Flockは、世界に分散したチームが集まる最適な場所を見つけてくれる

teleport-flock

Andreessen Horowitzが支援するSkype出身者からなるスタートアップ、Teleportの信念は、労働者は自分に合った都市や国を自由に移動できるべきであること。

彼らはデジタルワーカーが、個人の生活習慣に合わせた住居や設備コストを引いた後の手取り賃金を最大にするためのツール群を徐々に提供してきた。

このたび同社は、世界中にチームが分散しているスタートアップをターゲットに、Flockという新しいツールを開発した。Screen Shot 2015-04-20 at 1.23.32 PM

コンセプトは決して複雑ではない。

チームメンバー全員の居住地を入力すると、顔を合わせてミーティングをするのに最も便利で費用のかからない場所を見つけてくれる。

Teleportは、設立当初からチームが分散している会社が今後増えていくことに賭けている。シリコンバレーのような地域の住居やオフィスの価格が上昇する中、ファウンダーらが全員そこにいる理由はなくなってくる。採用候補者の人的ネットワークや家族、コミュニティーが海外にある時はなおさらだ。

WordPressのように、システムおよび企業カルチャー全体を分散した遠隔チームで開発している古い会社もあるが、若い会社もそれに倣いつつある。2日前にDanny Crichtonが書いたコラムで紹介されていたRemoteYearHacker Paradiseも、こうしたデジタル遊牧層の要求に答えるサービスだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

テクワーカーにとって住みやすい都市はどこ?、Teleportが世界の100都市の評価アプリを立ち上げ

teleport-score

今や知識労働者たちは地球上を自由に移動し、そして各国の都市や政府は彼らに定住を促そうとする。最近の産業政策は、そんな課題も抱えている。

Teleportは、初期のSkypeの社員たちが作ったスタートアップで、活動範囲がますますグローバル化しているモバイルの仕事人たちを支援することを目標にしている。その同社が今日ローンチしたiOSとAndroidアプリは、世界のスタートアップフレンドリな100の都市の、住みやすさの評価を教えてくれる。

ユーザが、生活費や交通、医療、環境など自分が重視する条件を指定すると、アプリはその条件にマッチする都市を教える。

今このアプリが評価する項目は、住宅費(主に賃貸)、スタートアップの求人動向、給与、食費、娯楽、スタートアップの活性度、投資環境、交通の便(主に空の便)、気候、言語の要件、安全とセキュリティ、インターネット接続の質、教育、税などだ。

想定しているユーザは、遊牧民のように自由に働く場所を変えられるスタートアップ労働者だが、今後はグループやチームも対象にする予定だ。今のところは、独身または家族のある個人労働者が対象だ。

また移住を検討しているワーカーを支援するパートナーの政府(国や都市)を、このアプリは”Scouts”(スカウト)と呼んでいる。

長期的にはこのアプリの上で、国や都市の政府が、ワーカー獲得をめぐって(条件等で)競争することを、同社はねらっている。Teleportの”スカウト”たちはユーザが政府と接触し、各種の支援制度を利用して快適な移住を実現することを、期待している。

最初のパートナー都市は、エストニアのタリンとフィンランドのヘルシンキだ。エストニアはバルト海に面した小国だが、政府はテクノロジ産業の振興にきわめて熱心だ。同国の制度下では、外国人がきわめて容易にビジネスをセットアップできる。フィンランドもスタートアップの育成に熱心で、とくに携帯大手のNokiaの衰退以来、国際的な知識ワーカーたちの誘致を積極的に行っている。

teleport-match-score

TeleportのCEO Sten Tamkiviは、Skypeの最初のR&D部門を率いた人物で、そこで7年間、技術者としてさまざまな仕事をした。協同ファウンダのSilver KeskkülaはSkypeの初期の研究者の一人で、同社のピアツーピアネットワークのトポロジーを、機械学習と人工知能を利用して最適化した。彼自身もデジタル世界の遊牧民で、大学は北京の清華大学と、スタンフォード大学とMITで勉強した。

同じく協同ファウンダのBalaji SrinivasanはAndreessen Horowitzの取締役で、インターネットの上の人びとの自由な離合集散により、いくつかのクラウド国家ができあがる、という説を唱えた人だ。

同社自身がまさにそれ的で、社員たちの物理的な所在は、パロアルト、タリン、ミュンヘン、ベルン、コロンビア、イギリスとさまざまだ。同社は250万ドルのシード資金を、Andreessen Horowitz、SV Angel、Seedcamp、それにJeff Dean、Jaan Tallinn、Scott/Cyan Banister、Rain Rannuらのエンジェルたちから調達した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ドイツの研究所が実際にテレポートマシンを作った??

Hasso Plattner Instituteの最新プロジェクトで“転送”されてみたい人は、まだいないと思うが、この研究所が作ったテレポートマシンでは、送信した物が一度破壊されて、3Dプリンタで再び組み立てられる。

テレポート(teleportation)とは、通常の理解では、物が別の場所へ移動することだ。そのときの送受信機と通信回線の上では、物が原子に分解されて送られ、再び元の物へ組み立てられる。…といった、ありえない方法が使われる。しかしこの研究所のテレポートでは、物がスキャンされてその3Dモデルが作られ、それが遠くの3Dプリンタへ送られて、プラスチックで再生される。その際、元の物は粉々に砕かれる。たとえば、あなたが持ってる珍しいフィギュアをテレポートすると、その物は粉にされてしまい、別の場所にその正確なコピーが作られる。その物がプリントされたら、その3Dモデルのデータも迅速に破壊される。

二台の3Dプリンタを使うが、片方はグラインダーとスキャナ役を担当し、もう片方はRaspberry Piによる受信装置が暗号化されたメッセージを受信する。このプロジェクトはScottyというたいへん可愛らしい名前で、完成品のプロダクトというよりもむしろ、新しいアートの方法を概念実証しようとする実験的なプロジェクトだ。

研究者たちはこう言っている:

Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない。今のプロトタイプは、単一の物質(プラスチック)しか使えないという制約があるが、アプリケーションの重要な目的二つをすでに実現している: (1)物の単一性を保持するので、友だちなどとの共有においてその物の感情的価値が保全される。(2)所有者はつねに一人なので、物を電子的に急速搬送した場合のライセンスの問題を解決する。

つまりScottyなら確実に、その物はどんなときでも一つしか存在しない。一つしかないことに伴う感情的価値や商業的価値が保全される。また、テレポートの実現性を証明する。複雑な物はこのシステムでは無理だし、生きてる猫も送れないが、アイデア自体はかなりクールだ。

研究者の一人、Stefanie Muellerが上でこう言っている: “Scottyは前のシステムのように物をコピーしない。破壊と暗号化が加わったことによって、その物はつねに世界に一つしか存在しない”。たしかに破壊的ではあるけど、でもテレポートという考えがそもそも、物理的なパラドックスという名の苦行を物に強いることではないだろうか。

出典: 3DPrint

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


名目収入ではなく実質収入の高い都市は?–世界のどこに住んでもよいリモート労働者のための”生活検索エンジン”Teleport

住むところが見つからなくて、困ってる? しかも、サンフランシスコで?

じゃあ、よそへ行った方がいいわね。ここへ戻っちゃだめ!

(というのは冗談だけど…)

必ずしも冗談ではない。

Andreessen HorowitzのインキュベータでSkypeの役員Sten TamkiviとAHのゼネラルパートナーBalaji Srinivasanに育てられたTeleportなら、本気でそう言うだろう。

まだステルスの同社が今日(米国時間5/19)、ささやかな広告ページを立ち上げた。広告のコンセプトは、世界の主要都市における知識労働者の収入と生活費(衣食住交通ほか)の差額を求め、その額が大きいところを見つけてもらうことだ。

背後にあるもっと大きなコンセプトは、特定の場所(国や都市)への固執を捨てる、という人生哲学だ。たしかにニューヨークやロンドンやシンガポールなどには人材が多く集まっているが、でも仕事は、どこにいてもできる時代だ。そのとおり。

“もはや、仕事==場所という時代ではない”、とTamkiviがブログに書いている。“どこに住んでいようとリモートで仕事ができる人は、毎年数百万人ずつ増えている。最初はテクノロジの界隈だけだったが、今ではほかの業種にも広がりつつある。今すでに、世界の労働者の5人に一人が在宅勤務だ”。

“収入源が可動的になっても、生活費は住んでる場所に左右される。住居費、交通費、育児、教育、医療などなどの費用、そしてこういったサービスの可利用性すら、場所によって違う。サービスへの距離と時間が多くなるほど、その費用も高くなる傾向がある。税金という“費用”もある”。

Tamkiviからじかに話を聞けたら、この記事をアップデートしよう。まだ実際のプロダクトやサービスはリリースしていないけど、ユーザとして、引っ越しを考えている労働者を求めている。

このサービスは、一種の検索エンジンと考えることができる。何を検索するのかというと、可動性のある(==リモートで十分に仕事ができる)労働者が自分のこれからの“生活”を検索するのだ。手取り収入額ではなく、実質収入額、言い換えるとクォリティの高い生活を求めて。今後の世界経済の発展を考え、そしてユーザ一人々々の検索パラメータ(生活上のニーズや好み)の多様さを想定すると、とてもおもしろくて複雑な検索エンジンになりそうだ。

テクノロジ業界の人材が、合衆国の今よりももっとたくさんの都市に分散したらどうなるだろうか。そして人びとの生活状況が今よりももっともっと多様化したときには、どんな起業機会が生まれるだろうか。

テクノロジと交通の発達によって遠距離コミュニケーションの費用は安くなったとはいえ、それでも職場と住居の物理的な至近性が重視される。それはJevonsのパラドクスと呼ばれ、効率の向上が特定の品物やサービスの消費を、減らすどころか増やす、というのだ。情報技術の発達によって、顔と顔をつきあわせる接触がより多く求められる。だからこそ、すでに人口過密な都市が、知識経済の繁栄とともにより一層、好まれるのだ。

このパラドクスは、Teleportのコンセプトから見れば、初期的一時的なものにすぎないのか?

もっと詳しい情報が得られ次第、この記事をアップデートしたい。お楽しみを。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))