Amazonに顔認証技術の政府提供禁止を求める案は大差で否決されていた

Amazonが顔認証技術を政府に提供するのを阻止しようとする株主の試みは大きな票差で失敗に終わっていた。同社が当局に提出した文書で明らかになった。

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提案が採用されるには50%の賛成票を得る必要があったが、賛成したのは株主の2.4%だった。また、この提案が再び株主に委ねるためには賛成票が5%に達する必要があった。

顔認証技術について独立した人権評価を行うようAmazonに求めた別の提案も同様に却下された。同提案に賛成したのは株主の27.5%だった。

顔認証技術Rekognition偏見があり、また不正確である、としてAmazonは非難を浴びていて、批評家たちはマイノリティに対する人種差別に使用される恐れがあると指摘している。

Rekognitionが空港や公共の場所、そして警察に導入されたのを受け、ACLU(米国自由人権協会)は昨年、この技術について“重大な懸念”を提起した。AmazonはまたRekognitionを国境・税関管理当局にも提供している。

ACLUのような自由を求める市民団体や社会、そして多くの株式や投票権を持つ古参のAmazon社員からのサポートは増していたが、異議を唱えるよう説得するのは難しかったようだ。Amazon創業者で最高責任者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は同社株の12%を保有している。そして同社の法人株主トップ4社がベゾス氏とほぼ同じ投票権を有する。

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(翻訳:Mizoguchi)

Amazon株主が政府への顔認識技術提供の禁止を求める提案を否決

Amazonの株主は、顔認識技術を政府に提供しないよう同社に求める2つの提案を否決した。

株主投票の票内訳は現段階では明らかにされていない。票数を記載した書類は今週後半に公になる見込みだ。

1つ目の提案は、Amazonに同社が開発したRekognition技術の警察、法的機関、連邦機関への提供制限を求めたものだった。2つ目の提案では、技術の使用について独立した人権・公民権の調査を求めていた。

提案は、技術が偏見と不正確さを抱えているという非難をうけた動きで、批判の中で評論家たちは問題を抱えた技術がマイノリティに対する人種差別に使われるかもしれないと指摘している。

投票結果は強制力を持たず、Amazonは結果を拒否することができる。

しかし投票は必然的にほぼ失敗するようになっていた。Amazonの創業者で最高経営責任者のJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏は離婚後に同社の株式の12%、そして元妻の持分の投票権も保有している。Amazonの法人株主トップ4社(Vanguard Group、Blackrock、FMR、State Street)は合わせるとベゾス氏とほぼ同じ投票権を有する。

ACLU(米国自由人権協会)はAmazonがプライバシーの懸念に対応していないと非難し、対策を具体的に示そうと努力したにもかかわらず提案は否決された。

ACLUワシントン支部のShankar Narayan氏は意見として次のように述べた。「顔認識技術について投票が行われる必要があった事実は、Amazonの指導者たちにとって恥ずべきことだ。これは、Amazonの幹部が政府の監視普及に役割を果たすことによる公民権・人権への影響を正しく理解しているのか、株主たちが確信を持てていないことを示している」。

「まだ投票の正確な票数はわからないが、今回の株主の干渉はAmazonにとって顔認識による監視の本当の害を推測するための注意喚起のように作用するはずだ」とNarayan氏は述べた。

ACLUは水曜日にAmazonが拠点を置くシアトルで開かれた株主総会を前に投資家らに呼びかけた。手紙の中でACLUは、政府機関へのAmazonの顔認識技術の提供は「人々を追跡し、そしてコントロールして害するという空前のパワーを政府に与え、政府と個人の力関係のバランスを根底から変える」と述べている。

また手紙には「他の監視テクノロジーの長い歴史が示すように、顔認識は移民や宗教的マイノリティ、有色人種、活動家、そして攻撃されやすいコミュニティを狙いうちにするものであることは疑う余地がない」とも記されている。

ACLUは、投資家と株主はAmazonが誤った判断をするのを防ぐ力を持っていると語っていた。

Amazonはテクノロジーが不正確だとする主張を退け、株主総会前に米証券取引委員会に対し株主の提案を阻止するよう要求した。政府当局は、Amazonのプロダクトに対する疑念が高まる中、投票を阻止しようとするAmazonの動きを止めた。

Amazonの広報Lauren Lynch氏は5月21日、株主総会に先立ち、Amazonはどのようにビジネスを展開するかやプロダクトの使用について管理している行動綱領に沿って事業運営していると語っていた。

水曜日の株主総会を受けて同社に送った電子メールへの返事は、この記事執筆時点で返ってきていない。

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(翻訳:Mizoguchi)

Amazonの株主たちが顔認識技術を法執行機関に売らないことを要請

Amazonの株主たちが、同社の顔認識ソフトウェアRekognitionを法執行機関(警察など)に売らないことを求めている。その技術が“人権侵害と市民的自由の侵犯を惹起する可能性はない”、と取締役会が判断しないかぎり、Amazonがそのソフトウェアを政府機関に売らないことを、株主たちは要求している。

Amazon Web Services(AWS)の一部であるRekognitionには、顔の画像やビデオを分析する能力がある。その技術は人を認識し追尾できるだけでなく、人の感情も認識する。Amazonはこれまで少なくとも二つの州の法執行機関にRekognitionを売った、と過去に報道されている。合衆国移民税関執行局(U.S. Immigration and Customs Enforcement, ICE)に売り込んだ、という報道もある

昨年5月にアメリカ自由人権協会(American Civil Liberties Union, ACLU)の北部カリフォルニア支部がRekognitionを調べて、同支部が得た関連文書は人権と市民的自由に関する深刻な懸念を喚起する、と述べた。そのときACLUが得た試験報告は、Rekognitionが28名の国会議員を誤判定したとし、とりわけ黒人の議員を犯罪者と認識した、と言っている。

今回の決議文は非営利団体Open MICがまとめたもので、決議に参加した株主たちの総株数は資産額13億2000万ドルに相当する。

Open MICの事務局長Michael Connorが、同団体のブログにこう書いている: “これはよくあるパターンで、先進的なテクノロジー企業が画期的な技術としてマーケティングしているものが、人間や社会に及ぼす影響をまったく認識配慮していない、という例だ。Rekognitionを政府に売ることは、会社と投資家の双方にとって大きなリスクだ。だからその販売を即刻やめることは、喫緊の要請なのだ”。

この決議は、Amazonの今春の株主総会で票決される予定だ。

Amazonはこの記事へのコメントを拒否した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonの顔認識ソフトウェアを人権団体がプライバシー侵害で懸念、AMZNは歯牙にもかけず

Amazonは、Rekognitionを隠していたわけではない。2016年の晩(おそ)くに、この巨大ソフトウェア企業は、その顔検出ソフトウェアをAWSの比較的穏やかな記事で紹介し、その技術をすでに、オレゴン州ワシントン郡の保安官事務所が被疑者同定のために採用している、と発表した。

しかし今週、ACLU北部カリフォルニア州支部が、この技術に厳しい光を当て、このサービスが“市民の自由と権利に関する深刻な懸念をもたらす”、とする文書〔複数形〕を入手した、と発表した。

その問題の文書は、ワシントン郡が持つ30万の顔写真データベースと、郡の行政官などがそれらの顔を調べるためのモバイルアプリの存在を、とくに指摘している。また、Amazonはそのサービスの顧客を、ボディーカメラのメーカーなど郡以外にも拡大したい、と請願したとも言っている。

その北部カリフォルニアACLUのブログ記事(上記)を書いた同団体の弁護士Matt Cagleは、別の記事でこう述べている: “誰もが、政府に監視されずに通りを歩けるべきである。Rekognitionのような技術には、監視社会を自動化しこの自由を侵す危険性がある。とくに今日の政治的風土においてすでに不法に標的とされているようなコミュニティ〔複数形〕に、脅威をもたらす。このような強力な監視システムがいったん作られて展開されれば、その弊害を取り除くことはきわめて困難である”。

The Washington Post紙が、このACLUの記事に関して郡の広報担当Jeff Talbotに取材した。その担当官は同紙に対して、その技術は今あるシステムに限定されている、と語った。曰く、“われわれの目標は、防犯に関してわれわれがやっていることを公開して人びとにそれを正しく知ってもらうことだ。そのためにあえて言うならば、それは監視社会でも無差別監視でもない”。

Amazonは、その技術は本質的に人に対して侵襲的ではないか、という本誌の質問をはぐらかした。本誌宛ての社名入り声明で、こう述べている: “技術としてのAmazon Rekogniには現実世界で役に立つアプリケーションがたくさんある。そしてこのようなAIサービスの効用は、今後ますます多くの企業がAmazon Rekognitionのような先進的な技術を使い始めるに伴って、増加する一方である。一部の人びとが技術を悪用するからといって新しい技術を非合法化していたら、今日の私たちの生活の質は今よりずっと悪かったであろう。コンピューターが不法な目的に使われる可能性があるから、お客にコンピューターを買えないようにしたら、どうなっただろうか。AWSのどのサービスもそうであるように、Amazon Rekognitionに関しても私たちは、遵法性と責任ある使い方を顧客に要請している”。

画像クレジット: REMY GABALDA/コントリビューター

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa