来週、先の大統領選でかなりの人気を獲得したBernie Sanders上院議員が、政府の“企業優遇策”を利用して社員に低賃金を払っている大企業を規制する法案を提出する。この上院議員にとくに激しく叩かれているのが、AmazonとWalmartだ。そしてその議論は、最近の数日間でますます過熱してきた。
昨日(米国時間8/28)の本誌TechCrunchに載ったSanders上院議員のAmazon批判に対して今朝(米国時間8/29)は、AmazonがSandersを批判して、Amazonの倉庫の状態に対する彼の批判は“正しくないし人びとの誤解を招く”、と反論した。するとこのバーモント州出身の上院議員は、Amazonのフルフィルメントセンターの賃金は“不条理だ”、と反撃した。
彼は言う: “Amazonでは何千人もの社員が、賃金があまりにも少ないので、フードスタンプ(食料切符)とメディケイド(低所得者障害者向け医療費扶助)とパブリックハウジング(低所得者用公共住宅)に依存せざるをえない。The New Food Economyによるとその比率は、アリゾナでは3人に1人、ペンシルベニアとオハイオでは2400名だ。結論としては: わが国の納税者は、1550億ドルを保有しているBezos氏が所有する企業の社員を補助すべきではない。それは、不条理だ”。
昨日のインタビューでSandersは本誌TechCrunchに、同社が社員に関する情報をくれない、と述べた。すると同社は、上院議員は倉庫のツアーへの招待にまだ応じていない、と言い返した。
Sandersは曰く: “フルフィルメントセンターを訪ねる件に関しては、先月はウィスコンシンへ行って、ケノーシャのフルフィルメントセンターの訪問をリクエストした。残念ながらAmazonは、それに応じなかった。9月にはバージニア州チェスターのフルフィルメントセンターを訪ねて、詳細をAmazonと詰めたいと思っている。安全でない労働環境については、海軍の復員兵Seth Kingなど、労働者からの聴き取りもしている。少なくとも一人は、倉庫で死んだらしい”。
もちろん、Amazonのフルフィルメントセンターの状況を問題として取り上げたのは、Sandersが初めてではない。何年も前から、現在や過去の社員たちからの話が、あちこちに登場している。Sandersの批判の標的であるJeff Bezosは、最近の取材に対して、“わが社の労働環境にはとても満足しているし、わが社が払っている賃金にもきわめて満足している”、と答えている。