インドネシアの貯蓄・投資アプリのPluangがプレシリーズBで約21.8億円の資金を調達

インドネシアを拠点とするフィンテック企業のPluang(プルアン)は、Openspace Ventures(オープンスペース・ベンチャーズ)が主導するプレシリーズBラウンドで2000万ドル(約21億8000万円)を調達したことを発表した。このラウンドには、Go Ventures(ゴー・ベンチャーズ)をはじめとするリターン投資家も参加している。Pluangは、ユーザーが50セント(約54円)から拠出できる独自の貯蓄・投資商品を提供している。

Gojek(ゴジェック)の投資部門であるGo Venturesは、2019年3月に300万ドル(約3億2600万円)でクローズしたPluangのシリーズAラウンドにも参加した。PluangはGojek、Dana(ダナ)、Bukalapak(ブカラパック)などの「スーパーアプリ」との提携を通じて利用でき、現在100万人以上のユーザーがいるとされている。

同社はサードパーティの金融サービスプロバイダーと連携するのではなく、金や米国の株価指数、仮想通貨の投資口座などの金融商品を独自に作成しているため、取引顧客1人当たり2ドル(約217円)という低い顧客獲得コストを維持できているという。

左からPluangのエンジニアリング責任者のAditya Jha(アディツア・ジャー)氏、共同設立者のクラウディア・コロナス氏とRichard Chua(リチャード・チュア)氏(画像クレジット:Pluang)

Pluangが今回のラウンドで調達した資金は、国債などより多くの資産クラスをカバーする独自の金融商品の開発に使用される。

「以前は、これらの資産クラスはインドネシアの富裕層しか利用できませんでした」と、Pluangの創業者であるClaudia Kolonas(クラウディア・コロナス)氏は、声明の中で述べている。「しかし、私たちは誰もが貯蓄を増やす機会を持つべきだと考えており、新しい商品にはそれが反映されることになります」。

Pluangは、Ajaib(アジャイブ)、Bibit(ビビット)、FUNDtastic(ファンドタスティック)など、最近資金調達を行ったインドネシアの金融アプリの1つだ。いずれの企業も、高額な手数料がかかる伝統的な証券会社に代わるものを提供することで、投資をより多くの人が利用しやすいものにすることを目指している。

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インドネシアでは、個人投資家は人口のごく一部に過ぎないが、その数は特に18歳から30歳の間で増加している。その背景には、新型コロナウイルス感染流行時に資金計画への関心が高まったことや、株のインフルエンサーの台頭など、さまざまな要因が重なっている。

Openspace Venturesの設立パートナーであるShane Chesson(シェーン・チェッソン)氏は、声明の中で次のように述べている。「Pluangは、業界をリードするユニットエコノミクスで、この12カ月間における驚異的な成長を示しました。インドネシア人全員が貯蓄を増やせるようにするという同社の野望を持続的に加速させるために、引き続きチームをサポートできることをうれしく思います」。

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カテゴリー:フィンテック
タグ:Pluang資金調達インドネシア投資

画像クレジット:Fajrul Islam / Getty Images

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(文:Catherine Shu、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

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TechCrunch Japan

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