Instagramは、10代のユーザーが潜在的に有害なコンテンツを見続けるのをやめるよう「誘導」することや、休みを取るよう促す仕組みを導入すると約束しました。
Facebook(Instagramの親会社)のグローバル担当副社長で元英国の副首相ニック・クレッグ(Nick Clegg)氏は、米CNNやReutersの取材に対して、10代のユーザーを保護するためにさらなる努力をすると表明し、2つの施策を説明しました。おりしもFacebookと関連サービスに障害が発生して長時間にわたりユーザーに不便をもたらし、批判が高まっている最中のことです。
新たな施策の1つは、10代のユーザーが同じコンテンツを何度も見ていて、それが彼らの幸福に繋がらないとシステムが判断した場合、他のコンテンツを見るように促すというもの。それ以上の具体的な内容には言及されていませんが、必要であれば規制も含めて、Facebookのアルゴリズムに「責任を持たせるべきだ」とも述べています。
またクレッグ氏は「take a break」(休みを取れ)と呼ばれる機能を導入し、10代の若者らにInstagramの利用をただ単に休むように促す予定だとも付け加えています。
これら2つがいつ導入されるかのスケジュールは明らかにされていないものの、ここ最近Instagramが未成年者保護に取組む動きを見せていたことは事実です。今年8月にも年齢未登録のユーザーは利用停止として、サバ読みや詐称はAIで検出する方針を発表しています。
Facebook社は以前、子ども向けのサービス「Instagram Kids」の計画を進めてきましたが、人権団体や低年齢のSNS利用はいじめなどを助長することを懸念する方面からの批判が相次ぎ、一時的に中止に追い込まれています。
またThe Wall Street Journalは、Instagramが若年層、特に10代女子のメンタルヘルスに悪影響を及ぼすことが明らかになったというFacebookの社内文書を報道。たとえばInstagramにより3人に1人が体型コンプレックスを悪化させたり、不安やうつ病を増やしていたとの調査結果がリークされていました。
FacebookやInstagramが今後も成長を続けるためには、若い10代ユーザーの確保が欠かせないはず。次々と若い世代向けの保護策を打ち出すことで風当たりが弱まるのか、今後の展開を見守りたいところです。
(Source:Reuters、CNN。Engadget日本版より転載)