2015年、TechCrunchは電子機器の見本市であるCESで発表されたのち、数々の賞を受賞した小型で革新的なポータブル大気質モニター「Atmotube(アトモチューブ)」を紹介した。
Vera Kozyr(ヴェラ・コザー)氏が共同で設立したATMOは、企業向けの室内空気環境モニタリングシステム「Atmocube(アトモキューブ)」を発表した。Atmocubeは、オフィス内の空気環境が極めて重要となるポストCOVID時代に向けられており、小型で持ち運びができる以前の製品(この製品もまだ販売されてはいる)と異なり、目立つことでオフィスワーカーに良い空気環境であると安心感が与えられるようにもなっている。
その鍵となるのが、さまざまな指標とともに「Atmocube」の画面に表示される二酸化炭素レベルの測定値だ。
このデバイスには最大14個のセンサーが搭載されており、CO2、ホルムアルデヒド、PM1(空気中の小さな粒子)、PM2.5、オゾンなどの各種環境パラメータや相対湿度、温度、気圧、環境騒音、光量、色温度などを測定する。
ATMOによると、この新デバイスは、粒子状物質、湿度、CO2のレベルに基づいて、ウイルスの空気感染スコアを計算し、閉ざされた空間でウイルス疾患が感染する確率を推定する「スコア」を導き出すという。もちろん、これを検証するには独立したテストが必要だが、WHOが新型コロナウイルスは換気の悪い、あるいは混雑した室内環境で感染する可能性があると勧告しているのは事実だ。
「大気汚染は、気づかないうちに自分自身や健康に影響を及ぼすので危険です。私たちは、人々が自分の吸い込んでいるものを知り、その結果として変化を起こす助けになることを目指しています。企業がオフィスに戻る際には、室内の空気環境に関する情報を透明化し、従業員がその情報にアクセスできるようにするツールが必要です。多くの空気環境モニターは隠されることを前提に設計されています。そこで私たちは暖房、換気、および空調のパフォーマンス(HVAC)の安全性を強調する、より透明性の高いインターフェースを備えたデバイスを作り、オフィスにいる人々とビルのオーナーの間に信頼関係を築くことを目指しました」とコザー氏はいう。
この分野には、AirThings、Awair Omni、Kaiterraなどが参入しており、ATMOだけが唯一のプレイヤーではない。
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画像クレジット:Atmocube
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(文:Mike Butcher、翻訳:Yuta Kaminishi)