アップルが最新iPadにマイクの物理切断機能を追加

Apple(アップル)は最新のiPadに、ハードウェア的にマイクを切断するセキュリティ機能を導入した。

マイク接続のハードウェア切断機能は、ハッカーがマルウェアや悪意のあるアプリを使ってデバイスの周囲を盗聴することを、より難しくするのが目的だ。

この機能はアップルのセキュリティチップ 「T2」 により、2014年に初めてMacに導入された。このセキュリティチップにより、ユーザーがMacBookのディスプレイを閉じると、確実にマイクがデバイスから物理的に切り離される。そのためマルウェアがルートレベルのデバイス権限を持っていたとしても、近くの会話を盗聴されることを防げる。

アップルはサポートガイドで、同社の最新iPadにも同様の機能が存在することを認めた。「Made for iPad」の認定を受けたケースが取り付けられ、その蓋が閉じられている場合、マイクが物理的に切断される。

つまりこれは、アップルのデバイスにおけるマルウェアの存在を実質的に認めているということだ。まれではあるが、ここ数年でMacやiOSデバイスを標的とした攻撃が相次いで確認されており、同社は拡大するハッカーによる攻撃に対抗するため、バグ発見の報奨金を増額した。2019年にアップルは、中国がウイグル自治区で迫害を受けている少数民族のイスラム教徒が持つiPhoneに侵入するために利用していた多くの脆弱性を修正した。

またアップルは、iOSまたはiPadOSのバージョン13.4で動作するすべてのアプリを「data vault」でサンドボックス化し、アプリが許可なくデータにアクセスすることを防止すると述べた。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

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TechCrunch Japan

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