アプリ調査の「App Ape」を提供するFULLER、2.3億円の資金調達で世界進出へ

FULLERは2月27日、既存株主のM8 CAPITAL FUNDに加え、Global Catalyst Partners Japan、朝日新聞社、インフォテリア、オプト、コロプラ、日本交通およびnanapi代表取締役の古川健介氏ら個人投資家複数名を引受先とする総額2億3000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

FULLERは、筑波大学の卒業生(さらに言うと、高専出身者が多い)を中心にして2011年11月に設立。現在は千葉県・柏の葉にあるオープンイノベーションラボ「KOIL」に拠点を置く。不要なアプリを停止したり、アンインストールしてスマートフォンのバッテリー管理をすると同時に「おじさん」のキャラクターを育成する「ぼく、スマホ」や、Androidアプリ視聴率調査サービス「App Ape」を提供してきた。

2014年11月に公開したAndroidアプリの市場・競合調査サービス 「App Ape Analytics」が好調で、開始2カ月で無料会員数2000件を突破。通信キャリアやアプリ開発者、広告代理店などを中心に有料会員も拡大しており、「現在20〜30社程度が有料会員。間もなく単月での黒字化も達成する」(FULLER代表取締役社長の渋谷修太氏)という。

FULLERでは今回の増資をもとに人員体制を強化。App Apeの機能拡充やカスタマーサポートの強化、さらにはサービスの世界展開を進める。またこれと並行して新サービスも開発するという。今回、ベンチャーキャピタルに加えて事業会社や個人投資家からも資金を調達しているが、これについて渋谷氏は「ITという共通点はあるが、BtoBや交通といったさまざまな分野の知識を持っている人たち出資してもらっている。また30代前半で比較的年齢の近い株主から50代のキャピタリストまでいる」と、その多様性をアピールする。ちなみにFULLERでは、2013年に日本交通とコラボアプリ「タクシーおじさん料金検索!」も提供している。そういった交流が今回の調達に結びついているようだ。

新事業に関しては、世界で利用されるスマートフォンアプリのほか、「IoT関連を検討している」とのこと。冒頭でふれたとおり、FULLERには高専出身者も多く、これまでにもハードウェア関連のプロダクトを試験的に制作している。3年前には「Kinectで動くミニ四駆」なんかを制作してイベントで展示するといったこともしていた。


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TechCrunch Japan

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