インターネットの上に監視のない層を作ろうとするサンフランシスコのOrchid Labsが巨額の資金調達を行い、SECに提出された報告文書によれば、この1歳のスタートアップはこのたび、3610万ドルのラウンドを完了した。同社はこれよりわずか5か月前に、Yes VCなどの投資家と、Caterina FakeやJyri Engeströmなどのシリアル・アントレプレナーから450万ドルを調達したばかりだ。
同社のサイトによれば、初期の支援者にはAndreessen Horowitz, DFJ, MetaStable, Compound, Box Group, Blockchain Capital, Sequoia Capitalなどがいる。
同社が宣言しているOrchidの目標は、世界中の人びとに匿名化されたインターネットアクセスを提供することだ。その典型的な想定ユーザーとしては、政府が国民の閲覧やショッピング行為を監視している国の個人が挙げられる。
その目標にはまた、ユーザーのデータを私物化して売っているような多くの企業からユーザーを隔離することも含まれるようだ。そんな企業の著名な例としては、FacebookやAT&Tのようなウォールド・ガーデン(高い塀のある庭)が挙げられる。〔Facebookが…売ってる、は象徴的な意味合いか〕
データの悪用に関しては、Cambridge Analyticaのスキャンダルのような事件が氷山の一角にすぎない今の世界では、このプロジェクトの投資家にとっての魅力も容易に理解できる。上記SEC文書によると、同社は3610万ドルをSAFTで調達している。それは、暗号通貨の開発者たちが認定投資家たちに与える投資契約だ。〔SAFT参考記事〕
当文書によると、これまで42名の個人が参加している。しかしながらその目標額は$125,595,882〔約1億2560万ドル〕であり、今ブロックチェーンは急速にその人気が過熱している(今週初めのBasisの例を見よ)から、今でなくてももうじき、同社にはもっと多くのお金が流れこむだろう。それもまた、この文書上のすごいターゲットだ。
今本誌は、同社に詳しい情報を求めている。読者は、このホワイトペーパーを勉強してもよろしい。
Orchidの5名のファウンダーは、その経歴がおもしろい:
Stephen BellはTrilogy Venturesで7年間マネージングディレクターを務め、その後中国に機会を探し、2015年にアメリカに帰国した。
Steve Waterhouseは長年、デジタル通貨専門のPantera Capitalの投資家だった。
Gustav Simonssonは、元Ethereum Foundationのデベロッパーだ。
Jay Freemanは、ソフトウェアエンジニア。
Brian Foxは1995年に世界で初めての対話的オンラインバンキングソフトウェアをWells Fargoのために作った、とクレジットされており、また伝説のプログラマーRichard StallmanのFree Software Foundationの最初の職員でもあった。
金額、ミッション、そしてファウンダーたちの顔ぶれからして、これは大物のようだ。今後に注目しよう。