アクアフュージョンが魚1匹1匹を識別する高性能魚群探知機「AquaMagic」をバージョンアップ

アクアフュージョンが魚1匹1匹を識別する高性能魚群探知機「AquaMagic」をバージョンアップ

AquaFusion(アクアフュージョン)は12月9日、魚1匹1匹を識別する高性能魚群探知機(水中可視化装置)「AquaMagic」のバージョンアップを発表した。また、関連製品の資源解析ソフト「MagicView」も新製品として調査・研究機関向けにリリースし、12月13日から販売を開始すると明らかにした。

AquaMagicは、従来の魚群探知機の100倍の分解能を有し、わずか5cmの魚を単体で識別できる海洋音響機器。今回のバージョンアップでは、密測定機能と魚体長測定機能を追加した。

密度測定機能では、深度毎の魚の密度(1㎥ごとの魚の尾数)をグラフ表示可能で、どの深さに魚がどれだけいるかを正確に把握できる。また魚体長測定機能では、機器で捉えた1匹1匹の魚のサイズをグラフ化し、魚のサイズごとに色分けして表示する。

密度計測機能

密度計測機能

魚体長計測機能

魚体長計測機能

これら機能によりAquaMagicは、漁業・フィッシング用の魚群探知機として、また資源調査用の計量魚群探知機としても利用できるとしている。シングルビーム方式で高性能な計測ができるため、従来の広帯域やスプリット式の計量魚群探知機と比べコストパフォーマンスが高い事が特徴という。

また今回、資源調査に対応した解析ソフトMagicViewも同時にリリース。MagicViewは、AquaMagicで得られたデータから魚だけを検出し、尾数や魚体長などの評価、資源マップの作成など、資源評価に必要なデータを簡単に作成できる。

解析ソフトMagicView画面イメージ

解析ソフトMagicView画面イメージ

2017年1月設立のAquaFusionは、Sustainable Oceanの実現を目指し、漁業者の負担軽減と水産資源の持続的な維持に取り組むスタートアップ企業。従来の魚群探知機と比べ100倍以上の分解能を有した独自の超音波技術FINE(First INterval Echosounding) Technologyをベースに、魚群探知機の開発・販売だけに留まらず、定置網観測、養殖生簀観測、深海調査、海洋調査(マイクロプラスチック計測)など、広く水中を可視化する機器を研究開発している。

アクアフュージョンが魚1匹1匹を識別する高性能魚群探知機「AquaMagic」をバージョンアップ

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カテゴリー:ハードウェア
タグ:AquaFusionAquaMagic漁業日本(国・地域)

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