アップルはインド国内初のデペロッパーセンターを開設する計画について発表(米国時間5月17日)し、インドの重要度を上げている。その新しい「iOS App Design and Development Accelerator」はバンガロール(ベンガルールという名前でも知られている)に位置することになる。2017年早くに開設予定だ。
そのセンターはインド国内でアプリを開発するデペロッパー向けの支援を提供するためのものだ。センターは「デペロッパーをインスパイアし、ベスト・プラクティス(最善の実践方法)を教えます。デペロッパーがスキルを磨けるように支援したり、彼らが開発しているiOSプラットフォームのアプリのデザイン、クオリティー、パフォーマンスを変革できるように支援します」とアップルは言う。
アップルは自社で選抜したiOSアプリのデペロッパーと綿密に取り組んでいる。しかし、センターはインドのデペロッパーコミュニティー内のより多くのデベロッパーにリーチするために設計された。最高のアプリのエコシステムを築くことは、アップルがスマートフォン市場の消費者に対してアピールする1つの方法なのだ。
「インドは世界で最も活気があり起業家精神あふれるiOSデベロップメント・コミュニティー拠点の1つです。バンガロールに新しい施設をオープンすることで、デベロッパーは世界中にいる消費者向けの革新的なアプリ開発を支援するツールが利用できるようになります」と声明においてアップルCEOのティム・クック氏は伝える。
米国の会社は近年インドに注目し続けてきた。その理由はインドのスマートフォン市場が顕著な成長の可能性を示していること、そして売上における中国への依存をいくらか相殺するためだ。
けれども、アップルの市場シェアは依然として小さい。 最近のレポートによると、平均的な価格より高いアップルのデバイスを買う購買力を持った消費者が多く住む都市部におけるアップルの市場シェアは約5.8%とのことだ。Kantarのデータでは中国におけるスマートフォン売上の約22%をアップルが占めていて、それに比べるとインドの数字は遠く及ばない。
アップルの中国での成功は問題も引き起こしている。アップルが政府からの圧力を受けていることは多くの人に認知されているだろう。中国政府は海外のテクノロジー企業を締め付けていて、アップルが中国のUberのライバルであるDidi Chuxingに10億ドルを投資した背景には、その圧力を緩和したいという考えがあったのかもしれない。また、中国のスマートフォン市場の減速が、アップルの前期純利益のへの失望を招いた主な原因といえる。インドにおけるスマートフォンの市場とスマートフォンの売上シェアを伸ばすことがアップルの主な目的といえる。そして、この新しいデペロッパーセンターはその戦略に適したものである。
[原文へ]
(翻訳:Morimoto Shinya)