たった5.99ドルの食事をレストランから宅配するClub Feastが約3.6億円を調達

食事宅配をより手頃な価格で提供するアプローチのスタートアップ、Club Feastは、General Catalystが主導するシードファンディングで資金350万ドル(約3億6000万円)を調達したと発表した。

同社は、Atallah Atallah(アタラ・アタラ)氏、Ghazi Atallah(ガジ・アタラ)氏、Chris Miao(クリス・ミャオ)氏によって設立された。基本的なコンセプトはいたってシンプルだ。レストランのデリバリーを一皿5.99ドル(約623円)で購入できる、つまり、他のデリバリーサービスで見つかるどの食事よりもおそらく安い(同社のサービスはそれに加え、2ドル(約208円)の配達料と、1食だけの注文の場合は1ドル(約104円)の手数料を請求している)。

以前にレストランリワード会社「Seated」を共同設立し、Club FeastのCEOを務めるアタラ・アタラ氏によると、同社はレストランと協力して、5.99ドルの価格で提供できる食事をいくつか選択しているという。一方、ユーザーは週ごとの食事プランにサインアップし、少なくとも24時間前に注文する。そうすれば、レストラン側は料理の購入量を正確に把握できるので、先回りして計画を立て、効率的かつ経済的な方法で料理を作ることができるというわけだ。

「当社は彼ら(レストラン)と協力して、ユーザーに合った価格で食事を作ることができるようにしています」とアタラ氏は述べている。さらに、Club Feast とそのパートナーは、すべての注文を事前に行うことで、オンデマンド配送を最適化するための高度なアルゴリズムを構築することなく、最適なルートを計画することができるとアタラ氏は指摘している。「最高のソリューションが最もシンプルなものであることもあります」。

Club Feast CEOのアタラ・アタラ氏 Image Credits: Club Feast

もちろんそのためには、より多くのプランニングと、ユーザーからの前もってのコミットメントが必要になる。しかしアタラ氏は、ミールクレジットは週単位で購入することができるが、いつでも一時停止や使用が可能であることを指摘している。また、アタラ氏はClub Feastをオンデマンド・フードデリバリーの直接の競合相手とは考えていないことを示唆した。その代わりに、急な注文や特別な日にはDoorDashやUber Eatsを使い続け、通常の食事にはClub Feastをより手頃な価格で利用することを提案している。

「当社の価格帯では、平均的なユーザーは月に8回注文しています」と彼はいう。「(変わらぬサイズの同じ市場を争うのではなく)パイ(全体)をもっと大きくするのはどうでしょう?」

アタラ氏は、Club Feastは、サイドメニューやデザートを追加することで、プラットフォーム上での食事の選択肢を多様化していると付け加えた。そして、いずれはもう少し豪華な食事のためにより高い価格を導入する可能性もあるが、彼は、「それが5.99ドルのコンセプトに影響を与えないようにしたい」と語っている。

同社は現在、サンフランシスコとサンマテオで配達を行っており、The Halal Guys、Kasa Indian Eatery、HRD、Kitavaなどのレストランと提携している。今回の新たな資金調達により、ベイエリア全域とニューヨーク市への拡大を計画しているという。

General CatalystのマネージングディレクターであるNiko Bonatsos(ニコ・ボナトソス)氏は声明の中で次のように述べた。「パンデミックにより、フードデリバリー業界の著しいギャップががむき出しになりました。レストランと消費者の両方にとって、より手頃な価格で食事を提供できるようにするというClub Feastのミッションを支援できて光栄に思います」。

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カテゴリー:フードテック
タグ:フードデリバリー 資金調達

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TechCrunch Japan

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