VRやAR内広告を扱うロンドン拠点のアドテックAdmixが約7.5億万円を調達

アドテックスタートアップのAdmix(アドミックス)が、シリーズAにて700万ドル(約7億5000万円)の資金調達を行ったと発表した。

英国ロンドンを拠点とするAdmixは、CEOのSamuel Huber(サミュエル・フーバー)氏とCOOのJoe Bachle-Morris(ジョー・バックル・モリス)氏によって設立された。同社はゲーム、eスポーツ、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)に広告を持ち込もうとしている。フーバー氏は、インディーゲームスタジオを所有、モリス氏は広告代理業界で働いていた人物だ。

同社は開発者向けにUnityとUnrealのゲームエンジン用のSDKを提供しており、ビルボードやポスター、3Dスペースなどの広告フォーマットをゲーム内にドラッグ&ドロップできる。同スタートアップは200人以上の開発者と協力し、毎月500以上の広告主からのキャンペーンを実施しており、広告主にはナショナル・ジオグラフィックUber(ウーバー)State Farm(ステート・ファーム)などが名を連ねる。

「ゲームに広告を入れるというコンセプトは新しいものではないが、当社のソリューションはスケーラビリティこそが革命的であり、ゲームメーカーやストリーミングプラットフォームにたいして瞬時に一貫した収益を提供する」と、Huber氏は述べている。「全世界で毎日15億人がゲームをプレイしているという事実と相まり、ゲームが真に主流な広告チャンネルになりつつあることを意味する」。

Crunchbaseによると、Admixはこれまでに210万ドル(約2億2000万円)を調達している。シリーズAはイギリスを拠点とするForce Over Massがリードし、Speedinvest、Sure Valley Ventures、Nigel Morris(電通の元幹部)をはじめとするエンジェル投資家が参加した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

BMW、ゲームエンジンのUnreal Engineを使って車両デザインを複合現実化

BMWはリアルとバーチャルの良いところを組み合わせて、新車の設計をできるだけ早く、スムーズにしようとしている。同社はゲームエンジンのUnreal Engineのレンダリング機能を利用してバーチャルサーフェスを生成し、プロトタイプ部品を3Dプリントすることで、デザイナーやエンジニアが実際に制作することなく様々な部品や表面が最終製品でどう見えるかを確認できるようにする。

内装の外見、窓の大きさなどを車種ごとにVRを使ってモデル化し、3Dプリントされたプロトタイプに重ねて表示することができる。これによって従来非常に高価だったVR設備の導入や、全部品のプロトタイプを作って外見を確認する必要がなくなる。BMWはこの方法によってエルゴノミクスデザインを劇的に改善できると言っている。高額な費用のかかる物理的モデルを作る前に、室内の各要素がが人の移動や視界の邪魔にならないことを専門家の目で確かめることができる。

プロトタイプ制作前に問題を特定することによるコストと時間の節約に加えて、新方式によって設計者は、世界中のオフィスにいるほかのスタッフと協同作業ができるようになったとBMWは言う。変更の影響を見るために同じモデルを何度も作る必要がなくなるので無駄も省ける。

企業の現場における協業は、VR推進者が強調している可能性のひとつだ。こうしたVRやミックストリアリティ(複合現実)を万能な手法と呼ぶのはまだ早いが、BMWのようなトップメーカーが価値を認めたことは、よい兆候であることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook