スウェーデンのゲーム大手MTGがインドのゲームスタジオPlaySimpleを約400億円で買収

スウェーデンのゲーム大手Modern Times Group(MTG)がインドのスタートアップPlaySimple(プレイシンプル)を3億6000万ドル(約400億円)で買収した。両社が現地時間7月2日明らかにした。

MTGはPlaySimpleに買収代金の77%を現金で、残りを株式で支払う。非公開の特定パフォーマンスメトリクスが向上した場合のために、買収額とは別に1億5000万ドル(約167億円)の報酬も用意されている、と両社は述べた。

この買収取引はインドのスタートアップ界で最大のエグジットの1つとなる。PlaySimpleは2016年のシリーズAで約1600万ドル(約18億円)の評価額でElevation CapitalとChiratae Venturesから400万ドル(約4億円)を調達した(PlaySimpleはベンガルールで創業され、外部投資家から計450万ドル、約5億円を調達した)。

買収の理由は明らかだ。「Daily Themed Crossword」「Word Trip」「Word Jam」「Word Wars」など9つの言葉ゲームを展開しているPlaySimpleの売上高は2020年、前年比144%増の8300万ドル(約92億円)に達し、2021年の上半期は売上高6000万ドル(約67億円)超と順調だ。

2016年のシリーズA後のPlaySimpleのキャップテーブル

「これまでに制作したゲーム、そしてチームとともに成し遂げたそのインフラや規模を誇りに思っています」とPlaySimpleの共同創業者で経営陣のSiddhanth Jain(シッダンス・ジャイン)氏、Suraj Nalin(スラージ・ナリン)氏、Preeti Reddy(プリーティ・レディ)氏は共同声明で述べた。

「MTGの仲間に加わるにあたり、当社独自のテクノロジーをMTGのポートフォリオにあるゲームで駆使し、欧州マーケットに進出し、そして最先端のテクノロジーに投資してエキサイティングな新しいゲームを制作することを楽しみにしています」。

PlaySimpleの無料で遊べるゲームは7500万回超ダウンロードされ、約200万人のデイリーアクティブユーザーを維持している、とPlaySimpleは話す。同社は2021年後半に数多くのゲームをリリースする計画で、またカードゲーム分野にも手を広げる。

「PlaySimpleは急成長中で、極めて収益性の高いゲームスタジオです。MTGにとってはエキサイティングな新規分野である無料の言葉ゲームにおいて、世界トップのデベロッパーの1社としての地位をあっという間に確立しました」とMTGの会長兼CEOのMaria Redin氏は声明で述べた。

ここ数四半期でHutchとNinja Kiwiも買収しているストックホルム拠点のMTGは、PlaySimpleが多様なゲーム分野を構築するのをサポートすると話した。「(MTGの子会社の)GamingCoの事業を拡大して多様化させることは営業成績を加速させるのに役立ち、と同時に安定したビジネスを築くのにも貢献します」と述べた。

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カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:Modern Times Group買収スウェーデンインド

画像クレジット:PlaySimple / MTG

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(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

MTGが「レベル・レーシング」などの人気モバイルレースゲーム開発元Hutch Gamesを約390億円で買収

スウェーデンのMTGが、モバイルゲーム業界で重要な買収を行う。同社は「Rebel Racing(レベル・レーシング)」「F1 Manager」「Top Drives」などの人気モバイルレースゲームを開発しているロンドンに拠点を置くゲームスタジオであるHutch Gamesを買収すると発表したのだ。

MTGはすぐに2億7500万ドル(約286億円)を支払い、さらに業績に応じて1億ドル(約104億円)を支払うことで合意したというから、この買収はMTGにとって重要なものとなるはずだ。

MTGをよく知らなくても、その投資先企業を知っている人は多いだろう。ここ数年、MTGはESLとDreamHack(ドリームハック)を買収してeSportsのリーダーになった。

MTGはまた、人気の高いウェブベースのゲームやモバイルゲームの開発で知られるInnoGamesとKongregate(コングリゲート)も買収した。近い将来、さらに企業を買収する計画があるというため、これで終わりではないようだ。

MTGは発表の中で、この買収が理に適っている理由を説明している。Hutch Gamesは単一のゲームに集中しているわけではなく、成功を収めた多くのゲームを擁しているため、将来的にさらなる成長が見込めるという。

また、Hutch GamesはF1などの有名ブランドのライセンスも取得している。そしてMTGは「Rebel Racing」「F1 Manager」「Top Drives」にはまだ大きく成長する可能性があると考えている。基本無料のモバイルゲームは、いわゆるGames as a Service(サービスとしてのゲーム)、つまり継続的にアップデートを行うサービスとして提供されるようになっているため、長期的な人気を維持したいと考えるのは当然だ。

長期的な可能性に関していえば、Hutch Gamesは2021年と2022年に向けて、さらに多くのゲームを準備しているという。おまけに従業員のほとんどが開発者であるため、費用対効果の高いスタジオといえる。

2020年1月から9月までの間に、Hutch Gamesは5630万ドル(約58億5000億円)の収益と1330万ドル(約13億8000万円)の利息および税金控除前利益(EBIT)を生み出した。Hutch Gamesの投資家にはBacked VC、Index Ventures、Initial Capital、エンジェル投資家のChris Lee(クリス・リー)氏が含まれている。

基本無料で遊べるゲームが儲かることは、ご存じの通りだ。だからこそ、将来的には何らかの統合が行われることになるだろう。一部の企業は、豊富な資金力や借入金を利用して、多数のタイトルを取り揃えたり、あなたのスマートフォンの画面を長時間占領するゲームを、次から次へと作り出そうとするだろう。

カテゴリー:ゲーム / eSports
タグ:MTG買収アプリモバイルゲーム

画像クレジット:Hutch Games

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(翻訳:TechCrunch Japan)