インドJioMartが商品をWhatsAppで注文するシステムをテスト中

インドで最も価値評価の高い企業が運営するeコマースベンチャーであるJioMart(ジオマート)は、WhatsApp(ワッツアップ)上で「注文システム」をテストしている。Facebook(フェイスブック)とインド通信大手のReliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)のコラボレーションの初の試みだ。

ムンバイ郊外のNavi Mumbai(ナビムンバイ)、Thane(ターネー)、Kalyan(カリヤーン)の3地域のユーザーは、食料品の買い物にJioMartのWhatsAppビジネスアカウントを使用できるようになった。

+91-8850008000に「Hi」とテキスト送信すると注文を開始できる。ブラウザでミニストアが開き、練り歯磨き、スナック菓子、紅茶、コーヒー、米、食用油などの食料品が選べる。

注文が確定するとJioMartが自動的に近隣店舗を指定し、WhatsAppで請求書を送る。今のところ電子決済はできない。

1200以上の店舗がパイロットプログラムに参加している。JioMartの広報担当者はコメントを避けた。

インド最大の小売チェーンであるReliance Retail(リライアンスリテール)と、3億8500万人以上の加入者を持つインド最大の通信ネットワークであるReliance Jio Platform(リライアンスジオプラットフォーム)との合弁会社であるJioMartは、「スタッフの衛生と安全」「公正な価格」「24時間体制の物流倉庫」「店舗への毎日の配送」をうたっている。

このテストにより、WhatsAppのインドにおける圧倒的なリーチをReliance Jio Platformsがどのように活用したいかがわかる。Facebook傘下のWhatsAppはインドで4億人以上のユーザーを抱える

Facebookは先週、Reliance Jio Platformsに57億ドル(約6100億円)を出資し、9.9%の持ち分を取得したと発表した。Reliance Jio PlatformsはReliance Retailと同様、インドで最も価値評価の高い企業であるReliance Industriesの子会社だ。

Facebookのインド事業を担当する副社長のAjit Mohan(アジト・モーハン)氏はTechCrunchのインタビューに対し、両社の協力方法は模索中だが、両社のコラボレーションによりユーザーがWhatsAppで近くの店舗を見つけたり、店舗のオペレーターと話したり、あるいは注文できるようになるかもしれないと語った。

「ショップをブラウズして、ショップのオーナーと話すことができる。最終的には、こうした取り組みの結果としてWhatsAppで注文できるようにしたい。ただし、支払いにWhatsAppを使用することをユーザーに義務付けることはないかもしれない」とモーハン氏は説明した。

WhatsAppはインドで2年前に決済サービスのテストを始めた。WhatsAppは、インドで「Pay」を全国に展開するための政府承認をまだ取り付けていない。今年初めのインドのメディアの報道によると、WhatsAppはインドにおけるPayのリーチを複数のフェーズに分けて拡大し始めたとのことだ。モーハン氏は先週、インドのWhatsAppユーザーのうち100万人のみがモバイル決済サービスへのアクセスを有すると語った。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

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TechCrunch Japan

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