「折り畳み」の次は「ローラブル」、LGとTCLが巻き取り式スマホを披露

はっきりいって、スマートフォンの売れ行きは悪い。ここ数年ずっとそうだ。現在進行中のパンデミックが助けになっていないのも確かだ。5Gと新しいフォームファクタがある種の立ち直りを引き起こすだろうという説は、人々が不必要な贅沢品の購入にブレーキをかける中で、隅に押しやられてしまった。

Samsungは折り畳み式フォームファクタで成功を収めた唯一の企業だが、そのスタートはいばらの道だった。最初は技術的な問題が多く、あまり良くない第一印象につながったのである。最近では、価格が主なハードルであり続けている。特に多くの人にとって、スマホに1000ドル(約10万4000円)以上を必要なことが、購入の赤信号に等しいこのご時世ならなおさらだ。

携帯電話のフォームファクタの世界では、少なくとも2つ製品が登場すれば、トレンドが始まったと見なされる。CES 2021の初日、LGとTCLの両社はそれぞれ、モバイルデバイスの画面の面積をさらに広げる新たなフォームファクタを披露した。

画像クレジット:TCL

2つのオプションのうち今のところLGの製品の方が注目度が高いのは、同社が実際にリリースを予定している点が大きい。米国1月12日朝に公開されたインタビューで、広報担当者のKen Hong(ケン・ホン)氏は日経の取材に対し「CES 2021で発表されているように、2021年発売されるとお伝えできます」と述べている。

確かに、LGは奇抜なフォームファクタでチャンスをつかむことを恐れない会社だ。この傾向を示す近年の例はいくつかあるが、最も顕著なものとして回転デュアルスクリーンのLG Wingが挙げられる。

それでも、この製品は記者会見でのほんの数秒間のティーザー(いってみればシーン間の移行のための演出)に過ぎなかったので、この技術はまだまだ先のことだと思っていいだろう。

一方のTCLは、製品はまだコンセプト段階にあることを前面に出しているが、その姿はもう少しよく見ることができた。未完成の現実世界の製品よりも、コンセプトを披露する方が容易なのは確かだ。詳細はまだわずかだが、同社はデバイスを6.7インチ(約17cm)から7.8インチ(約19.8cm)に広げられるという。対するLGは、画面サイズで6.8インチ(約17.2cm)から7.4インチ(約18.8cm)に広げられるとのことだ。

モバイル業界は、折り畳み式の最初のバッチで発生した問題から学んだのではないかと想像する。あるいは少なくとも、そう期待している。時に、技術を市場に投入するための競争のあまり中途半端な製品が供給され、Samsung(サムスン)やMotorola(モトローラ)のような企業はしっぺ返しを喰らう。ラボでするテストと、現実の世界は大きく違う。

カテゴリー:ハードウェア
タグ:スマートフォンLGTCLCES 2021

画像クレジット:LG

原文へ

(翻訳:Nakazato)

投稿者:

TechCrunch Japan

TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートし、スタートアップ企業の紹介やインターネットの新しいプロダクトのレビュー、そして業界の重要なニュースを扱うテクノロジーメディアとして成長してきました。現在、米国を始め、欧州、アジア地域のテクノロジー業界の話題をカバーしています。そして、米国では2010年9月に世界的なオンラインメディア企業のAOLの傘下となりその運営が続けられています。 日本では2006年6月から翻訳版となるTechCrunch Japanが産声を上げてスタートしています。その後、日本でのオリジナル記事の投稿やイベントなどを開催しています。なお、TechCrunch Japanも2011年4月1日より米国と同様に米AOLの日本法人AOLオンライン・ジャパンにより運営されています。