Amazon(アマゾン)とGoogle(グーグル)は、AlexaとGoogleアシスタントで動くそれぞれのスマートスピーカーデバイスの確たる活用法を見つけ出した。レシピだ。
2社は今週、ユーザーが音声アシスタントで案内されながらハンズフリーで料理できるようにする新たなプロダクト機能を発表した。アマゾンはこの新機能を今週提供し始めた。BuzzFeedのレシピサイトTastyとの提携のもと、音声とビデオによるステップバイステップのインストラクションをAlexaユーザー提供する。一方、Googleは起業家でシェフのAyesha Curry(アイシャ・カレー)氏と組み、彼女のレシピをGoogleアシスタントで提供する。
カレー氏のレシピもまた、Googleアシスタントで動くNest Hub Maxのようなスマートディスプレイで、料理方法がステップバイステップで案内される。
TastyのレシピはEchoデバイスで利用できるが、Echo Showデバイスではクッキングビデオも閲覧できる。
この新機能で興味深いのは、サードパーティの専用スキルの代わりに両社ともコンテンツのパートナーシップを結んでいることだ。実際、カレー氏は彼女の新しいレシピ(ブラウンバターアップルを使った鋳鉄鍋でつくるブレッドプディング)をGoogleアシスタントユーザーのために提供している。
音声アプリの成長は過去数年めざましく、Amazonはこの秋、スキルの数が10万を超えたと発表した。しかしレポートによると、この勢いは減速しているようだ。デベロッパーの熱狂がなくなりつつあるからかもしれない。
音声アプリの難点は、音声コマンドという手段だけでは見つけるのが難しいことだ。そして正常に立ち上げるには定められたシンタックスを使う必要がある。もちろんユーザーは素晴らしい天気アプリやゲームを見つけるだろう。しかし、もしその名称を記憶できなかったら、次回同じものにたどり着かないかもしれない。別の難点は、初期の音声アプリの多くがデベロッパーによって作られていて、一部のデベロッパーはユーザー体験デザインの知識に欠けているために、結果としてなんとも使いづらいものになっていることだ。
最後に、スマートスピーカーやスマートディスプレイの所有者が定期的に音声アプリを使っているかどうかわからない点も挙げられる。AmazonとGoogleはスキルの数をユーザーにアピールする傾向があるが、それらを使っている人の数は表に出てこない。
提携によるコンテンツの統合では、こうした問題を回避できる。
コンテンツの統合は物事を単純化し、AmazonとGoogleを元のようにユーザーエクスペリエンスのコントロールに専念させることになる。それでいて、ユーザーがサードパーティーのアプリを立ち上げることなくして欲しいものを手にすることができるようにする。
レシピはまた、極めてわかりやすい。材料のリストや調理法など、いくつかのパーツだけで構成されている。それらを利用するためのコマンドはシンプルで、「アレクサ」または「ヘイ、グーグル」と話しかけてから「〇〇からのレシピを見せて」と言うだけ。いたってシンプルだ。
レシピの展開は、「アレクサ、材料」「アレクサ、次のステップ」「アレクサ、レシピを開始」といった基本的なコマンドのおかげで、他の音声アプリより簡単だ。
スマートスピーカーはまた、「ヘイ、グーグル、1カップはテーブルスプーンいくつぶん?」「ヘイ、グーグル、ブラウンバターの作り方を見せて」といった料理に関する一般的な質問に答えることができる。
Tastyと提携する前、Amazonはガイド付きの料理機能を立ち上げてデバイスの売上を伸ばそうと、レシピの模索に着手した。この機能はEcho ShowとEcho Spotのユーザーが、スキルをインストールすることなしに料理するとき、Allrecipes、Epicurious、Food52、TheKitchn、そしてSideChefからステップバイステップの指南を受けられるというものだ。
加えて、Alexaはつい最近、Discoveryの新しい購読サービスであるFood Network Kitchenのための音声プラットフォームをデビューさせた。レシピやビデオだけでなく、ライブによる料理長との料理クラスも提供する。
Googleにとっても、アイシャ・カレー氏との提携が初めてではない。これまでにBon Appetite、The New York Times、Food Network、その他のレシピをGoogle Homeで提供してきた。今年、スマートディスプレイ向けに「Picks for You」機能を立ち上げ、ユーザーへのレシピの提案がパーソナライズされる、と発表した。
AmazonとGoogleのレシピ機能はいずれも現在利用できる。
使うには「ヘイ、グーグル、アイシャ・カレーのレシピを見せて」と言ったり、Alexaに材料や料理名、それから「アレクサ、Tastyでチキンを使ったレシピを見つけて」などと状況に基づいてTastyのレシピをお願いするだけでいい。
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(翻訳:Mizoguchi)