【現在は復旧】米国からの追放が検討される中でTikTokの「いいね」数と再生回数に異常

TikTokの「いいね」の数と再生回数が米国時間7月9日の午後、人数不明の一部ユーザーで異常を示した。該当ユーザーは自分のものもほかのユーザーのものも含めてTikTok投稿の「いいね」数が「ゼロ」になり、再生回数も「ゼロ」になった。同社は問題を認めたうえで修正中であると言ったが、問題の原因は説明しなかった。

TikTokのTwitterサポート・アカウントは、米国東部標準時午後2時43分(日本時間7月10日午前4時43分)に問題について返信して、至急修正すると語った後、午後3時35分(日本時間7月10日午前5時35分)に修正作業が進行中であることを投稿した。問題は内部で解決し、まもなく表示は正常に戻ると同社は語った。

一般にこの種のバグはさほど大きな問題にならない。そもそもオンラインアプリはときどき壊れるものだからだ。しかしTokTokの問題は、中国とのつながりが米国で非難を浴びている最中に起きた。

今週、Mike Pompeo(マイク・ポンペオ)国務長官の声明から米国が TikTokをはじめとする中国製ソーシャルメディアアプリの禁止を検討しているというニュースが浮上した。すでにインドではTikTokをはじめ58本の中国製アプリが同様の理由で禁止されている

米国時間7月9日、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)は、TikTokの親会社であるByteDanceの経営陣がTikTokの企業体制の変更を検討中であり、TokTokを中国から遠ざけ、アプリが中国当局に侵入される可能性を防ぐために本社を中国以外に置くことも視野に入れていると報じた。この種の議論がなされたのは初めてではない(CNCB記事)。

その意味で、本日の「いいね」数を巡る問題を禁止の前兆だと見るユーザーもいた。しかしそれは当たらない。何人かのユーザーが、TikTokはアルゴリズムに何らかの変更を加えたという説を唱えている。それは、いいねの数が戻ったあとも「For You」ページが、ユーザーの興味を反映していないからだという。しかし、現時点でそれを検証するのは不可能だ。

しかし米国でTikTok廃止というニュースは、TikTokコミュニティーを心配させている。このためすでに一部のユーザーは、Byte、Dubsmash、Likeeなどの米国製アプリに逃げ始めている。たとえばByteは、米国App Storeのソーシャルネットワーク部門で210位だったが、7月5日に同部門1位となり、9日にはアプリ全体のトップになった。Z世代が中心のTikTokユーザーの集団脱出のおかげだ。

【アップデート】米国東部時間午後8時49分(日本時間7月10日午前10時49分)、TikTokは問題が解決したと伝えた。

画像クレジット:TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook