毒針を持つアカエイにヒントを得た航空機が金星の大気を調べる

NASAの次の金星探査では、バッファロー大学(University of Buffalo、UB)が設計した、アカエイのように後尾に針のあるロボットが大気のサンプリングを行う。宇宙観測のための新しい革新的な設計コンセプトを追究しているNASAはその活動の一環として、ニューヨーク州立大学バッファロー校で航空宇宙機器の衝撃耐性を調べている研究所CRASH Lab(Crashworthinesss for Aerospace Structures and Hybrids laboratory)に、初期的な研究助成金を交付した。

そのアカエイの形をした宇宙船には、金星の上空の大気中の強風の中を飛べるための羽ばたく「翼」がある。UBによると、それによって飛行のコントロールが可能になり、効率的に飛行できる。その設計はBREEZEと呼ばれ、4日〜6日で金星を1周でき、2〜3日おきにその惑星の日照面にあるときには充電できる。

なお、金星は太陽のまわりを回る軌道が独特なため、その1日は地球の1年よりも長い。そこで探査用宇宙船は、他の自転周期の短い惑星の場合のように、推力を使って惑星の大気中に静止する設計にする必要がない(Wikipediaによると、金星の公転周期は224.7地球日、自転周期は243地球日)。

BREEZEが実際に金星の雲の中に出没するまでには、まだ長い時間がかかる。しかし、NASAから認められて補助金ももらったのだから大きな一歩前進だろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

探査車キュリオシティが火星にオアシスがあった証拠を発見

第1級の科学者たちによると、火星のGale Crater(ゲイルクレーター)への旅で探査車キュリオシティが見つけたものは、その直径150kmのクレーターの底にオアシスがあった証拠だという。

キュリオシティを担当している科学者たちは、今週発行された「Nature Geoscience」誌の記事で、その情景を記述している。探査車からのデータを分析した研究者たちは、そのデータから外挿した結果、その鉱物塩を豊富に含む岩石は、塩水の池が長年にわたって乾燥と溢水を繰り返した証拠だ、としている。それらの沈殿物は、火星の気候変動によって作られた、いわば水位標であり、火星の気候は太古のウェットな状態から今日の極寒の凍結状態へと変わってきた。

しかし科学者たちが次に知りたいのは、その変化がいつ起こり、何年続いたのかだ。米国カリフォルニア州パサデナにあるNASAのジェット推進研究所の声明文は、そう述べている。

ゲイルクレーターは、火星の表面を変えた衝撃によって生じた地質学的形状の名残だ。その後クレーターの中には水と風が満ち、凝固した沈殿物を風が削り、今のMount Sharp(シャープ山)と呼ばれる地質学的形状が作られた。キュリオシティ探査車は今その表面を採取している。

NASAによると、今後探査車は徐々にクレーターの上の方の層のサンプルからデータを送ってくるので、火星上の環境の長年にわたる形成に関する、新しい情報が得られるという。

研究論文の主筆であるカリフォルニア工科大学のWilliam Rapin(ウィリアム・ラパン)氏は「そこが変化していく火星のユニークな記録を保存しているから、我々はゲールクレーターへ行ったのだ。この惑星の気候がいつどのようにして変わり始めたのかを知ることは、もうひとつのパズルのピースだ。そのパズルとは、火星はいつごろ、そして何年ぐらい、その表面の微生物の生命を支えられたのか、という疑問だ」とコメントしている。

ラパン氏と彼の共著者は、キュリオシティが最初に訪ねた2017年に、沈殿物によってできた岩の高さ150mのところに塩を見つけた。そのSutton Island(サットン島)と呼ばれる場所にあった塩は、形成時にプールには水が溜まっていて、その後間欠的に極めて乾燥した乾期が訪れたことを示唆している。この乾湿のサイクルそのものは、科学者たちがすでに発見していた。

科学者たちは、その地質学的形状が南米アルティプラノの塩湖に似ていたのではないか、と憶測している。そこでは、連山からの流れや川が火星の地形に似た盆地を作っている。そしてあの一連の湖は、同じく気候変動の産物だ。

テネシー大学で堆積層の研究をしているチームメンバーのChris Fedo(クリス・フィード)氏は、こう言う。「傾いた層は大きな変化を表している。そこでは地形の一部が水面上にも出ていたはずだ。昔々は、深い湖の時代があったのだろう」。

今後キュリオシティは、さらに傾斜した層に向かい、岩石の組成を調べる。それらが乾期にできたものなら、クレーターの発達の新しい段階を意味するかもしれない。そしてそれは、数百万年前の火星の生物の秘密を明かしてくれるだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa