートル弱、12トンのヘビー級ロボットだ。水道橋のクラタスはこれよりやや軽量級で4メートル、6.5トンだという。合計20トン近いロボットが死闘を繰り広げる模様は Twitchでライブ配信される。時刻は西海岸時間で10月17日午後7時だ〔日本時間10/18 AM11:00〕。ビデオは配信後、MegaBotsのYouTubeチャンネルととFacebookページにアップロードされる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MegaBotsが新ロボットの開発ビデオを公開―水道橋重工との対戦準備進む

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日本の水道橋重工業の巨大ロボットとの対戦に向けてシード資金の調達に成功したMegaBotsチームが、開発の現状を詳しく紹介するビデオの第一弾を公開した。

ここには過酷なテストや既存モデルが激しく転倒する様子などが収められている。全体で7分半ほどで、Megtesチームが戦闘で乗員を保護するメカニズムを開発するためにロボットに激しい打撃を与えているところが見られる。武器もモジュール式になり、バリエーションが増えた。威力も恐るべきものになる…かもしれない。

今朝(米国時間10/12)発表されたプレスリリースでMegaBotsは「既存モデルに対して実施されたほぼすべてのテストで乗員は死亡ないし重傷を負うような衝撃を受けるはずであることが判明した」と述べている。

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アメリカの国旗デザインのド派手な衣装で9月のTechCrunch Disruptに登場した開発チームだが、アメリカ・チームは日本チームとの対戦を非常に真剣に考えている。高さ4.5メートルのロボットが転倒し、その衝撃で乗員が死亡するというのはなんとしても避けねばならない事態だ。

そこで、MegaBotsのウェブ・ビデオ・シリーズのテーマはまったく新しいロボット、Mk. IIIの製作となっている。最新の映像を見た限りではMk Ⅲの戦闘準備は相当に進んできたようだ。新モデルにはF1やNASCARににヒントを得たというロールケージが備えられ乗員を保護している。

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MegaBotsではDARPAのロボティクス・コンテストの2位入賞者と協力して新しいロボット操縦システムを開発している。モジュラー式のアームに脱着できるガン、ドリル、チェーンソーなど『キャプテン・スーパーマーケット』的な武器も公開された。最終的にこのロボットは重量10トン(前モデルの約4倍)、最高速度は時速16キロ、製作費用は250万ドル程度になる見込みだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

水道橋重工に挑戦中のMegaBots、シード資金を調達―人間搭乗巨大ロボット対戦のリーグ化を目指す

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カリフォルニア州オークランドのMegaBots Inc.が240万ドルのシード資金を調達することに成功した。このスタートアップは日本発のマンガやアニメでおなじみの人間が搭乗して操縦する巨大ロボット同士の戦いを実現するリーグの創立を目指している。

MegaBotsの共同ファウンダー、Gui Cavalcanti、Matt Oehrlein、Brinkley Warrenの野心は大きく、ロボット対戦リーグをフォーミュラ1国際サッカー連盟のような存在にしたいのだそうだ。

WarrenによればMegaBotsはシード資金を利用して、オリンピックが巨大競技化した道筋にならい、Latham Watkinsという法律事務所と提携してロボット対戦リーグの国際展開を図る。

Latham WatkinsでMegaBotsが特に協力を期待しているのはパートナーのChristopher D. Breartonで、同弁護士は国際オリンピック委員会(IOC)を始めとし、
NBA、MLB、NFLなどのプロスポーツ団体のリーグ化に助力した経験があるという。

内燃機関で駆動される巨大ロボットの対決となれば誰でも興奮するだろう。火に油を注ごうととMegaBotsは昨年、日本の水道橋重工に挑戦状を叩きつけている。

水道橋重工は日本のスタートアップで、MegaBotsより早く2014年に創立されているが、この挑戦を受けて立つとしている。報道によればファウンダーの倉田氏はKuratasロボットの対戦用に特化したスペシャルバージョンの開発にとりかかっているという。

Kuratasロボットは重量4トンの巨大ロボットだが、MegaBotsのMkIIは5.4トンにもなるロボットを試作している。Warrenは「対戦に用いられるマシンは6.8トンになるはず」だと述べた。MkIIの初期型は重量3ポンド(1.5kg)のペイントボールを発射する能力がある。これによって対戦相手のコンピューター・ビジョンにダメージを与えようという戦略だ。

MegaBots employees in Oakland, Calif.

MegaBotsの社員一同―オークランドの本社前

チームUSAとチーム・ジャパンの対決の場所や日取りは未定だ。ただし水道橋重工の主張に基づき、対戦の組織化はMegaBotsが担当する。MegaBotsはこの対決をホストすることに関心のある政府や自治体を探している。

ただしこの種のリーグの組織化には、ロジスティクス上の難問が待ち受けている。Warrenも指摘するように、7トン近いマシンは簡単に国際輸送できない。

これまでMegaBotsはクラウドファンディングで55万ドルを調達し、さらにグッズ販売やライセンス料で資金を集めてきた。Megabotsはイベントなどにロボットを登場させたり、
グッズを販売したりすることで100万ドルの売上を記録している。

同社への投資家には、Azure Capital PartnersAME Cloud VenturesAutodeskMaveron、エンジェル投資家でNational Venture Capital Associationの前会長、Ray Rothrockなどが負汲まれる。

Azure Capitalのゼネラル・パートナー、Michael Kwatinetzは「(MegaBotsのような)巨大ロボットが登場するライブイベントは人々の想像力をかきたてるので非常に大きなビジネスチャンスがある。その点はプロレスのWWEや自動車レースのNascar〔の成功〕を見ても明らかだ」と述べた。

またKwatinetzは「Megabotsのような巨大ロボットを開発する能力のあるエンジニアや経験を持つ企業は他にほとんんどない」と指摘した。

現在のロボティクスの主流はバッテリー駆動で、強力なエンジンや油圧メカニズムを搭載していない。こうした電動ロボットでは人間を乗せたり数トンもの重量を動かしたりすることはできない。

MegaBotsの投資家は、シード資金によって日本のロボットとの対戦を実現させ、広く関心を呼び起こして大企業によるスポンサーシップやテレビ局による番組製作に結びつけたい考えだ。
こうした動きはMMAファイティングなど総合格闘技の成功をモデルにしている。

画像:: SN Jacobson/MegaBots Inc. (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

〔日本版〕こちらのYouTubeビデオではファウンダーがMegabotsのロボットについてTestedのインタビューを受け、操縦席も含めて詳しく説明している。Megabotsには操縦士と射手の2名が搭乗する。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+