Paramount+が月額約550円の廉価サブスクを間もなく開始、オンデマンド競争が激化

記憶すべきiCarlyロボットを観るのに月9.99ドル(約1100円)も払いたくないなら、そうしなくてもよくなる。Paramount+は、広告が入る月4.99ドル(約550円)のエッセンシャルプランの提供を米国時間6月7日に開始する。

若干安いこのプランはこちらもコマーシャルが入るCBSオールアクセスプランに代わるものだが、ローカルCBS局にもアクセスできる。もしあなたが現在月5.99ドル(約660円)のプランを購読しているなら、継続できる。しかし6月7日から新規購読は受け付けない。

エッセンシャルプランはCBSオールアクセスプランとどう違うのか? エッセンシャルプラン購読者はMarquee Sports(NFL、UEFAチャンピオンズリーグ、欧州リーグの試合を含む)、CBSNのブレーキングニュース、そしてParamountのすべてのオンデマンドの番組と映画にアクセスできる。ここには、BET、Comedy Central、 MTV、Nickelodeon、Smithsonian ChannelといったViacomCBSが所有するチャンネルのコンテンツも含まれる。しかしローカルテレビ局CBSの番組は対象外となる。なのでもしこの条件が呑み込めないのなら、あなたは今週末にCBSオールアクセスプランを購読することになるかもしれない。

既存のプレミアムプラン(月9.99ドル)ではコマーシャルが入らず、4K、HDR、Dolby Visionをサポートする。他のストリーミング同様、プレミアムの購読者だけがモバイルダウンロードを利用できる。

いずれのプランもペアレンタルコントロールを利用でき、最大6人が視聴できる。Paramount+は今回ウォッチリストを持っていない。しかしそれはこの分野において競争力のあるベースライン機能となっていて「ウォッチリストが登場するかどうか」ではなく「いつ登場するか」というだけの話だ。

参考までに、Netflixのベーシックなプランは月8.99ドル(約980円)だが、視聴は1度にスクリーン1つのみだ。これは家族や友人とアカウントを共有するのを難しくしている。Netflixのスタンダードプランは13.99ドル(約1500円)で、Paramount+よりも少し高い。

今週初め、HBO Maxは低価格で広告が入る、月9.99ドルのサブスクプランを発表した。WarnerMediaとDiscoveryの合併も人気のストリーミングサービスに大きなな影響を及ぼすかもしれないが、コンテンツライブラリーという点で、あるいはストリーミングアプリと組み合わせると、今後どのような競争になるのかはまだわからない。

究極的には、消費者はコンテンツ、価格、ユーザーエクスペリエンスなどを含む鍵を握るさまざまな要因に基づいてどのサービスを使うかを決める。コンテンツに関しては、Paramount+は新プランが始まる6月7日に、新規購読者の獲得を目指して主要作品を発表する計画だ。しかし低価格のプランは話題の映画を必ずしも気にかけていない人にも訴える。そうした人々は、Netflixにないプログラムへのアクセスを提供する現在利用中のストリーミングサービスへの安価なアドオンを求めている。

Paramount+を所有するViacomCBSは、第1四半期にParamount+、Showtime OTT、BET+で購読者を計600万人増やし、グローバルユーザー数は3600万人になったと述べた。新規購読者の大半はParamount+で獲得した。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

3万以上のテレビ番組と映画2500本が楽しめる動画配信サービスParamount+は広告付きで月額約530円

ViacomCBS(バイアコムCBS)の経営陣は米国時間2月24日、投資家イベントをバーチャル開催し、3月4日に開始されるストリーミングサービスParamount+の戦略について説明を行った。同サービスは基本的には、CBS All Accessのリブランド・拡大バージョンだ。

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米国でのサービス開始に加えて、同社幹部は、このサービスは中南米とカナダでも3月4日に利用可能になり、その数週間後には北欧でのローンチ、そして今年中にはオーストラリアでの展開も予定されていると述べた。

Paramount+の料金は、米国では広告付きで月額4.99ドル(約530円、CBSオールアクセスの約640円よりも安い)、または広告なしでスポーツ、ニュース、ライブTVコンテンツを追加して9.99ドル(約1060円)になるという。また、Showtimeなどの同社のプレミアムサブスクリプションとバンドルする計画もある。

そう、さらにもう1つの名前に「+」がついたストリーミングサービスだ。しかし、同社のストリーミング社長兼 CEOであるTom Ryan(トム・ライアン)氏は、調査の結果、パラマウントやCBS だけでなく、Comedy Central、MTV、Nickelodeon(ニコロデオン)など、ViacomCBS のブランドは視聴者によく知られており、新サービスではこれらのブランドが前面に出されると述べている。さらに、ViacomCBSはすでに「13 Reasons Why(13の理由)」「Emily in Paris(エミリー、パリへ行く)」「Jack Ryan(ジャック・ライアン)」など、他のサービスでヒットしたストリーミング番組を数多く制作していることも注目に値する。

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ViacomCBSの幹部はまた、Paramount+はライブニュース、ライブスポーツ、そして(イベント中に繰り返されたフレーズを使うなら)「山のようなエンターテインメント」を独自に組み合わせたサービスになると主張している。また、商品面では4K、HDR、ドルビービジョンでのオリジナル作品を簡単にダウンロードできるサービスを提供するという。

エンターテイメント面では、3万エピソード以上のテレビ番組と2500本以上の映画があるとされている。さらに、Kelsey Grammer(ケルシー・グラマー)氏が役に復帰した「Frasier(そりゃないぜ!? フレイジャー)」の新バージョンや、2022年初頭にShowtimeではなくParamount+でデビューするテレビ番組「Halo(ヘイロー)」などの新番組も加わり、ライブラリーは拡大していくという。同サービスはまた、「Love Story(ある愛の詩)」「Fatal Attraction(危険な情事)」「Flashdance(フラッシュダンス)」のような、さまざまなパラマウント所有作品のリブートをしていく。

