SpaceXが宇宙船Starshipの飛行に向けFCCに書類申請

SpaceX(スペースX)は、軌道に到達できる宇宙船ことStarshipの飛行試験を開始するために必要な準備を整えており、同社が提出した申請書類(ソース:Teslarati)は、飛行中のプロトタイプ機と通信するために必要な許可をFCC(連邦通信委員会)に求めている。

SpaceXは今週、米規制当局にテスト飛行のための書類を提出したが、その最高高度は7万4000フィート(約23km)で、地球軌道には遠く達しないが、宇宙船運用の準備のためのテスト機「Starhopper」 のデモンストレーションの約500フィート(約150m)よりは、はるかに高い高度だ。

SpaceXのCEOことElon Musk(イーロン・マスク)氏はツイートにて、これが準備中であることを認めた。同氏は以前、成功したStarhopperの最終的テストを、実物大のプロトタイプ機でも迅速に実施したい伝えていた。また、この低高度飛行テストと同じく、SpaceXはStarshipのプロトタイプ機を打ち上げて、わずかに少し離れた場所に着陸させる予定だ。

プロトタイプ機の組み立てと建設は順調に進んでいるようで、マスク氏は9月28日のイベントにて、Starshipのアップデートを予告していた。これはおそらく、組み立てられているプロトタイプ機や10月に予定されているテスト飛行に関するものとなるだろう。

Starshipは、最大限に再利用が可能なSpaceXの次世代宇宙船で、現在と将来の顧客のニーズに応えることができ、最終的にはFalcon9とFalcon Heavyの両方を置き換える宇宙船となる。Starshipはまた、火星に継続的な人間のプレゼンスを確立するという、マスク氏の野心的な計画の重要な要素でもある。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXがStarshipとSuper Heavyの打ち上げと着陸の詳細な計画を発表

SpaceXは、StarshipとSuper Heavyの、間もなく実施される試験積載量での打ち上げのための環境評価準備書を整えた。環境評価の準備を行い完了させることは、完成間近なSpaceXの完全再利用型大積載量ロケットの第1弾となるSuper Heavyにとっても、このシステムの第2弾となる宇宙船コンポーネントであるStarshipにとっても、実際の打ち上げの可否を左右する重要な鍵となる。

すでにSpaceXは、Starshipのプロトタイプを飛ばす準備を進めている。SpaceXのCEOElon Musk(イーロン・マスク)氏の楽観的なスケジュールが合えば、「2〜3カ月後」の打ち上げられる予定だ。Starshipを小型化し、同機に搭載予定のRaptorエンジンのテスト用に作られたデモ機のStarHopperによる地上繋留なしの「ホップ」(跳躍)程度の低高度飛行試験は、先日、成功させた。しかし、SpaceXは、その打ち上げ計画の実施が周囲の環境に及ぼす影響を真剣に考慮していることも示す必要がある。

StarshipとSuper Heavyはフロリダから打ち上げられる、しかしSpaceXには、NASAから借り受けているFalcon 9とFalcon Heavyの打ち上げに使用しているケネディ宇宙センター第39発射施設に、2つ目の発射台を建設する計画もある。39A発射台から打ち上げられたStarshipは、今の予定では、ケープカナベラル空軍基地近く(フロリダ州、米東海岸)にあるFalconの第一段ブースターの着陸に現在使用しているゾーン1(LZ-1)に帰還することになっている。Super Heavyは、東海岸と西海岸の打ち上げミッションの条件にもよるが、飛行経路に沿って無人操縦の台船の上に着陸する。これは、SpaceXが現在使用している「Of Course I Still Love You」(もちろん今でも愛してる)と「Just Read The Instructions」(いいから説明書を読め)の2隻の双子の回収台船と同じようなものだ。

Starshipを打ち上げ場のずっと近くに戻したいSpaceXは、ゆくゆくは、第39発射施設内の39A発射台の近くに着陸場を建設したいと考えている。だがそのためには、その実現可能性と影響を詳しく研究して判断する必要があるため、SpaceXでは、今のところはその計画を先送りすることにしている。

「NASAが設計し、人類初の月面着陸を達成した39A発射台は、幅広いミッションに対応できるインフラを備えた、世界でもっとも有能な打ち上げ台のひとつです」と、SpaceXの広報担当者はTechCrunchに宛てた声明の中で述べている。「Starshipの開発を加速させつつ、SpaceXはパートナーたちと共同で、過去の偉業と進歩した新たな宇宙技術の上に、39A発射台の基盤設備を強化し続けます」。

環境評価準備書の中で、SpaceXは、StarshipとSuper Heavyの打ち上げと着陸を、ケープカナベラル空軍基地のSLC-40と、バンデンバーグ空軍基地(カリフォルニア州、米西海岸)のSLC-4打ち上げ場で行う可能性も検討していると述べている。しかし、SLC-40にはこれらを実施できるだけの広さがない。またSLC-4の場合は、打ち上げ場に戻るために長い道のりを移動しなければならない(巨大なロケットが陸路で米国を縦断することになる)。

最後にSpaceXは、将来的に「StarshipとSuper Heavyをテキサス州キャメロン郡の施設で建造し打ち上げる」考えも示した。テキサスの打ち上げ場には、SpeceXの要となるロケットとエンジンの開発施設に近いという利点がある。性能的に高度に安定した打ち上げと着陸が行える再利用型のシステムの開発に成功すれば、大きな水域から離れているという欠点は相殺されるだろう。ただしこれらの計画は、別物として考えるべきだ。そのため、近い将来、テキサスからStarshipのフルスケールの打ち上げがあると期待するのはまだ早い。

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(翻訳:金井哲夫)

「Starshipプロトタイプは2〜3カ月後に初飛行」とイーロン・マスク氏

SpaceX(スペースX)でCEOを務めるイーロン・マスク氏は、同社が開発するテキサスとフロリダのStarshipのプロトタイプが「2〜3カ月後」に飛行すると考えている。これは、デモ用のプロトタイプとなるStarhopperの地上係留なしでの飛行が先週失敗したことを考えると、強気のスケジュールだ。

SpaceXはテキサスとフロリダの施設で2機のプロトタイプを並行開発しており、これはより良い機体を選定するという意味がある。どちらのチームもそれぞれのロケットを独自に建造しており、内部の競争意識を刺激することで、1つのチームだけでは不可能な共同での進捗の達成を目指しているのだ。

マスク氏は今月はじめ、Starhopper(短距離飛行モデル)の地上係留をしないテスト飛行が7月16日に実施される予定だと述べたが、その計画はエンジンの予備試験点火の結果、多くの現地民が観測した巨大な火の玉に終わり失敗した。マスク氏は後にTwitterにて「予備テストでの燃料漏れ」の結果だと述べ、また小型版となるStarhopperには重大なダメージを与えていないとも付け加えている。

その後、SpaceXのCEOは非地上係留テストの新しいスケジュールを発表し、今週にテストを実施すると述べた。これは、Starhopperのより完全な飛行テストを前にした、重要な段階であることは明らかだ。

マスク氏は7月19日に、これらの初期テストはサブオービタル飛行となり、軌道へのテスト打ち上げは2〜3カ月後の初飛行の「2〜3カ月後」、つまり今から4〜6カ月後に実施されるとしている。ただしマスク氏のツイートでの楽観ぶりを参考にすれば、このスケジュールも非常に楽観的なものだと考えるべきだろう。

マスク氏はまた、Starshipの打ち上げについての詳細も共有している。打ち上げではFalcon 9やFalcon Heavyのように、現在別地点にて建築中の打ち上げ装置を利用する。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

SpaceXは2021年までのStarship商業打ち上げを目指す

SpaceXはFalcon Heavyの商業打ち上げを始めたばかりだが、すでに次に目を向けている。Starshipの打ち上げだ。そしていま、SpaceXの商業セールス担当副社長であるJonathan Hofeller(ジョナサン・ホフェラー)氏により、同社が完全に再利用できるこの次世代ロケットの商業サービスを2021年までに開始することを目指していることが明らかになった。

ホフェラー氏はインドネシアでの会議で語り(SpaceNews経由)、同社は新宇宙船に搭載する初のミッションの選定について通信企業3社と現在協議していると明らかにした。「BFR」または「Big Falcon Rocket」としてかつて知られていたStarshipは現在、テキサスとフロリダの2カ所にあるSpaceX施設で開発中だ。これは、どちらのチームがよりいいソリューションを早く現実のものとできるか、内部で競わせていることになる。この手のエンジニアリングの対決はテック企業では一般的ではなく、「勝者がすべてを取る」シナリオというより往々にして最終プロダクトをより洗練したものにするために両方のいいとこ取りをする。

そうした作業が完了すればStarshipは、現在のFalcon Heavyロケットよりも揚力がある「Super Heavy」ブースターにより軌道に投入される。静止トランスファ軌道には2万kg、低地球周回軌道には100トン超を届けることができる。またStarshipは火星への有人飛行を行うという同社の最終目標を達成するために使用される宇宙船でもある。

これまでに言及のあったStarshipに関する目標としては、2020年までに軌道打ち上げを達成するというものがあった。しかし今回の新たな情報に基づくと、そうした軌道打ち上げは、有料で利用する客向けというよりテストやデモンストレーションとなる。SpaceXのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は以前、同社初の有償顧客である前澤友作氏に提供する月旅行の時期は、最短で2023年を見据えていると語っていた。

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(翻訳:Mizoguchi)

SpaceXが「Starhopper」の初ホップテストを係留状態にて完了

SpaceXは米国時間4月3日の夜、宇宙船「Starship」のプロトタイプを利用した、初となる係留状態でのジャンプ(ホップ)テストを完了した。

限定的なホップと着陸のテストに用いられる「Starhopper」はテキサスのボカ・チカに設置された射場にて、ロケットエンジンが機体に装着された状態でのはじめての点火試験(スタティック・ファイア・テスト)を実施したことになる。

今回のホップテストは、再使用が可能な商業ロケット「Falcon 9」の開発の経過に類似している。その際にはGrasshopperとF9R Devが使用され、Falcon 9の開発に大いに貢献した。今回のStarhopperのテストも、惑星間を旅するStarshipへと連なるものとなるはずだ。

StarhopperはStarshipの小型版プロトタイプだ。Starshipは2022年までの無人での初飛行を予定している。イーロン・マスク氏によれば、Starshipの有人初飛行はZOZOTOWN率いる前澤氏の月旅行として2023年に実施される。さらに、有人火星飛行を2024年に実施し、2028年には火星基地を建設する予定だ。

Starhopperは今年1月に披露され、それ以来さまざまなコンポーネントがテストされてきた。最新のニュースとしては、宇宙船が大気圏に再突入する際に、圧縮熱から機体を守るヒートシールドのテストの模様が公開されている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

イーロン・マスク、Starshipロケットの完成品を披露

イラストや製造中の写真でさんざんじらしたあと、Elon Muskはようやく完成したStarshipロケットを披露した。

[Starshipのテスト飛行用ロケットがテキサス州のSpaceX打ち上げ施設で完成した。これは実物の写真でとり完成予想図ではない]

見ての通り、Satarshipテストロケットは外皮にステンレス鋼を使用しており、一部の人々を困惑させた。たしかにステンレスは非常に頑丈だが、カーボンファイバーやアルミニウム、チタンなどの最新ロケット材料と比べて重い。しかしMuskは、ステンレス鋼の極端な温度、特に高熱に対する耐久性はこのタイプのロケットにより適していると 主張した

Starshipロケットは以前BFRと呼ばれていたもので、SpaceXの長期計画の中で需要な位置を占める。FalconやFalcon Heavyに代わる主要打ち上げロケットになることを目的としており、多数の大気圏再突入(すなわち、多数の高熱体験)が予定されている。

このテストモデルは現在テキサス州ボカチカにあり、3月に準衛星軌道VTOL(垂直離着陸機)テストが予定されている。衛星軌道バージョンは、これよりも背が高く厚い外皮とスムーズなカーブのノーズ部分からなり2020年に打ち上げが予定されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook