カナダのコーヒーとドーナツのチェーンTim Hortons(ティムホートンズ)は中国事業向けに新たな資金を調達した。この投資ラウンドはSequoia Chinaがリードし、中国におけるTim HortonsのデジタルパートナーであるTencentとEastern Bell Capitalが参加した。Tim Hortonsは2年前にブームを迎えていた中国のコーヒー産業に進出した。
Tim Hortonsは最新の調達額を明らかにしなかったが、ソーシャルメディアへの投稿で資金はさらなる店舗展開、デジタルインフラの構築、ブランドプレゼンスなどに使うとした。
中国のソーシャルメディアエンターテイメント大企業Tencentは2020年5月に創業57年のTim Hortonsに初めて出資した。当時、両社のタイアップは Tencentの最大のライバルであるAlibabaへの対抗措置だとみられていた。Alibabaは米国のコーヒー大手Starbucksが中国で事業を展開し、デジタル化を進めるのをサポートするために提携していた。
Tim HortonsのWeChat親会社とのコラボレーションは同じようなものだ。同社はこれまでのところ、インスタントメッセンジャーの中で動く軽量アプリの一種であるWeChatミニプログラムを通じて会員300万人を集めている。中国の若い消費者にアピールするために、Tim Hortonsは中国最大のゲーム会社であるTencentとeスポーツがテーマのカフェを開いた。
中国で事業を展開して2年が経つTim Hortonsは主要10都市150店舗を開き、店頭レベルでは黒字になっていると話す。2021年はさらに200店舗超を追加し、今後5年で中国で1500店舗を展開する計画だ。
コーヒーデリバリースタートアップのLuckinのドラマティックな躍進と凋落は中国のコーヒーマーケットの見通しを前面に押し出した。Luckinや他のコーヒー会社をめぐる投資の熱狂にもかかわらず、米国やドイツのような国に比べると中国ではコーヒーを飲む習慣はあまり浸透していない。一方で、中国のコーヒー消費量は世界平均2%を優に上回る15%という割合で急増していて、Dongxing Securitiesの2020年レポートによると、2025年には1兆人民元(約16億円)のマーケットに達すると予想されている。
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画像クレジット:Tim Hortons via Weibo
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(文:Rita Liao、翻訳:Nariko Mizoguchi)