また、前身のCBS All Accessと同じように、Paramount+では「Star Trek(スタートレック)」シリーズの番組が放送されることになる。これにはすでに放映されていた「Discovery(ディスカバリー)」「Picard(ピカード)」「Lower Decks(ローワー・デッキ)」だけでなく、新シリーズ「Strange New Worlds」や、子供向けアニメ「Prodigy」が含まれる。

映画サイドでは、パラマウントのCEOであるJim Gianopulos(ジム・ジャイアノプロス)氏は、同社は劇場公開モデルを今でも重視しているが、2021年に公開されるいくつかの作品(「A Quiet Place Part 2(クワイエット・プレイス 破られた沈黙)」、「Paw Patrol(パウ・パトロール)」の第1作、「Mission Impossible 7(ミッション:インポッシブル7)」など)を、劇場公開から30〜45日後にParamount+で加速的に配信する予定だと述べた(HBO Maxは2021年、Warner Bros.(ワーナー・ブラザース)の映画を劇場公開と同時に配信する予定だとのことなので、HBO Maxほど積極的ではない戦略といえる)。また、「Paranormal Activity(パラノーマル・アクティビティ)」と「Pet Sematary(ペット・セメタリー)」のリブートを皮切りに、新作で直接ストリーミング公開される映画も出てくるという。

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(文:Anthony Ha、翻訳:Dragonfly)

動画配信サービスCBS All Accessの後継Paramount+が米国・カナダ・中南米で2021年3月4日開始

2020年、ViacomCBS(バイアコムCBS)は、2019年のViacomとCBSの合併にともなうコンテンツラインナップの拡大をより良く反映させるために、同社のCBS All Access(オールアクセス)ストリーミングサービスが近日中にParamount+としてリブランドされると発表していた。米国時間1月19日、同社は米国でのParamount+のローンチ日を2021年3月4日に決定したと発表した。またラテンアメリカ、カナダ、北欧諸国を含む他の国際市場のローンチ日も公表した。

ラテンアメリカ市場では2021年3月4日にサービスが開始され、カナダでは同時にCBS All AccessからParamount+へとリブランドされる。ただし、カナダでは2021年後半までラインナップが拡充されないという。北欧地域では3月25日にサービスが開始され、その後、オーストラリアでは「2021年半ば」にサービスが開始されるとのこと。

ViacomCBSは2020年初めから、CBS All Accessの拡張であるこの新しいストリーミングサービスは、現在CBS All Accessでストリーミングされている複数の「Star Trek(スタートレック)」シリーズや「The Good Wife(グッド・ワイフ)」のスピンオフ作品「The Good Fight(ザ・グッド・ファイト)」などの増えているオリジナルコンテンツのコレクションを含め、同社の有名シリーズや大規模なコレクションを配信できるようになる、とリブランド計画を宣伝していた。

また新サービスはNFL、NCAAやPGAなどのスポーツリーグの試合中継や、CBSN地方局のニュースのライブ配信も継続して行うという。

2020年、ViacomCBSはさらに「The Godfather(ゴッドファーザー)」の製作過程を描いたオリジナル限定シリーズ「The Offer」、Taylor Sheridan(テイラー・シェリダン)氏が製作したCIAのスパイドラマ「Lioness」など、新サービスのために計画された他のオリジナル作品も発表した。また、過去40年間に焦点を当てたVH1の「Behind the Music」のリメイク版、フィクションのヒット番組「Criminal Minds(クリミナル・マインド FBI行動分析課)」を元にした実話の犯罪ドキュメンタリー「The Real Criminal Minds」、BETの「The Game」のリバイバルなども含まれている。

Nickelodeon(ニコロデオン)の「Spongebob Squarepants(スポンジ・ボブ)」から派生した新しい子供向けオリジナルシリーズ「Kamp Koral」を含む子供番組も拡大される。そして、映画「The Spongebob Movie:Sponge on the Run(スポンジ・ボブ:スポンジ・オン・ザ・ラン)」もビデオオンデマンド購読を通し配信されるという。

CBS All Accessは完全なリブランドに先立ち、BET、CBS、Comedy Central、MTV、Nickelodeon、Paramount PicturesといったViacomCBSが所有するブランドのコンテンツを取り入れ、3万以上のエピソードや映画を視聴できるようにすることを目標に、すでにラインナップを拡大していた

ViacomCBS は、Paramount+を独立した配信先にする計画を立てているが、他のストリーミングサービスにもコンテンツのライセンスを与えている。2020年に新たに統合された会社としての最初の1年間で、ViacomCBSはComcast(コムキャスト)、Dish(ディッシュ)、Verizon(ベライゾン、TechCrunchの親会社)、Nextstar(ネクストスター)、Meredith(メレディス)、Cox(コックス)、Sinclair(シンクレア)と受託放送契約を結び、YouTube TV(ユーチューブTV)とHulu(フールー)とは増分収益に関する契約を締結した。YouTube TVとHuluは、それぞれのラインアップにViacomCBS所有のチャンネルを6つ以上追加し、その結果、価格を引き上げている。

Paramount+は CBS All Accessの既存の技術プラットフォーム上に構築されているため、初日から前身と同じプラットフォーム(TV、ウェブ、モバイル)での配信が可能になる。

現在、CBS All Accessの加入者数は約800万人と推定されており、Disney+(7300万人以上)やHBO Max(1260万人の「アクティブユーザー」)などの新しいライバルよりもはるかに少ない。

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(翻訳:Nakazato)