Onlabが第14期デモデイ、最優秀賞は宿泊権売買のCansellと知財クラウドのToreruに

2010年4月からインキュベーションプログラムを運営し、これまでにパーソナルモビリティのWHILLやHRテックのSmart HRなどを生んだOpen Network Lab。4月12日、同社は第14期Demo Dayを開催。プログラムに参加するスタートアップがこれまでの成果を発表した。

デモデイに臨んだ計5チームの概要を紹介する。

1.nimomin

matsuri technologies代表の吉田圭汰氏

matsuri technologiesが運営するnimominは、民泊や短期賃貸向け物件の集客支援/管理サービス。民泊営業の180日規制にも対応しており、短期賃貸との並行運用が可能だ。現在、サービスに掲載されている物件数は50室。同社は今後、安全で高い利回りを実現するため、従来の民泊・短期賃貸だけでなく、シェアハウスやイベントスペースなど複数のサービスとの連携を目指すという。

2.Cafe Wifi

Remote Work代表のBen Guild氏

Remote Workが手がけるCafe Wifiは、ネット環境が整ったワークスペースが探せるアプリ・Webサービスだ。アプリが自動で検知するWi-Fi速度や店の雰囲気などの項目を集計してレート化している。アプリでは、現在地点から候補となるワークスペースを探すことができる。同サービスでは現在、世界90カ国以上にある約3000店のカフェやスペースの情報が提供されている。今後はスペースの予約機能や飲食の遠隔注文機能を追加していくとしている。

3.Toreru

Toreru代表の宮崎超史氏

Toreruは商標申請などの知的財産に関する業務を簡略化するクラウドサービス。Toreru代表で弁理士でもある宮崎超氏は、「知的財産業務の95%が事務作業であり、無駄が多い」と話す。同社によれば、Toreruを利用することで知財業務にかかる時間を1/10まで削減できるとしている。同社は今後、海外申請に対応したり、データを活用して競合をウォッチングする機能などを追加していく。

4.PSYGIG

PSYGIG代表のGary Lo氏

PSYGIGはモビリティIoT製品の安全性を高めることを目指したSaaS型解析サービス。モビリティIoTではデータを取り出して解析するまでに数週間の時間を要するが、PSYGIGではこれを数時間にまで短縮することができるという。同社はSDKを提供しており、コードをコピー&ペーストするだけで簡単に導入できる。また、リアルタイムで車両のモニタリングを行い、異常があれば即時にアラートする。

5.Cansell

Cansell代表の山下恭平氏

Cansellは急な都合でキャンセルしなければならなくなったホテルの宿泊権を第三者に売買できるサービス。売却した資金を充て、本来ホテルに支払うべきキャンセル料を節約できる。同社によれば、現在、オンラインで予約したホテルがキャンセルされる割合は19%だという。今後は、さまざまな予約サイトなどと連携を進め、ボタン1つで出品できるような仕組みを作っていくという。また、ホテル以外の飲食店や結婚式などの権利も売買できるようなプラットフォームを作っていくようだ。

計5名の審査員による投票の結果、オーディエンス賞にCansell、最優秀賞にCansellとToreruが選ばれた。最優秀賞が2社になるのが今回が初めてのことだという。

Open Network Labが第10期のデモデイを開催、最優秀賞はKUFUの「SmartHR」に

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Open Network Lab(Onlab)が手がけるインキュベーションプログラム「Seed Accelerator Program」。2010年4月から続くこのプログラムもすでに第10期。4月2日にはその成果を発表するデモデイが開催された。

第10期には80チームが応募。ステルス(非公開)1チームを含めて合計7チームが採択された。デモデイに臨んだ6チームの概要を紹介する。

MOOB「MAKEY

ユーザー同士でメイク方法を共有する、いわば「クックパッド」のメイク版。ユーザーはメイクのビフォーアフターを投稿、閲覧できる。新規投稿数は3カ月で3倍に増加。サービス運営に加えて、花王やコーセーとコラボしたメイクのリアルイベントなども開催しているという。4月中旬以降サービスを本格化する。

フラップ「FLAP

「美容室」ではなく「美容師個人」にフォーカスしたマッチングサービス。12月にブラウザ版をリリースしている。美容師が得意な技術などを投稿。それを見たユーザーは、自分の気に入った美容師に対して予約を取ることができる。現在は登録美容師の42%が情報を発信し、35%が継続利用している。また美容師の7.5%がこのサービスを通じて新規顧客を獲得した。

KUFU「SmartHR

労務手続きをクラウド上で解決するサービス。これまで手書きで書く必要のあった各種の書類をオンライン上に入力するだけで自動的に生成する。ランディングページ公開後、2週間で125社(社員数ベースで1449人)の利用申し込みがあり、テストした10社の全社が「お金を払っても利用したい」と回答したそうだ。将来的には政府の公開するAPIと連携。さらに財務など各種業務システムとのつなぎ込みを検討している。

TSUNAGU「tsunagu Japan

訪日旅行者向けの英語メディアを運営。「日本のライフスタイルを知るコンテンツ」「まとめ記事形式の観光記事」の2つに特化した独自記事を配信している。現在のユニークユーザーは43万人、Facebookページは100万人、アンバサダー(記事拡散支援のユーザー)は320人。diggTripZillaと連携。7月をめどにUU100万人を目指す。将来的にはホテルや飲食などジャンル特化型メディアを提供する。

iDEAKITT「LifeCLIPS

書き手満足度重視のテキストベースSNS。書き手にとって重要なのは投稿の手軽さと表現の自由さを重視している。現在高校生から60代までが文章を綴っている。現在2万以上のCLIP(投稿)がなされている。アクティブ率は50%。平均滞在時間は10分を超える。アクセスの7割はモバイルからだというが、投稿される文字数は平均で400文字以上と長文が多い。3月31日にはiPhoneアプリもリリースした。(以前の記事はこちら

マミーケア「HouseCare

1時間2500円のハウスクリーニングサービス。ここは最近スタートアップが続々参入している領域でもあるが、HouseCareの強みは「速さ」。申し込みしたユーザーの37%が当日〜2日以内のブッキングを実現している。スタッフは日本語と英語に対応。もちろんレビューなどの仕組みも整えている。

最優秀賞はKUFUの「SmartHR」に

デジタルガレージ代表取締役グループCEO林郁氏をはじめとする審査員がBest Team Award(最優秀賞)に選んだのはKUFUのSmartHRだった。

僕もプレゼンを聞いていて「今人事労務が抱えている課題を解決する」という点では6チームで一番明快だと思ったのだけれども、ちょっと気になったのはサービスの参入障壁の低さだ。ビズグラウンドの「Bizer」なんかも、実はこのあたりの領域を狙っているサービスだったりするし、大手企業だって参入の可能性がある領域だ。

実際審査員の間でもこの点で評価が分かれたそう。林氏は「まだ完成していないがマーケット広い。だが参入障壁は低い。ささっと(資金)調達して勝負して欲しい」と評していた。

なおOnlabでは第11期のプログラム参加者を募集中だ。支援内容についても第10期からアップデートしているので、詳細はこちらの記事を確認して欲しい。

FrilやWHILLを生んだインキュベーションプログラムのOpen Network Lab、11期から支援内容を拡充

2010年4月からインキュベーションプログラムを運営しているデジタルガレージグループの老舗インキュベーター、Open Network Lab(Onlab)。

彼らの手がける「Seed Accelerator Program」はこれまで10期までを開催。フリマアプリブームの火付け役でもある「Fril」を手がけるFablicや電動モビリティを手がけるWHILL、米国で福利厚生サービスを提供するAnyPerkなど、58のスタートアップが参加してきた。もちろんクローズしたサービスだってあるのだけれど、卒業企業の時価総額は合計で325億円程度に上るのだそうだ。

プログラムの担当者が変わった背景があるのかは分からないが(前任の前田紘典氏は現在BEENOSでインキュベーションを手がけている)、最近ではデモデイを除いてプログラム参加企業すらほとんど公開しないで活動していたOnlab。本日募集を開始した第11期からはプログラムの内容拡充を図っていくという。

まず、これまで一律で200万円(持ち分5%)で提供してきたシードマネーを1000万円まで拡大。金額やバリュエーションについてはスタートアップの状況によって柔軟に検討するという。このあたりはインキュベーターも増えてきたし、200万円という少額のシードマネーを求めるスタートアップが減ったことなども背景にあるのだろう。

また、不定期に開催していたデジタルガレージグループの投資先など、国内外の識者によるメンタリングを隔週ペースでは開催。さらにデジタルガレージグループで展開するマーケティングやペイメントといった事業の具体的な支援を進めていく。さらに投資先やグループ会社のツール——プロトタイピングツールの「Prott」や情報共有ツールの「Qiita Team」——のほか、アプリ解析の「Mixpanel」など6つのツールを無償もしくは特別価格で提供するうそうだ。

プログラムへの応募には、創業年数などの条件は特に定めない。Onlab代表取締役社長の佐々木智也氏は、「プログラムを立ち上げた頃から変わっていないのは、『ネットを活用して課題を解決したいという人たちを支援したい』ということ。プロダクトありきではなく、課題解決の意志があるかどうか」と語っている。

OnlabデモデーFall 2013 – 第7期はEdTech、クラウドソーシング、学内SNSなどを採択

デジタルガレージ、カカクコム、ネットプライスが手がけるシードアクセラレータープログラムOpen Network Lab第7期に参加したスタートアップ5社が本日デモデーに登場した。すでにTechCrunch Japanではおなじみかもしれないが、今回もデモデーでプレゼンテーションを行った全5社を紹介しよう。

今期はEdTech、サブスクリプション型EC、SNS、クラウドソーシングといったトレンディなスタートアップ達が採択されている。

Shakring — シェイカー株式会社

Shakringは世界中の人々が色々な”モノ”をレビューし、情報交換するためのアプリだ。「今さらレビューアプリか」と思われたかもしれないが、Shakringは既存のレビューサイトとは少し違ったアプローチをしている。

このアプリではレビューされたモノは「国籍」、「友達」、「宗教」とタブが分けて表示される。なぜこのような形にしているのかというと、シェイカー代表の金亨喆氏の体験が元になっているそうだ。

彼が数年前に都内のドラッグストアで買物をしている時に咳をしながら、風邪薬選びに困っているインド人の青年を見かけた。最初は日本語が話せない、読めないために薬が選べないのだと思い日本でポピュラーな薬(パブロン)を教えてあげたのだが、それでもこの薬を「どのような薬かわからなくて怖い」と言い、買うのを躊躇したという。

つまりは、異国で1人で薬なんかを選ぶ時には情報が少なくて困っている人が多いということだ。たしかに言われてみれば、旅行時に風邪を引いて薬を買おうとしても何を買っていいのか不安かもしれない。だから、自分の友達や同じ国籍、宗教(イスラム教徒は豚肉が食べれないなどがあるため)といったセグメントで分けた商品レビューが必要なのだと金氏は語る。

2012年の世界の旅行者は10億人も居るから、こういった悩みを抱えている人は多いとのこと。すでに提供予定のiPhoneアプリには日本語の商品が約20万件、英語では5万件が用意されている。

Locarise — Locarise株式会社

Eコマース市場は年々急成長している。この背景にはインターネット接続デバイスの普及、流通の効率化、ストア運営コストの低価格化などの要因が挙げられるだろう。この他にも、その要因の1つとして「ビジターの解析の高度化」もある、とLocarise CEOのFabian Dubois氏はいう。

今ではアクセス解析ツールは色々とあるし、無料でGoogle Analyticsのように豊富な機能が備えられているものも存在する。このおかげでビジターがどのような行動をしているかを分析し、最適化することで売上を伸ばすことができる。

それでも小売市場全体のうち未だに約90%をオフラインの実店舗の売上が占める。しかしながら、オフライン側で来店客の行動を分析するツールはまだあまり活用されていない。そこで、Locariseは実店舗向けのGoogle Analyticsを提供する。

来店客や店のウィンドウを見ている顧客の行動を分析し、ウィンドウを見ていた人が店に入るコンバージョン率はどのくらいか、彼らが店内に滞在時間した時間や購入までのプロセスはどうなっているのかといった情報をダッシュボードで確認できる。

Locariseは店舗にセンサーを設置して、ユーザーが持っている端末のWiFi信号を定期的に受信する。この信号を処理して、彼らの行動をウォッチするのだそうだ。だから、ユーザー側にアプリをインストールする必要はない。このサービスはすでに約15店舗がしているようだ。

Style with — 株式会社スタンドアローン

Style withはメンズ向け定期販売型のファッションECサービスだ。ユーザーが登録時に好みの服やブランドなどを指定すると、毎月、5つほどコーディネートを提案してくれる。このコーディネートは気に入ったらそのまま買うこともできるし、シャツだけ単品で購入することもできる。もちろん、全て買わないという選択もアリだ。

Style withと似たようなサービスでは昨年の500 Startupsのプログラムに参加していた「BOMBFELL」や、昨年後半にmixiが「Petite jete」(こちらは半年で終了)がある。Style withが特徴的なのは月額費をユーザーから取らない点だろう。

毎月のコーディネートの提案は無料で、実際に買物をする時に収益を得ることがこのサービスのビジネスモデルとなっている。スタンドアローンの黒濱達也氏によると、メンズファッションのEC市場は2015年に2,000億円規模になり、このうち日本でStyel withのモデルにあてはまる「テイストグラフ型」の市場規模は150億円になる見通しだそうだ。

Ednity — 株式会社Ednity

National Training Laboratoriesが提唱する学習定着率の「ラーニング・ピラミッド」によれば、一番記憶に残る学習方法は順に「人に教える」、「自ら体験する」、「グループディスカッションをする」のだそうだ。このような学習を可能にするのがチーム学習であるとEdnity CEOの佐藤見竜氏はいう。

Ednityはチームで学習できるように学校のクラス用SNSを提供している。FacebookやLINEでもグループ機能は使えるが、よりクローズドで安全な場を提供するためにこのサービスはあるという。

まず先生がクラスを作成するとパスワードが発行されるので、それを生徒や保護者に教える。クラスには先生からのクイズ、アンケートなどが投稿されたり、Q&Aフォーラムで生徒同士でやり取りもできる。先生の画面にはクイズの成績表なんかも用意されているから、宿題の提出・採点にも使えるそうだ。この他にも手書きのホワイトボードも用意されているから、複雑な数式もリアルタイムに共有することができる。

Onlabに以前採択されて、本誌でも紹介したLanguage Cloudは英会話教室と大学の語学講義向けに提供されていたが、Ednityはこれを全てのカテゴリに応用したようなイメージだ。

Viibar — 株式会社viibar

Viibarは映像制作に特化したクラウドソーシングサービスだ。元々映像の制作をしていたという同社代表取締役の上坂優太氏によれば、この業界はどこに発注すればよいのかもわかりにくいし、多くの行程があるが、どの行程でいくら費用がかかっているのかもわかりにくいのだという。

映像制作には編集、制作、サウンド、Web加工、配信測定、シナリオ制作…などの行程が存在するが、Viibarではこれらの行程ごとに各クリエイターが担当して1つの映像を完成させる。すでに約500名弱のクリエイターのネットワークを構築しており、高品質でスピーディーな納品ができているそうだ。

クラウドソーシングは比較的1対1のやり取りが多い気がするが、発注側に対して複数人のクリエイターがタスクを分けて担当するという点が映像制作では重要なようだ。

世界的にビデオ制作の市場は伸びており、オンラインだけでも3年後には日本で2,000億円になると予想されているという。今後はクリエイターを独自の審査基準でクオリティー、コミュニティの質を担保しながらサービスを拡大予定だ。

以上がOnlab第7期採択チームだ。Onlabはこれまでに35社を輩出し、その中にはY Combinatorに参加したAnypark、500 Startupsに参加したLanguage Cloud、AppSocially、WHILLなどが含まれる。このうち18社がファイナンスを実施しており、今年3月には映画オンデマンドの「ドリパス」を運営するブルームがヤフーに買収されるなど、徐々にイグジットするスタートアップもでてきている。

今後はよりグローバルに展開するために来月にはデジタルガレージのサンフランシスコセンターが完成する予定らしく、着々と準備を進めているようだ。なお、Onlab第8期プログラムはすでに募集が開始されており、11月8日までとなっている。


Open Network LabデモデーSpring 2013 – 第6期は著名サービスを採択

onlab_logo

デジタルガレージ、カカクコム、ネットプライスが手がけるインキュベーション事業Open Network Lab(以下、Onlab)の第6期生のデモデーが本日開催された。前回の第5期生には昨年のTechCrunch Tokyo スタートアップバトルに出場したWHILLや、スパルタ、スマクルといったスタートアップを輩出したOnlabだが、今期は珍しい展開となった。

というのも、Onlab第6期採択チームの3社のうち2社はすでによく知られていて、実績のあるスタートアップだったからだ。100近い応募の中からすでに知られている2社を採択したことにより、デモデーでの新鮮味には欠けていた。もちろんインキュベーションとして優れたスタートアップを選ぶのは当然のことだが、外野からすると少し残念な気持ちがある。悪いことに今期採択された3チームのうち1チームはデモが間に合わなかったためにデモデーでお披露目されることはなかった。

ここからは第6期に採択された2社を紹介するが、読者の方はすでにご存知のものが多いかもしれない。

papelook/pape.mu girls

すでに500万ダウンロードを突破し、今年3月にAndroid版のリリース後は毎月50万ダウンロードされている女性向けのアプリがpapelookだ。

このアプリは写真を切り抜いたり、コラージュしたりして写真を加工するためのツールで、デイリーアクティブユーザー(DAU)は23万人、マンスリーアクティブユーザー(MAU)は148万人を誇る。利用者の8割が女性で、75%は日本のユーザーだそうで、15歳から29歳の女性のiPhoneユーザーのうち2人に1人は使っているという若い女子には必須になっているアプリのようだ。

パペルック代表取締役社長の小澤一郎氏によると、日本のApp Storeのカメラランキングでは年間累計でYouTube、LINEカメラの次にダウンロードされているそうだ。

今後はスタンプ課金やスタンプ広告を来週から提供する予定だが、同社のメインのビジネスモデルではないという。

収益化のメインとなるのは同社が提供しているpape.mu girsだという。こちらもターゲットユーザー層は同じく、女性だがpapelookとは違いファッションメディアとして機能している。ユーザーが好きな女性誌を選ぶと、その雑誌に適したファッションアイテムや載っているモデルのブログなどから写真を取得しタイムライン形式で表示する。

こちらは昨年1月にリリースしてから25万ダウンロード、MAUが5万人、月間PVが600万とpapelookには劣るものの、1日あたりの平均滞在時間は50分だというから驚きだ。

このpape.mu girls上では気になる服をそのまま購入することもできるのだが、今後はブランドの全面広告の導入(バナーではなく、ページ1面に広告を表示する)、掲載されているモデルが着ている服をそのまま購入できる機能などを提供していくことで収益化を図るそうだ。

Lang-8

Lang-8は語学学習サービスでユーザー同士が学びたい言語の文章を添削してもらう代わりに、相手のユーザー書いた自分の母国語の文章を添削するものだ。

Lang-8のサービス開始は5年前とインキュベーション参加チームとしては珍しいが、Onlab参加後は成長率がグンと上がったとLang-8代表取締役の喜洋洋氏はいう。サービス内に投稿されるコンテンツは約1.5倍、添削数は約3倍、そして一番重要視している添削率は72%から94%まで改善されたそうだ。

この成長を後押ししているのが人材だ。以前はほぼ喜氏1人で運営していたのだが、Onlab採択後に元クックパッドの佐々木達也氏とデザイナーがジョインし、開発のスピードが増したのが主な要因だ。

リソースが増え、デスクトップのみ先に改善をしたところ上記のような改善が見られたそうで、今後はスマートフォンにも最適化し、さらなる成長を目指す。

収益化に関してはすでにプレミアムモデルでの課金が用意されており、プレミアムユーザーも順調に増えているそうだが、有料での添削やチューターとしてSkype等でのレッスンができる機能を提供する予定だという。

Onlab 第6期生のサービスで今回デモデーに登壇したのはこの2つだった。すでによく知られているスタートアップのサービスだったので、冒頭でも述べたように読者にとっても新鮮さには欠けるものに違いない。

この他、第1期から第5期に採択されたスタートアップの新サービス–Compath.meのKiDDY、お願いカンパニーのプログラミングスクールSpathSchool–と、FindJPNからリニューアルしたVoyaginが発表された(Voyaginは本誌でも取り上げられている)。この他、非公開プロダクトが1つ発表された。このうち、Compath.meの新サービスKiDDYをご紹介しておこう。こちらのビボット組のほうが、新鮮さを感じたのは間違いない。

KiDDY – Compath.me

KiDDYは家族内だけで共有したいものをクローズドな場で共有するためのアプリだ。Facebookなどではシェアしたくない家族内の写真をストックできる。使い方は簡単で写真を撮り、コメントを付けてアップロードするだけで、写真はカレンダー風に日付とともに表示されるデザインになっている。

このサービスは昨年末にリリースされ、今のところ最も需要のある子供の成長記録をアーカイブするためのアプリとして約1万世帯に利用されているそうだ(家族間で使うので世帯数を公開している。そのため、ダウンロード数ではこの2倍~3倍だろう)。

アップロードされた写真は累計22万枚で、ユーザー数は毎月約120%成長、DAUは約20%、WAUは約50%と順調に成長しているという。

収益化の方法はKiDDY内にアップロードされた写真をオシャレなポストカードにして届けるモデルで、今後は100枚ごとにまとめてアルバム風にしたものを定期的に配送する機能も予定している。

また、子供の成長記録をアーカイブするためのアプリという使われ方の他に、健康記録を管理するためにも使われるようになるとKiDDYを運営するCompath.me代表取締役社長の安藤拓道氏はいう。

現在は親や祖父母が子供・孫の写真を見るために登録して使っているが、徐々に健康管理にもKiDDYアプリを使うようになるという考えだ。

以上がデモデーで発表されたサービスだ。

なお、採択チームは少ないが6期生の中で最優秀チームが発表され、パペルックが選ばれている。