グーグル謹製ワイヤレスイヤフォン「Pixel Buds」が大幅に改善されついに登場

オリジナルのPixel Budsはあまり良いものではなかった。そうとしか言いようがない。当時私は「A disappointing debut for Google’s Pixel Buds(Google Pixel Budsの残念なデビュー)」というタイトルのレビュー記事を書いているが、その時には「ほんの数年前なら、これは市場で最も魅力的なBluetoothヘッドフォンとなれただろう。しかし、その後競争によってもたらされた進歩を考えると、その着地点はぱっとしないものだ」と書いていた。

そう考えたのは私たちだけではなかった。2017年に登場した、Google(グーグル)初のワイヤレスイヤフォンの試みは、たくさんの「あーあ」という反応と出会うことになった。この件に関しては、Googleは白紙に戻ったということさえ、まだ控えめな表現かもしれない。すべてをゼロから考え直す必要に迫られたのだ。

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後継機種が誕生するまでには2年半かかった。どうやら、グーグルは過去のことはきれいに忘れることにしたようだ、その名前に「2」を付けることさえしていない。新しいPixel Budsは単にPixel Budsという名前だ。あなたがその名前で覚えている何か他のものは、明らかにあなた自身の妄想が生み出したものに過ぎない。

存在しなかったものとされてしまったオリジナルのPixel Budsは、市場に出たとき既に、時代遅れに感じられたものだった。そして白紙に戻すことは確かに必要だったが、グーグル自身が長く待つ間に何かを成し遂げたわけではない。ワイヤレスイヤフォンの状況は、その期間に飛躍的に成長した。市場は飽和状態となり、製品は贅沢品というよりも必需品のように感じられるようになっている。

ニューヨークでのPixelイベントで紹介されてから半年後、Budsはついに米国で購入可能となった(少なくともClearly Whiteは)。他のもっと楽しい色、Oh So Orange、Almost Black、Quite Mintはまだ発売されていない。まともなグーグルヘッドフォンをこれだけ長く待っていた人にとっては、これはちょっとした問題だ。

色の問題はさておき、私はここで使われているデザイン言語にかなり興味がある。ほとんどのイヤフォンが採用していないやり方に新鮮さを感じる。特にケースがそうだ。それがApple(アップル)やSamsung(サムスン)そしてその他の競合他社を打ち負かすことは簡単だっただろう。だが新しいPixel Budsは、現時点では各社横並びの同じ基本コンセプトを採用する充電ケースの上に、新鮮な美しさを引き出してみせることに成功している。

実際私は、AirPodsの光沢よりも、つや消しの黒のほうが好みだ。見た目も良いし、肌触りも心地よい。それがどれくらい使いやすいものかについては、まだ結論は出していない。正直に話すなら、Budsが到着してからまだアパートの部屋を出ていないのだ、なにしろ、このご時勢なので。ケースは卵形だ。お望みなら平たくした卵と呼んでもいい。ケースの上部のフタは簡単にパカリと開く。フタの周りに黒いアクセントが走っていて、開ける際に親指どこに当てれば良いかが簡単にわかる。

ケースは、想像できるように、バッテリーのサイズのために、Buds自体に比べてかなり長くなっている。ケースがあれば、Budsは24時使用することができるはずだ。ケースの底面にはUSB-Cポートがあり(ワイヤレスでも充電可能)、背面にはペアリングボタンがある。フタを開けると充電インジケーターが点灯する。白ならフル充電、オレンジの場合は低バッテリー状態だ。

Budsが入った状態でケースを開くと、Pixelスマートフォンや他のAndroid 6.0以降を実行しているスマートフォンにペアリングダイアログボックスが表示される。これは非常にシンプルなペアリングプロセスで、iOSのAirPodsで見られるものと似ている。ヘッドフォンが登録されると、デバイスの情報が表示される。

Buds自体も、ほとんどの競合製品との間に美的な一線を画している。丸いボタンの表面に、Googleの「G」が小さく刻印されている。表面には、次のようなタッチコントロール用のスペースがある。

  • 1タップして、メディアを再生・一時停止したり、通話に応答する
  • ダブルタップすると曲のスキップ、通話の終了・拒否、アシスタントの停止ができる
  • トリプルタップすれば曲の先頭に戻ったり、前の曲に移動したりできる
  • 音量を上げるには前にスワイプする
  • 音量を下げるには後ろにスワイプする

デフォルトの中間サイズのイヤフォンチップは私の耳にはぴったりだった。より大きいチップと小さいチップも箱に同梱されているので、よりフィット感を高めるためにいろいろ試してみることができる。4時間装着を続けても問題はなく、耳にも違和感はなかった。これはこれまでテストしてきた製品すべてに対してはいえる感想ではない。大きすぎたり重すぎたりしないので、耳を引っ張ったり押したりする感じはしない。また上部には所定の位置に装着しやすくするために、取り外し可能な小さなシリコン製のウイングが取り付けられている。

Budsのバッテリーは少し不足気味だ。上記の4時間が経過した後、右側のイヤフォンにバッテリー残量低下の通知が届いた。不思議なことに、左右の電力残量は異なっていた。右は14%、左は34%だった。充電するためにケースに戻すタイミングだ。

音はまともだ。これまで試した中で最高のサウンドペアではないが、決して最悪ではない。価格を考慮すると、お値段相応というべきものだろう。音質が(当然のことながら)最大の関心事項である場合にはSony、SennheiserあるいはAppleのAirPods Proといった、より高価なモデルを選択することをお勧めしたい。アクティブノイズキャンセリングも搭載されていない。「Hey Google」でおなじみの音声指示は、音声または指による長押しのどちらからアクティブ化されても、宣伝されている通りに機能する。接続はほぼしっかりしている。別の部屋に足を踏み入れた場合でも音楽を聞き続けることはできたが、時々ノイズがのることがあった。


179ドル(約1万9000円)の新しいPixel Budsの価格は、同じクラスの製品群の真ん中近くの位置付けとなる。それは真っ当な価格だと思う。今回のモデルは、残念な前製品を大幅にアップグレードしたものだが、Androidユーザーの選択肢としては、まだ道半ばという感じである。

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(翻訳:sako)

2019年のワイヤレスイヤフォン市場は飛躍した

2019年には数多くの企業がワイヤレスイヤフォンを投入した。しかし、その正確な出荷台数を知る人は少ない。一方でCanalysが発表した新しいデータは、その成功に光を当てている。この調査会社のオーディオ製品の分類には少々違和感があるが、それでも要点は納得できる。

Canalysは「スマート・パーソナル・オーディオデバイス」分野の「真のワイヤレス・ステレオ」(True Wireless Stereo)製品、つまりワイヤレスイヤフォンについてデータをまとめている。全体で見ると、このカテゴリーにはワイヤレスイヤフォンと、オンイヤー/オーバーイヤー型のワイヤレスヘッドフォンが含まれ、第3四半期に9670万個を出荷し、前年比53%の成長となった。第4四半期(ホリデーシーズンを含む)には1億個を突破し、通年では3億5000万個前後になる見込みだ。

「真のワイヤレスステレオ」分野(完全ワイヤレスイヤフォン)は183%の成長で、ワイヤレスイヤフォンとワイヤレスヘッドフォンを追い抜いた。驚くことではないだろうが、Apple(アップル)が群を抜いて他社をリードしている。同社は市場シェアの43%を占め、一方でXiaomi(シャオミ)は7%、Samsung(サムスン)は6%と大きく引き離されて2位、3位となっている。そしてアップルのシェアはAirPods Proの好意的な反応を受けて、今後もかなり良いものになるだろう。

2020年にはGoogle(グーグル)やMicrosoft(マイクロソフト)などの巨大企業から新製品が発売され、また低コストの競合製品の存在感が高まりとともに、市場はさらに盛り上がる可能性が高い。しかし、特にiOSユーザーにおけるアップルの支配を打破するのは難しいだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

GoogleのFast Pairヘッドフォンに紛失したら見つけてくれる機能が加わる

ちょっと前のGoogle I/Oで紹介されたFast Pairは、ポストAirPodsのヘッドフォンシーンに食い込もうとするGoogleの努力だった。機能の多くは本家Apple(アップル)と似ていたが、Googleには1つだけ強みがあった。それは、サードパーティハードウェアのサポートだ。Android OSと同じく同社は、Fast Pairをできるかぎり多くのメーカーに持ち込みたかった。

そのリストに今載っているのは、Libratone、Jaybird、JBL(4機種)、Cleer、LG(4機種)、Anker(ヘッドフォンとスピーカー)、そしてもちろんGoogle自身のPixel Budsだ。今週同社は、今度のFast Pairヘッドフォンの新しい重要機能をいくつか発表した。

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まず新しい機能といえば、Find My Deviceだ。紛失したヘッドセットを見つけてくれる。このアプリは、最後に使った場所と時間を教えてくれる。そしてBluetoothの圏内なら、ヘッドフォンがチャイムを鳴らす。

また、電池寿命がヘッドフォンとケースで別々になった。ペアしているハンドセットの近くでケースを開くと、その情報がポップアップする。上記の機能はすべて、現在その機能のあるおよそ15種のヘッドフォンにやってくる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa