シャオミの第2四半期売上高は3.1%増、新型コロナでインドでのスマホ生産減の影響も

中国スマホメーカーであるXiaomi(シャオミ)の2020年4〜6月期の売上高は昨年同期比3.1%増の77億7000万ドル(約8235億円)だった。海外マーケットの大半で復調し、前四半期比では7.7%増だった。

今週新たなCFOに前クレディ・スイスAPACシニアエグゼクティブのAlain Lam(アライン・ラム)氏を指名した同社は、第2四半期の利益が6億5000万ドル(約688億円)で前年同期比129.8%、前四半期比108%となったと明らかにした。

同社の売上高の大半を占めるスマートフォンの販売はほとんどの海外マーケットで回復がみられた。「インドを除くマーケットでの1日あたりのスマホアクティベーション平均数は2020年1月に記録したパンデミック前の水準の120%に達した」とも述べた。

ただ、中国外で最大のマーケットであるインドでは状況は異なる。インド政府は3月下旬に全土ロックダウンを発令し、その結果、国中のほとんどの店が閉鎖された。オンラインで注文された「必要不可欠でない」アイテムの小包配達もまた数週間制限された(未訳記事)。

シャオミは過去12四半期でインドでスマホ販売台数トップだ。インドがロックダウンを緩和(未訳記事)して数カ月がたつが、それでも1日あたりのスマホアクティベーション数は「先月の時点で、2020年1月に比べて72%だった」と同社は決算会見で述べた。

主な原因はインド国内での生産にあるとし、「生産能力がまだ標準レベルに戻っていないため、販売は生産減の影響を受けている」と説明した。

同社は欧州に希望の光を見出した。調査会社Canalys(カナリス)によると、2020年第2四半期に欧州におけるシャオミのスマホ出荷台数は前年同期比で64.9%増え、マーケットシェアは16.8%になった。

西欧では同社のスマホ出荷台数は前年同期比115.9%で、マーケットシェアは12.4%だった。そしてスペインでは出荷台数トップとなり、フランスでは第2位、ドイツとイタリアでは第4位だった。

シャオミは、販売価格が300ユーロ(約3万8000円)超のプレミアムスマホの出荷が国際マーケットで99.2%伸びたと話した。「中〜高価格のスマホの割合が増えたことで、スマホの平均販売価格が前年同期から11.8%増え、前四半期に比べても7.5%増となった」と付け加えた。

広告事業の成長にも力を入れいてるシャオミは、同社のモバイル端末向けファームウェアMIUIのユーザーが6月30日時点で3億4350万人で、前年に比べ23.3%増えたと述べた。MIUIは同社が展開しているスマホの大半で駆動する独自のAndroidオペレーティングシステムだ。もちろん同社は、純正Androidバージョンのスマホもいくつか展開している。

同社のスマホの使用ベースが増えるにつれ、広告の売上高も伸びている。第2四半期の広告売上高は前年同期比23.2%増の4億5000万ドル(約477億円)だった。

画像クレジット: Budrul Chukrut / SOPA Images / LightRocket / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ディスプレイが拡大したXiaomiの新製品Mi Smart Band 5は約2900円と変わらず安価

世界で最も売れているウェアラブルのラインナップの1つに新たなガジェットが加わった。

中国のエレクトロニクス大企業であるXiaomi(シャオミ)は米国6月11日に、Mi Smart Band 5を発表した(Xiaomiリリース)。1年前に発表したMi Smart Band 4(未訳記事)よりもスクリーンが大きくなり、新たなワイヤレス充電システムや女性の健康管理モードが加わった。驚くほど安いのは変わらない。

Mi Smart Band 5のディスプレイは1.1インチのAMOLEDで、前モデルより20%大きい。

世界2番目のウェアラブルメーカーであるXiaomiはBand 5のウォッチフェースに「スポンジボブ・スクエアパンツ」「新世紀エヴァンゲリオン」「名探偵コナン」といったテレビアニメのキャラクターといったさまざまなアニメーションを採用した。8色のカラフルなストラップなども用意されている。

Band 5は改良されたプロセッサー(名称は明らかにしていない)を搭載し、初めて月経周期を追跡できるようになった他、ユーザーにリラックスするタイミングを通知するストレス評価のような新機能も加わった。

iPhone、Android端末と連動するBand 5はレム睡眠を追跡できるようになり、深い眠りと浅い眠りのサイクル評価に対応するなど、睡眠をより効果的にモニターする。心拍モニターもこれまでより50%以上正確になっているとのことだ。

最大の改良点の1つは新しい充電システムだ。Mi Smart Bandラインナップのこれまでのモデルでは、トラッカーをストラップから外さなければならず、ユーザーから不満が寄せられていた。今回投入されたマグネットを使った充電ドックは自動的にバンドの底にくっつく。フル充電すると最長14日間使用できる。

Band 4同様、Band 5も自社開発の音声アシスタントXiaoAIを搭載し、ユーザーはディスプレイを右にスワイプして起動できる。

さらにBand 5にはNFC対応のバージョンも加わった。モバイル決済サービスに使え、スマートロックを解錠したり、地下鉄などでパスカードのように使うこともできる。

Band 5は来週中国で発売され、価格は189元(約2900円)だ。NFC対応バージョンは229元(約3500円)となっている。同社は中国外マーケットでも「間もなく」展開するとしている。

Xiaomiは積極的に改良したり、新たなデバイスを導入したりしながら、引き続きウェアラブル業界を引っ張る存在であり続ける。2019年11月に同社はMi Watchという、Apple Watchに酷似した初のスマートウォッチを発売した(未訳記事)。Mi Watchの価格は185ドル(約2万円)だ。

調査会社IDCによると、Xiaomiは2020年1〜3月に1010万台のウェアラブルデバイスを出荷した。この数字はSamsung(サムスン)、Huawei(ファーウェイ)、Fitbit(フィットビット)よりも多い。この部門ではApple(アップル)が首位を維持している。

データ: IDC

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(翻訳:Mizoguchi

IoT投資会社としてのXiaomiの投資先が300社超え

安価なスマートフォンとコスパの良いガジェットで有名な中国のXiaomi(シャオミ)の5月21日の開示書類で、同社の投資先が3月末時点で300社を超え、その簿価が323億元(約4900億円)であること、第1四半期だけで投資売却益(純額)を2億2590万元(約34億円)計上したことが明らかになった。

エレクトロニクスの巨人である同社は、モノのインターネット、つまりIoTのエコシステムを構築するという野心に忠実に動いてきた。同社の投資の大部分は、提供する製品の幅を拡げることであろうと、デバイスを補完するコンテンツとサービスのライブラリを構築することであろうと、戦略的シナジー創出を目的としている。問題は、Xiaomiのハードウェアの品ぞろえが、同社が求めるタイプのサービス収入を生み出しているかどうかだ。

サービスのマネタイズ

Xiaomiの創業者である雷軍(Lei Jun)氏は2013年に、5年間でハードウェア企業100社に投資すると宣言した。狙いは、安価で競争力のあるデバイスによって広大なネットワークを築く過程で獲得した多数のユーザーに、フィンテック製品やビデオゲームなどのインターネットサービスを売り込むことだ。

そのためXiaomiは製品のマージンを非常に薄くしており、投資先やサプライヤーをがっかりさせることもある。売上のほとんどをスマートフォンやその他のハードウェアデバイスからを得ており、そのビジョンはまだ具体化されていない。ただ、第1四半期のサービス収入は売上高合計の12%にすぎないが、前年比では38.6%増加した。

今やXiaomiはあらゆる種類の日用品を販売するデパートに進化し、電子機器にとどまらず、文具、台所用品、衣料品、食品など、Mujiで見るようなものまでカバーするようになった。Xiaomiはスマートフォンなどの特定の製品は自社で製造し、その他の製品は資本提携先や単に販売契約を結ぶ第三者との利益分配モデルを介して調達している。

資本のゲーム

Xiaomiの販売網へ参加すべきか否か、多くの消費者製品メーカーが態度を決めてかねている。同社の巨大なeコマースチャネルや実店舗のネットワークを使えば世界中の何百万もの消費者にアプローチできるものの、利益の圧迫とXiaomiブランドへの過度の依存が心配だ。

そのため、Xiaomiを通じて販売する多くの企業も独自の製品ラインナップを用意している。XiaomiのMi Bandスマートウォッチを供給するナスダック上場のHuamiには、Fitbitに相当する独自のAmazfitウェアラブルがある。中国版ナスダックのSTAR Marketに上場している自動掃除機メーカーのRobotockは、XiaomiのMi Home掃除機を1年間製造した後に自社ブランドを展開し始めた。

新型コロナウイルスによる景気低迷が迫り来る中、キャッシュフローの流動性確保のためXiaomiや他の投資家に向かう製造業者がますます増える可能性がある。

またXiaomiは決算開示書類で、主要サプライヤーであるZimiの株式の27.44%を追加取得し、同社の持ち分を合計で49.91%保有することになったと発表した。この買収により、次世代モバイルブロードバンドテクノロジーとAIを活用したIoTの略語である「5G + AIoT」におけるXiaomiの競争力が高まると同社は述べている。Zimiにとってこの投資は、現在の困難な状況下で感じている財務面での圧力を多少緩和する可能性がある。

中国のIoT業界における競争は5Gネットワ​​ークの展開をめぐって激化している。5Gネットワ​​ークには幅広い種類のデバイスを接続することができる。多くの分野に手を出すAlibaba(アリババ)は今週、100億元(1500億円)を投じてAlexaのようなスマートボイスアシスタント「Genie」を立ち上げると発表した。これは、Alibabaのeコマースエクスペリエンス、オンラインエンターテイメントサービス、パートナーが提供する消費者向けハードウェアと統合される予定だ。

画像クレジット:Xiaomi via Weibo

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(翻訳:Mizoguchi