日本全体での防災・減災の強化を目指すOne ConcernがSOMPOと複数年の戦略的パートナーシップ締結

気候変動は世界各地で深刻化しているが、日本はその中でも特にチャレンジングなケースといえる。日本は大断層の上に位置するだけでなく、海面上昇により列島の浸水が進み、災害が発生しやすくなっている。10年前、東北地方太平洋沖地震と津波は数十億ドル(数千億円)の被害をもたらしたが、この悲劇からの復興は今でも国際関係の大きな火種となっている。

昨今、災害対策技術はベンチャーキャピタルの投資対象として重要な分野となっているが、新たなスタートアップがRaaS(Resilience-as-a-Service、サービスとしてのレジリエンス)分野に登場し、成長市場として幅広い関心が寄せられていることが証明された。

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地震、洪水、その他の自然災害に対するコミュニティの回復力と対応をモデル化し、シミュレーションするプラットフォームを構築しているOne Concern(ワンコンサーン)は米国時間6月3日、日本最大の保険会社の1つであるSOMPOのベンチャー部門SOMPOホールディングスから4500万ドル(約49億6000万円)を調達したと発表した。この投資はOne Concernの災害レジリエンスプラットフォームを日本市場に投入するための、総額1億ドル(約110億3000万円)の複数年契約の一部だ。

日本はここ数年のOne Concernの市場開発において、ある種宝石のような存在となっている。同スタートアップは、2019年末に秋元比斗志氏を日本法人代表取締役社長として採用した後、2020年2月に日本への進出を正式に発表した。2020年8月にはSOMPOとの戦略的パートナーシップを発表し、同保険会社のベンチャー部門が1500万ドル(約16億5000万円)を投資した。今回の契約は、そのパートナーシップをさらに拡大するものだ。

プレスリリースによると、One Concernはこの提携の一環として、日本で6つ以上の都市に同社のプラットフォームを販売するという。

CrunchbaseとSECファイリングによると、これまでOne Concernは、2015年10月のシードラウンド、2017年にNEAが主導した3300万ドル(約36億4000万円)のシリーズAラウンド、同じくNEAが共同で主導した3700万ドル(約40億8000万円)のラウンドと、3回の資金調達を行っていた。One Concernは、2015年に設立された。

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カテゴリー:その他
タグ:One ConcernSOMPOホールディングス資金調達自然災害気候変動日本

画像クレジット:Carl Court / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Aya Nakazato)

SOMPOホールディングスが自動運転OS開発の「ティアフォー」に約98億円出資し関連会社化

SOMPOホールディングスが自動運転OS開発の「ティアフォー」に約98億円出資し関連会社化

SOMPOホールディングスは8月28日、自動運転システム開発事業など展開のティアフォーに対し、第三者割当増資の引受および損害保険ジャパンが保有する株式取得により約98億円を出資し、資本提携契約を締結したと発表した。ティアフォーは、SOMPOホールディングスの関連会社となる。なお、ティアフォーの累計資金調達額は175億円となった。

政府策定の官民ITS構想・ロードマップでは、2020年までに限定地域(過疎地域等)での無人自動運転移動サービスの実現や、2025年度を目途とした全国40ヵ所以上での実装可能性が示されているという。また、工場や商業施設など施設内での実装が全国各地で検討されている。

そこで、SOMPOホールディングスとティアフォーは、自動運転の頭脳にあたるソフトウェア技術と「Level IV Discovery」を一体として提供し、自動運転技術の社会実装を支援する「自動運転プラットフォーム」の開発を事業として両社で展開するため、資本提携を行うことで合意した。Level Ⅳ Discoveryは、損保ジャパン、アイサンテクノロジー、ティアフォーが共同開発するインシュアテックソリューション。走行前にリスク調査を行う「リスクアセスメント」、走行中の「遠隔見守り・トラブル対応」、自動運転車の多様なリスクをカバーする「保険」の3ソリューションにより、自動運転の走行前・走行中・トラブルまでを総合的にサポートすることで自動運転走行の安全を支えるとしている。

両社は「自動運転プラットフォーム」に参画する主要なプレイヤーを募り、一体となって社会実装に向け協創するとしている。また、得られたデータと、これまでに損保ジャパンが培ってきた事故の未然防止や事故対応のノウハウを融合することで、安心・安全な自動運転の実用化を支援するという。

今後は、「自動運転プラットフォーム」開発事業の展開により得られる車両・走行・乗客・位置のデータなどモビリティにかかわる各種データと、保険事業やSMPOホールディングスがすでに展開しているモビリティ事業(CtoCカーシェアリング、駐車場シェアリングなど)から得られるデータなどを組み合わせ、将来的にはMaaSやスマートシティの分野においてSOMPOグループ独自のサービスや新事業の創造を目指す。

SOMPOホールディングスの中核事業を担う損保ジャパンは、過疎地域での移動手段確保、人口減少による物流業界のドライバー不足の解消といった社会的課題の解決策として期待される自動運転技術が、「安心・安全」に社会実装されるために、損害保険会社として果たすべき役割について研究を推進。

これまでに、ティアフォーと自動運転システムの遠隔監視・操作を支援する「コネクテッドサポートセンター」を共同開設。また、それをリスクアセスメントや保険商品と組み合わせて提供し、自動運転技術の社会実装に必要な安全性と利用者の安心感を高めるインシュアテックソリューション「Level IV Discovery」の共同開発に取り組んできた。

また2019年6月には、損保ジャパンがティアフォーに48億円を出資するなど、両社の協業を推進してきた。

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