ザワットが2.5億円の資金調達、ブランド品オークション「スマオク」で越境CtoC実現へ

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「同じ戦い方をしていたら完全にレッドオーシャンの中。僕らはほかのフリマアプリとは違うニーズを見つけた」——こう語るのはスマートフォン向けのオークションサービス「スマオク」を手がけるザワットの代表取締役社長である原田大作氏だ。

ザワットは6月11日、SIG Asia Investments, LLLP、MSキャピタル、IMJインベストメントパートナーズが運用するファンド「IMJ-IP Open Innovation FundⅠ」を引受先とした第三者割当増資を実施し、総額2億5000万円を調達したことをあきらかにした。

スマオクはブランド品に特化したスマートフォン向けのオークションサービスだ。CtoCでのオークションのほかに、自ら商品を仕入れて5分限定、1円スタートのオークションなども展開している。

2013年11月にリリースしてから約1年半、「資金力がなかったのでテストマーケティング的な動きだった」(原田氏)とのことで具体的な数字は教えてもらえなかったのだけれど、メルカリやLINE MALL、Frillなどを筆頭にする、いわゆる「フリマアプリ」とは違う属性のニーズをつかんでいることが分かったのだという。

外国籍ユーザーのブランド品ニーズに活路

「フリマアプリはF1層(20〜34歳の女性)のユーザーが多いのに対して、スマオクは地方在住の30〜40代女性のユーザーが多い。また同時に、(落札の)ベトナムや中国をはじめとした外国籍のユーザーの落札件数や金額も大きい」(原田氏)

原田氏は最近リアルで開催されているBtoB向けのオークションにも参加しているそうなのだが、そこでも東南アジアの業者がブランド品を次々と落札していると説明する。「円安の影響もあるが、『checked in Japan(日本で本物かどうかチェックされている)』のブランド品ニーズは非常に高い。日本ほど(ブランド中古品の)マーケットができていて、綺麗な商品があるところはない」(原田氏)

こういった背景もあって、今後は海外、特に「日本発アジア圏」の越境CtoCのサービスを展開していくという。ザワットはカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)グループのインキュベーションプログラムにも採択されていることもあり、そのネットワークを利用するほか、海外パートナーを募ることも検討している。

現在は試験的に中国のオークション・ECサイト「タオバオ」などで商品を販売しているそうだが、今後はスマオクのプラットフォームを海外展開していく予定。半年後には海外のビジネスの比率を50%程度まで引き上げたいとしている。

ザワットのスマホ向けオークション「スマオク」が「モバオク」と連携

最近はスマートフォン向けのフリマアプリの話題が多いが、少し違うアプローチでCtoCの領域に挑戦しているのがザワットだ。同社はこれまでクラシファイドサービス「Wishscope」を提供していたが、そこでニーズの高かったファッションアイテムの売買を切り出す形で、スマートフォン向けオークションサービス「スマオク」を提供している。

スマオクは、売り手のユーザーが値付けをして出品したアイテムに対して初めての入札が入った時から24時間で落札が確定するオークションサービス。アプリのダウンロード数は10万件だそうで、先行するフリマアプリなどと比較すると1桁少ない数字だ。だが、ラグジュアリーブランドのアイテムを中心に取り扱っていることやフリマと違って値引き交渉などが発生しないこともあって、平均で出品価格より30%ほど高値で落札されているとのこと。時には10万円前後の商品も落札されるそうだ。ブランド品が中心となるので、オプションで真贋鑑定のサービスも提供している。

落札率は全体の30%程度となっており、「まだまだ商品が足りない状態」(ザワット代表の原田大作氏)とのこと。落札価格の10%が手数料となっている。7月23日には高級ブランドを取り扱うキュレーションメディア「bijoux」を立ち上げているが、こちらは将来的にメディアとオークションのサービス連携を狙っているようにも見える。

そんな同社が7月24日、ディー・エヌ・エー子会社でオークションサービス「モバオク」を展開するモバオクと提携した。今回の提携により、出品者はスマオクとモバオクの同時出品が可能になる。スマオクは前述の通りアプリダウンロード数ベースで10万人、モバオクは96万人の登録ユーザーを抱えている。相互に商品を紹介することで落札機会を増やす。なお、手数料はいずれも10%になる(通常のモバオクは手数料無料、月額300円のみかかる)。

ちなみにモバオクはスタートアップとの連携を強めているようで、直近でもチケットストリートブラケットとの連携を発表している。