Uberの空飛ぶタクシー事業のパートナー会社が27億円を調達

Uber Airが展開しようとしている空飛ぶタクシー事業を現実のものとするためには、車両の面でパートナーが必要だ。Uberが昨年提携したKarem Aircraft(カレム・エアクラフト)はこのほど、空飛ぶタクシーの新スピンオフのためにシリーズAで2500万ドル(約27億円)を調達した。このラウンドは韓国財閥のハンファシステムが主導した。

「安全で静か、そして効率的という空飛ぶタクシーをつくるためのKaremのテクノロジーに我々は興奮している」とUber Elevate(ウーバー・エレベート)の責任者であるEric Allison(エリック・アリソン)氏は発表文で述べた。「Karemの新たな空飛ぶタクシー会社へのハンファの投資は、Karemが開発を進めているButterfly(バタフライ)の実用化を加速するものだ。近い将来、ダラスやロサンゼルス、メルボルンで客を乗せることを楽しみにしている」。

Uberはこの空飛ぶタクシーのテストを来年にも開始し、2023年にカリフォルニア州のロサンゼルス、テキサス州ダラス・フォートワースとフリスコ、オーストラリアのメルボルンでUber Airを商業展開したい意向だ。

Karemの新ベンチャー会社は電動垂直離着陸機、特に空飛ぶタクシー向けのButterflyに専念する。

Butterflyは翼と尾翼に4つの大きなローターを搭載しているクアッドチルトローター。垂直に離発着するというヘリコプターの能力に、固定翼機のスピードと飛行レンジを組み合わせたようなものだ。Butterflyはまた、RPMが変わるローターのおかげで、より効率的に飛べるようにも設計されている。

「Karemの最高のスピードローターテクノロジー、ハンファの事業スケール、 Uberのライドシェアネットワークにより、新たな会社はButterflyの実用化に完全に専念できるようになる」と新ベンチャーのCEOであるBen Tigner(ベン・ティグナー)氏は発表文で述べた。「顧客が我々の空飛ぶタクシーで渋滞の上を飛びながら通勤することができるようになる日を楽しみにしている。Karem Aircraftは引き続き軍事向けの需要にも対応する。我々のテクノロジーは2つの異なる、しかし重要なユースケースに適用できるので、各企業が長期の成功に向けて進んでいると確信している」。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

空飛ぶタクシー「Uber Air」は空港との往復にも利用

空港との往復はUberの利用場面の中でも大きな割合を占めている。正確な数字は公表されていないが、Uber Elevateのインフラストラクチャー事業開発責任者であるChad Cashin氏はTechCrunchに取材に対して、UberがSignature Flight Support社と共同で電動垂直離着陸機の着陸場所を空港に確保する準備をしているのは、それが理由だと語った。

Signature Flight Supoortは、民間航空ターミナルのネットワークを運営するほか、プライベートジェット向けのサービスも提供している。Uberは、Signatureと提携することで、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ダラス・フォートワースなどの巨大空港をはじめ、世界中の何百という空港への参入が容易になるとコメントしている。

「SignatureがUberにとって重要なのは、従来のUber利用の中で空港での発着が非常に多いことはもちろん、空港に関わる交通量が非常に多いからだ」とCashin氏は言った。「空港往復の需要は今後も変わらないので、それに答えるためにも世界200カ国以上のヘリポートを持つSignatureのインフラストラクチャーは重要だ」。

Signatureは効率を重視している。同社のフライトサポート最高責任者であるShawn Hall氏は、これを最大の提供価値だと本誌に語った。

「ジェット機などプライベートに飛行機を利用する最大の価値は効率だ」とHall氏は語る。重要なのは贅沢な体験ではなく、効率だ。それをものがたるように、われわれの顧客は離陸の数分前に現れることが多い」。

Uber CopterはSignatureとの提携によって、ヘリポートからJFK空港まで乗客を運ぶことができる。Uber Airが2023年に、ロサンゼルス、ダラス・フォートワース、メルボルンの3都市でサービスを展開するときには、それぞれの都市で空港以外に5~7箇所のヘリポートを確保する計画だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Uberが空飛ぶタクシー離発着施設スカイポートのデザインを公開

Uberの建築とエンジニアリングのパートナーが、スカイポートの新デザインをいくつか公開した。説明しておくと、スカイポートは人々が「Uber Air」の車両に乗り降りする場所だ。

