従来のSEOテクニックが通用しづらい上に、リンクはまだまだ重要なファクター。SEO担当者の頭を悩ませる時代ですが、そんな時こそ必要なことは、長期間に渡って効果を上げることができる戦略かもしれません。リンクの構築以外にランクを上げ、それが長期間継続するという難題に対し、どういった取り組みが行われているのでしょうか?– SEO Japan
原題:Long-Term SEO: How To Win For Years, Not Days
Speakers:
Rhea Drysdale, CEO, Outspoken Media
Eric Enge, CEO, Stone Temple Consulting
Mark Munroe, Director, SEO , Trulia
Rhea Drysdale
偉大な出来事は、環境によって偶然に産まれるのではない。大部分が意識的な選択と規律に起因する。
我々は選択をする必要がある。
大きな目標のない戦略はむなしい結果を産む。
例えば、1つの信頼のあるドメインを作成する。しかし、それのみに固執するのではなく、7つのマイクロサイトの作成にも投資する必要がある。ちょうどいいバランスを取る。リスクの分散とランキングにも貢献する。正しい選択と言える。
人間の行動がアルゴリズムを変更させる。
現在のアルゴリズムに沿わない方法は採るべきでない。判断を間違えてはだめ。例えば、ゲストプログをリンク獲得の手法に採用してはいけない。過去においては有効であったが、今はスパムと判断される場合が多い。ゲストブログにスパムが多くなり、ユーザーが嫌がるようになった結果、ゲストブログに対するアルゴリズムの変更が加えられた。
ブランドを傷つけない。
すべてのステークホルダーが対象。クライアントはもちろん、自社の社員も。
戦略を取る。戦術ではなく。
ペイド、コンテンツ、アウトリーチすべて。ビジネスの拡大とリスクへのアプローチを考える。
ブランドになる。全てにおいて素晴らしく、長期間にわたっての。
問題の特定、才能の育成、オーディエンスの理解、価値の提供。こうした作業を通してブランドを形成する。
ModClothの例
http://www.modcloth.com/
ユニークな商品、カスタマー=友人、購入決定に貢献する(問題・ミッションの特定)
顧客に対し、バイヤーになってほしいとWebサイト上で募る。こうした意見を元にデザインを決定する。顧客の貢献意識を高め、メンバーの一員だと認識させ、独自の製品を開発。
上記の会社のミッションは全てのチームに浸透させる。(才能の育成)
ユニークな服、アクセサリーを好む女性。(オーディエンスの理解)
その服のデザインや試着レポートなど、コンテンツ作成のいい材料になる。
コミュニティへの参加(戦略)
色々なコミュニティを作成し、顧客に参加させる。自分は特別だと感じさせる。
また、自然リンクを獲得するためにカテゴリーを多様化する。違った分野の製品を作り、それぞれの製品のコンテンツを作る。(http://www.adamasanborn.com/lindy-hop.html)
結果
2012年に100万ドルの売り上げ。年間売り上げ40%の上昇。
Complexの例
http://www.complex.com/
動画視聴者の獲得を増やす(問題の特定)
2014年に1億人のビューアーの獲得が目標。
影響力のある16-40歳の若い女性(オーディエンスの特定)
特定は難しかった。ターゲットに合わせたポスターを作成。
マルチメディア、プラットフォームで配信(戦略)
配信先を増やし、様々なドメインを使用。内容はいろいろなライフスタイルでの提案。日常生活、スポーツなど。エミネムのベスト100ランキングなども作成。
結果
11のブランドを合わせ、月間1千万人の視聴者を獲得。
SearchEngineLandの例
http://searchengineland.com/
インダストリーイノベーター。どうやって届けるか、どう価値を提供するか、どうリターンを得るかを考えている。リアルなジャーナリズム。信頼性のある情報を提供し、現実のイベントに適用できるアイデアを届ける。
ハミングバードの記事。(才能の育成)
優秀な記事は才能の育成による結果。
最後に。
マネージャーとして、戦術ではなく、最適な戦略を練ること。長期間のSEOを構築する上で一番大事なことだ。
Mark Munroe
イントロダクション
インハウスの仕事は一生だ。これまでローカルから大企業まで幅広く見てきた。
長期的なSEOとは
単純に目先のトラフィックを増やすことではない。成長の継続が私の目的だ。
SEOは自分だけの問題だけでない
Googleや他の外部的要因も関係。また、私はSEOの成功の秘訣を知っている唯一の人、などにはなりたくない。全員がSEOで成功してほしいと願っている。
全てのSEOにおける疑問は解決されなければならない
例えば、プロダクトデザイナーがページの再デザインをするとき、SEOへの影響はあるかと尋ねられたとする。そのページが重要なキーワードのページであった場合、Googleの意図に基づいた判断をし、その内容を必ず伝える。
リンクビルディング
リンクはいまだに大事な要素。構築することは、リンクを獲得するにつれ難しくなる。例えば、リンクが0のサイトの場合、20の新規のリンクは大きなインパクトがあるが、すでに1000リンクを獲得しているサイトの場合、20の新規のリンクは大きなインパクトはない。
SEOへの取り組み
チーム間は一緒に働く。品質鑑定、PR、プロダクトマネジャー。すべてかかわる。それぞれの担当は違うが、SEOでの成功を常に考えながら役割を果たす。
SEOの災害
SEOに影響するミスや事故は出来る限り防ぐ。例えば、301エラー。リンクパワーだけでなくトラフィックも失う。
トレーニング
上記のようにチーム全員で意識するために、教育を行う必要がある。それぞれの段階に分けて教育する。全員が知っているレベル、技術者が知っているレベル、等。なるべくそれぞれの役割に近い知識を優先的に。
スパイダーを追う
大量のページがあるサイトは、サイト全体にクローラーが行き渡らないことが起こり得る。ページはできるだけ新鮮にする。他のページの質が低い場合、クローラーが回ってこなくなる。もし有益なページが同サイト内にあれば、そのページのキャッシュも古いままになってしまう。
レピュテーションとは?
誰かの心にある、信じられているもの。Googleにとって、リンクとはレピュテーションを構築するための引用である。
レピュテーションビルディング
今はコンテンツマーケティングが主流。2年前はゲストブロギングを推奨していた。
リンク
ルールの変更は早く、J.C.Penneyなどの有名ブランドもペナルティを受ける。
アンカーテキスト
アンカーテキストの操作は有効だが、リスクが高い。Googleに、自分のブランドは獲得されたものではなく作られたものだ、と伝えるシグナルになってしまう。
リンクが全くないとどうなる?
Matt CuttsによるとGoogleはリンクをファクターに含めないバージョンのアルゴリズムをテストしているそうだが、結果は芳しくないものらしい。ということは、私はずっとリンクを追いかけなければならないのか。
レピュテーションが構築できていたら問題はない。
Googleが他の検索エンジンと異なっている点は、レピュテーションにある。リンクはいずれ、レピュテーションを測定する指針になる。リンクはなくなるだろうが、レピュテーションはなくならない。Googleがリンクを要素から外すときは、レピュテーションを図るなにか別の方法を発見したことになる。
最後に
SEOの戦略や戦術を考えるときは、常にGoogleの意図を意識するべきだ。あなたの戦略がGoogleの意図に沿ったものであれば、あなたは正常な道を進んでいると言える。
Eric Enge
まずは、大事なこと、大きなことから話します。
Strings(文字列)
テキスト内のキーワード。マッチングに利用。従来の基準
Things(ものごと)
検索エンジンは意味を理解するようになっている。例えば、new england patriotsの場合、フットボールチーム、NFL、各選手などの属性がある。Googleはこの関連性を理解するようになっている。そのため、検索結果が答えそのものを提供する場合がある。デスクトップサーチよりもボイスサーチのほうが答えそのものを返す傾向があるように思う。
ウェアラブル
またはそれに付随する機能。
状況は?
安定しているか?そうでもない。
昔の手法
何10年前には町中にグロッサリーストアあがあったが今はない。ショッピングモールの登場で状況は変わった。
そしていまはオンライン
多くの人が商品を買う。非常に便利。Webのレピュテーションは現実世界のそれとは違うのがポイント。
未来は
消費者は、常にレピュテーションと信頼性を確認してから購入するようになる。(Yelpなどで。)
行動は変化する。(Ericの場合)
通勤の例。距離が短いルートを使っていたが、その道はいつも混んでいた。そこで、遠いが空いている道を選ぶようになり、結果早く着く。そのため、常に道路状況を確認するということが習慣になった。なにか行動を起こ前に確認するようになる。上記のように、購入前にレピュテーションをを確認するのだ。
エキスパートであれ
複数のライターで書いた記事ではブランドの信頼性は作れない。誠実で正しい道を選ぶ。
オーセンティシティーをだますことはできない
あるイベントで我々は成功した。だれかが邪魔して、同じような成功をしようとした。ただその誰かの記事はシェアされなかった。現実の人間が判断した結果だ。誠実性は簡単に奪うことはできない。
アドバイス
記事毎にレピュテーションの構築方法を変える。同じやり方を使いまわさない。最適な角度、切り口を見つけることが必要。
面接前に80%の雇用主がしていること
(http://www.huffingtonpost.com/susan-p-joyce/job-search-tips_b_4834361.html)
差別化がうまくいった例。多くのシェアを獲得。
リンクは結果。ゴールではない。
リンクをゴールに考えるとスパムな手法、アイデアになる。インフォグラフィックを作成する場合、リンク獲得の目的で作成しては、良い内容のコンテンツは仕上がらない。ブランドとレピュテーションにフォーカスする。
自分に対する投資を完全にコントロールすることはできない
オンラインでは成功しない。他のひとが投票するから。
プレスリリースは最適な方法で。
操作の意図は含まない。メディアからの興味を引き出す内容にする。
自然に見えようとするのではなく、自然になる。
強力なSNSでの露出はPRのためのチャネルを構築することになる。
WebサイトのコンテンツをSNSでシェアする。新しい、フォロワー、ファン、+1などが増え、それらがWebサイトへのトラフィックを産む。こうしたプロセスの中に、インフルエンサーを含ませる。自分でSNSの連携を構築した後、インフルエンサーに連絡を。インフルエンサーがプロセスの途中に参加することで、プロセスを加速させる。
他者のためへの問題解決は記憶に残るエンゲージメント
オンラインという巨大なコミュニティで行えば、(人口が多い分)リターンも大きい。
良いリンクとは?
リンクの質を議論する時点で間違っている。
複雑なプロセスのため、強力なボスが必要
上記のSNSのプロセスに加え、内部リンクの構築、自然リンクの管理など、広範囲にわたる作業が行われるため、ボスが必要になる。SEO担当者が全体をオーガナイズできる。
リンクは獲得するものだ。構築するものではない。
目先の勝利ではなく、継続的なSEOを成功させるために必要なこと。スピーカーが強調していたのは、レピュテーションでした。リンクと違い、定量化できない概念のようなものであり、まだまだ浸透した考えではないかもしれませんが、成功している企業も確かに存在しているため見習いたいところです。– SEO Japan