なぜ、我々はHTTP/2に対応する必要があるのか?

先日、GoogleがHTTP/2を実装しているサイトへのクローリングを間もなく開始する、という記事を掲載しました。早ければ年内にも、ということですが、多くの方が注目している技術ではないでしょうか。HTTP/2の実装により、セキュア化(HTTPSが必須と言えるため)と高速化という、Googleが特に注目している部分を改善することができます。Googleのサポート時期はまだ明確にされていませんが、今のうちに準備を進めておくことは、決して無駄なことではないと思います。– SEO Japan

先日、Googleは、GoogleBotが間もなくHTTP/2に対応することを明かした。今回はコラムニストのパトリック・ストックス氏の記事を掲載する。HTTP/2とは何か、SEOにどんな影響を与えるか、について解説した内容となっている。

HTTP/2

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

たった1つの変更を加えるだけで、ウェブサイトの読み込み速度が上がり、サーバーの利用するリソースが減り、サイトスピードを増加させるために開発者が必要とする作業時間が短縮され、その上、ランキングが上がると言ったら、私はうそつき呼ばわりされてしまうだろう。あまりにも出来過ぎた話は、逆に信頼に欠けるものだ。そうだろう?

しかし、今回はその法則が当てはまらない。過去20年間のWebテクロノジー史上、指折りの進歩がついに現実となりつつある。しかし、SEO業界では、あまり議論されていないようだ。

バリー・シュワルツ氏が投稿したGoogle Webmaster Central Hangoutを要約した記事の中で、GoogleBotが、今年の年末、あるいは、来年の年明けまでに、HTTP/2に対応するというGoogleのジョン・ミュラー氏の発言が取り上げられていた。この記事を読んだところ、私はSEO業界全体がざわめき、大々的に報じられることになると確信した。しかし、実際には、それほどの盛り上がりを見せなかった。

HTTP/2への対応を行う理由は多くあるが、スピードの向上はその中でも大きな変化である。また、サイトスピードが上昇することで、ユーザー体験を向上させる効果もある。さらに、潜在的なランキング要素になるとも思えるのだ。

HTTP/2とは?

HTTP/2とは、Internet Engineering Task Force(IETF)が提唱するHTTPプロトコルの最新版である。HTTP/2は、1999年に策定されたHTTP/1.1を引き継ぐものである。Webは時間の経過とともに変化しているため、このプロトコルの更新は以前から切望されていた。今回の更新により、効率、セキュリティー、そして、スピードの面で進歩したのである。

HTTP/2が誕生した経緯

HTTP/2は、Google独自のプロトコルである、SPDY(2016年に廃止予定)をベースとしている。このプロトコルは、HTTP/2と同じ特徴を多く持ち、過去の互換性を保ちつつ、データの転送を改善していた。HTTP/2で用いられている多くのコンセプトは、SPDYで既に証明されている。

HTTP/2における主要な改善点

  • シングルコネクション
    ウェブサイトを読み込むためにサーバーに接続する回数は、たったの1度だ。また、この接続は、ウェブサイトが開いている限り、開いたままの状態が継続される。その結果、複数のTCPコネクションを張るために必要な、ラウンドトリップの回数を減らすことができる。
  • マルチプレックス
    同じ接続で、同時期に複数のリクエストを送信することができる。 HTTP/1.1では、データの送信は、別の送信が完了するまで待たなければならなかった。
  • サーバープッシュ
    今後の利用のために、追加のリソースを(クライアントからのリクエストがなくても)クライアント側に送信することができる。
  • 優先順位づけ
    サーバーが優先順位の高いリソースを早く提供するため、依存関係のレベル(重み付け)がリクエストに割り振られる。
  • バイナリ
    サーバーがパースを簡単に行えるようになり、よりコンパクトに、そして、エラーを減らすことができる。テキストから、コンピュータのネイティブの言語であるバイナリーに情報を変換するために、余分な時間を費やす必要はなくなる。
  • ヘッダーの圧縮 HTTP/2は、HPACKという圧縮方式を利用しており、オーバーヘッドを減らすことができる。HTTP/1.1では、多くのヘッダーがすべてのリクエストにおいて、同じ値で送信されていた。

画像の読み込みを例にHTTP/2の動きを確認できるデモがいくつかある。待ち時間が長くなるほど、HTTP/2の速さが際立つようで、これはモバイルユーザーにとっては朗報と言えるだろう。

*上記、HTTP/1.1とHTTP/2の読み込み速度の比較デモのページです。

HTTP/2への対応状況

Can I useによると、アメリカのユーザーが用いるブラウザの76.62%、そして、世界全体のユーザーが用いるブラウザの67.89%が、HTTP/2に対応している。ただし、Internet Explorer 11はWindows 10でのみHTTP/2に対応し、また、Chrome、Firefox、そして、OperaではHTTPSの利用が前提となっている。

ブラウザによって対応が変わるわけだが、各ブラウザからのあなたのサイトへの流入の比較は、Googleアナリティクスで確認することができる。ユーザー>ユーザーの環境>ブラウザとOS、で表示される画面で確認しよう。

また、Apache、Nginx、IISなどの大半のサーバーソフトウェアや、AkamaiなどのメジャーなCDNも、HTTP/2を既にサポートしている。

HTTPSとHTTP/2

HTTP/2は、セキュアな接続もセキュアでない接続にも対応しているが、MozillaのFirefoxもGoogleのChromeもHTTPSでのみ、HTTP/2をサポートしている。残念ながら、これはHTTP/2の利用を望む多くのサイトが、HTTPSにも対応しなければならないことを意味している。

しかし、幸いにも、Let’s Encrypt(2015年12月3日にパブリックベータをリリース予定)などの新しい取り組みが存在している。Let’s Encryptは、セキュリティ証明書をウェブサイトに無料で発行する新たな認証機関である。より安全なウェブを目指した、素晴らしい取り組みだと言える。

*日本時間の12月4日にパブリックベータとなりました。

HTTP/2の利用によるユーザーのための改善

何といっても最大のメリットはスピードだ。そして、早ければ早いほど、ユーザー体験は良くなる。時間の経過とともに、そして、新しいプロトコルの力をユーザーが悟るにつれ、HTTP/2の接続でのスピードの増加を実感するはずだ。

HTTP/2が開発者に与える影響

HTTP/1.1の時代に使用されていた、Webの速度を改善するための多くの手法は、HTTP/2では不要となる。こうした最適化への取り組みには多くの開発時間がかかり、また、スピードとファイルの読み込みにおける性質的な問題を隠す取り組みでもあったが、同時に別の問題も引き起こしていた。

  • ドメイン・シャーディング
    複数のサブドメインからファイルを読み込むため、より多くの接続が行われてしまう。並列に行うファイル通信が増加すると、サーバー接続のオーバーヘッドが増えてしまう。
  • イメージスプライト
    画像ファイルを組み合わせることで、リクエスト回数を減らす。画像ファイルが表示される前に、ファイルの読み込みが行われる必要があり、大きなファイルは、RAMを独占してしまう。
  • ファイルの組み合わせ
    CSSとJavaScriptのファイルを、リクエストを減らす目的で、組み合わせること。その結果、リクエストを実施する前にユーザーはファイルを待つ必要があり、RAMを余計に食ってしまうデメリットもある。
  • インライン化
    CSSとJavaScriptのコードや画像をHTMLに直接埋め込み、接続を減らす。しかし、RAMに負荷をかけ、HTMLのダウンロードが完了するまで、ページの読み込みを送らせてしまう。
  • クッキーなしのドメイン
    画像、CSS、JavaScriptのファイルなどの静的なリソースは、クッキーを必要としない。そのため、開発者は、クッキーなしのドメインから、こうしたリソースを送り、帯域幅と時間を節約するようにした。HTTP/2では、(クッキーを含む)ヘッダーは圧縮されるため、リクエストのサイズは、HTTP/1.1と比較すると、大幅に小さくなる。

最後に、REST APIを使用する私と同類のマニアックな人達には、今後は、リクエストをバッチ処理する必要がなくなったと伝えておく。

HTTP/2の利用によるサーバーのための改善

上記で紹介した手法の多くは、ブラウザーによって開かれた接続が増えるために、サーバーに余計な負荷をかけてしまう。このような接続に関連する手法は、HTTP/2では行う必要がない。つまり、必要な帯域幅は低くなり、ネットワークのオーバーヘッドは減り、サーバーのメモリの利用も少なくなるのだ。

モバイルでは、複数のTCPの接続は、モバイルネットワークの問題を起こす可能性があり、その場合、パケットを落とし、再びリクエストを送信することになる。そして、リクエストが増えると、サーバーの負荷も増えてしまう。

HTTP/2自体もサーバーにメリットをもたらす。まず、先程も触れたとおり、必要とされるTCPの接続は減る。また、HTTP/2はパースがより簡単であり、よりコンパクトで、エラーが少ないのだ。

HTTP/2がSEO担当者に与える影響

GoogleBotがHTTP/2に対するサポートを加えるため、このプロトコルに対応するウェブサイトは、スピードアップの恩恵を受け、ランキングが上がる可能性がある。その上、ChromeとFirefoxがHTTPSでのみHTTP/2をサポートするため、まだHTTPSに対応していないウェブサイトは、さらにランキングが上がるかもしれない。

ただし、HTTPSに関しては注意点がある。HTTPSでは多くの技術的なアイテムを正しく実施しなければならず、この作業に失敗すると、HTTPから切り換えた際、少なくとも一時的に、ランキングが落ちてしまう可能性がある。

HTTPSに切り換える際に、一番多く発生している問題は、リダイレクトにかかわるものだ。301の代わりに302を利用する問題だけでなく、リダイレクトの配置や作成、リダイレクトへのホップやチェーンの追加、過去のリダイレクトの処理忘れなどをよく見る。他にも、内部リンク、(可能な場合は)外部リンク、混合したコンテンツ、重複するコンテンツの問題、canonicalタグ、サイトマップ、トラッキングシステムなど、対処しなければ問題が山積みとなっている。

以下の、ゲイリー・イリーズ氏の発言を肝に銘じておきたいところだ。

【ツイートの翻訳】
あなたがSEOを担当者であり、HTTPSへの移行に反対する意見を推奨しているのであれば、あなたの考えは誤っており、反省するべきだ。

Googleのランキングシグナルに指定されている以外にも、ウェブサイトの安全性を高めるべき理由は他にもある。セキュリティ対策が実施されたサイトから、されていないサイトに移ると、ヘッダー内のリファラーのデータが失われてしまう問題は、あまり知られていない。

Google Analyticsでは、本来ならば、リファラーのウェブサイトにトラフィックの出所が認められるべきところが、ダイレクトに指定されてしまうことになる。また、AT&Tが無料Wi-Fiのホットスポットで広告を挿入していたことが明らかになったが、HTTPSを使っていれば、ウェブサイトに広告を挿入される試みを防ぐことができる。

読み込みに時間がかかると、コンバージョンにマイナスの影響を与えてしまうことや、ユーザーに見捨てられてしまうことがよく言われている。反対に、スピードアップがセールスとコンバージョン率を増やすこともよく言われている。HTTP/2は、より早く、より優れたユーザー体験を提供することを覚えておいてもらいたい。

Googleは、理由があって、スピードをランキング要素に加えている。HTTP/2自体がランキング要素になるのかどうか、そして、Googleが、さらなるスピードアップに対してどれだけ点数を加えてくれるのか、興味深いところだ。

SEOの担当者、開発者、サーバーの管理者、営業チームはもちろん、その他の大勢の人達もHTTP/2への取り組みに参加するべきだ。HTTP/2への対応が原因で、デメリットが発生することはない。HTTP/2でサイトを読み込むことが出来ない場合、今まで通りの方法で読み込むことになるだけである。そこで、私とともに屋上から、または、Twitterを使って叫ぼうではないか。

「Everyone should be making the move to #http2!(みんなHTTP/2に対応すべきだ!)」

最後になるが、ここで、先日、Internet Summitでビル・ハーツァー氏と交わした会話で浮かんだ、面白い考えを紹介しよう。それは、実は、GoogleがHTTPSを推奨し、HTTPS上でのみHTTP/2をサポートするのは、競合する広告ネットワークの一部を排除することになるためではないか、という考えだ。

ハーツァー氏は、このアイデアに対する根拠はないと言っていたが、筋は通っている。小規模な広告ネットワークの多くは、HTTPSに対応しておらず、HTTPSを薦め、HTTPS上でのみHTTP/2をサポートすることで、Googleの広告のマーケットシェアが増える可能性が高くなる、という考えである。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもSearch Engine Landを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Why Everyone Should Be Moving To HTTP/2」を翻訳した内容です。

HTTP/2が直接ランキング要素になるかどうかはわかりませんが、ユーザー体験の向上はGoogleが重要視している部分であることは間違いありません。HTTPSについても同様のことが言えますが、あくまで、ユーザーのための対応という考えは忘れるべきではないでしょう。ちなみに、最後に述べられている広告ネットワークの締め出しについては、SEO Japanとしても確証がない情報であり、元記事の筆者の個人的な見解として認識していただければと思います。– SEO Japan

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Googleは2016年2月に検索からAMPページヘのトラフィック送付を開始する。

GoogleがAMP HTMLによって作成されたページを検索に含める時期を発表しました。2016年の早期、という情報はありましたが、”2016年2月後半のできるだけ早い時期”を予定しているようです。AMPプロジェクトのブログによれば、TwitterもAMPページのテストを2016年の初期に始めるとのことです。その他、世界中の開発者も対応を進めており、16,000ページが毎日新しく作成されているとのことです。2016年の2月後半にSMX Westが開催され、SEO Japan(アイオイクス株式会社)も参加する予定ですが、新たな情報が発表されれば、改めて報告させていただきます。– SEO Japan

AMPフォーマットを使用した読み込み速度の早いページが来年の始めにやってくる。また、”Fast”というラベルも表示されるかもしれない。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

Googleが主導している、Accelerated Mobile Pagesプロジェクトが新たな局面を迎えた。Googleが2016年2月にAMPページを検索エンジンに取り込むと発表したのである。また、ページスピードを高める方法として、いずれランキングを押し上げる要因となるかもしれない。

Googleはこのニュースを、その他の進捗も併せて、ブログで報告している。さらに、サンフランシスコでプレス向けの特別なイベントも本日開催した。

このイベントでは、二つの重要なポイントが話された。AMPページがランキング上昇の要因となる可能性と、モバイルフレンドリーのように、”fast”ラベルが表示される可能性が明らかになったのだ。しかしながら、両者とも可能性の段階であることを付け加えておく。

Googleはモバイルページのスピードをランキング要因としている。(どの程度の要因なのかについての議論は尽きないが。)AMPは読み込み速度とページ速度を改良するため、AMPページを持つパブリッシャーは検索結果において優先的に表示されるようになるだろう。Googleは明確にこれを認めているわけではないが、ページスピードの重要性は繰り返し述べている。AMPはページの読み込み時間を改良する最適な方法となりそうである。

私は、AMPページに”AMP’d,”(”スマホ対応”と同様)というようなラベルを表示するのか、と尋ねてみた。Gooleの非公式な見解は、ラベルの表示は、ユーザーにとってよりわかりやすい、”fast”という表示になるだろう、といったものであった。

Googleは、AMPをモバイルページの速度を早める唯一の方法ではないと、はっきり述べている。ラベルについても確証を述べているわけではない。また、AMPページを検索結果に表示させるにあたり、ユーザー体験とインターフェイスについては、引き続き取り組む事項であるとしている。

Googleは既にAMPサイトのテストを行っているが、AMPページの表示がどれだけ早いかがわかるだろう。AMPページがGoogleの通常の検索に組み込まれた場合、どのように表示されるだろうか。”fast”ラベルについては、今のところは、一例に過ぎないだろう。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Search Will Integrate AMP Pages In Feb. 2016, May Get Ranking Boost」を翻訳した内容です。

記事内にもある通り、その他の進捗も伝えられています。”広告”、”分析”、”購読(有料ページや定期購読”、”コンテンツフォーマットの改良”、についての内容が更新されています。どれも、リッチな体験を提供するものの、ページのスピードを下げる要因となり得るものです。AMPはこうした要素を軽視していませんが、”ページ速度を保ちつつできるだけリッチな表現を許可する”、という非常に難しい課題に取り組んでいる印象があります。AMP独自のコンポーネントを使用することで実現できる内容は増えますが、内容はどんどん進化していくことでしょう。爆発的な普及が約束された技術ではありませんが、逐一情報は集めておこうと思います。– SEO Japan

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Googleの”Place Actions”の内容が明らかに。ローカルボックス内に”注文”や”予約”の情報を表示できる。

本日は2記事更新となります。(もう1つはこちら。)先日、構造化データのドキュメントにライブブログが追加されたという記事を掲載しましたが、今回は”Place Actions”が追加されました。Googleのドキュメントによれば、レストランでデリバリーの注文をしたり、美容院で予約をしたり、といった情報を追加できるようです。つまり、ユーザーがアクションを行えるページへのリンクを、ナレッジパネル内に表示することができるようになったことになります。現在はテスト機能のようですが、テスターの募集もしています。ローカルビジネスにとっては、ぜひ導入したい機能ではないでしょうか。– SEO Japan

*記事内のリンクは英語となっています。

数週間前、Googleのヘルプドキュメントに”Place Actions“へのリンクが追加されたと報じた。しかし、該当のページは404エラーとなっており、内容については触れられていなかった。今回、Googleはリンク先のページを表示するようになり、”Place Actions”の詳細を説明している。”Place Actions”はユーザーがローカルボックス内で接触できる内容を追加するもので、”注文”や”予約”についての情報を表示できるようになるのだ。

これは、以前GoogleがDemandForceと共同で行っていたテストと似ている。

“Place Actions”のマークアップを追加することで、ローカル検索結果に”予約する(Book an appointment”といったアクションが追加されるかもしれない。下記に、例となる画像を載せておく。

この機能は、現在はテスト機能であるが、参加したいのであれば、こちらのフォームから参加できる。Googleは下記のように説明している。

Google検索やGoogleマップで特定のビジネスを検索した際に、検索対象となるビジネスについての詳細な情報が記載された、”ナレッジ・パネル”カードが表示されるかもしれません。”Place Actions”はカード内に表示され、そのアクションを行えるページやアプリにユーザーを”ディープリンク”させます。
“ディープリンク”とは、特定のビジネスにおける、特定のWebフォームに向けられたURLを意味します。

今回Googleが更新したドキュメントへのリンクを記載する。

この件についてのGoogle+はこちら。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Place Actions Revealed: Place Orders, Make Appointments & Reservations」を翻訳した内容です。

なかなか面白い機能だと思いますが、少々設定が複雑な場合もあるようです。例えば、レストランで複数の異なる店舗でデリバリーが注文できたり、美容院で複数のメニュー(カットとパーマのような)を予約できる場合などは注意が必要です。テスターの募集を行っていますが、日本語ページが対応しているかは未確認です。今後、パブリックで使用できる機能になれば、再度発表があると思われますので、その際は改めて報告させていただきます。– SEO Japan

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Googleの新しいアプリインストール広告。”トライアル・ラン広告”と”インタラクティブ・インタースティシャル広告”とは。

本日は2記事更新となります。(もう一つはこちら。)Googleがアプリインストール広告の2つの新しいバージョンを発表しました。共にベータ版ですが、参加者も募っているようです。”トライアル・ラン広告”がゲームアプリ向けで、”インタラクティブ・インタースティシャル広告”はエンゲージメントを高めたいアプリ向けとなっているようです。モバイルの利用率の増加に伴い、アプリの数も増え続けている状態だと思われますが、群雄割拠の市場を勝ち抜くための、1つの手段となるかもしれません。– SEO Japan

*記事内のリンクは英語となっています。

Googleはアプリインストール広告の新しい広告フォーマットを2つ発表した。1つは非常に素晴らしく、以前取り上げた、アプリのストリーミング機能を使用して、該当のアプリをダウンロードしなくてもトライアルができるというものだ。

この広告は”トライアル・ラン広告(Trial Run Ads)”と呼ばれている。ユーザーがこの広告をクリックすると、ユーザーは60秒間のトライアルを行えるというものだ。広告には60秒間のカウントダウンが表示される。下記にこの広告のGIFを載せておく。

Google App Trial Run Ads

2つ目のフォーマットは、HTML5を用いた非常にインタラクティブなものだ。Googleの説明によると、「”インタラクティブ・インタースティシャル広告”はベータ版である。HTML5を用いた広告であり、広告を出すアプリに合わせた、完全にカスタマイズされたユーザー体験を提供することができる。」、としている。

この件に関するGoogle+WebmasterWorldのリンクを張っておこう。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「New Google App Install Ads: One Streams Your App For 60 Seconds For Free」を翻訳した内容です。

Googleの記事によると、インストールされたアプリの内、4分の1が全く使用されていないということです。ロイヤリティの高いユーザーの獲得が望まれていますが、非常にハードルも高いのでしょう。また、”モバイルに適した経験を提供することは広告とて同じこと”とも述べており、”インタラクティブ・インタースティシャル広告”では、既存のテンプレートではなく、カスタマイズされたテンプレートを使用し、A/Bテストを行うことも薦めています。自身のアプリに適した広告の最適化が今後進むかもしれません。– SEO Japan

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新しいペンギンアップデートの更新は年内に行われない。

年内の更新が予定されていたペンギンアップデートですが、実際の更新が来年まで延期されたとのことです。クリスマスシーズン前のランキングの変動を避けるといった対応だと思われますが、ホリデーシーズン前には大きなアップデートを行わないという前提(?)は以前からありました。なんだかんだ多くの関心を集めていたペンギンアップデートの更新ですが、ひとまず来年まで持ち越しとなった模様です。– SEO Japan

Googleはペンギンアルゴリズムの更新を今年は行わないため、WebマスターとSEO担当者はもう少し辛抱しなければならない。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

私を含めてだが、みなさんもGoogleのペンギンアップデート年内に行われると期待していただろう。しかし、GoogleがSearch Engine Landに伝えてくれた情報によると、ホリデーシーズンのため、更新は来年まで行われないとのことだ。

Googleのスポークスマンからの情報によると、「ホリデーシーズンを間近に控えていることを考えると、ペンギンの”行進”は来年まで行われないようだ。」

次回のペンギンアップデートはリアルタイムであることが予測されている。つまり、Googleがあなたのサイトへのリンクを発見すれば、それが良いリンクであれ悪いリンクであれ、すぐにペンギンアルゴリズムはこれらのリンクをリアルタイムで分析し、ランキングの変更もほぼリアルタイムで行われるということだ。

ペンギンは継続したアップデートになるため、今までのように、Googleがアップデートを行うまでに数ヶ月、もしくは、数年待たなければいけない、といった状況ではなくなる。公式で行われた最後のアップデートはペンギン3.0であり、2014年10月17日に行われた。13ヶ月以上前である。

ペンギンの更新が年内に行われなくなったため、Webマスターはもう少し忍耐強く待たなければならないだろう。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google: New Penguin Algorithm Update Not Happening Until Next Year」を翻訳した内容です。

気がつけば1年以上更新が行われていないペンギンアップデートですが、さらなる延期がされる見込みとなりました。理由はホリデーシーズン前ということになっていますが、ローンチの準備が整っているかどうかについては言及がありません。アメリカではクリスマスが1年を通して最大のイベントと言えるでしょうが、新年も大きなイベントの一つです。日本では正月が最大のイベントになりますが、ホリデーシーズンについてもグローバルに考えていただけているのでしょうか??– SEO Japan

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“ファントム3″は新たな”クオリティ・アップデート”だったのか?

先月中旬に見られた変動についての記事です。順位変動やアップデートの疑いがある、という記事はちょこちょこ見られるのですが、それら全てを確認する必要はないかと感じています。今回の記事については、フォーラムでの発言がメインではなく、ファントムアップデートの名付け親であるゲイジ氏や、Searchmetrics社のマーカス氏も記事を投稿しており、それらをまとめた記事になります。日本でも変動が見られるといった発言を目にしますが、Googleからのオフィシャルな発表は特にありません。– SEO Japan

11月19日のアップデートをGoogleは認めていないが、ランキングアルゴリズムの核となる部分のアップデートが行われた証拠が数多くある。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

新たな”ファントム”アップデートがあったのだろうか?Googleは否定しているが、アップデートが起こったと考えている人が多くいるようだ。

2015年11月19日に、Googleがアップデートを行ったのでは、との報告が、多くのSEO担当者から寄せられた。Googleのジョン・ミュラー氏はTwitterで、「Googleとして報告することは何もない。」と述べており、「Googleは毎年何百もの変更を行っている。」ともしている。

“Googleは大きな変更を行ったが、それを発表していない”、といった可能性がある。また、”Googleが数百の内の1つの変更を行い、それを一部の人間が変動と捉えた”、といった可能性もある。さらに、”主要な変更は何も行っておらず、それ故Googleも何も発表していない”、ことも考えられる。

個人的には、パンダアップデートペンギンアップデートではないと考えている。もしも、両者の内のどちらかであれば、これまでと同様、ジョン・ミュラー氏は何らかの発表を行っているだろう。

Googleが発表していないことが起こった可能性はあるのだろうか?もちろん、その可能性はある。

しかし、Googleのランキングアルゴリズムの”核”となる部分への変更ではない。それらは、メインアルゴリズムのフィルターとしての役割を担っているのだ。コア・アルゴリズムの場合、Googleは特に発表を行わない。

それでは、メインアルゴリズムへの変更であったのだろうか?その可能性はある。過去にも変更が疑われた後、最終的にGoogleがそれを認めた、ということはあった。

5月に、Googleはクオリティ・アップデートを認めたが、それは、最初に変動が確認されてから2週間後のことであった。Googleの発表が遅れ、詳細を知る者が誰もいなかったため、ファントムアップデートとして知られるようになった。ファントムアップデートは、これについての記事を最初に書き上げた、グレン・ゲイジ氏が名付けたものである。

ゲイブ氏は、2015年5月のアップデートを”ファントム2″と呼んでいた。これは、2013年に起こった非公式のアップデートであるファントム(つまり、こちらがファントム1となる)の続編であると想定していた。

実際には、ファントム1で行われた変更が、そのままファントム2でも起こったと断定することはできない。両者は全く異なるアップデートであった可能性もあるのだ。共通した唯一の事項は、誰も詳細を知ることがなかったため、”ファントム”という名前がつけられた、という点である。

繰り返しになるが、Googleは最終的にファントム2がクオリティ・アップデートと呼ばれるものであることを認めた。そして、11月に起こったと思われるアップデートは、新しいクオリティ・アップデートなのだろうか?

答えは誰にもわからない。ただ、多くの証拠と思われるものがあるだけだ。幾つかのケーススタディや、11月19日から見られる業界内の多くの報告が、それにあたる。

今回のアップデートをファントム3と呼ぶものもいる。前述のゲイジ氏は新しい記事内で言及しており、Searchmetrics社のマーカス氏も同トピックの記事を投稿している。両記事とも、今回のアップデートの影響を受けたサイトの非常に詳細な情報を記載しており、どの程度の影響があったか、なぜ影響を受けたのか、といった内容が記されている。

両者とも、今回のアップデートは品質に関するものだと論じており、ファントム3(もしくはクオリティ・アップデート2)の可能性を示唆している。

少々話しが複雑になってきた。下記にまとめてみよう。

  1. ファントム1(2013年5月)
    Googleは発表していない。アルゴリズムへの変更の可能性がある。
  2. ファントム2=クオリティ・アップデート(2015年5月)
    この変更が見られた当初は、非公式の名前である”ファントム2″として知られた。Googleは公式には”クオリティアップデート”と呼んでいる。
  3. ファントム3(2015年11月)
    Googleは発表していない。クオリティ・アップデート2の疑いがある。

さらに状況を複雑にしてしまうが、6月にGoogleはアルゴリズムへの別のアップデートを認めている。このアップデートを”ファントム”と呼んでいる者は誰もおらず、また、Googleも名前はおろか、それについての説明もしていない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Was “Phantom 3” A New Google “Quality Update” To Its Algorithm」を翻訳した内容です。

記事内で言及されていたゲイジ氏の記事は非常に詳細なデータに基づいており、グローバルでの影響も観測しているようです。マーカス氏の記事については品質を中心に論じており、先日公開された品質ガイドラインを引き合いに出しています。マーカス氏によると、品質ガイドラインに沿ったサイトは影響がない、といった調査報告がされていますが、Googleによる品質調査は順位を決定づけるものではないと断定されています。しかし、高品質なサイトは上位に表示される、といった前提は今に始まったことではないですし、品質を考える指標として、ガイドラインを参考にすることも間違った選択ではないと思います。Googleのアップデートを常に追い続けると言うのは本質的ではありませんが、定期的にご報告していきたいと思います。– SEO Japan

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【シリーズ連載その1】Android 6 “Marshmallow”とSEO。Googleのプライベート・インデックスとスクリーン・クローリングとは。

去る10月にAndroid 6がリリースされ、11月にNow On Tapの提供が日本でも開始されました。様々な機能の追加や進化が行われましたが、それらがSEOにどのような影響を与えるのか、非常に気になるところです。今回の記事は、PubconやSMXでも登壇されている、シンディー・クラム氏の記事になります。3回シリーズの初回となりますが、続編記事も順次アップしていく予定です。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

Googleの最新OSのAndroid6、別名”Marshmallow”(マシュマロ)。その機能と可能性が今後のモバイル検索に与える影響を、これから3回に渡って考察していく。この記事では、寄稿者のシンディー・クラム氏が、Googleのプライベート・インデックスとスクリーン・クローリングについての解説をしてくれている。

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Android 6、通称、”Marshmallow”のアップデートが一部のNexusのデバイスに解禁された。大勢のSEOの関係者が、この大々的に宣伝されたアップデートが、モバイルユーザーの行動と検索にどのような影響を与えるのかを考えている。Googleの高度な予想検索ツール、Now on TapがブラウザとOSに深く統合されているからだ。

私もアップデートしてみたが、今のところは、期待に沿っているとは言いがたい状況だ。しかし、モバイル検索が向かう先と未来に大きな影響を与える可能性は否定出来ない。

より統合された予測検索が与える影響を予測するために、まずは、Marshmallowのローンチが始まる前に実施された、モバイルChrome、モバイル検索、Google Nowのアップデートを確認し、ローンチ後の現状と比較してみよう。

過去6ヶ月の間に、小規模な変更と大規模な変更が多数行われていた。今回の3部作の記事では、そのうちの一部を振り返り、モバイルSEO戦略に与える影響を考察していく。ディープリンクとApp Indexingはこれらのアップデートにおける非常に重要な項目ではあるが、この一連の記事では、Webを基本とした変化に焦点をあてたいと思う。

このシリーズで取り上げるトピックは3つあり、それぞれ、”Googleのプライベート・インデックス”、”スポンサー付きのGoogle Nowカード”(注)、そして、”「Click-to-Search」のモバイル検索行動と検索結果”となっている。

注:原文では”sponsored Google Now cards”と記載されているため、そのまま和訳しています。しかし、GoogleはGoogle Nowカードには”スポンサー付き”のコンテンツを全く含めていないとアナウンスしたようです。そのため、第2弾の記事では、”商業データを用いたGoogle Nowカード(Google Now Cards Featuring Merchant Data)”という表記に改めています。

Googleのプライベート・インデックス

まずは、Googleのプライベート・インデックスの検索結果を徹底的に検証していこう。Googleは、パーソナライズを行うため、クエリや閲覧とクリックの履歴などのユーザーデータを集めているが、現在、Googleは検索可能なプライベート・インデックスも保有している。

“Phone”(日本語では”携帯端末”)は、新しい検索オプション(インデックス)であり、Marshmallowの有無にかかわらず、すべてのユーザーが利用できる。このオプションは、”あなたの端末”を検索する機能であるが、Google Nowのインデックスに隠されており、上部のナビゲーションを右方向にスクロールしていくと見つかる。

Search My Phone - Google Private Index

これは、Googleによる初のプライベート・インデックスの利用である。プライベートなモバイルの行動情報が保存され、OSとのやり取りですぐに結果を返す、Apple iOS9のプライベート・インデックスによく似ているものだ。

しかし、iOS 9のプライベート・インデックスとは異なり、Googleは全てのデバイスから、ユーザー行動のデータを全力で集めている。また、Googleのプライベート・インデックスの情報は、少なくとも部分的には、クラウド内に提供される。(iOS 9では、全て端末にローカルで提供される。)

注記: Google Now、または、Now on Tapの検索機能、もしくは、スマートフォンのホームスクリーンで検索を開始することが前提だ。検索を実行し、ブラウザが起動したら、ナビゲーションを右端までスクロールする。”phone”のオプションは、スクロールしなければ見えない位置に配置されているためだ。ChromeとGoogle Nowでは、検索結果のナビゲーションの設定が若干異なる。Chromeのブラウザで検索した場合、異なるナビゲーションが表示される。

プライベート・インデックスには何が含まれているのか?

このインデックスのアイテムには、連絡先、Eメール、アプリ、過去の検索、音楽などが該当する。Googleのクラウド内に提供されているアイテムであれば、AndroidとiOSの両方で利用できる。Googleを立ち上げ、「フライト」や「犬の写真」などのクエリを入力し、プライベート・インデックスを検索することが可能だ。

Android OSのGoogle Nowでは、基本的に常にユーザーをログインの状態にしているが、Chromeは異なるアプローチを採用している。Android OS/Google NowとGoogle Chromeで同じアカウントにログインしている場合、プライベート・インデックスの結果はほぼ同様であるようだ。もし、Chromeにログインしていなかったり、別のGoogleアカウントでログインしている場合は、下記のように、プライベート・インデックスの結果は非常に異なるものとなっている。

My Pictures of Dogs

すべてのAndroidのデバイスは、デフォルトで、スマートフォン上の写真をGoogle Photosのアカウントにバックアップする設定になっている。ユーザーのプライベートな写真は、一旦クラウド内に保存されると、そのユーザーのプライベート・インデックスの一部となる。

同じように、Google Music(Androidのスマートフォンにデフォルトで搭載されているミュージックプレイヤー)は、ユーザーの音楽をクラウド内に提供し、保管され、ユーザーのスマートフォン、もしくは、別のデバイスに好きな曲をダウンロードすることができるようになっている。

注記: 現段階では、Googleによるコンテキストの理解や画像認識は完璧ではない。上の例のように、Googleが、どの写真が犬の写真であるかは理解しているが、私の飼い犬のジンガーを選ぶことは、画像ファイルの名前や説明に犬の名前が掲載されているGoogle+の写真が選ばれた時のみである。また、Googleは、オーディオファイルの場合も、曲名やアーティスト名が少しだけ異なっている重複する曲を削除する機能は提供していない。是非、このような機能を加えてもらいたいものだ。

プライベート・インデックスには様々な種類のコンテンツが含まれている。そして、Googleは、可能であればいつでも、プライベートなコンテンツをクラウドに提供し、Googleアカウントからそのデータへアクセスできる状況を作り上げようとしている。

複数のGoogleアカウントにコンテンツがある場合、大きな問題が生じる可能性がある。なぜなら、特定のアイテムを検索するために、あるアカウントから、別のアカウントにサインインし直さなければならないからだ。ローカルに保存してあるコンテンツがあり、ログインしていない状態でこのコンテンツを検索する場合、Googleはそのコンテンツを見つけ出すことができない。Googleの写真アプリの写真アシスタント機能でさえも、ローカルに保存されている写真を検索し、見つけるためには、オンラインの状態になっている必要がある。

スクリーン・クローリングと、SEOにとってNow on Tapが重要である理由。

プライベート・インデックスのコンテンツは、常に自然検索結果よりも上位にランクインするため、とても重要だ。プライベート・インデックスのコンテンツのランキングは、モバイル検索で1位を獲得するための新たな最強のSEO戦略だと言えるかもしれない。それでは、どうすればユーザーのプライベート・インデックスに入り込むことができるのだろうか?

プライベート・インデックスの情報の一部はAndroid OS、そして、連絡先のリスト、Eメール、ハングアウトなどのAndroidアプリからストックされる。その他の情報は、Googleにログインした状態で使用した別のデバイスでの行動、また、Googleのクラウドに提供されているあらゆるアイテムから抽出される。

Marshmallowでは、ディープリンクが張られたアプリからの情報も追加されているかもしれない。また、Googleの新しいスクリーン・クローラーによる情報も、プライベート・インデックスに追加されることもあるようだ。このスクリーン・クローラーは、スマートフォンでアクセスしたウェブやアプリの画面から情報(今のところはテキスト情報のみ)を読み取り、インデックスすることが可能であり、光学式文字認識(OCR)テクノロジーに似ている技術だ。

下のスクリーンショットにあるように、スクリーン・クローリングは、Androidのスマートフォンで情報をやり取りする際に、いつでも行われるものと思われる。

My Private Index - Google

Marshmallowのドキュメントには、この技術はNow On Tapがコンテキストを理解し、オンデマンドで関連する情報を提供するための手段だと記載されている。また、Googleはこの技術を使用して、APIが設定されていなかったり、アクセスしにくいアプリのコンテンツをクロールし、インデックスすることを計画しているようだ。

コンテキストの認知は、Googleが強調しているNow on Tapの主要なメリットであり、スクリーン・クローリングがこれを可能とさせている。しかし、Android以外のデバイスでは、同じレベルで認知することはできないようだ。GoogleはAndroid OSを完全にコントロールしているため、遥かに多くの情報にアクセスし、OSを使って、スマートフォンでのすべての行動をOCR処理することが可能なのだ。

スクリーン・クローリングは、他のOSのデバイス(およびアプリ)では実施することができない領域の作業であるため、Now on Tapとプライベート・インデックスにおける、iOSでアクセスした際の大きな弱点だと言える。Google Nowは、ローカルに保存されたiOSの連絡先、写真、iOSアプリのディープリンクにかかわるデバイス上の行動、および、情報のやり取りをインデックスすることはできないのだ。

プライベート・インデックスの仕組み。

クエリが投稿される前に、Google Nowの検索サジェストの欄にプライベート・インデックスの結果が表示される。この点に関しては、iOS 9のApple検索の結果によく似ている。現在、連絡先、曲、過去に検索したキーワード、スマートフォンにインストールされているアプリ、そして、過去に訪問したことのあるウェブサイトが対象となっている。

今後、Eメールや、その他のアプリ内コンテンツも表示されるようになる可能性はある。これらのコンテンツは、現時点では、検索が実際にブラウザのウィンドウで実行された場合にのみ表示され、即時にプレビュー表示されるわけではない。ローカルに保存されているわけではなく、プライベート・インデックスのクラウド版の中にコンテンツが存在するためだ。しかし、スマートフォンにはインストールされておらず、また、ユーザーがアクセスしたことのない人気の高いアプリやウェブサイトが表示される可能性もある。

Googleはこのユーザー体験を改善している段階ではあるものの、下記の例から、その進歩を垣間見ることができる。

左側の画像は、ホームスクリーンから、Google Now/Now on Tapで”trip”を検索した画像である。過去に検索したキーワード、ウェブの結果、そして、アプリの結果が含まれている。一方、右側の画像は、同じ検索を完全に実行し、ブラウザウィンドウが開いた際の画像だ。ここでは、過去に訪問したウェブページにより多くのスペースが割かれ、アプリ、連絡先、そして、曲が表示されている。

Google Now Instant Results

プライベート・インデックスには、具体的なユーザー体験における困難は存在するのか?

プライベートの検索結果は、Googleの設定を変えると、有効/無効や一時的に停止することもできる。過去の閲覧履歴の削除から、別のアカウントへのエクスポートなど、色々と自由が利く。

ただし、”プライベート”な検索結果の設定が”off”になっていても、ウェブやアプリの履歴に応じて、パーソナライズされた結果が表示されることもある。つまり、プライベート・インデックスの”コンテンツ”は含まれない、ということだ。

Googleは、モバイルの検索ユーザーが早さを重要視していると考えており、モバイルのユーザー体験のスピードアップにつながることなら何でも実施している。この点を踏まえ、プライベート・インデックスから”インスタント”な検索結果を提供する上で、Google Nowにおけるローカルでのキャッシュの価値を考慮しなければならない。

プライベート・インデックスのコンテンツの大部分は、スマートフォンでローカルに保存されるため、データやWiFi接続がなくてもインスタントの結果をフェッチすることが可能であり、また、ウェブサーバーとの間を往復する必要もないため、速度が落ちることもない。クラウドベースやウェブの影響を受ける検索結果は、検索が実施され、ブラウザウィンドウが開いたときのみ表示される(インスタントの結果に表示されるコンテンツと検索が実行された時のみ表示されるコンテンツを比較すれば、ローカルに保存されているアイテムの内容を知ることができる。)

先ほども申し上げたとおり、プライベート・インデックスから有意義な結果を得るためには、ChromeでGoogleのアカウントにログインする必要がある。スマートフォンのOSでGoogleのアカウントにログインするだけでは不十分だ。下の左側の画像にあるように、Now on Tapのドキュメントでは、ChromeやNow On Tapからプライベート・インデックスの検索を実行することをユーザーに推奨している。検索の推奨として、”my bills”(私の請求書)、”my event”(私のイベント)、”my pictures”(私の写真)などを挙げている。

中央の画像は、”my past flights”(私の過去のフライト)の検索結果であり、現在のEメールの情報だけでなく、Googleが旅行に関した過去のEメールの情報までインデックスしていることを示すものだ。(ちなみに、フライト情報は、確認用のEメール内のマークアップを基にインデックスされており、以前から実施されている。また、ユーザーのフライトの履歴も保管していることは興味深い。別のチャンネルでの広告ターゲティングにおける利用が考えられる。)

右の画像は、”my events”で検索した画像であり、Googleカレンダーから情報を引き出している。複数のGoogleカレンダーを持っている場合、現在ログインしているカレンダーのイベントのみが表示される。ただし、イベント情報に関してはインデックスに必要とされるマークアップは少ない。なぜなら、関連する情報が既にGoogleカレンダーに埋め込まれているからだ。

Google Now Private Index Results

こうした検索は、Gmailを利用しているか、Gmailのアカウントに転送される場合に有効だが、主に使用しているEメールがGmail以外のEメールのプロバイダーを経由している場合は、有効ではない。同様に、EメールがGoogle Apps for Businessを経由するケースにも対応していない。(会社が料金を支払って利用するEメール、カレンダー、その他のツールなどが含まれるため、大きなミスだと思う)。

Googleはプライベート・インデックスの機能を大きくアピールしているわけではないが、存在することは確かであり、予測検索やモバイルSEOの未来に大きく関わる機能だろう。

プライベート・インデックスの結果は、常に検索結果のトップに表示される。そのため、SEOのエキスパートとして、ユーザーのプライベート・インデックスに入り込むための方法を今から探し始めるべきである。大半のSEOの関係者にとっては新しい領域になるだろうが、モバイルのランキングでトップを獲得する戦略として、十分に価値はあると言える。

これは、より深く、よりインタラクティブなオンラインでのエンゲージメントを伴うことで実現することができるものだ。ユーザーのアドレス帳に問い合わせ先をダウンロードしてもらう、キーワードとマークアップの最適化を施したEメールをユーザーに送る、ユーザーにキーワードの最適化を行ったイベントのリマインドをカレンダーに追加してもらう、そして、アプリを導入し、そのアプリにディープリンクを設定するなどの作業が必要となる。

Marshmallow、そして、Now on Tapが公開された。それらが進化するに連れ、プライベート・インデックスのコンテンツに大きく依存するようになるだろう。なぜなら、プライベート・インデックスは、他の何よりもコンテキストに沿った結果を提供し、ユーザーが探しているものを出来るだけ早く見つけられるように手を貸すことになるからである。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Android 6 “Marshmallow” & SEO Series: Google’s Private Index & Screen Crawling」を翻訳した内容です。

Googleが目指しているイメージの一つとして、”パーソナル・アシスタント”という言葉をよく聞きます。自分の秘書のように我々の生活をサポートし、先立って情報を与えてくれる”おもてなし”精神を個人的には感じています。より正確な予測のためには、より多くのデータの必要性があると思われますが、Googleはデータの収集と利用を積極的に行っているようです。かたや、iOSはユーザーのプライバシーを考慮した姿勢が伺えます。どちらが良いかは好みの問題となるでしょうか?個人的には非常に興味深い分野でありますが、続編記事もアップさせいただきますので、興味のある方はぜひご覧になっていただければと思います。– SEO Japan

続きを読む 【シリーズ連載その1】Android 6 “Marshmallow”とSEO。Googleのプライベート・インデックスとスクリーン・クローリングとは。

Googleが検索結果の品質を評価するガイドラインの完全版を公開。

度々流出が話題になる検索結果の品質評価のガイドラインですが、今回、Googleが完全版を公開したようです。The SEM Postがこれについての記事をあげていましたが、Google自ら完全版を公開しています。The SEM Postによると、今回のガイドラインはモバイルについての記載が多く含まれているとのことです。下記記事内にもある通り、Googleはガイドラインの内容を都度更新しているようですが、Googleのモバイルに対しての注力具合がここからも見えてきます。– SEO Japan

Googleが検索結果の品質を評価するガイドラインの完全版を公開した。Googleがこのガイドラインを公開することは初めてである。160ページからなるガイドラインとなっており、SEOについての知識が詰まった内容となっている。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

Googleが検索結果の品質を評価するためのガイドラインの完全版を公開した160ページからなる、PDFのドキュメントだ。Googleの検索結果の品質の評価付けを行う作業者が、検索結果をどのように評価するかを理解させる目的で作成されている。

今週の前半に、2015年10月のバージョンのドキュメントが流出していた2008年2011年(原文では2001年となっていますが、おそらくタイプミスと思われます。)、2012年にも、ガイドラインが流出していた。2013年には要約版を公開していたが、今回は160ページの完全版を公開しており、これは、品質評価の作業者のみが閲覧できるものであった。

Googleのミニ・アンダーウッド氏は、「作業者からの評価が個別のサイトのランキングを決定づけることはないが、我々が行っている実験に対する理解を深める上で、助けとなっている。」、と述べている。また、「作業者は、我々が提供したガイドラインに基づいて、評価付けを行っている。ガイドラインは、Googleが考える、検索者が望んでいるものを反映する内容となっている。」、とも述べている。

アンダーウッド氏は、Googleが時間をかけてドキュメントを更新していることもほのめかしている。”検索とその使用方法における変化”に従い、継続して更新を行っているのだろう。

Googleの厚意によって、完全版のガイドラインはこちらからダウンロードできる。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Releases The Full Version Of Their Search Quality Rating Guidelines」を翻訳した内容です。

記事内でもありましたが、今回のガイドラインは、あくまでGoogleの品質に対する考え方が記載されているものであり、ランキングアルゴリズムの内容が書かれているわけではありません。そのため、公開されたガイドラインの内容を把握しても、自社のランキングを上げるための特効薬が手に入るわけではありません。しかし、The SEM Postの記事を読んだ限りですが、非常に興味深い内容は書かれていました。160ページと長い文章になっていますが、3連休の課題としてはうってつけかもしれないですね。(笑)– SEO Japan

続きを読む Googleが検索結果の品質を評価するガイドラインの完全版を公開。

GoogleがApp Indexingの対象範囲を拡大。アプリのみのコンテンツをインデックスし、ストリームすることが可能に。

Googleがアプリ内のみに存在するコンテンツを検索結果に表示するようになりました。今までは、Webページに同一のコンテンツがある場合のみ、表示させる仕組みでした。記事下部にも紹介されている、こちらの記事で、ダニー・サリバン氏がアプリ内のみのコンテンツの例として、ゲームのスコアやプレイ画面のストリーミングを例として挙げています。また、中国やインドではアプリのみのコンテンツが非常に多いとのことです。”モバイル・ファースト”という言葉は多く聞かれるようになりますが、これからは”アプリ・ファースト”という考えが広まるかもしれません。– SEO Japan

Googleはモバイル検索結果に、アプリのみのコンテンツを表示させる実験を、Androidの9つのアプリを対象に行なっている。これは、アプリとGoogle検索において非常に大きなステップである。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

Googleはアプリ内のみに存在し、Webに同一のコンテンツがないコンテンツをインデックスし、順位付けを行っていると発表した(Androidのみ対象)。さらに、Googleはこうしたアプリからの”ストリーム”を可能とし、その際は、検索者がアプリをダウンロードする必要はない。

アプリ内のみのコンテンツを発見する

2013年の10月に、Googleはモバイル検索結果におけるアプリの表示を開始した。当時は、Webバージョンのコンテンツが存在する、アプリ内のコンテンツのみをサポートしていた。

例えば、あなたが複数のレストランをリスト化しているアプリを持っている場合、一致するコンテンツがWebページにある場合のみ、該当のコンテンツを表示させていた。今回、テストの一環として、Googleは一致するコンテンツがWebページにない場合も、インデックスするようになった。

今回対象となるアプリは9つであり、Androidのみが対象で、米国の英語での検索だけとなっている。下記に、その9つのアプリを記載する。

  1. Chimani
    【アメリカの国立公園に関する様々な情報を提供するサービス】
  2. Daily Horoscope
    【星占いのサービス】
  3. Gormey
    【レストランの検索サービス】
  4. Hotel Tonight
    【直前予約も対応しているホテル検索サービス】
  5. My Horoscope
    【星占いのサービス】
  6. New York Subway
    【ニューヨークの地下鉄の情報提供サービス】
  7. Useful Knots
    【様々なヒモの結び方を紹介するサービス】
  8. Visual Anatomy Free
    【立体的な人体図が見られるサービス】
  9. Weather Channel
    【天気予報のサービス】

*アプリの説明はSEO Japanによる加筆です。

Googleはこのプロジェクトを他のアプリに拡大する計画についてはアナウンスしていない。モバイル検索への影響がどの程度あるかを計測しているのだろう。

ストリームミングのシミュレーション

上記のアプリをインストールしている場合は、GoogleはAndroidの検索結果からアプリに遷移させるだろう。もし、インストールしていなければ、Chromeでの検索結果には表示されない。Googleアプリを使用している場合は表示されるが、これは、”アプリのストリーミング”機能をGoogleがテストしているからだ。

もちろん、ストリーミングでもアプリ内の機能を使用することができる。例えば、Hotel Tonightのアプリから予約を行うことができる。Googleによると、これはベータ版であるため、完璧に動かないかもしれないとのことだ。

この機能を使用するには、Android 5″Lollipop”か、Android 6″Marshmallow”、もしくはそれ以上のバージョンが必要だ。また、安定したWifiの接続も必要とされる。この条件が揃っていなければ、ストリーミング機能がついた、アプリのみのコンテンツは表示されない。(しかし、該当のアプリをインストールしていれば、ストリーミング機能がついていない、アプリのみのコンテンツは表示される。)

ストリーミング機能はGoogle Playのアプリでローンチされ、Chromeではなく、Google Playのアプリ経由で動く仕組みとなっている。検索結果に表示されたアプリの横に”Stream”と表示されていれば、このオプションを選択することができる。

下記に、今朝我々が行った、Googleの検索アプリでのストリームボタンの確認テストの画像を記載する。

下記の画像は、AndroidのChromeブラウザでの検索結果だ。

ストリームボタンをクリックすれば、下記の免責事項が表示される。

【上記画像和訳】
Googleによるアプリのストリーミング
今回の実験の機能により、Googleはあなたのデバイスにインストールされていないアプリへのアクセスを許可します。この機能は、該当のアプリを動かし、結果をストリームしているGoogleのサーバーへ、あなたが入力した情報を送付することで動くようになっています。

下記に、ストリーミング機能のGIFを載せておく。

もしストリーミング機能を使いたいのであれば、画面下部にあるバナーをクリックする。すると、バナーが縮んで”G”の文字だけになる。

その後、アプリのインストールを選択できる画面が表示される。また、ストリーミングについての詳細画面へも行くことができる。(詳細画面はここのページ。)

また、Wifi接続が不安定の場合では、下記の画面が表示される。

【上記画像和訳】
ネットワーク接続が不安定であり、ストリーミングすることができません。Wifiの設定を確認し、再度試して下さい。

iOSへの対応は?

Universal SearchとUniversal Linksにより、Appleもアプリだけのコンテンツをサポートしている。しかし、Googleは今のところ、iOSアプリへの対応についての計画は明らかにしていない。この機能はAndroidのアプリのみが対応であり、iOS用のアプリへは対応していない。

自分のアプリを対応させるためには?

今のところ、あなたのアプリを対応させる手段はない。上記の9つのアプリのみが対応となっているためだ。しかし、もし、Googleがこの機能の対象を拡大した場合は、アプリ側では特に何もすることがないと、私に伝えてくれている。App IndexingのAPIを実装するだけで、Googleはその他の作業を全てまかなってくれる。

繰り返しになるが、今回の機能はGoogleが現在行っているテストとなっている。そして、テストの結果が上々であれば、GoogleはAndoroidの他のアプリに拡大するかもしれないし、iOSのアプリが対象となる可能性もある。

最後に

ストリーミング機能の詳細な情報と、GoogleがアプリとWebの世界に与えている影響については、Marketing Landのこちらの記事を参照して欲しい。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Expands App Indexing To Find & Stream App-Only Content」を翻訳した内容です。

4月にローンチしたモバイルフレンドリー・アップデートを始め、Googleが取り組んでいるモバイル対応は実に様々であります。そろそろ年末のスケジュールが気になる頃になりましたが、年内に新たな取り組みが発表されることもありそうです。全てのWebサイトがアプリを必要としているわけではありませんが、アプリを足がかりとしてグローバル展開を狙ってみるという方法も悪くないかも!?– SEO Japan

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Googleが”ライブ”ラベルをライブブログの配信者用に表示することを開始。

Googleがschema.orgを使用した、ライブブログのサポートを開始したようです。Google+でその内容が発表されており、開発者向けサイトの内容も更新されています。記事内ではサッカーの試合が例として上げられていますが、セミナーなどへの需要もありそうですね。来年はリオデジャネイロでオリンピックが開催されますが、サッカーのW杯や東京オリンピックでも需要が高まるかもしれません。キーワードの競合性が高まることも予想されるため、実装されていない場合は、実装されている他サイトとの差が大きくなってしまうかもしれませんね。– SEO Japan

Googleがライブブログのschemaへの対応を開始したと発表した。配信者が各種イベントやトピックを”ライブ配信”している場合、それを伝える手段を提供したことになる。

*リンク先は全て英語となっております。

Googleが1ヶ月ほど前に、ライブと記載された赤いラベルを検索結果に表示させるテストを行っていた。今回、Googleは”ライブブログ(live blog)”の構造化データを実装することで、これが可能になると発表した

配信者が自身のコンテンツにライブブログの構造化データをマークアップすることで、Googleに対して、このコンテンツは”ライブブログ”であることを伝えることができるようになった。こうしたコンテンツは、”ライブ”と記載されたラベルとともに、カルーセル内に表示される。

Googleは本日から利用可能になるとしており、「我々はこうしたライブブログのカルーセルが、多くの人に利用できるためのマークアップに対応した」、と述べている。この実装に興味のある配信者は、Googleのページを参照するとよいだろう。”Guardian”、”the Washington Post”、”The Telegraph”、”ScribbleLive” は既にこの取り組みに参加している。

下記のGIFを見ていただくと、上記の内容がよくわかるだろう。

google-live-label-in-carousel-for-live-blog-publishers

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Launches Live Label In Carousel For Live Blog Publishers」を翻訳した内容です。

shema.orgのサポートの追加は、6月のパンくずリスト以来になります。Googleのコンテンツへの理解は深まる一方ですが、Webサイト側からGoogleに内容を伝える作業も必要とされています。構造化データの実装については賛否両論あるかと思いますが、こうしたわかりやすい”成果”があるものについては取り組みやすいのではないでしょうか?全てのサイトが対象となるわけではありませんが、ライブブログを書く機会のある方は、ぜひ実装していただきたいと思います。– SEO Japan

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Googleの自然言語検索がよりスマートに。

昨日にGoogleから発表されましたが、検索エンジンのクエリに対する理解が深まったことを報告する内容でした。個人的には、”複雑な質問”の理解が興味深く、人間が参加するクイズ大会で優勝したIBMのワトソンを思い出しました。(もちろん、質問内容の理解はできていませんが。)先日発表された、RankBrainも(直接的ではないにしろ)この進化に大きく関与しているのでは?とも思っています。ますます便利になる一方、Webマスターにとっては悩みの種ともなる可能性がありますが、今後もGoogleの進化は止まることはないようです。– SEO Japan

Googleがクエリの理解について、より賢くなっている。最上級、時間軸、そして複雑な質問に対しても、最適な検索結果を提供している。

Googleは、自身の検索エンジンの自然言語の検索に対する理解がより深まったと発表した。特に、最上級、時間軸、複雑な質問に対する理解が深まっているようだ。

Googleのプロダクトマネージャーである、サチャート・サルガー(Satyajeet Salgar)氏は、以下の3つのタイプのクエリに対する理解が深まったと述べている。

最上級を含むクエリ

Googleは最上級への理解、つまり、”最も高い”や”最も大きい”などを含むクエリへの理解ができるようになっている。つまり、Googleに下記のような質問を尋ねることができるのだ。

  1. マーベリックスの中で、最も身長の高い選手は?
  2. テキサス州で最も大きな町は?
  3. アイオワ州の地域別で最も大きな町は?

時間軸を含むクエリ

Googleは、クエリ内で言及された時間についての理解も深めている。

  1. 1965年のシンガポールの人口は?
  2. 2014年に録音されたテイラー・スウィフトの曲は?
  3. 2013年にロイヤルズに登録していた選手は?

より複雑なクエリ

Googleはより複雑な組み合わせの理解を深めている。つまり、下記のような質問にも答えることができるのだ。

  1. セス・ガベルの義父の映画は何?
  2. バーニー・サンダースが生まれた時のアメリカの人口は?
  3. エンゼルスがワールドシリーズで優勝した時のアメリカの大統領は?

下記に、Googleが発表した今回の進化について説明した画像を掲載する。

上記画像和訳。左上から。
【Who was the US President when the Angels won the World Series?】
(エンゼルスがワールドシリーズで優勝した時のアメリカの大統領は?)
【Who was the US President】
(大統領のリスト)
【US】
(国名)
【when the Angels won the World Series?】
(ワールドシリーズの勝者を年代ごとに)
【the Angels】
(野球チーム)
【Presidents of the United States】
(アメリカの歴代大統領)
【Year The Angels Won The World Series】
(2002年に優勝している)
【George W. Bush】
上記の認識を組み合わせて算出した答え

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s Natural Language Search Gets Smarter」を翻訳した内容です。

Googleのクエリに対するインテント(意図)の理解はかなり進んでおり、Web検索だけでなく、様々なサービスに影響を与えていると感じています。一概に言うことは難しいことは承知ですが、日本語と比べ、英語での理解はかなり進んでいそうです。言語が異なることで、同品質のサービスを提供することは困難であることは明白ですが、様々な言語でも同様の検索が行えれば素晴らしいですね。– SEO Japan

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FacebookがGoogleのApp Indexingの使用を開始。検索結果からアプリへの流入を期待。

アプリ内のコンテンツを検索結果に表示させるApp Indexingですが、今回Facebookがこの機能を実装したとのことです。記事内でもある通り、私もいくつか検索してみましたが、アプリを直接開くことはできませんでした。しかし、該当のページが再度インデックスされれば、直接アプリを開くようになると思います。Androidのみの対応ということですが、今回のFacebookの実装により、他のアプリの実装も加速するかもしれません。– SEO Japan

App Indexingを使用することで、検索者をGoogleからFacebookのアプリへ呼びこむことができる。しかし、Androidのみの対応で、Facebookの全てのコンテンツが対象となるわけではない。

FacebookはFacebook内の”アクセスが限定されている領域”の一部をGoogleに公開してきた。Googleからのトラフィックを獲得するためだ。今回、Facebookは、GoogleのApp Indexingを実装することで、検索エンジン最適化にさらに力を入れたことになる。モバイル利用の継続した増加に対応し、トラフィックを獲得し続けることを狙っている。

FacebookにとってGoogleのトラフィックは魅力的。

Facebookは自身のコンテンツの一部を、Googleがインデックスすることを許可していた。少なくとも、2007年にはFacebookのプロフィールページがGoogleとその他の検索エンジンに公開されている。”インデキシング(Indexing)”とは、Googleが該当のページのコンテンツの全てを読み込むことを意味している。その結果、ユーザーが検索をした際、これらのページがGoogleの検索結果に表示される(かもしれない)ことになる。

SEOのプロフェッショナルにとっては周知の通りだと思うが、インデキシングはGoogleとFacebookの両者に利益を与えることになる。Googleにとっては、ユーザーの検索ニーズを満たすコンテンツを獲得することになり、Facebookにとっては、Googleからのトラフィックを獲得することになる。

時間をかけて、Facebookはより多くのコンテンツをGoogleに公開してきた。例えば、2011年にはFacebookのコメントを公開している。今回のGoogleのApp Indexingのサポートを開始したというニュースは、公開するコンテンツを増加した、ということではない。しかし、Google内で発見できる既存のFacebookからのコンテンツが、より良いモバイル体験を導くという狙いが見られる。

App Indexingはブラウジングではなく、Facebookのローディングを意味する。

Wall Street Journalが、本日、このニュースを報じた。記事内では、Googleによれば、FacebookがGoogleのApp Indexingへの許可を、金曜日から開始したと記載されている。FacebookはSearch Engine Landに対し、上記内容が間違いないことを認めている。

App Indexingにより、Googleはユーザーを検索結果から、同一のコンテンツがロードされているアプリへ、直接導くことができている。

Facebookの場合、検索者がGoogleの検索結果画面でFacebookへのリンクをクリックすれば、該当のページのコンテンツをロードするのではなく、Facebookのアプリの開き方を理解しており、アプリ内の同一のコンテンツをロードするということになる。

上記は、公開設定されているプロフィール、Facebookページ、グループ、イベントなど、Googleに既に公開されているFacebookのコンテンツが該当する。(Facebookのアカウント保持者がブロックを設定していないことが前提。)

GoogleのApp Indexingが獲得していなかったコンテンツの中で注目すべきページがある。公開設定されている、個人の投稿やステータスの更新だ。現在、Googleはそれらのコンテンツをインデックスすることができる。モバイルでの検索にも表示されるだろう。しかし、私が見る限り、Facebookはこれらのコンテンツに対してGoogleのApp Indexingの実装を行なっていない。つまり、Facebookのアプリではなく、ブラウザでロードをしていることを意味している。

App Indexingは新しい情報を集めているわけではない。

FacebookはGoogleのApp Indexingを通じて、Googleがまだ獲得していない、新しい情報を提供しているわけではない。これについて、Facebookは直接私に伝えてくれている。つまり、Wall Street Journalの記述は正しいとは言えないことになる。

Googleの検索エンジンはWebの世界を支配している。しかし、アプリ内の情報を自動的に”クロール”し、分類することはできない。そして、アプリは、スマートフォンのユーザーが大部分の時間を過ごす場所である。つまり、アプリの開発者に、アプリ内のコンテンツの公開を依頼しなければならないのだ。

多くの場合、Googleがインデックスできない情報をアプリが保持しているということはない。特に、主要なWebサイトのアプリであれば。アプリはWebサイトとアプリの両者を強化するため、同一のソースから情報を引っ張ってきている。Yelp、TripAdvisor、Facebookなどは、こうした例に該当する。Googleはこれらのアプリの中身をよく知っているのだ。なぜなら、こうしたアプリの中身は、Webサイトの中身と同一であるからである。

GoogleのApp Indexingは、検索者の体験を向上させるための作りとなっている。ブラウザではなく、アプリへ直接誘導し、アプリにしか存在しない情報を発見するというものではない。

Androidのみが対応で、AppleとBingは未対応。

Search Engine LandのFacebookページなどでは、App Indexingのコードが確認できる。しかし、Nexus 6Pを使用した実験では、Googleの検索結果からFacebookのアプリへ直接遷移することはできなかった。私はFacebookのアプリをインストールしているため、直接アプリへ遷移すべきはずだ。

この件についてGoogleに確認を取っているが、Googleが単純に新しくコードを追加したFacebookページを更新出来ていないでいることが原因かもしれない。こうしたページが再度インデックスされれば、直接遷移できるようになるだろう。

この機能は、Androidのみが対応である。AppleとBingも同様の機能を持っているが、Facebookはまだ実装していない。そのため、(Safariでも、Chromeでも)iOSやWindowsモバイルでは使用することができない。AppleとBingが未対応である点について、Facebookはコメントするものはない、としている。

今回の実装の理由。

なぜ、Facebookではなく、GoogleがWall Street Journalにこのニュースを認めたのだろうか。特別な合意があったとは思えない。結局のところ、Googleによれば、今回の件についてはGoogleによるApp Indexingの使い道についての一般的なディスカッションの一部に過ぎなかった、ということだ。

いわば、GoogleのApp Indexingにとっての大勝利だと言える。今回のFacebookの対応により、多くのパブリッシャーがApp Indexingの使用に積極的になるかもしれない。そしてそれは、Googleのモバイルユーザーにより良い体験を提供することを意味している。

しかし、これはSEOにおけるベストプラクティスと合致するものでもある。つまり、SEOを意識しているあらゆる組織が行うべき取り組みであるということなのだ。Googleは検索結果内でアプリを優遇している傾向がある。時に、ユーザーへの悪影響を断定するかのように。しかし、パブリッシャーにとっては、この波に乗る理由は十分にあると言えるだろう。特に、ランキングを押し上げる要因となる点については。

Facebookによれは、今回のGoogleのApp Indexingの実装は、Facebookアプリを利用しているユーザーの体験を向上させる目的の一部だとしている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Facebook Now Using Google App Indexing To Drive Visitors From Search Into Its App」を翻訳した内容です。

たまに利用者減のニュースや調査結果を聞きますが、まだまだFacebookはSNS界の王者だと思います。しかしながら、他サービスの人気も高まりつつあり(日本でもInstagramの人気が伸びていますね)、王者と言えどうかうかしていられないというところでしょうか。モバイルにおけるユーザー体験の向上が目的であるならば、少なくともiOSには対応すべきかと思いますが、近いうちに実装されるかもしれないですね。– SEO Japan

続きを読む FacebookがGoogleのApp Indexingの使用を開始。検索結果からアプリへの流入を期待。

【SMX East 2015 レポート記事】”検索エンジンの中の人になんでも聞こう!”から見えた 6つのこと。

Search Engine Landに掲載された、SMX Eastのレポート記事の第二弾となります。(第一弾はこちら。)今回は、SMXではお決まりの(そして、大人気の)”検索エンジンの中の人になんでも聞こう!”のセッションになります。Googleからはゲイリー・イリーズ氏、Bingからはデュアン・フォレスター氏が、様々なトピックについて議論します。(司会は、もちろん、ダニー・サリバン氏。)今回のSMXではどのような内容が話されたのでしょうか?– SEO Japan

寄稿者のエリック・エンジ氏が、Googleのゲイリー・イリーズ氏とBingのデュアン・フォレスター氏を迎え、検索エンジンの現在、および、未来について議論したセッションを振り返る。

Six Key Themes From SMX East

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

10月1日、私はSMX Eastの「検索エンジンの中の人になんでも聞こう!」のセッションに参加した。このセッションには、Googleのゲイリー・イリーズ氏とBingのデュアン・フォレスター氏を招き、Search Engine Landのファウンダーであるダニー・サリバン氏が司会進行を務めた。この記事では、このディスカッションで取り上げられた6つのテーマを振り返っていく。

テーマ 1: AJAXのクロール

2009年10月、GoogleはAJAXをクロール可能にする方法を推奨していた。これは、簡単に言うと、ハッシュタグ(#!)をURL内に含めることで、AJAXがクロール可能なURLである点を検索エンジンに伝えるアプローチであった。

このシグナルを確認すると、”#!”を文字列”?_escaped_fragment_”に置き換えるようにURLを修正する。例えば、下記のようなURLがあったとしよう。

Hashbang URL

上記のURLは下記のURLに置き換えられる

Escape Fragment URL

ウェブサーバーはこのバージョンのURLを受け取ると、HTML のスナップショットを検索エンジンに返す合図だと理解する。基本的に、このスナップショットは、ユーザーが目にするのと同様の、ページを完全にレンダリングしたバージョンである。しかし、検索エンジンにとっては理解や解釈しやすいフォーマットとなっている。

この件に関してのイリーズ氏からの報告は、「現在、Googleはこのアプローチを推奨していない」といったものだった。ただし、今後もGoogleは、この方法に対応することも明言している。つまり、Googleは今後推奨することをやめる、といったことだ。また、同氏は、Googleが、この件で同社の立場を明確にする記事を”2週間前後”にブログにアップするとも述べていた。

フォレスター氏とイリーズ氏は、この話の中でAngularJSにも言及していた。その中でも重要であった発言は、「ユーザー体験という意味では必要ないのに、AJAX、または、AngularJSを利用しているサイトが多い」といったものだった。

これらのフレームワークは、コーディングにおいて、あまりにも過剰な取り組みになっていることが多く、ディベロッパーが喜びを感じるものであるかもしれないが、わざわざ利用する理由として妥当ではない。このフレームワークを利用する決断を下す前に、ユーザー体験の面で本当に必要かどうかを確認してもらいたい。

テーマ 2: セキュリティ

このテーマでは、ランキングシグナルとしてHTTPSを使用する件に関しての議論から始まった。イリーズ氏は、ランキングシグナルのためではなく、ユーザーのために、HTTPSに切り換えるべきだと指摘していた。過去に何度も同氏が指摘していたように、ランキングのメリットがあるとしても、2つの同等なページの勝敗を決める程度であり、HTTPSに切り換えたとしても、それだけでランキングが上がる可能性は低い。

フォレスター氏は、「検索エンジンがセキュリティに関して強固な方針を取るのは簡単なことではない」、と話していた。個人的には、この発言は重要だと思っている。ユーザーのセキュリティに対する関心は徐々に高まってきていると言えるが、HTTPSを利用するサイトのみが上位にランクインする状況は、検索エンジンのユーザー体験としては望ましいものではない。なぜなら、セキュア対策がされていないが、ユーザーが求めているものを提供しているサイトは数多く存在するためだ。検索エンジンは、ユーザーを最優先しなければならないのだ。

しかし、検索エンジンがセキュリティの議題をプッシュする理由には注目する価値がある。フォレスター氏は、この点を強調し、元FBIの捜査官、マーク・グッドマン氏が綴った「Future Crimes」を紹介していた。この本は、ウェブがいかに危険であるか、そして、私達がいかに無防備であるかを詳しく説明している。

個人的には、今後の2年で、恐ろしいほどの”安全への侵害”が何度か起き、一般の人達のセキュリティに対する意識が急激に高まると予想している。不倫サイトのアシュリー・マディソンの事件は十分に恐ろしかった。遥かに強烈な事件がいずれ発生することになるかもしれない。

もう1点重要なポイントを挙げていく。「HTTPSの対応を実施する必要があるのはショッピングサイトだけ」という指摘をよく耳にする。しかし、普通のブログサイトでもHTTPSを利用するべきである。なぜなら、ユーザーは、(セキュリティが脅かされているサイトでも)修正が加えられたコンテンツではなく、あなたが提供するコンテンツそのものを受け取ることもあるからだ。以下の画像は、「中間者攻撃」によって、ハッキングされてしまう仕組みを説明している。

Man in the Middle Attack

実際のシナリオを用いて、この問題を説明してみよう。移動中に、Starbucksやホテルが提供するWiFiネットワークを受信したとする。このWiFiサービスのプロバイダーは、あなた(ユーザー)が受け取るコンテンツを修正することができてしまう。この技術の基本的な利用法は、広告を挿入することだ。これだけでも、注目に値するだろう。

しかし、問題はそれだけではない。彼らは、ユーザーがアクセスしたコンテンツのデータを集め、そのコンテンツのプロフィールを作ることもできる。このプロフィールを色々な目的で利用されてしまうかもしれない。少なくとも私は、こんな展開に巻き込まれるのはゴメンだ。そのため、できるだけ早く、多くのウェブサイトにHTTPSに切り換えてもらいたいものだ。

テーマ 3: ミレニアル世代がやって来る!

このトピックは、フォレスター氏から発せられ、今までの世代と、この新しい世代の違いを認識する必要性が盛んに論じられていた。オンライン/スマートフォンの世界で育ったこの世代は、慣習的なルールを変えつつある。フォレスター氏が強調した重要なポイントを簡潔にまとめておく。

  1. 低品質への寛容さがない
  2. ブランドからの本物の交流(エンゲージメント)を望む
  3. 信頼性は重要視される
  4. 体験や経験を求める
  5. 注目(集中)が持続する時間が短い

さらにフォレスター氏は、彼らが成人になり、親が亡くなると、史上最大の遺産の相続人になると述べていた(その額なんと7兆ドル!)

7 Trillion Dollars

つまり、ミレニアル世代は、その他の世代よりも厳しい要求をするようになると言える。私はSMX Eastの最後のパネルディスカッション「Best Of Show: Top SMX Takeaways」に参加した。そこで、オーディエンスの一人が、既にあらゆる世代が上記の内容求めているため、彼らに注目することはたいして重要ではないと反論していた。

確かにその通りではある。しかし、ミレニアル世代の要求のレベルは今までとは異なるという事実もある。例えば、ユーザーがコンテンツに集中する時間は、10年前では10分だとすると、現在は2分程度である。10年前にコンテンツを読んでもらうためのアピールの時間が20-30秒間あったとしたら、現在は2-3秒しかない。

事実として、ユーザーにとっての価値向上に今まで以上に力を入れ、ユーザーを優先したアプローチをマーケティングに反映させなければ、成功することはできなくなるということを意味しているのだ。

テーマ 4: コンテンツシンジケーション

コンテンツシンジケーションのメリットを尋ねる質問がオーディエンスから出ていた。フォレスター氏は、SEOを目的として行うべきではないが、その他のビジネスの目的のためであれば、実施する価値はあるかもしれないと述べていた。さらに、理論上は、重複コンテンツの問題は起きないとしたが、確実な保証はないとも述べている。

つまり、Bingは、あなたのサイトのコンテンツがオリジナルであると認識することを保証することはできないが、大方、適切に判断するということだ。

イリーズ氏は、重複コンテンツのペナルティというものは存在しないという点を強調していた。重複したコンテンツがあった場合、Googleは、正規のバージョンを選択し、それを表示する。これは、あなたのサイトへのペナルティではなく、Googleは単純にどちらのバージョンが最適かを選んでいるだけなのだ。

イリーズ氏は続けて、The New York TimesがコンテンツをCNNに配信した場合、CNNがコンテンツの作成者として認識される可能性もあるとした。そのため、rel=”canonical”タグを使用するなどして、オリジナルのバージョンを判断する際のヒントを検索エンジンに与えておくことが重要になる。The New York TimesとCNNの例においては、CNN版のコンテンツにThe New York Times版のコンテンツに向かうcanonicalタグを加えることになる。

【筆者の意見】
コンテンツシンジケーションは、デジタルマーケティング戦略において利用価値があると考えている。評判と露出(ビジビリティ)を高める可能性のある手段として、このアプローチを見てもらいたい。次のイメージをご覧になれば、このコンセプトを理解してもらえるのではないだろうか。

Content Syndication Done Right

注意してほしいことは、被リンクを期待し、多数の質の低いサイトにコンテンツをばらまいてはならないということだ。(反対に悪影響をもたらす危険がある)。そうではなく、あなたのサイトよりもオーソリティがあり、あなたが接触したいオーディエンスを抱えるサイトにコンテンツを配信する努力を心掛けてもらいたい。

このアプローチは、評判とビジビリティを高める上で有効に働くだろう。さらに、SEOにおけるリンクの価値をもたらすタイプのシンジケーションがあれば、利用しない手はない。

この件についての最後のアドバイスをしよう。それは、自分のサイトよりも信頼されているサイトにあなたのコンテンツを受け入れてもらえた場合、そのサイトへオリジナルのコンテンツを提供し、あなたのサイトには別のコンテンツを掲載するべきではないか、という点だ。この方法はビジビリティを高める手段として優れており、(オーソリティの高いサイトから)あなたのサイトへの被リンクの獲得も期待できる。そして、そのリンクから訪問したユーザーに、他のコンテンツを見てもらえるかもしれない。個人的には、こちらの方法がより優れていると考えている。

テーマ 5: 国際的なドメインのURL

オーディエンスの一人から、インターナショナルなサイトにおいて、どのようなURLの構造がベストかを問う質問が出ていた。イリーズ氏は、Googleにとっては関係がないと指摘した。最も重要なのは、hreflangタグを利用することだ。(このタグを実装する方法を知りたい方はここをクリック。)

続いて、フォレスター氏が、利用するURLに気を配る点に関しては、ユーザーを考慮した理由が存在するのではないかと述べていた。例えば、フランスのオーディエンスをターゲットとしている場合、”.fr”のドメインを利用することは賢い選択だ。また、フォレスター氏は、これは検索エンジンへの対策ではなく、ユーザーが望む体験を提供する取り組みであると指摘した。

ただし、これで問題が解決したわけではない。下記に、SEOに間接的なインパクトを与える可能性のある、CTRについての記載がある。(少なくともBingでは、ユーザーが”/fr”のフォルダを表示するサイトよりも、”.fr”のドメインを使用しているサイトの方がより多くクリックしている場合、こうしたことがランキングに影響を与えているかもしれない。)。

テーマ 6: ユーザーデータと検索エンジンのランキング

このトピックは、ページスピードについての話から始まったが、ページスピードについては特筆すべきことはない。しかし、フォレスター氏から気の利いた発言を引き出すきっかけとなった。フォレスター氏は、「ページスピードがSEOにとって重要なパターンがもう1つある。ユーザーがクリックした後、検索結果に戻ってくる時間が短ければ短いほど、ランキングの下降を導く」、と発言したのだ。これは新しい情報ではなく、私自身2011年にフォレスター氏とこの点について議論をしている。

続いてイリーズ氏は、ユーザーの行動に関するデータは不要な情報が多く、使いにくいと指摘した。しかし、Googleは特定の方法でこのデータを実際に利用しているとも述べている。 例えば、Googleは、検索結果で新しい機能をテストする際に、このデータを利用することがあるかもしれない。

さらに、パーソナライゼーションにおいても有益だと同氏は明らかにしている。例えば、ユーザーが”apple”で検索をかけた場合、appleが会社を意味するのか、あるいは、フルーツを意味するのかハッキリしない。ユーザーが、フルーツに関するページを求めていることが明らかである場合、Googleは検索結果をパーソナライズして、こうした検索に対しては、フルーツに関連するページをより多く表示するようになる。

ちなみに、クリックスルー率の単純計測を改良した、ポゴスティッキングの概念は、今回のパネルでは取り上げられなかった。

Pogosticking in the SERPs

これについての私見を述べたいと思う。この分野に関して検索エンジンが何をしているのかは不明だが、コンテンツの品質とユーザーエンゲージメントに関するデータを収集することは、検索エンジンにとって重要であることは疑いようがない。どのシグナルに注視しているのかを解明するのは非常に難しいことであるが、何らかの形でこのデータに注目しているはずである。これについては、私がSearch Engine Landで書いた、「100のユーザーモデル」を参照してほしい。

基本的に、検索エンジンが提供する結果に対するユーザーの満足度が高ければ高いほど、検索エンジンの利益につながると私は確信している。なぜなら、もし、ユーザーが彼らの質問に答えるサイトを紹介してもらえないのならば、質問の答えを得られる別の場所に向かうからだ。(Facebook、友達にメールを送る、電話で誰かに尋ねる、Amazonで検索する、そして、もちろん、別の検索エンジンで検索する手もある)。

2009年、GoogleとBingはサーバー側の遅延をテストした結果を公表した。このテストでは、検索結果のレンダリングに意図的に遅れを生じさせていた。以下にその結果を掲載する。

Impact of Server Side Test Delays

ユーザーの満足度と検索エンジンの利益の間に強い相関関係が見られる。 このデータは、品質の低い検索結果ではなく、遅延に焦点を絞ったデータではあるが、GoogleとBingにとっての共通の課題であると結論づけても問題はないだろう。

つまり、最善の結果を提供することは、どちらの検索エンジンにとっても最優先しなければならない取り組みであることは明らかである。従って、できるだけ多くの(質の高いシグナルを送る)方法を使用しているはずなのだ。

まとめ

今回は、このセッションの中で、私が重要だと感じたテーマを紹介した。他にも多くのトピックがあったが、個人的に注目したものを選ばせてもらった。あなたの意見を聞かせてもらえると嬉しい。

この記事の中で述べられている意見はゲストライターの意見であり、必ずしもサーチ・エンジン・ランドを代表しているわけではない。著者のリストはこちら

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Six Key Themes From “Meet The Search Engines” At SMX East」を翻訳した内容です。

トピックはエリック・エンジ氏によって選ばれたものですが、注目に値するトピックのみを選択していると思います。ここで話されている内容は、もしかしたら、既知の情報が多かったかもしれません。(AJAXについては新情報だったかもしれませんが、既にGoogleからの公式ブログにも掲載されています。)しかし、現在注目すべき事柄や、これから取り組むべき課題を選ぶ際の参考にはなると感じています。SEOにおける課題は多く、サイトの状況によって優先度は変わってくると思いますが、こうした場で繰り返し話題となるトピックについては優先的に行ってもよいかもしれません。次に取り組むべき課題の選択の参考になれば幸いです。

続きを読む 【SMX East 2015 レポート記事】”検索エンジンの中の人になんでも聞こう!”から見えた 6つのこと。

Search ConsoleのFetch as Googleに、ブロックされたリソースの重大度がわかる機能が追加。

Search Consoleに新しい機能が追加されたという話題です。(新機能の追加についての記事を先日アップしましたが、今回は別の機能となります。)Googleのレンダリング性能は非常に高まっており、ページ内容を把握するため、リソースのブロックをしないで欲しいとアナウンスし続けています。しかし、ブロックされたリソースが、どの程度深刻であるかを判断する手段はありませんでした。今回の機能の追加により、その把握が容易になったことになります。私の日本語アカウントでも実装されていることを確認しましたので、日本語でも対応されているようです。– SEO Japan

GoogleはConsole内のFetch as Googleに、ブロックされているリソースについてのレポート機能を追加した。

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

今朝、GoogleはSearch Consoleに新しい機能を追加した。この機能は、ブロックされたコンテンツの”重大度”を表示するもので、Fetch as Google内で使用できる。新しく追加された、ブロックされたリソースのセクションに、画像、スクリプト、CSSファイル、JavaScriptファイルなどのリソースがどれほど重要かを示すものである。

この、”重大度”は高、中、低で表わされ、ブロックされたリソース毎に表示されている。あなたの目標は、あらゆるリソースがGooglebotをブロックしていないようにするか、ブロックされたリソースは全て重要度が底であるという状態にすることだ。

下記に私のアカウントでのスクリーンショットを記載しておく。ブロックされているほぼ全てのリソースの重要度が底であることと、それらがサードパーティ製の広告かスクリプトであることに注目してほしい。

Googleのジョン・ミュラー氏はGoogle+でこの機能についてのアナウンスをしている。また、ブロックされたリソースは”"Googleがレンダリングしインデックスをする上で、大きな役割を担っている場合がある”、と述べている。

GoogleはWebマスターに対し、Googlebotによるアクセスをブロックしないで欲しいと、繰り返し述べてきた。Googleはユーザーが見ているのと同様にサイトを見ることを目標としており、そのためにあなたのサイトのリソースへのアクセスを求めている。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google Search Console Fetch & Render Shows Severity Of Blocked Resources」を翻訳した内容です。

Googleのレンダリング性能の向上は常にアナウンスされていましたが、ブロックされたままになっているリソースも未だ多いとも言えそうです。今回の機能追加により、自身のコンテンツのリソースの内、どこから手をつければ良いのか、そのままで良いのか、といった判断を下しやすくなったと思います。既に対応済みのサイトも多いと思いますが、念の為に再度確認しておくのもよいことかもしれません。– SEO Japan

続きを読む Search ConsoleのFetch as Googleに、ブロックされたリソースの重大度がわかる機能が追加。

Googleが独自のマシンラーニング・システムである、TensorFlowを公開。マット・カッツ氏は、”秘密のソース”のリリースと表現。

先日のRankBrainの発表に続き、Googleがまたも大きなニュースを発表しました。Google独自のマシンラーニングを無償公開するという発表ですが、Googleの製品や、Google内のディープラーニングの実験にも使用されているものであるようです。Googleは、”世界中の利益となる”としていますが、今後様々な業界で注目され、利用されるようになるかもしれません。– SEO Japan

*記事内のリンク先は全て英語となっています。

昨日、Googleは独自のマシンラーニング・システムであるTensorFlowの無償公開という、非常に大きなニュースを発表した。Googleのマット・カッツ氏は、「本日で一番のテクノロジー関係のニュースだったのでは」、と述べた。まさしく、その通りだ。

Google+では、「ある意味、Googleの”秘密のソース”の公開」、と述べている。クエリの解釈のためのRankBrainより前から、Googleは何年間も、音声認識や画像検索やランキングのためにマシンラーニングを使用してきた。マット・カッツ氏は、GoogleのTensorFlowの公開により、”世界中”のための利益となる、と述べている。

マット・カッツ氏は非常にワクワクしているが、その理由を3つ挙げている。3番目の理由は、下記の通りだ。

多くの方法で、マシンラーニングは”秘密のソース”の一例であった。私は、Googleがこの技術を公開することに、非常にワクワクしている。Googleだけでなく、世界中が利益を受けることになる。私はGoogleとGoogleで働く社員を誇りに思う。

他の二つの理由は下記の通りだ。

1.マシンラーニングは世界に大きなインパクトを与えるだろう。我々は既に、音声認識から画像認識、言語の翻訳といった領域で、そのインパクトを目撃している。多くの方法で、問題解決のためにマシンラーニングを採用することは、あらゆる類の新しい機会を開放する。多くの分野が、マシンラーニングを特定の領域に採用するサポートを行っている。

2.過去においては、GoogleはMapReduceのような論文を発表しており、大量のデータを並行して処理するシステムを説明していた。MapReduceはHadoopのような”家内工業製品”を生み出した。Google社員でない優秀な人材が、Googleの論文を作り直すためのコードを書いたのだ。しかし、外部の人の手によって書かれたコードが、すでにGoogleが解決している問題に出くわすこともある。今、Googleは自身のコードを公開した。これにより、多くの可能性が提供されるだろう。わかりきったことをわざわざやり直す必要もなく。

もちろん、SEO目的のため、TensorFlowのコードにアクセスし、Googleのアルゴリズムの解析を試みる行為は時間の無駄となるだろう。つまり、どんな”秘密のソース”が公開されたことになるのだろうか?

下記に、TensorFlowをより良く説明している動画を記載する。

また、Googleのリサーチブログには技術的なまとめも載せられている。

この件に関するGoogle+はこちら。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Matt Cutts: Google Released Their “Secret Sauce” With TensorFlow, Machine Learning System」を翻訳した内容です。

RankBrainの時も指摘があり、私も感じるところではありますが、Googleのこの分野における対外的なアピール、という意味も一つあると思っています。FacebookやBaiduも積極的に投資を行っている分野であるため、一歩先んじるための戦略とも言えるのではないでしょうか。多くの人がTensorFlowを使用することで改良されたり、周辺のビジネスが起こったりすることで、気が付けばGoogleの存在感がさらに大きなものになっている。近い将来、そうした状況になっているかもしれませんね。

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GooglebotによるHTTP/2へのサポートが間もなく開始。早ければ、年内にも。

HTTPの最新バージョンである、HTTP/2のサポートが年内にも開始されるとのことです。今年の5月のSMX Advancedでは、Googleのマイリー・オーイェ氏が注目すべき技術として紹介していました。ChromeやFirefoxなどのブラウザはすでにHTTP/2に対応していましたが、Googlebotはまだサポートしていませんでした。具体的な日にちの言及はありませんでしたが、近い内にサポートが完了することは確かなことだと考えてよさそうです。– SEO Japan

*リンク先は全て英語となっています。
*原文ではHTTP2と表記されていますが、今記事ではHTTP/2と表記しています。

Googleのジョン・ミュラー氏がハングアウト内で発表した。Googlebotは近々、HTTP/2のみでアクセスできるページへもクロールができるようになるとのことだ。現状、GooglebotはHTTP/2(次のバージョンのHTTP)のページへはクロールすることができない。

ジョン氏は、下記の動画での3分頃に発言をしている。

今のところ、GooglebotはHTTP/2のクローリングをサポートしていない。そのため、あなたのサイトへHTTP/2(次のバージョンのHTTP)のみでしかアクセスできない場合、我々はそのサイトを適切にクロールすることができないでいる。我々は、HTTP/2へのクローリングに取り組んでおり、今年の終わりか、来年の始めか、その辺りで準備が完了すると見込んでいる。
HTTP/2の大きな利点の一つに、リクエストをまとめることが挙げられる。つまり、あるページが、画像、CSS、JavaScriptといった多くの要素を含んでいる場合、理論的には、それらすべてに対して一つのリクエストを投げる(同時リクエストを投げる)ことができるのだ。

下記に、動画を埋め込んでおく。

この件に関するGoogle+はこちら

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google: HTTP2 Support For GoogleBot Coming Soon, Maybe By End Of Year」を翻訳した内容です。

HTTP/1.xでの様々な課題を解決することができるHTTP/2は、今後のWebサイト構築に大きな影響を与える可能性があります。今すぐに何かをするというほどのものではないと思いますが、先々のことを考えておくことも無駄ではないと思います。ちなみに、HTTP/2の元となっているSPDYへのサポートは、2016年の早い時期に終了するそうです。 続きを読む GooglebotによるHTTP/2へのサポートが間もなく開始。早ければ、年内にも。

Googleのインタースティシャル広告へのペナルティが導入される。

本日のSEO Japanは久々の2記事更新となります。(もう1つの記事はこちら)Googleが数ヶ月前から宣言していたとおり、コンテンツの大部分を覆うサイズのインタースティシャル広告(アプリのみ対象)を掲載しているサイトを、モバイルフレンドリーとして扱わなくなるようになりました。実際は1日遅れの開始ですが、そこはご愛嬌でしょうか。今のところ、実際に影響を受けたという例はあまり無いようですが、これから徐々にそうした例も見られるようになるかもしれません。– SEO Japan

昨日、Googleがモバイルフレンドリー・アルゴリズムのアップデートを行った。アプリのインストールを薦める、巨大なインタースティシャル広告を使用しているサイトへのペナルティを追加したのだ。

9月1日に、Googleはアプリについての巨大な広告はランキングの下降を引き起こすと述べており、11月1日から開始するとしていた。この、”アプリインストールのインタースティシャル広告へのペナルティ”としても知られるアルゴリズムは1日遅れの11月2日に開始されることとなった。

Googleはこの件について、様々なソーシャルネットワークでアナウンスをしている。その中で、Google+では以下のように述べている。

本日より、検索結果から到達したコンテンツの大部分を隠すような、アプリのインストールを促すインタースティシャル広告を掲載しているページは、モバイルフレンドリーと見なされなくなる。

このペナルティは、Googleのモバイルフレンドリー・アルゴリズムの中に組み込まれることになり、その結果、11月2日を第2弾のモバイルゲドンとして位置づけることとなる。もちろん、そうならないかもしれない。今のところ、私はこのペナルティにヒットしたWebマスターからの報告は目にしていない

Googleのアドバイスはどういったものか?

全ページのインタースティシャル広告を使用するのではなく、我々はバナーのような、よりモバイルフレンドリーなフォーマットを使用することを薦める。我々は、今回の変更により、検索者が探しているコンテンツを、該当のページの中で、より簡単に発見できるようになることを期待している。

どのような設定がモバイルにおいてリスクとなるか、より詳細に確認したいのであれば、我々の過去記事を参照してほしい。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Google’s App Interstitial Giant Ad Penalty Is Now Live」を翻訳した内容です。

今年の4月に導入されたモバイルフレンドリー・アップデートですが、今回大きは変更が追加されました。Googleの予告通りでしたので、多くの方が対応済みであるかと思います。(実験のためあえて残しているというサイトもあるかもしれませんが。。。)次回のアップデートの内容や時期は明確となっていませんが、サイトスピードが対象になるのでは、という声をよく聞きますね。インタースティシャル広告も同様ですが、あくまでユーザーのためという形で、対応を進めていければと考えています。

続きを読む Googleのインタースティシャル広告へのペナルティが導入される。

GoogleがSearch Consoleの複数のプロフィールをまとめる機能の実装に取り組んでいる模様。

11月1日(日)にイスラエルにて、SMXが開催されていました。1日限りの開催でしたが、Googleからのスピーカーも多数参加し、非常に内容の濃いイベントであったのではと感じています。その中で、Search Consoleのプロダクトマネージャーである、マイケル・フィンク氏がSearch Consoleの新機能についてのデモンストレーションを行ったようです。Search Consoleの改良については、Pubcon 2015でゲイリー・イリーズ氏も言及していました。今回の機能と同一内容ではないと思われ、また、まだアイデア段階であるとのことですが、実現すれば非常に魅力的な機能となるのではないでしょうか?– SEO Japan

GoogleはSearch Console内の認証されたプロフィールをまとめる機能に取り組んでいる。

この機能の目的は、httpやhttps、wwwの有り・無しのデータをまとめるというだけではない。アプリのデータもSearch Consoleのレポートに含めることができるというものだ。

GoogleのSearch Consoleのプロダクトマネージャーである、マイケル・フィンク氏がSMX Israelにて、参加者にこの機能のスクリーンショットを紹介した。現状のプロトタイプでは、”create a set”というボタンをクリックし、そこからまとめたいプロフィールを選ぶことができるというものだ。

下記に、彼がデモンストレーションで使用した画像のスクリーンショットを掲載するが、実機能というよりはモックのようなものだと思う。

画面上部の右側にある、”create a set”(矢印のあるボタン)をクリックし、そのセットに名前を付ける。

名前を付けたセットの中に含めたいプロフィールを選ぶ。

選択が完了すると、認証されたプロフィールとして、選択したプロフィールが(1アカウントとして)まとめられ、統合されたデータを参照することができる。

まとめられたプロフィールの画面は以下の通りだ。

統合されたデータの検索アナリティクス画面は下記の通りだ。

簡単に言うと、この機能により全てのプロフィールの、検索からのトラフィック、クリック数、インプレッション数、CTR、ランキングなどの様々なデータをレポーティングツールで確認できるようになるということだ。

マイケル・フィンク氏は、この機能はまだアイデア段階であると述べていた。しかし、SMX Israelで得られたフィードバックを基に、Googleがこの機能の実装により前向きになる可能性を示唆している。

この機能は非常に人気のあるリクエストだ。マイケル・フィンク氏は、Googleが対応していない様々な機能のプレビューを披露してくれており、我々にとっては非常に喜ばしいことと言える。

この件に関するGoogle+はこちら。

この記事は、Search Engine Roundtableに掲載された「Google Working On “Sets” To Consolidate Google Search Console Profiles」を翻訳した内容です。

App Indexingの導入により、アプリへのトラフィックデータなどの重要性も高まっている状況にあります。Googleが力を入れている分野でありますが、分析する手段も充実すれば、より注目度も高まるのではないでしょうか?今後どういった形で報告があるのかはわかりませんが、オフィシャルな報告を待ちたいと思います。

続きを読む GoogleがSearch Consoleの複数のプロフィールをまとめる機能の実装に取り組んでいる模様。

Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。

昨日から話題になっているRankBrainについて、Search Engine Landのダニー・サリバン氏が現在伝えられている情報をまとめています。Q&A形式で書かれている記事であり、Googleからの追加情報とダニー氏自身の見解も併せて紹介されています。RankBrainが何かSEOに画期的な変化を与えていると言えばそうではありませんが、多くの方が注目している内容だと思います。また、かなり長めの記事となっているため、コメントはこの辺りまでにしておきます。(笑)– SEO Japan

Googleはマシンラーニングの技術を検索結果の表示に使用している。RankBrain(ランク・ブレイン)と呼ばれているが、それについての情報をまとめてみよう。

昨日、Googleが”RankBrain(ランク・ブレイン)”と呼ばれる、機械学習の技術を用いた人口知能を、検索結果を選定する目的で使用しているというニュースがもたらされた。RankBrainはどのように作用し、Googleの全体のランキングシステムへどのような影響を与えているのだろうか?この記事で、我々が知りうる限りの情報をお伝えしようと思う。

この記事中で述べられている内容のソースは3つある。一つ目は、Bloombergの記事であり、昨日RankBrainについてのニュースを報じたものだ。(こちらの記事にもまとめられている。)二つ目は、GoogleがSearch Engine Landに直接提供してくれた追加情報だ。三つ目は、Googleが提供してくれなかった箇所について、我々の知識と最大限の仮定を基にしている。また、一般的な背景とは別に、必要だと判断した箇所にはこれらのソースからの情報ということを表示している。

RankBrainとは何か?

RankBrainとは、Googleが名づけた機械学習を用いた人工知能システムであり、検索結果を処理する(手助けとなる)ために使用されている。これは、Bloombergが報じていることでもあり、Googleによって我々にもたらされた情報でもある。

機械学習とは何か?

機械学習とは、コンピューターが人間や詳細なプログラミングによって教えられるのではなく、コンピューターが何かを行う方法を自身に教える(自身で学習する)仕組みである。

人工知能とは何か?

本当の意味での人工知能(Artificial Intelligence)、もしくはAI、とは、コンピューターが人間と同程度の賢さを手にしたものである。少なくとも、知識習得における、教えられる方法と、すでに学習した内容を基に新しい関連性(結びつき)を創り出す方法の二点について、同程度の賢さを持つことだ。

そうした本当の意味での人工知能はSF小説の中にしか存在しない。実際に人工知能が意味するところは、学習し、関連性を創り出すために設計されたコンピューターシステムを指すだろう。

AIと機械学習の違いは何だろうか?RankBrainに限って言えば、同じ意味を持つ言葉と言えるだろう。交互に用いられる場合もあるだろうし、機械学習をその時に用いられている人工知能的なアプローチの一種として用いられる場合もあるだろう。

RankBrainはGoogleが検索結果をランク付けする新しい方法なのか?

答えはNoだ。RankBrainはGoogleの検索”アルゴリズム”の全体の一部分である。そして、アルゴリズムとは、特定のクエリに対して最適だと思われるページを、数十億のページの中から選り分けるために使用されているコンピュータープログラムである。

Googleの検索アルゴリズムの名前は?

Googleの検索アルゴリズムは、我々が過去に報じた通り、ハミングバードと呼ばれている。何年間も、アルゴリズム全体としての名前は付けられていなかった。しかし、2013年に、Googleはアルゴリズムのオーバーホールを行い、ハミングバードという名前を与えたのだ。

つまり、RankBrainとはハミングバード(検索アルゴリズム)の一部なのか?

我々はそう理解している。ハミングバードは検索アルゴリズム全体を指し、ちょうど車における全体としてのエンジンのようなものだ。エンジン自体は複数のパーツから作られているものであり、オイルフィルターや、燃料ポンプ、ラジエーターなどがパーツにあたる。同様に、ハミングバードは複数のパーツを含むものであり、RankBrainは最も新しいパーツの一つなのだ。

実際、RankBrainがハミングバード全体の一部であることを、Bloombergの記事からも読み取ることができる。同記事では、RankBrainが全体の検索を処理しているわけではないことを、はっきりと記しているのだ。

ハミングバードは他の複数のパーツから構成されており、SEO業界の方には馴染み深いだろう。スパムを取り締まる目的で設計された、パンダや、ペンギンや、ペイデイといったものがある。ピジョンはローカル検索の改良を目的とし、トップ・ヘビーは広告を過度に表示しているサイトのランキングを下げている。モバイル・フレンドリーはモバイル対応をしているサイトに恩恵を与え、パイレーツは著作権を違反したサイトを取り締る目的で設計されている。

私はGoogleのアルゴリズムは”PageRank”と呼ばれていると考えていた。

PageRankはハミングバード・アルゴリズムの一部であり、他サイトから張られているリンクを基に、そのサイトに評価を与える特別な方法を含んでいる。

PageRankは非常に特別なものだ。なぜなら、ランキングアルゴリズムの一部に特別な名前を与えた、最初の例であるからだ。その時期は、1998年。この検索エンジンが世に産まれた時代までさかのぼる。

Googleがランキングに使用している”シグナル”とは何か?

シグナルとは、Googleが該当のWebページをどのようにランク付けすべきかを決定するために、手助けとして使用されるものである。例えば、Webページに記載された言葉が挙げられる。特定の言葉が太字である場合、それはまた別のシグナルとなる。PageRankの一部として使用された計算は、(シグナルとして用いられている)PageRankスコアを該当のページに与える。該当のページがモバイル・フレンドリーであると認められた場合は、別のシグナルとして、カウントされる。

こうしたあらゆるシグナルは、ハミングバード内の複数のパーツによって処理され、最終的には様々な検索に対しての結果として、Googleがどのページを表示するかを見つけ出すのだ。

どのくらいの数のシグナルがあるのか?

Googleは200以上の主要なランキングシグナルがあり、さらに10,000に及ぶバリエーションやサブセットがあると話している。通常、”数百”の要素があるとよく述べられており、昨日のBloombergの記事でもそう記載されている。

ランキングシグナルのビジュアルガイドが必要であれば、我々のこの記事を参照して欲しい。

これは、非常に優れたガイドであると、我々は考えている。Googleのような検索エンジンがWebページをランク付けするために使用している要素を全般的に知ることができる。

そして、RankBrainは三番目に重要なシグナルなのか?

その通りだ。どこからともなく、この新しいシステムは、Googleが言うところの、Webページをランク付けするための三番目に重要な要素となっている。Bloombergの記事を下記に引用しておこう。

コラード氏によれば、RankBrainはGoogleの検索結果に何を表示し、どの順位に位置づけるかを決定するアルゴリズムを構成している、”数百”ものシグナルの中の一つであるとのことだ。導入されてから数ヶ月で、RankBrainは検索結果に影響を与える、三番目に重要なシグナルになった、とも述べている。

最も重要なシグナル、二番目に重要なシグナルとは何か?

Googleは、最も重要なシグナルとニ番目に重要なシグナルについては明かしてくれなかった。我々は尋ねた。二度、尋ねた。

Googleが、その二つのシグナルを説明しないことは、なんとも悩ましいことだ。Bloombergの記事には何の不備もない。Googleは、機械学習におけるブレークスルーのPRとなるものを欲しているのだ。

しかし、本当にそのブレークスルーを求めるのであれば、Googleが現在使用している最も重要な要素を、RankBrainに取って代わられた要素を含め、明らかにすることが望まれるはずだ。ここに、Googleがこれらの要素を明らかにすべき理由がある。

ところで、私の個人的な見解では、リンクが未だ最も重要なシグナルであると推測する。Googleは、リンクを投票の形態として活用しているのだ。私が過去に投稿したこちらの記事でも述べている通り、非常に老朽化したシステムだ。

二番目に重要なシグナルは、”言葉(words)”であると推測する。ここでは、ページ内の言葉から、RankBrainによる分析の外側で、人々が検索ボックスに入力し、Googleが解釈するという意味での言葉も含んでいる。

RankBrainが実際に行っていることとは?

GoogleからのEメールから読み取ると、私は、RankBrainは検索者が探している言葉と正確に一致した記載がないページを探すための検索に用いられていると考えている。

Googleは正確に一致したクエリ以外のページを探し出す方法を既に持っているのではなかったか?

その通りだ。Googleは検索者が入力した言葉と完全に一致したページ以外を探し出すことを、ずいぶん前から行っている。例えば、何年も前には、”shoe(靴の単数形)”と検索した場合、Googleは”shoes(靴の複数形)”と記載されているページを探し出せなかったかもしれない。なぜなら、これら二つの言葉は別々の言葉であるからだ。しかし、”語幹解釈(stemming)”の技術により、Googleはより賢くなった。結果として、”runnning”が”run”の変化形であることと同様に、”shoes”は”shoe”の変化形であることを理解できるようになった。

Googleは、同意語の理解も深めている。例えば、”スニーカー”と検索された場合、検索者は”ランニングシューズ”も意味していると理解しているだろう。概念的な理解も深めており、”Apple”という言葉について、テクノロジー会社か果物かを理解することができるようになっている。

ナレッジグラフについてはどうだろうか?

ナレッジグラフは2012年にローンチされ、言葉と言葉のつながりをGoogleが理解を深めた結果とも言える。より重要なことは、Googleの表現を借りれば、”文字列ではなく物事(things not strings)”を検索する方法を学んだことになる。

文字列とは、一連の文字の列を意味しており、”Obama”という綴りと一致したページを検索することである。物事とは、検索者が”Obama”と検索した場合、アメリカの大統領であるバラク・オバマ氏を意味しており、それ以外の人々や場所や物事と結び付けて理解する、ということである。

ナレッジグラフはこの世界における物事とそれらの関連性についての事実のデータベースである。これによって、あなたが”オバマ氏の夫人はいつ産まれた?”という検索を行った場合、下記に記載している通りのミシェル・オバマ氏の情報を、彼女の名前を含めずに、得ることができるのだ。

RankBrainはどのようにしてクエリの精製(改善)の助けとなるのか?

Googleが既に使用しているクエリを精製する方法は、語幹解釈や同意語のリストの作成、物事の関連性についてのデータベースの構築など、人間の手によって行われたものを必要としている。もちろん、その中に自動化は含まれてはいる。しかし、大部分においては、人の手による作業に依存しているのである。

問題は、Googleが30億ものクエリを毎日処理しているということだ。2007年に、Googleは全体のクエリの20%から25%が、今まで誰も検索していなかったクエリだと述べている。2013年には、その数が15%までに減少しており、この数字はBloombergの記事に記載された数字で、Googleが我々に再度知らせてくれた数字でもある。しかし、30億の15%(1日につき4億5千万)という非常に大きい数が、今まで誰も検索していなかった言葉となる。

こうした複数の言葉から成る、”ロングテール”と呼ばれるクエリは非常に複雑なものとなっている。RankBrainは、こうしたクエリをより良く解釈し、効果的に翻訳し、ひっそりと最適なページを検索者に提供するための手助けとなるように設計されている。

Googleが我々に伝えてくれた内容によると、RankBrainは一見すると結び付けられていない複雑な検索の間に、それらが実際はお互いにどの程度似通っているかを理解するためのパターンを見ているとのことだ。その結果、この学習によって、未来における複雑な検索を、それらが特定のトピックにどのように関連しているかをより深く理解できるようになっている。Googleが我々に伝えたことの中で最も重要なことは、RankBrainはこうした検索のグループと、検索者が最も好むであろう検索結果とを結び付けることができるという点だ。

Googleはこうした検索に該当する例を提供しておらず、RankBrainがどのようにして最適なページを推測しているかについての詳細も述べてはいない。しかし、後者については、RankBrainが不明瞭な検索をより特定のものに落としこむことにより、より良い答えを返すということだろう。

具体例については?

Googleはこうした検索の例を与えてくれてはいないが、Bloombergの記事にはRankBrainが手助けしているであろう、検索の例を1つだけ記載している。下記に記載しよう。

食物連鎖における、最上位の消費者のタイトルは何か?

私のような素人にとっては、”消費者”とは何かを購入する人物を指すように思われる。しかし、科学用語でもあり、この場合は、食べ物を消費する何か、を指す。また、食物連鎖には消費者のレベルが存在する。そして、最上位のレベルの消費者とはなんだろうか?そのタイトル(名前)は、”捕食者(predator)”だ。

このクエリをGoogleで検索すると、クエリ自体は非常に奇妙に思えるが、素晴らしい答えを提供している。

そして、この検索結果が、”食物連鎖の上位レベル”というクエリとどの程度似ているか調べてみよう。結果は下記の通りだ。

RankBrainが長くて複雑な元のクエリと、より使用されているであろう、短いクエリと結びつけていることを想像して欲しい。RankBrainは上記二つのクエリが非常に似ていると理解しているはずだ。結果として、Googleはより使用されているであろうクエリに対する答えが、あまり使用されていないクエリに対する答えをより良くする手助けとなるように利用しているのだ。

再度強調させていただきたいのだが、私は、RankBrainがこれら二つの検索を結びつけているかどうかはわからない。私は、Googleが最初の例を与えてくれたことを知っているだけだ。これは、RankBrainが検索結果を向上させる方法として、あまり検索されていないクエリとよく検索されているクエリを結びつけるために使用されているという、簡単な説明にすぎない。

BingはRankNetによって、これを実現しているのか?

2005年にMicrosoftは、RankNetと呼ばれる、独自の機械学習システムを使用し始め、今日では、Bingの検索エンジンの一部となっている。事実、RankNetの産みの親であるチーフ・リサーチャーは賞賛を浴びている。しかし、Microsoftは何年もの間、RankNetについては話していない。

RankNetも変化しているはずだ。非常に興味深い事に、RankBrainの素晴らしさを説明した上記のクエリをBingで検索してみたところ、Bingも素晴らしい検索結果を表示している。その中には、Googleが検索結果に表示したものも含まれている。

一つのクエリによって、BingのRankNetがGoogleのRankBrainと同じように素晴らしいと言える証拠にはならないし、逆もまたしかりだ。残念ながら、この種の検索の比較を行うためのリストを作成することは、非常に困難なことである。

他の例は?

Googleは、新しい例を一つ与えてくれている。”1カップは大さじ何杯?(How many tablespoons in a cup?)”というクエリだ。Googleいわく、RankBrainはこのクエリに対し、オーストラリアとアメリカでは違う検索結果を提供するということだ。なぜなら、似たような名前にも関わらず、それぞれの国では測定方法が異なるからだ。

私は、Google.comとオーストラリアのGoogleで検索をしてみたが、両者に違いは見られなかった。RankBrainがなかったとしても、異なる検索結果は表示されることもある。なぜなら、”昔ながらの”手段により、オーストラリアのGoogleを使用している検索者のために、オーストラリアではよく知られたサイトから検索結果を選ぶこともあるからだ。

RankBrainは本当に助けとなるのか?

上記の二つの例は、RankBrainの素晴らしさを伝えるという点では少々物足りなかったかもしれないが、Googleが主張しているように、私はRankBrainが大きなインパクトを与える可能性を持つことを信じている。Googleはランキングアルゴリズムに手を加える場合は、非常に保守的である。常に、小さなテストを行っている。Googleは相当の自信を持った場合に、大きな変更をローンチする。

RankBrainを導入し、3番目に重要なシグナルとなったことは、非常に大きな変更だ。Googleは、本当に助けとなるという自信がなければ、RankBrainを導入しなかっただろう。

RankBrainはいつ開始したのか?

Googleによれば、2015年の初期にゆっくりとロールアウトし、完全にライブとなりグローバルに適用されてから数ヶ月経っているという。

どのようなクエリが影響を受けるか?

GoogleはBloombergに対して、クエリの”非常に大きな割合”がRankBrainによって処理されていると述べている。我々は、より詳細な数字を尋ねたが、同じ答えが返って来ただけであった。

RankBrainは常に学習しているのか?

Googleによれば、RankBrainが行う学習の全てはオフラインで行われているようだ。過去の検索のバッチが与えられ、それらから予測することを学習している。

こうした予測はテストを受け、良い評価が下されれば、最新のRankBrainに活かされる。そして、このオフライン学習とテストのサイクルが繰り返されているのだ。

RankBrainはクエリの精製以上の役割を果すのか?

通常、(語幹解釈や同意語、そして今ではRankBrainによって行われる)クエリの精製は、ランキング要素やシグナルとしては考えられていない。

通常、シグナルはコンテンツに結び付けられた要素であり、ページ内の言葉や、そのページに張られているリンク、セキュアなサーバーを使用しているか、などが例として挙げられる。また、ユーザーに結び付けられたものでもあり、検索者のロケーション、検索やブラウジングの履歴などがあてはまる。

GoogleはRankBrainを3番目に重要なシグナルだと述べたが、本当にランキングシグナルを意味しているのだろうか?答えは、Yesだ。Googleは、我々にRankBrainが直接ランキングに影響を与える要素が(Googleのアルゴリズム内に)あることを再度確認している。

どのくらいの精度か?”RankBrainスコア”といった類のものがあり、品質を算出しているのか?おそらく、RankBrainは、彼らが保持しているコンテンツをベースに、ページをより良く分類するための手助けをしているように思える。RankBrainはGoogleの既存のシステムが行っていること以上に、そのページについての情報をよりよくまとめることを可能にしているのかもしれない。

そうでなければ、Googleはランキングの構成要素が含まれている、といった以上のことを述べないだろう。

RankBrainについてさらに学ぶためにはどうすればよいか?

Googleは、”ベクター(vectors)”(ワードやフレーズが数学的に結び付けられる方法)について知りたい人は、このブログ記事を読むべきだと述べている。この記事では、システム(記事中ではRankBrainとは名付けられていない)がニュース記事をスキャニングするだけで、複数の国の首都という概念を学んだ方法が記されている。

この記事の元になった、より長い調査論文はこちらにある。また、Googleのword2vecツールを使うことで、独自の機械学習のプロジェクトを行うことができる。さらに、Googleは人工知能と機械学習についての論文を集めた場所を用意しており、Microsoftも、こちらに用意している。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「FAQ: All About The New Google RankBrain Algorithm」を翻訳した内容です。

メインのRankBrainに加え、かなりの範囲を解説していた記事でした。そもそもGoogleのアルゴリズムとは何か?という説明をしているあたり、ダニー氏は今回のGoogleの発表をかなり重要視しているように思えます。具体例として、モバイルに代表される曖昧な検索への対応が挙げられますが、他の要素と絡めてみれば、Googleが今後進むであろう道筋がさらに明確になったとも感じています。Web業界のトップ企業がこぞって投資を行っている人工知能の分野に、今後も注目していきたいと思います。

続きを読む Googleの新しいアルゴリズム、RankBrainの全容。

RankBrain(ランク・ブレイン)。人工知能は、既に、Googleの検索結果を処理している。

既に話題となっているRankBrainですが、Search Engine Landのダニー・サリバン氏も記事をアップしていたので、紹介させていただきます。Googleの検索アルゴリズムに機械学習の技術が使用されているということですが、Pubcon 2015のランド・フィッシュキン氏のキーノートでも話されていたように、ある程度自明のことであったと思います。今回は、Googleがその存在を、具体的な名前と使用率を共に公表したことで話題になっているといった状態ではないでしょうか。様々な方が言われている通り、(対象範囲の拡大や理解の深度は別として)RankBrainへの特別な対策が必要だ!、といった類のものではありません。ディープラーニングが導入されればアルゴリズムの仕組みが誰もわからなくなる、といったことが起こるかもしれませんが、おそらく数年先の話でもっと別の形での発表となる気がしています。– SEO Japan

機械学習を用いた人工知能はGoogleの検索クエリの15%を処理している。

*記事内のリンクは全て英語となっています。

RankBrain(ランク・ブレイン)が、Googleのエンジニアが手作業で構築していた検索アルゴリズムを隅に追いやっている。RankBrainは機械学習を用いた人工知能であり、Googleの1日における検索結果の15%を処理するために使用されている。

しかしながら、 ハミングバードとして知られている、Googleの検索アルゴリズムに完全に取って代わるものではない。このアルゴリズム(ハミングバード)は、最適な検索結果を提供するために、ユーザーが探しているものと何十億のページの詳細な確認を処理するシステムである。

RankBrainはクエリを解釈するための新しい方法か?

RankBrainは、検索者が何を探しているかを解釈し、様々な形でその答えを提供する方法を理解するアルゴリズムの、一部のようなものと思われる。

例えば、ユーザーが”Barack(オバマ大統領のファーストネーム)”と検索したとしよう。かつては、Googleやその他の検索エンジンは、その検索語と完全に一致した単語を記載したページを探していた。しかし、ここ数年(特にハミングバードが登場した2013年以降)は、Googleは言葉と言葉の関連性をより深く理解できるようになっている。”Barack”の検索については、 “US President(アメリカ 大統領)”、 “Barack Obama(バラク オバマ)”、”Michelle Obama’s husband.(ミシェル オバマ夫人)”といったクエリにマッチするページや情報を返している。

Bloombergが、Googleのシニア・サーチ・サイエンティストでRankBrainにも関わっている、グレッグ・コラード氏へのインタビュー記事をスクープしている。

RankBrainはクエリを処理する新たな方法であるようで、今まで使われていた方法よりも、さらに進化したものであるようだ。下記に、Bloombergの記事を引用する。

RankBrainは大量の(文章による)言語を、コンピューターが理解することができる、ベクター(vectors)と呼ばれる機械的なエンティティへと組み込むことに、人工知能を使用している。RankBrainが馴染みのない言葉やフレーズを見つけた場合、その言葉の意味に近いフレーズなどを推測し、それに従って検索結果をフィルタリングする。これにより、今まで見たことのない検索クエリ、への対処をより効果的に行うことができるのだ。

RankBrainは3番目に重要なシグナル?

記事によれば、現在はクエリの15%がRankBrainによって処理されているようだ。また、ランキングにおける、3番目に重要なシグナルとも書かれている。

コラード氏によれば、RankBrainはGoogleの検索結果に何を表示し、どの順位に位置づけるかを決定するアルゴリズムを構成している、”数百”ものシグナルの中の一つであるとのことだ。導入されてから数ヶ月で、RankBrainは検索結果に影響を与える、3番目に重要なシグナルになった、とも述べている。

これについての補足を加えておこう。ランキング・シグナルはページの品質に関連付けられる何かであり、そのページに向けられているリンクやページ内の単語(言葉)などが例として挙げられる。Googleは数百ものランキング・シグナルを使用しており、その内の大部分は、当ブログのこちらの記事(Periodic Table Of SEO Success Factors)にまとめられている。

RankBrainは、実際はおそらく、ランキング・シグナルではなく、クエリを処理するツールであるだろう。Bloombergを再度引用するが、その中では、ランキングへの使用も示唆している。

今のところ、RankBrainは人工知能の宣伝としての役割を果たしている。アルゴリズムの構築に長い時間を費やしてきたGoogleのエンジニアが、幾つかのページを詳細に確認するように言われた。そして、Googleの検索エンジンがトップに表示するであろうページを選ばされた。人間による推測は70%の正答率であったが、RankBrainは80%の正答率であった。

RankBrainについては、今後も情報を集めていく予定だ。

この記事は、Search Engine Landに掲載された「Meet RankBrain: The Artificial Intelligence That’s Now Processing Google Search Results」を翻訳した内容です。

繰り返しになりますが、今回の内容は、Googleが既に導入している技術の紹介といったもので、今後目指すべき場所が変更された、といったことではありません。しかし、既に言われている内容の重要度や注目度は増していく契機になるかなとは思います。長めで細かく、過去に同一の検索は少ない(モバイルで多い)といったクエリの処理に用いられているようですが、モバイル検索とロングテール検索の増加は当たり前のことに思われています。そして、検索エンジンフレンドリー(構造化データなど)やユーザーフレンドリー(表示速度など)といった、大事と思われている要素が今後ますます必要という認識が広がるかもしれません。AIへの投資は、Facebookを始め、様々な企業が積極的に行っている部分ではありますが、Google以外の企業もこうしたアナウンスを積極的に行うようになればおもしろいですね。

続きを読む RankBrain(ランク・ブレイン)。人工知能は、既に、Googleの検索結果を処理している。