アジアの旅行予約プラットフォームのKKDayがステイケーションに注目して約79億円を調達

世界中でロックダウンが発令され、旅行業界が新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックから受けている影響は特に厳しい。しかしアジアでは、海外旅行ではなく国内での活動(ステイケーション)に的を絞ってこの状況に対応しているスタートアップがいくつかある。台北に拠点を置くKKdayもそのひとつだ。米国時間9月29日、同社は7500万ドル(約79億2000万円)のシリーズCの完了を発表した。このラウンドを主導したのはクールジャパン機構と台湾のNational Development Fund(行政院国家発展基金)で、以前に投資していたMonk’s Hill VenturesとMindWorks Capitalも参加した。

2014年に創業したKKDayは今回の新たな資金を、2020年3月に日本と台湾で試験運用を始めた予約管理プラットフォームのRezioに役立てる。

Rezioは旅行会社とアクティビティ事業者、特にこれまで主にオフラインで営業していた業者のために作られている。このRezioを利用すると、さまざまな決済ゲートウェイと連携する予約用ウェブサイトをユーザーがセットアップして運営コストを削減し、さまざまなチャネルからの予約を追跡して空き状況を管理することができる。後者の空き状況の管理は、多くのスポットで定員が制限されているため、感染が収束しないうちは特に重要だ。

KKDayによれば、Rezioはこれまでに15万社以上の顧客にサービスを提供しており、今後はシリーズCの資金で日本と台湾以外のアジアのマーケットに進出する計画だ。同社のプラットフォームのユーザーは現在500万人を超え、これまでに92カ国、3万件以上のツアーやアクティビティが掲載された。

2020年5月にKKDayは、日本や台湾、香港では国内旅行の需要があると考え始めた。これはステイケーションを予約する需要が増え、アジアでの感染拡大初期に旅行業界が受けたダメージからの回復を助けるというKlookの見方と共通している。

発表の中でクールジャパン機構マネージングディレクターの佐野一士氏は同機構がKKDayに投資した理由について「KKDayの強い実行力と革新的なマインドセットが、逆風の中でも日本の旅行業界を牽引すると考えている」ためと述べている。

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タグ:KKday Rezio 台湾 資金調達

画像クレジット:KKDay

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(翻訳:Kaori Koyama)

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TechCrunch Japan

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