今日開かれた会議Uber Elevateで8社が16のスカイポートの新デザインを発表した。下に、各社の代表コンセプトを紹介する。もしかすると、こうしたスカイポートがどこにできるのだろう、と考えている人もいるかもしれない。この点について、Uberは駐車場や未活用の構造物の上にスカイポートを設置するために不動産デベロッパーや行政と協力することを想定している。

「Uber Airのサービス開始は数年先に迫っていて、スカイポート・モビリティ・ハブのコンセプトのこのコレクションでは、我々がサービスを展開するコミュニティで必要とされるインフラのための現実的で持続可能なビジョンが示されている」とUber Elevateでデザイン部門トップを務めるJohn Badalamenti氏は発表文で述べている。「これらのデザインは、Uber Poolのような陸上の輸送と屋上のeVTOL機体のシームレスなトランジットを演出し、目的のシナジーを具現化している。まだ存在していない世界を想像し、現実のものにする責任が建築には伴う。だからこそ今年は、ロサンゼルス、ダラス、メルボルンの都市景観にいかにスカイポート・ハブを取り込むかを描くために革新的な建築会社を会議に招待した」。

Pickard Chilton and Arup’s retrofit Sky Loft design in Melbourne

上の写真にある「Sky Loft」は広さが3700平方メートルあり、離発着パッド、ラウンジ、JUMPの自転車とスクーター用の駐車場、小売店舗を有する。オーストラリア・メルボルンに設置することを想定してデザインされている。

優雅で高パフォーマンスの建物となっている一方で、Sky Loftのデザインは注目せずにはいられないもので、シームレスなユーザー体験を演出する、とPickard Chiltonの社長Jon Pickard氏は説明している。「デザインはセンシティブかつ意味合いを尊重している一方で、Sky Loftそのものは地球の限られた資源を大事に使っている。メルボルンにおける都市内交通のための現実的なビジョンであるSky Loftをつくるために、UberそしてArupと協業するのは刺激的だ」と述べている。

Corgan’s new concept called CONNECT | EVOLVED in Dallas

テキサス州ダラスに設置するスカイポートとしてCorganがデザインしたこのコンセプトでは、レストランや食品雑貨店、スポーツ用のコート、コワーキングスペースを有している。このデザインにはまた自転車やスクーターのシェアリングサービスのためのスペースも設けられている。

「可能性を優先するという点で、Corganはこの新出のサービスが広く受け入れられるためには連結性についての従来の考え方を発展させる必要があると考えた」とCorgan社長のJohn Trupiano氏は述べている「既存のインフラをシームレスに統合し、環境への影響を考慮したスケール展開できる我々のデザインは、幅のある予算やロケーションに合わせてカスタマイズできるパーツキットで構成されている。そして人気のアメニティを加え、空のモビリティのライフスタイルと連結性を生み出している」。

Mithun’s new SkyPark concept

ロサンゼルス向けのスカイポートでは、Mithunが回転盤式駐車場、そして自転車やスクーターのためのスペースを有したデザインを描いた。「SkyPark」は2エーカー以上の公共の公園スペースがあるなど、より地域社会に根ざしたものとなっている。

「Uber SkyParkは都市交通の体験を向上させ、個人や近所、コミュニティレベルで生活を豊かなものにする」とMithunのパートナーJason Steiner氏は語っている。「eVTOLの機能を上階にもってくることで、『Greenlight Hub』や電動自転車、そして電動スクーターのメンテナンス、充電スペース、景観を損なうことがない新しい都市型駐車場が地上レベルでつくられる。公園と木々が騒音を吸収して汚染を取り除き、ヒートアイランド現象を和らげ、その一方でコミュニティに賑やかなレクリエーションスペースや社交場を提供する」。

The Volary is a new concept in Dallas by Humphreys & Partners Architects

Humphreys & Partners Architectsは、空間に広がっているように見えるスカイポートをダラス用としてデザインした。9500平方メートル超の敷地にeVTOLやマイクロモビリティ、小売店を配置している。

「オンデマンドの空のライドシェアターミナルのデザインにおいて、我々のアプローチは、余計なものはない方がいいというものだ」とHumphrey & Partners社CIOのWalter Hughes氏は説明している。「この考え方により、乗客にとってかなり直観的な体験となり、また建築や運営がシンプルに行える構造になった。その一方でUberのブランドアイデンティティを増強するものにもなっている。デザインした『Volary』には新たなテクノロジーが活用され、環境に負荷をかけない持続可能な建物となるよう自然でオーガニックな素材でつくられている」。

The Beck Group’s retrofit concept Dallas Skyport

既存の7階建ての駐車場の屋上につくられているこのスカイポートは、離陸、着陸、そして自転車やスクーター、電動の乗り物のためのスペースという基本的な要素にフォーカスしている。

「『Factory Blue』で建築部品の製造を手がけているデザイン・建設会社として、既存の駐車場の建物にいかに手を加えるかという難題に挑むという、我々はユニークな立ち位置にいる」と Beck Groupの共同経営者Timothy Shippey氏は語っている。「ダラスのスカイポートのデザインとモジュール部品の製造は、Uberの革新的なビジョンや予算にそぐうコンセプトだ」。

Uberの全ての乗り物をつなげるこのコンセプトでは、eVTOL、自転車、スクーターのためのスペース備えている。

BOKA Powell ArchitectsがイメージしたUberスカイポート・モビリティ・ハブは、空の旅の再イメージ過程に流動性や透明性を取り込むことで革新的な体験ができる社会を世に知らせている、とBOKA Powellmの社長、R. Andrew Bennett氏は述べている。「全Uberブランドの統合は、最初と最後の移動が、都市交通に革命を起こすUber Airにとって主要なサポート要素であることを示している。モビリティ・ハブは単なるものではなく、ダイナミックなエネルギーの場所であり、大事な場所にすぐにアクセスするためのフライトの精神と自由を備えた統合された連結性を有する場所だ」と語っている。

イメージクレジット:Uber Elevate

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)

Uber曰く、空飛ぶタクシーは車を所有するより安くなる

Uberは「Uber Air」に大きな夢を抱いている。2023年に提供したいと考えている同社の空飛ぶタクシーサービスだ。第3回Uber Elevate年次カンファレンスで運営責任者のエリック・アリソン(Eric Allison)氏は、Uber Airが自家用車よりも安くなると予想していることを話した。もちろんすぐにではないが、Uberが完全電化の無人シェアードヘリコプターを展開した暁には、車を運転するより経済的になるはずだとアリソン氏は言った。

「私たちのビジョンでは、日常的に空を飛ぶことが自家用車を運転するよりも経済的に合理性だ」

サービスを開始した時点で、Uber Airはヘリコプターに乗るよりも安くなる。これは先週UberがUber Airの第一フェーズとして高価な「Uber Copter」サービスを発表したことを踏まえると、意味のある比較だ。近い将来、UberはUber Airのコストが「Uber X」や「Uber Pool」と同じくらいになると予測している。長期的に、少なくとも5年以上先には、Uber Airは車を所有するよりも経済的になる、とアリソン氏は語った。

もちろんこれはUberの考えるAirのベストケースシナリオだ。Uber Airが現実になるためには、連邦航空局(FAA)および電動垂直離着陸機を着陸させたい都市の認可を取得し、不動産デベロッパーの協力を取り付け、顧客の信頼を獲得するなど必要なことが山ほどある。すべてがUberの計画通りに進めば、来年サービスのテストを開始して2023年に一般提供される。

画像クレジット:TechCrunch/MRD

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

空飛ぶタクシーUber Airの米国外初の展開都市は豪メルボルンに

Uberが空飛ぶタクシーUber Airを発表したとき、米国外での最初のサービス展開都市はドバイを意図していた。しかし昨年状況は変わり、関心のある都市を対象に、空飛ぶタクシーサービスの明らかな需要とその都市の環境条件、行政のサポートに基づく公開選定とした。

今日開かれた会議Uber Elevateで、UberはUber Airをテストする最初の米国外の都市はオーストラリアのメルボルンと発表した。すでに設計部門はスカイポートのデザインを描いている。

「オーストラリア政府はライドシェアや未来の交通テクノロジーに前向きな姿勢を見せてきた」とUberオーストラリアのゼネラルマネジャーであるSusan Anderson氏は発表文で述べている。「メルボルンはユニークな人口動態的要因、地理的要因、そしてイノベーションとテクノロジーのカルチャーを抱え、Uber Airにとってパーフェクトな第3の展開都市となるだろう。他のオーストラリア国内の都市がこれに続く見込みだ」。

メルボルンに加え、Uberはテキサス州ダラス=フォート・ワースとロサンゼルスで2023年にUber Airの運用を開始する計画だ。

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi)