いくつもの植物性食品ブランドを抱えるLIVEKINDLYが約369億円調達

植物性食品のブランドを複数抱える、テレビコマーシャルが賑やかなLIVEKINDLY Collectiveがこのほど、1030億ドル(約11兆3545億円)のファンドを抱える投資企業TPGキャピタルのグローバルインパクト投資部門から、最新の投資ラウンドで3億3500万ドル(約369億円)を調達した。

この資金調達は、投資家たちが今でも植物性食品のブランドに相当期待していることの証であり、食品企業への投資といえば、メディア上ではBeyond MeatやImpossibleなどの新人、それにQuornやKelloggsのMorningstarといった古顔の再起が目立つが、多様なブランドへの投資家たちの旺盛な食欲は衰えていない。

LIVEKINDLYは、Unilever North Americaの元社長Kees Kruythoff(キース・クルイトフ)氏や、Blue Horizonの創業者Roger Lienhard(ロジャー・リエンハルト)氏、LIVEKINDLY MediaのCEOで創業者のJodi Monelleジョディ・モネル氏といった食品業界の大物たちが創業した。またチームには、Unileverの元社員であるMick Van Ettinger(ミック・ヴァン・エッティンガー)氏や元Nestléの社員Aldo Uva(アルド・ウバ)氏ら、食品産業のベテランたちが揃っている。

LIVEKINDLY Collectiveはさまざまなベジタリアンや代替たんぱく質食品のブランドを投資の傘下に集めた企業であり、今や最大の植物性食品の企業の1つとなっている。

同社によると、今回の資金は米国内と中国における市場拡大と、植物性食品企業の今後のさらなる買収やパートナーシップ、そして投資に充てられるという。

同社は以前、S2G Venturesとオランダの大きな金融サービス企業Rabobankの投資部門であるRabo Corporate Investmentsから資金を調達している。

LIVEKINDLYの創業を支えた投資家たちは基本的に、テクノロジーはその成熟までの道のりが長いと考えている。そして同社の最新のラウンドは、LIVEKINDLYの上場前の最後の非公開投資だとも考えている。

Blue Horizonの創業者で会長、そしてLIVEKINDLY Collectiveの創業者でもあるロジャー・リエンハルト氏は次にように語っている。「私たちは植物性代替食品のグローバルな専業企業を作りつつある。それが食品の未来だと信じているからだ。わずか1年で大きな資本を調達できたが、それは弊社のミッションの緊急性と、それが表している大きな投資機会を証明している。植物をベースとするライフスタイルの勢いは、非公開と公開、両方のマーケットで成長を続けるだろう」。

今回の投資の一環として、The Rise Fundの共同マネージングパートナーのSteve Ellis(スティーブ・エリス)氏がLIVEKINDLY Collectiveの取締役会に、2021年3月1日付で加わる。

「LIVEKINDLY Collectiveとその革新的な企業群のエコシステム、そして健康で植物性でクリーンラベル 食品に対するグローバルな需要に応える世界クラスのリーダーたちと一緒に仕事ができることにワクワクしている。同社のユニークなミッションにプッシュされたモデルは、種子から食卓までのバリューチェーンの全体に浸透し、植物性代替食品の世界的な採用を推進し、より健康な惑星作りに貢献している」とエリス氏は語る。

カテゴリー:フードテック
タグ:LIVEKINDLY Collective資金調達植物由来肉

画像クレジット:LIVEKINDLY Collective under a LIVEKINDLY Collective license.

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(文:Jonathan Shieber、翻訳:Hiroshi Iwatani)

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TechCrunch Japan

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