グーグルがQR決済・送金アプリの「pring」を買収

グーグルがQR決済・送金アプリの「pring」を買収

メタップスは7月13日、同日開催の取締役会において、同社持分法適用関連会社pringの全株式をGoogleに譲渡すると決定したと発表した。同社はpring株式を45.3%保有しており、譲渡額は約49億2000万円となっている。株式譲渡実行日は、7月下旬~8月下旬。同日、22.7%保有のミロク情報サービス、18.6%保有の日本瓦斯(ニチガス)も全株式譲渡を発表した。

pringは、友人・知人などと個人間送金が行える送金アプリを提供。経費精算・報酬支払いなど法人から個人に送金できる法人向けサービスや、QR決済事業なども展開している。

メタップスは今回、Googleによるpringの全株取得の意向を受け、メタップスが保有するpring全株式を譲渡する決定を行った。メタップスは、B2B事業およびストック型ビジネスに注力するための、事業ポートフォリオの見直しの一環としている。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:送金(用語)Google / グーグル(企業)買収 / 合併 / M&A(用語)pring日本(国・地域)

無料送金アプリ「pring」にワンタップ送金が可能な「スワイプ送金」が加わる

pringは7月16日、、送金アプリ「pring」(プリン)に「スワイプ送金」機能を追加した。pringは、チャット感覚で送金できるUIが特徴で、金融機関の口座からの資金のチャージや、口座への振り込み、送金や受け取りなどがすべて無料で行える。pring上の資金をセブン銀行ATMで直接引き出すこともできる。パーティーや飲み会などの代金を、事前もしくは事後にスムーズに受け渡せるのがメリットだ。

現在pringを利用できる金融機関は、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、住信SBIネット銀行、楽天銀行、ジャパンネット銀行、イオン銀行、埼玉りそな銀行、福岡銀行、西日本シティ銀行、愛知銀行、伊予銀行、愛媛銀行、関西みらい銀行(旧関西アーバン銀行を除く)、北九州銀行、熊本銀行、群馬銀行、京葉銀行、四国銀行、七十七銀行、親和銀行、千葉銀行、筑波銀行、東邦銀行、百十四銀行、広島銀行、北洋銀行、宮崎銀行、武蔵野銀行となっている。

これまでpringでは500円を送金するためにチャット画面では5回タップする必要があったが、スワイプ送金機能を使えば送金する硬貨の画像を選び、指ではじくだけのワンタップで送金可能になる。

送金アプリ「pring」がもれなく100円以上もらえるキャンペーンを開催

pringは5月28日23時59分まで、「10万円山分け!」送金チャレンジキャンペーンを開催する。同社は、送金や受け取り、決済、チャージ、口座振り込みなどがすべて無料の「pring」アプリを提供しており、このアプリを使った送金によって特典が受けられるというもの。

pringは、銀行口座を登録することで現金を持ち歩くことなく送金や受け取り可能になるアプリ。利用料や手数料は無料で、チャット形式で送金できるのが特徴だ。pringに預けている資金は、セブン銀行ATMから現金として引き出すこともできる。

実際の送金は送金情報を含んだURLをLINEやSMSで送信し。相手がURLを開いてpringで受け取るという流れになる。pringをインストールしていないユーザーに送金した場合は、相手側でpringアプリのダウンロードや各種設定が必要になる。

各種店舗でのQRコード決済にpringで導入することも可能で、店舗側が支払う決済手数料が0.95%と低いのが特徴となっている。

なお、今回実施する特典の総額は10万円だが、実際にはこれを山分けするかたち。期間中に送金したユーザーが10人ならそれぞれが1万円、100人なら1000円、1000人なら100円のキャッシュバックとなる。1000人を超えた場合は、期間中に送金したユーザー全員に一律100円がプレゼントされる。実際には、送金した資金を期間中に相手が受け取らないとキャンペーンのエントリーが完了しないので注意しよう。

無料送金アプリ「プリン」を使いセブン銀行ATMでお金をおろせるように、手数料は1日1回まで無料

右がPring代表取締役社長の荻原充彦氏

無料送金アプリ「プリン」提供のPringは3月12日、セブン銀行子会社のセブン・ペイメントサービスのATM受取に対応開始したと発表した。

この接続により、プリン内の残高はいつでもセブン銀行ATMで引き出せるようになる。ATM出勤手数料は1日1回まで無料。当日の会見で代表取締役社長の荻原充彦氏は、ATMでの出勤が24時間無料となるのは「送金アプリとして日本初」の試みになると話した。2回目からは216円となる。

プリンからセブン銀行ATMへ出勤する方法は以下のとおりだ。

  1. アプリトップ画面の左下にある「お金をおろす」をタップ
  2. 引き出す金額を入力し「現金受取り」をタップ
  3. 表示金額が正しいことを確認、セブン銀行ATMの操作を開始
  4. セブン銀行ATMで画面右上の「カードを使わない番号入力での取引」をタップ。

Pringは3月8日、プリンのリリースから1周年をむかえ、累計総金額は15億円を突破したと発表していた。

荻原氏はPringが目指しているのは「お金を動かすたびに生じる摩擦を限りなく無くし、お金コミュニケーションの活性」をはかることだと話した。

Pringの提供価値は「お金にまつわるストレスを解消」すること。荻原氏は今回の接続の目的は「更なるストレス解消のため」と話していた。

pringやPAY.JPも使えるAndroid搭載のマルチ決済端末「A8」

アルファノートは2月20日、Android搭載のマルチ決済端末「A8」をリリースした。クレジットカード、QRコード決済、ポイントカードなどに対応する。

クレジットカードは、VISA、Mastercard、JCB、American Express、Diners、銀聯の6ブランド。QRコード決済は、PayPay、WeChatPayのほか、ネットショップ作成サービスを運営するBASEが開発したオンライン決済サービス「PAY.JP」、無料送金アプリの「pring」に対応する。

BASEはダウンロード数が400万を突破。決済サービスのPAY.JPは、スタートアップやNPOに向けたプランを用意しているのが特徴。例えば、スタートアップ向けの「PAY.JP Seed」ではPAY.JPの決済手数料が通常の3%超から2.59%になる。

pringは2018年11月5日、プロダクトを拡大するために、日本瓦斯、SBIインベストメント、ユニー・ファミリーマートホールディングス子会社のUFI FUTECH、伊藤忠商事、SMBCベンチャーキャピタルなどから12.8億円を調達したばかり。同社はこの資金調達により、メタップスの連結子会社から持分法適用会社へと変わり、単体でのIPOを視野に入れながら事業に取り組んでいる。

話は戻ってA8だが、OSにAndroidを搭載。既存のPOSアプリや顧客管理アプリが同じくAndroidベースであれば移行は容易とのこと。端末はバッテリーで駆動するので携帯性もある。フル充電で48時間の連続利用が可能だ。Wi-Fiもしくはドコモの4G通信に対応するので、屋外やイベントなどので利用も可能だ。

なお、7月末まで税別7万4800円のA8端末を税別2万9800円で販売する。同社は今後、店舗支援ツールなどの自社開発にも取り組んでいくという。

QR決済・無料送金アプリの「pring」が12.8億円を調達——“お金のコミュニケーション”軸に独自路線で拡大へ

「自分たちとしてはそこまでQRコード決済アプリなどを意識しているわけではなく『お金コミュニケーションアプリ』として新しい市場を作る挑戦だと考えている。もちろん加盟店の開拓なども進めていくが、今後注力したいのはユーザーを増やし、お金のコミュニケーションを活発にしていくこと」

そう話すのは無料送金アプリ「pring(プリン)」を運営するpring代表取締役CEOの荻原充彦氏だ。

QRコード決済機能を備えるため、最近はモバイル決済サービスのひとつとして取り上げられることも多いpring。この領域はメガベンチャーや通信大手企業が続々と参入し、かなり競争が激しくなってきているけれど、あくまで「お金コミュニケーションアプリ」という独自のコンセプトに沿って拡大を目指す方針は変わらないという。

そんなpringは11月5日、プロダクトを拡大するための軍資金として、日本瓦斯、SBIインベストメント、ユニー・ファミリーマートホールディングス子会社のUFI FUTECH、伊藤忠商事、SMBCベンチャーキャピタルなどから12.8億円を調達したことを明らかにした。

今回の資金調達によりpringはメタップスの連結子会社から持分法適用会社へと変わり(設立の背景は後述)、単体でのIPOを視野に入れながら事業に取り組む。

お金の通りみちの摩擦をゼロにする

pringはユーザー間の送金や実店舗での決済に対応した、お金のやりとりをスムーズにするサービスだ。銀行口座と直接繋がっているのが特徴で、ユーザーは無料で送金・QR決済ができるほか、やりとりしたお金を銀行口座に戻して現金化することもできる。

クレジットカードではなく銀行口座と直接紐づけていることは、加盟店側にとっても手数料が低いというメリットがある。今はPayPayやLINE Payが、特定の条件を満たせば加盟店の決済手数料が一定期間無料になる取り組みをやっているので少し特殊な状況だけれど、pringの手数料は0.95%と業界の中でもかなり低い(QR決済は手数料3~4%が多い)。

pringの始まりは2016年の10月にメタップスとみずほFG、みずほ銀行、VCのWiLがスタートした、新たな決済サービスを作るプロジェクト。アイデアの検討を重ねた後、2017年5月に原型となる新会社を設立している。

この新会社を率いることになったのが、当時メタップスのグループ会社で、決済サービス「SPIKE」を運営するSPIKEの代表を務めていた荻原氏だ。萩原氏はメタップス入社前にDeNAで新規事業などを担当。それ以前には大和総研に在籍し、新規事業として大和ネクスト銀行の立ち上げにも携わった経験もある。

萩原氏いわく、2017年5月の時点から決めていたのが「(チャージ方法を)クレジットカードやコンビニなどではなく銀行口座でやる、そしてローンチ時から資金移動業者としてサービスを運営すること」だったそう。同年10月17日にpringのベータ版をリリースするまでの期間は、プロダクトの開発と並行して資金移動業を取得するために奮闘していたという(10月11日に資金移動業を取得)。

「根本にあるのは『お金の通りみちの摩擦をゼロにする』こと。たとえば家族にお金を送るのにいちいち手数料がかかったりするのをなくしたい、そんな思いから始まっている。SPIKEの経験でそれを実現するにはクレカでは難しいと思っていたので、銀行口座と直接繋がることにこだわった」(萩原氏)

ATMでお金を降ろす時の手数料、振込時の手数料、クレカで支払いが遅れた時の遅延料、カードの年会費。普段お金を送ったり、払ったりする際に発生する“摩擦”をなくし、その分を消費者が使えるようにする。萩原氏は「小銭を消費者に取り戻す」という表現もしていたけれど、pringの背景にはそんな思想があるという。

ローンチ時にはすでに決済や送金に関するアプリが複数ある状況だったけれど、普段のちょっとしたお金のやりとりを、よりなめらかに、よりスマートにするべく、いろんな層のユーザーが親しみやすいように使い勝手や画面設計にはこだわった。

一例をあげると“言葉を動詞にする”ことだ。pringでは「送金」「入金」「支払い」といった言葉の代わりに「お金をおくる」「お金をもらう」「お金をはらう」という表現が使われている。これはかつて金融業界を経験している萩原氏が、金融業界と消費者の間に感じたギャップを感じたことが理由。「金融業界では難しい言葉を使いがち」だからこそ、よりわかりやすい言葉に変えたという。

またお金のコミュニケーションを作るアプリということで、初期よりもさらに人をベースにしたUIにアップデートした。たとえばpringはトップ画面にユーザーのアイコンが表示されているけれど、これも「お金のコミュニケーションをしようと思った時に『いくら』とか『送金』ではなく、まず『誰に』が最初にくる」ためだ。

左が旧デザイン、右がアップデート後のデザイン。アップデート後は言葉が動詞になった他、画面上部のアイコンをタップすることで、すぐに他のユーザーに対してアクションを取れる仕様になっている

B2Cの送金サービスに活路

このような流れの中で、2018年3月に正式版のローンチを迎えたpring。現在は福島や北九州でキャッシュレス構想の実証実験に採用されるなど、少しずつ利用のシーンを広げている。

今回の資金調達もpringの成長をさらに加速させるためのもの。組織体制の強化や、さまざまなキャンペーンなどマーケティング面の強化を進める。現時点で明確な取り決めがあるわけではないが、ファミリーマートでの導入や伊藤忠商事のネットワーク・サービス内での利用など、調達先との事業連携も見据えているようだ。

ただ冒頭でも触れた通り「ユーザーを増やしてお金のコミュニケーションをより密にしていくことにフォーカスしたい」というのが萩原氏の考え。その具体的な施策のひとつが先日正式にスタートしたB2Cの送金サービスだ。

これは法人から個人ユーザーへ送金が簡単に行える仕組みで、従業員の経費精算や報酬支払い、もしくは顧客に対する返金やキャッシュバック時にpringを活用するというもの。ユーザーは受け取った報酬を他のユーザーに送ったり、店舗での決済に用いたり、銀行口座へ出金したりできる。

同サービスはすでに日本瓦斯(ニチガス)のグループ会社で導入済み。日本瓦斯運輸整備、日本瓦斯工事の委託業者約350名を対象に、pringの送金サービスを利用した報酬支払いの運用を開始しているほか、年明けを目処にニチガスの検針員への報酬支払いにも導入する予定だ。

実は以前ある新聞配達所の協力で、配達員30人の報酬の一部をpringで受け取れる仕組みを試してもらったそう。その際にpring決済に対応した簡易的なオフィスコンビニのような環境を作ってみたところ、1ヵ月で400件の決済が発生した。加えて全員がpringをインストールしている状態のため、個人間の送金も活発に行われたのだという。

「みんなが使えるようになった時に、ものすごい量の決済と送金が始まるということが見えた。もともと大和ネクスト銀行を作った際も、銀行員は自行の口座で給与を受け取っているので、飲み会の精算も銀行振込だった。これと同じことで、みんなが同じプラットフォームを使っていたら、そこでお金を送り合う。『pringの財布にお金が入っていて、知り合いと繋がっている状態』を作ることが重要で、その観点で相性がいいのはB(法人)の領域だ」(萩原氏)

このようにpringでは今後お金×コミュニケーションというコンセプトに合わせた形で拡大を目指していく計画だ。ただそうは言ってもスマホ決済サービス周りは多額の資金やマンパワー、強力なキャンペーンを踏まえて一気に市場を取ろうという大手の動きも目立つ。この状況を萩原氏はどう考えているのだろうか。

そんな質問をしてみたところ「現金を減らす、QRコードで支払うといった習慣を作っていく上では、マーケットが大きくなるのは大歓迎。ただ単なるQRコード決済サービスにおいては、スイッチングコスト自体は高くない」という萩原氏の見解が聞けた。

「(SNSなどと違い)決済は単体なので、クレジットカードと同じように今以上に自分に合ったものや気に入ったサービスを見つけた際に、新しいものを使うハードルが低い。スピード勝負とよく言われるが、自分自身は勝負を決めるのはクリエイティブだと思っている。まずは認知度をあげて実際に体験してもうらうところがスタートになるが、pringならではの使い勝手や面白さを軸に勝負をしていきたい」(萩原氏)

pring代表取締役CEOの荻原充彦氏