Picnicが初のロボティックピザシステムを展開へ、プレオーダー受付開始

スタートアップにとってピザづくりロボットは驚くほど人気の最終目標になっている。ここ数年、そうした目標を持ったいくつかのスタートアップは他社に先んじてきた。目標に達しなかった企業としてはおそらくZumeが最も有名だろう。同社は持続可能なパッケージングに方向転換するために2020年初めに結局ロボティックピザトラックをあきらめた。

Picnic(ピクニック)は2021年5月に1630万ドル(約18億円)を調達し、最近知られるようになった。7月にも420万ドル(約5億円)を調達し、企業価値は3800万ドル(約40億円)超になった。レストランやホスピタリティ、エンターテインメント、テーマパークなどさまざまな業界での試験を経て同社は米国時間8月17日、とうとう最初のデバイスを立ち上げる準備が整った。ラスベガスで開催中のInternational Pizza Expo and Conference(国際ピザ博覧会)で発表された。

「チームは2020年、Picnic Pizza Systemを微調整するために顧客や戦略パートナーと絶え間なく取り組んできました」とCEOのClayton Wood(クレイトン・ウッド)氏はリリースで述べた。「作り出したソリューションをとても誇りに思っています。業界パートナーや顧客から受け取った評価には、キッチンオートメーションのソリューションに対する需要が示されています。今後すばらしい年になることを期待しています」。

ピザはフードロボティックシステムの明らかな初期ターゲットだ。その理由はまず、作るのが比較的簡単で、ほぼ同じような仕上がりになること。それから、ピザがよく食されていることだ。2015年に米国人は毎日100エーカー(約40万平方メートル)分のピザを食べたとの報道がある

Picnicは2021年末までに既存顧客からの注文を完了させ、2022年から新規オーダー分の出荷を開始する。料金はロボティクス・アズ・ア・サービス(RaaS)としてのもので、システムを借りるのに月3500〜5000ドル(約38〜55万円)かかる。モジュラーシステムやアウトプットの特異なコンフィギュレーションのようなものは変動制料金となる。料金にはメンテナンスチェックやリモートモニタリングも含まれる。

システムのプレオーダー受け付けは8月17日から始まっている。

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カテゴリー:ロボティクス
タグ:Picnicピザ

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

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本当の話。週末に筆者はとある人とレストランのロボティクスについて話していた。人々が思い浮かべるのが難しいコンセプトだ。それは当然のことだろう。何といっても、ときに文字どおりロボットアームがハンバーガーをひっくり返すという分野における、真に一般的に受け入れられているフォームファクターはない。

筆者の即座の返事は「ピザを作る大型のキオスク」というものだった。正直、それは真実からそれほどかけ離れてはいない。そうした種の自己完結型の組み立てラインロボットはおそらく、我々がこの分野で持つべき総意にほぼ近づいている。それらのロボットは最小限の相互作用で動くようにデザインされていて、従業員の関与は注文の入力、材料の追加、清掃に限られている。

ピザの場合は2要素から成る。まず人々はピザが好きだ。ありふれていて、しかも人気とあって、自動化したい最初の食べ物の1つとなるのは理に適っている。2つ目に、自動化が比較的簡単なことだ。ピザ作りのプロセスは一貫していて制約はない。フォローするのが簡単なステップバイステップのインストラクションに分解することができる。

筆者は先週、2つのレストランロボットを取り上げた。レストランロボットはパンデミック中にかなりの関心を集めた分野だ。というのも、新型コロナウイルスがどのように拡散するのかを科学が明らかにするにつれ、レストランは人間が食べ物に接触するのを最小限に抑える方法を模索し、人手不足の必要不可欠なサービスだったからだ。

Picnic(ピクニック)は上の記述にかなり当てはまる。言葉どおり、大きなピザ作りボックスだ。今週、シアトル拠点の同社は、1630万ドル(約18億円)の資金調達を発表した。ここには2020年秋の300万ドル(約3億円)のブリッジが含まれる。同社はレストラン、そして学校やスタジアム、病院のような人々が集う場所(覚えているだろうか?)にターゲットを絞っている。この分野ではひと握りの企業が事業を展開していて、以前Zumeとして知られこの分野を切り開いたXRoboticsも含まれる。

関連記事:XRoboticsはピザロボットの夢を諦めず正式発表に漕ぎ着ける、1時間で最大150枚、20種類以上のトッピングに対応

Chef Roboticsは今週、770万ドル(約8億4000万円)の資金調達を発表した。最終的なロボットがどんなものになるのかは企業秘密のためまだ伝えることはできない。同社は以下のように述べている。

Chefは、顧客が最小限のハードウェア変更で何千もの異なる種の食べ物を扱えるよう、人間のフレキシビリティを模倣するようデザインされています。Chefはより多くの材料の扱い方を学ぶことができ、改善も図れる人工知能を使っています。これにより顧客はメニューを頻繁に変える、といったことができます。加えて、Chefのモジュラーアーキテクチャによって、スタッフをさらに雇用してそうしていたように、すばやく業務を拡大することができます(しかし人間と違ってChefは時間通りに出勤し、休憩を必要としません)。

そこまでたどり着く企業はあまりないが、モジュール性は興味深い。こうした企業の多くが模索しているものだ。シンプルな反復作業を自動化するロボットを入手できれば、テクノロジーを異なる食べ物に適用できる交換可能なハードウェアを提供できるかもしれない。

今週あった他の目をひく資金調達にはMech-Mind robotsがある。北京拠点の同社はシリーズCを発表した。具体的な数字は公開していないが、新たな資金調達によって累計調達額が1億ドル(約109億円)を超えたと言っていて、またこの前に7900万ドル(約86億円)を調達した(2020年の1500万ドル[約16億円]のシリーズBを含む)ことからおおよそを推定できる。

Mech-Mindはさまざまな製造タスクを専門とする産業ロボットとAIの会社だ。

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi