複数のデータソースを結びつけてそれらを単一のダッシュボード上に要約するSisenseは、データとの対話性を広げる技術に積極的に挑戦する。この前はAmazon Echoとの統合を発表し、ユーザーがAlexaにデータをリクエストできるようにした。
そして今日は、ボットの統合。対象がEchoからメッセージングアプリに変わった。今日のリリースがサポートしているのは、Slack, Skype, Facebook Messenger, Telegramという、定番中の定番だ。
SisenseのCEO Amir Oradによると、“最初にこの4つをパートナーとして選んだのは、企業ユーザーがとても多くて、ほとんどの企業が使っているからだ。いずれもAPIがあるから、これらのメッセージングシステムにSisenseのような外部システムがアクセスできる。このようなオープンなプラットホームこそが、企業経営の未来であり、コラボレーションの原動力だ”、という。
ユーザーは、質問をしたり、単純なリストから選択をしたりする。Slackの統合では、誰かが営業データのチャートをシェアしたら、ユーザーは“See Widget”(ウィジェットを見る)や“See Dashboard”(ダッシュボードを見る)選べる。ウィジェットを選んだら、アナリシスのウィジェットがチャートのインサイト(insight, データの奥深い意味)を提供するだろう。
ボットのメリットは、ソフトウェアビジネスのワークフローにインテリジェンスを持ち込むだけではない。巧みな設計のボットの真の長所は、ソフトウェアそのものの複雑性を隠してくれることだ。
“セルフサービスタイプのサービスと、データの視覚化技術によって、非技術系のユーザーでもデータを日常的に使いこなせるようになった。うちのようなビジネスインテリジェンス(BI)・ボットは、そういうセルフサービスの上で、日常の仕事環境にデータのインサイト(データの洞察的意味)を直接提供する。〔宿主であるSlackなどの上で日常的にBIを提供する。〕
いちいち、何かをクリックしたり、セレクトしたり、ときにはコピー&ペーストしたり、という、ここ30年間のソフトウェアとの対話方式と違って、対話的操作がより会話に近いものになる。ボットは、自然言語によるソフトウェアとの対話に似た感覚を与え、うまく行けばソフトウェアの隠れた価値を浮かび上がらせる。直接、非技術系のユーザーに対して。
一見ギミックのようだが、実は、Sisenseなどが提供するデータを、顧客企業内のできるだけ多くの人びとに届ける、クリエイティブな方法だ。このようなツールは、データへのアクセスを大幅に民主化し、しかもデータのエキスパートの手を煩わせずに、情報への広範なアクセスを(スタッフだけでなく)ラインのビジネスユーザーにも与える。